「営業リストを買ってテレアポをするのは違法ではないか」

この心配をされる方は少なくありません。結論から言うと、法人向けの営業電話そのものが一律に禁止されているわけではありません。ただし、いくつか条件があります。

この記事では、実務で押さえておくべき線を整理します。なお、個別の事案については弁護士等の専門家にご確認ください。ここでは一般的な考え方を扱います。

気にすべきは3つ

心配の中身を分けると、だいたい次の3つに整理できます。

  1. リストの出どころは問題ないか
  2. 個人情報を扱っていないか
  3. かけ方に問題はないか

順に見ていきます。

1. リストの出どころ

いちばん見落とされやすいところです。

そのリストは、どこから来たものですか。

公的機関が公開しているデータ(国税庁の法人番号公表サイトなど)から作ったものなら、出どころははっきりしています。一方、購入した名簿の場合、販売元がどうやって集めたかまで確認できているでしょうか。

出どころが説明できないデータは、自社が使ってよいものなのか判断できません。名簿を買うときは、件数や価格より先にここを聞いてください。

前の勤務先から持ち出したリストを使う、というのも避けるべきです。営業秘密の持ち出しにあたる可能性があります。

2. 個人情報かどうか

ここで多くの人が混乱します。

会社の代表電話や会社名は、原則として個人情報ではありません。 法人そのものは個人情報保護法の保護対象ではないからです。

ただし、次のものは扱いが変わります。

情報 扱い
会社名・所在地・代表電話 法人の情報
代表者の氏名 個人情報にあたり得る
担当者の氏名・直通番号・個人アドレス 個人情報
個人事業主の屋号・連絡先 個人情報にあたり得る

代表者名や担当者名が入ったリストを第三者から受け取ったり、第三者に渡したりする場合は、個人情報保護法上の手続きが関係してきます。取得の経緯を確認する義務や、提供の記録を残す義務が生じることがあります。

自社で使うだけなら問題ないケースが多いのですが、外注先(営業代行など)に渡す場合は、委託にあたるのか提供にあたるのかで扱いが変わります。ここは事前に確認しておいたほうが安全です。

3. かけ方

再勧誘の問題

一度断られた相手に、また電話をかける。 これがいちばん危ないところです。

特定商取引法では、訪問販売や電話勧誘販売について、断られた相手への再勧誘が禁止されています。この規制は主に消費者向けの取引を対象としていますが、取引の内容によっては法人向けでも対象になり得ます。

そして法的にどうかという以前に、断られた相手にまたかけるのは、単純に評判を落とします。担当者が変わっていたとしても、会社としては「また来た」です。

やることは単純です。

  • 断られたら、その場で記録する
  • 次のリストから外す
  • 記録は個人のメモではなく、共有できる場所に置く

この仕組みを最初から作っておいてください。 人が増えてから作ろうとすると、それまでの記録が失われます。

時間帯

早朝や深夜の電話は、内容と関係なく心証を悪くします。相手の営業時間内にかけるのが基本です。

名乗り

会社名と担当者名を最初に名乗る。当たり前のようですが、名乗らない営業電話は今でもあります。名乗らないこと自体が不信感の元です。

「営業電話お断り」と言われたら

Webサイトに「営業のご連絡はお断りします」と書いてある会社があります。フォームの近くに明記されていることもあります。

法的な拘束力の議論はさておき、書いてあるところにかけるのは、得がありません。相手は最初から聞く気がないので、時間の無駄です。

社内で決めておくべきこと

法律の話より先に、実務としてこれを決めておいてください。

  • リストの出どころを説明できるか
  • 代表者名・担当者名を含むリストの扱いを決めてあるか
  • 外注先に渡す場合の手続きを確認したか
  • 断られた相手を記録する場所があるか
  • 次のリストから外す手順があるか
  • かける時間帯を決めてあるか
  • 「送らないでほしい」という連絡を受ける窓口があるか

最後の窓口は、意外と抜けます。 営業をかけていれば、いずれ「もう連絡しないでほしい」という連絡は来ます。受けたのに翌月また電話する、というのが一番まずい形です。

会計事務所として言っておきたいこと

営業GO!を運営しているのは会計事務所です。日ごろ中小企業の相談を受けている立場から言うと、営業のやり方で信用を落とすのは、いちばんもったいないと感じます。

新規開拓は必要です。ただ、断られた相手に何度もかける、名乗らない、関係のない相手に大量に当てる——こうしたやり方は、短期の件数と引き換えに、会社の名前を消耗させます。

送る相手を絞ること自体が、いちばん確かなリスク対策です。関係のある相手に、名乗って、断る手段を添えて当てる。これができていれば、法律の心配をする場面はかなり減ります。

まとめ

法人向けのテレアポは、一律に違法ではありません。押さえるべきは次の3つです。

  1. リストの出どころを説明できること
  2. 代表者名など個人情報にあたり得るものの扱いを決めておくこと
  3. 断られた相手を記録して、次から外すこと

個別の事案については、弁護士等の専門家にご確認ください。


営業GO!について

営業GO!は2027年1月の提供開始を予定しているサービスです。国税庁の法人番号公表データを土台にした全国532万件の法人データベースで、どの項目をどこから取ったかを記録しているため、提供開始後は、使うデータの出どころを説明できます。

提供開始後は、地域・業種・法人格などの条件で絞り込んだリストから、そのままテレアポ・手紙DM・フォーム営業を依頼できるようになります。運営は会計事務所(あさひ国際会計株式会社・法人番号 6010501044373)です。

いまは先行登録を受け付けています。

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