従業員5人未満が6割 中小企業の割合を実数で見る
全国532万社の従業員規模データから、5人未満が6割を占める実態と、50人以上に絞ると残り2.1%になる計算過程を解説します。
「中小企業が多い」とはよく言われますが、実際にどれくらいの割合なのかを正確な数字で見たことがある方は少ないのではないでしょうか。営業GO!のデータベースに登録されている全国5,321,656社の従業員規模を集計すると、営業リストを作るうえで無視できない事実が見えてきます。
従業員5人未満が全体の6割を占める
従業員規模の分布は以下の通りです。
| 従業員規模 | 法人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 1〜5人未満 | 3,213,585社 | 60.4% |
| 5〜10人未満 | 572,490社 | 10.8% |
| 10〜20人未満 | 234,150社 | 4.4% |
| 20〜30人未満 | 84,769社 | 1.6% |
| 30〜50人未満 | 72,409社 | 1.4% |
| 50〜100人未満 | 54,855社 | 1.0% |
| 100〜300人未満 | 39,428社 | 0.7% |
| 300〜500人未満 | 7,653社 | 0.1% |
| 500〜1千人未満 | 5,367社 | 0.1% |
| 1千〜2千人未満 | 2,214社 | 0.04% |
| 2千〜5千人未満 | 1,184社 | 0.02% |
| 1万人以上 | 165社 | 0.003% |
最も目を引くのは、従業員1〜5人未満が3,213,585社で、全体(5,321,656社)の60.4%を占めているという点です。さらに10人未満まで広げると、3,786,075社(全体の71.1%)に達します。つまり、日本の法人の7割以上が「従業員10人未満の小規模事業者」ということになります。
一般に「中小企業が多い」というイメージはありますが、実際にはその中でもごく小規模な事業者が圧倒的多数を占めている、というのが実数から見える姿です。
従業員50人以上に絞ると、残るのはわずか2.1%
営業リストや提案先を検討する際、「ある程度の規模がある企業に絞りたい」というニーズはよくあります。そこで、従業員50人以上の法人がどれだけ存在するかを、上表の該当区分を合計して計算してみます。
50〜100人未満 54,855社 + 100〜300人未満 39,428社 + 300〜500人未満 7,653社 + 500〜1千人未満 5,367社 + 1千〜2千人未満 2,214社 + 2千〜5千人未満 1,184社 + 1万人以上 165社
これらを合計すると 110,866社 です。全体5,321,656社に対する構成比は 2.1% にとどまります。
言い換えると、「従業員50人以上」という条件を1つ付けるだけで、対象は全体の98%近くが除外され、残るのはわずか100社に2社程度という水準まで絞り込まれるということです。逆に「従業員規模を絞らずに」リストを作ると、母数のほとんどが従業員数人〜十数人規模の企業で埋まってしまう、ということでもあります。営業対象の商材が中堅・大企業向けである場合、規模条件を最初にかけておかないと、架電や送付の大半が的外れな規模の企業に向かってしまう可能性がある、という実務上の注意点です。
閾値をもう少し細かく刻んで見ると、規模条件をどこに置くかで残る件数がどれだけ変わるかがより具体的にわかります。
| 絞り込み条件 | 該当法人数 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 10人以上 | 502,194社 | 9.4% |
| 20人以上 | 268,044社 | 5.0% |
| 30人以上 | 183,275社 | 3.4% |
| 50人以上 | 110,866社 | 2.1% |
「10人以上」に条件を広げるだけでも該当は50万社規模まで増えますが、それでも全体の1割に届きません。逆に言えば、多くの企業がターゲットとする「一定の規模がある法人」というのは、日本の法人全体からすればもともと少数派である、ということです。
従業員規模が「不明」の法人も2割近くある
ここまでの区分別法人数を単純に合計すると、4,288,269社になります。全体5,321,656社との差、1,033,387社(全体の19.4%)は、従業員規模の区分自体が登録されていない法人です。営業リストの母数を考える際は、この「規模不明」の存在も踏まえておく必要があります。
また、区分(レンジ)ではなく従業員数の実数を保有している法人は2,476,637社で、全体の46.5%です。つまり残りの半分強は、たとえ規模区分がわかっていても「〇〇人〜〇〇人未満」というレンジ情報にとどまり、正確な人数までは把握できない、ということになります。従業員数を条件にリストを絞り込む場合、実数ベースでの厳密な閾値設定ができるのは全体の半分弱の企業に限られる点は、あらかじめ知っておくと精度の見積もりがしやすくなります。
営業リスト作成での使い方
規模で絞り込むこと自体は、母数を現実的な件数に落とし込むうえで有効です。ただし、企業規模と連絡先の保有率は別の話である点にも触れておきます。営業GO!全体での連絡先保有率は、住所・郵便番号100%、Webサイト14.3%、電話番号13.1%、代表者名9.9%、メールアドレス4.4%となっており、規模を問わず電話番号やメールアドレスは相対的に保有率が低いのが実情です。規模条件で対象を絞り込んだあとも、連絡先の有無で実際にアプローチできる件数はさらに絞られる、という前提で計画を立てることをおすすめします。
まとめ
- 日本の法人の60.4%は従業員5人未満、71.1%は10人未満
- 従業員50人以上に絞ると全体のわずか2.1%(110,866社)しか残らない
- 従業員規模が未登録の法人も19.4%(1,033,387社)存在する
- 従業員数の実数を保有しているのは全体の46.5%で、残りはレンジ情報にとどまる
営業GO!では、こうした従業員規模やその他の条件(都道府県・業種・法人格など)を組み合わせて法人リストを絞り込み、CSVとして出力できます。国税庁の法人番号公表データやgBizINFOなど公的なオープンデータを毎日反映しているため、独自にクローリングした情報ではなく、公開情報を整理・統合した形で確認いただけます。まずはどの程度の件数が残るか、条件を変えながら試していただくことをおすすめします。