官公庁と取引がある企業の探し方
官公庁の調達実績や特許・補助金の受給歴といった公的シグナルを使い、与信の目安になる企業を絞り込む方法を解説します。
営業先を選ぶとき、「この会社は信用できる相手だろうか」と迷う場面は少なくありません。決算書を見せてもらえるほどの関係がまだない相手であれば、なおさらです。そこで手がかりの一つになるのが、官公庁との取引実績です。
官公庁と物品・サービスの契約を結ぶには、国が定める資格審査を通過する必要があります。この記事では、官公庁調達の実績がある企業がどれくらい存在するのか、そしてそれを営業リストにどう活かすかを整理します。
なぜ「官公庁と取引がある」が営業のヒントになるのか
官公庁との契約には、価格だけでなく企業の実在性や経営状況、納期遵守能力などを確認する審査プロセスが伴います。したがって、調達実績がある企業には次のような傾向が期待できます。
- 入札参加資格の審査を通っている=一定の与信の目安になる
- 官公庁向けの実績があるということは、同種の提案書作成や契約手続きに慣れている
- 継続的な取引には報告・検収などの事務対応力が求められるため、組織としての体制がある程度整っている可能性がある
ただし、これらはあくまで「傾向」であり、調達実績がある企業がすべて優良企業だと断定できるわけではありません。この点は後述します。
全省庁統一資格とは
国の機関との契約に参加するための代表的な仕組みが「全省庁統一資格」です。物品の製造・販売、役務の提供、コンサルティングなど、契約したい分野ごとに区分があり、企業は資格審査を経て等級(A・B・C・Dなど、契約規模の目安)を取得します。一つの省庁で資格を取得すれば、原則として他の省庁の入札にも参加できる点が特徴です。
自治体単位の入札参加資格は別制度になっているため、「全省庁統一資格を持つ=すべての官公庁と取引がある」わけではない点には注意が必要です。あくまで国の機関向けの入り口の一つと捉えてください。
官公庁調達の実績がある企業はどれくらいあるのか
営業GO!のデータベース(法人番号ベースで5,321,656社を収録)では、gBizINFOなど公開されている情報を法人番号で突合し、官公庁調達の実績がある法人を39,870社確認しています。母数全体からすると1%に満たない割合であり、決して多くはありません。だからこそ、絞り込みの軸として機能します。
あわせて、特許等を保有する法人が137,743社、補助金の受給歴がある法人が163,447社あります。これらも公的な審査や、それに準じたプロセスを経ている点で、調達実績と近い性質を持つシグナルです。技術力や事業計画の実現性を外部の視点で確認する材料として、調達実績と組み合わせて見る使い方が有効です。
「調達実績がある=優良企業」ではない
ここは誤解しやすい点なので明確にしておきます。調達実績や特許・補助金の情報は、あくまで公表されている過去の事実であり、現在の経営状態や支払い能力を保証するものではありません。実績があった年度からすでに数年が経過している企業も含まれますし、業績が悪化していても過去の実績自体は消えません。
営業リストとしてこれらのシグナルを使う場合は、「アプローチする優先順位を決める材料」として扱い、実際の商談では別途、直近の状況を確認することをおすすめします。
こうした企業をどう探すか
官公庁調達の実績や特許・補助金の受給歴といった情報を一件ずつ公的サイトで確認していくのは、対象企業が多くなるほど現実的ではありません。
営業GO!では、こうした公的シグナルを都道府県・業種・従業員規模などの条件と組み合わせて絞り込める形で提供しています。データベースは国税庁の法人番号公表データを土台に毎日更新しており、官公庁調達実績や特許・補助金の情報はgBizINFOなど公開されている情報を法人番号で突合して反映しています。
なお、電話番号やWebサイトなど連絡先の保有率は業種によって差があります(全体では電話番号13.1%、Webサイト14.3%)。官公庁調達実績のある企業に絞り込んだ場合の保有率は別途変動するため、リストを作る際は「実績があるか」だけでなく「連絡先が取得できるか」もあわせて確認すると、営業リストとして無駄の少ないものになります。