赤字企業は公開財務データから検索できる

赤字企業の検索には、法人の財務情報を掲載するgBizINFOや、建設業者の経営状況を確認できる経営事項審査のデータを利用できます。
ただし、検索結果に赤字という条件が含まれていても、倒産の可能性や信用力の低下まで読み取れるわけではありません。
営業リストへ利用するときは、財務条件、対象となる時点、法人番号、所在地などを分けて確認します。

赤字企業を検索する目的が「危険な会社を見つけること」なら、公開財務データだけでは判断材料が足りません。一方、営業候補を一定の財務条件で抽出したい場合には、赤字を検索条件のひとつとして扱えます。

この違いは小さく見えて、実務では大きな差になります。

たとえば、経営改善、資金繰り、コスト削減、業務効率化などに関係するサービスを扱っている場合、財務状態を営業リストの条件に加えたい場面があります。その際に行うのは将来予測ではなく、公開されている財務情報の範囲で候補企業を絞る作業です。

財務情報の確認元として使えるのが、法人の基本情報と財務を掲載するgBizINFOです。建設業者を対象とする場合は、経営事項審査結果の公表から経営状況を確認する方法もあります。

一方、商号、所在地、法人番号の確認には、国税庁 法人番号公表サイトを利用できます。ここで確認できるのは法人の基本的な識別情報です。赤字かどうかを示す財務情報とは役割が異なります。

つまり、ひとつのデータだけで検索から営業開始までを完結させるのではなく、財務条件を確認するデータと、企業を識別するデータを組み合わせます。この組み合わせが、赤字企業の検索結果を営業リストとして扱うための出発点です。

赤字を営業条件として扱う前に知っておきたいこと

赤字という表示を見たとき、倒産や信用不安を連想する人は少なくありません。しかし、公開データから確認できるのは、掲載された財務情報とその状態です。その会社の将来まで示しているわけではありません。

営業リストでは、評価ではなく条件として扱います。

「赤字だから取引を避ける」「赤字だから資金繰りに困っている」と決めるのではなく、「公開財務情報上で赤字に該当する法人を抽出する」と考えると、データの役割が明確になります。

赤字であることと営業ニーズは分けて考える

赤字企業を抽出できても、自社サービスへの需要があるとは限りません。

財務条件は、候補企業を狭める材料です。その後に地域、業種、規模、Webサイトの内容などを重ね、営業対象として合うかを見ます。赤字だけで営業理由を作ると、相手の状況を決めつけた訴求になりやすいためです。

たとえば「赤字でお困りだと思い、ご連絡しました」と書けば、公開情報の解釈をそのまま相手へ押しつけることになります。代わりに、自社サービスが対象業種のどの業務を支援できるのかを示したほうが、営業文面の根拠を説明しやすくなります。

赤字は抽出条件。営業理由は別に作る。

この線引きをすると、公開財務データを使いながらも、相手を一方的に評価する営業を避けられます。

財務情報が見つからない企業もある

法人番号が公開されている法人であっても、同じ範囲の財務情報を確認できるとは限りません。法人基本情報の掲載と、財務項目の掲載は別の話だからです。

検索結果に財務情報がない場合、それだけで黒字とは判断できません。単に対象となる財務情報を確認できない状態も考えられます。

リスト上では「黒字」と「財務情報なし」を同じ欄に入れないほうが扱いやすくなります。赤字に該当した法人、該当しなかった法人、判定に使える情報がない法人を区別しておけば、後から対象条件を見直す際にも混乱しません。

検索結果が少ないとき、条件を緩める前に見るべきなのもこの部分です。財務情報が存在しない企業を検索対象から外しているのか、それとも業種や地域の条件が狭いのかで、修正する場所が変わります。

情報の時点をそろえて読む

gBizINFOと経営事項審査の情報は定期的に更新されます。国税庁の法人番号データは毎日更新されますが、財務情報と法人基本情報が同じ時点を表しているとは限りません。

所在地は新しく、財務情報はそれより前の状態という組み合わせも起こり得ます。

そのため、営業リストには取得元だけでなく、どの情報を根拠に抽出したかが分かる項目を残します。後から検索条件を検証するときに、赤字という判定がどのデータに由来したのかを追えるためです。

データの更新頻度が異なる以上、すべてを同じ時点の会社像として読むのは避けます。現在の商号や所在地を確かめる作業と、公開財務条件を確認する作業を分けると、誤解が減ります。

赤字企業の検索から営業リスト化までの手順

赤字企業を検索して営業リストへ変える作業は、財務条件を入力するだけでは終わりません。抽出、法人の識別、現況の確認、営業対象の選別という流れで進めます。

順番を崩すと、同じ会社が重複したり、移転前の所在地へ手紙を送ったりする原因になります。

財務情報から候補を抽出する

最初に、gBizINFOや経営事項審査の財務情報から、赤字に該当する候補を探します。

幅広い業種を対象とする場合はgBizINFO、建設業者の経営状況を条件にする場合は経営事項審査というように、対象企業に合わせて情報源を選びます。両方に掲載されている法人があっても、名称だけで同一企業と判断せず、法人番号を確認します。

この段階では営業先を決定しません。候補の抽出です。

財務条件に加えて地域や業種まで狭くしすぎると、どの条件が検索結果を減らしたのか分かりにくくなります。まず財務条件で候補を作り、その後に営業対象として必要な条件を重ねると、除外理由を追いやすくなります。

法人番号を軸に企業を識別する

次に、候補企業の法人番号、商号、所在地を国税庁の法人番号公表サイトと照合します。

会社名だけで名寄せすると、表記の違いを別会社として扱うことがあります。反対に、似た名称の法人を同じ会社としてまとめてしまうこともあります。株式会社の位置、空白、記号などの違いを機械的に削っただけでは、同一法人かどうかを決められません。

そこで、法人番号を識別の軸にします。

財務データ側にある会社名と営業リスト側の会社名が異なる場合も、法人番号が一致していれば同じ法人として更新できます。ただし、元データの表記を消してしまうと照合経路が分からなくなるため、取得時の商号と現在確認できる商号を分けて持つ設計が扱いやすくなります。

名寄せの具体的な進め方は、営業リストの重複を削除する手順|法人番号と企業名で安全に名寄せする方法でも解説しています。

所在地と法人の状態を確認する

法人番号で識別できたら、所在地の変更や閉鎖が反映されているかを確認します。

財務情報を取得した時点から所在地が変わっていると、古い住所がリストに残ることがあります。手紙DMを予定している場合は、財務条件が合っていても、送付先が古ければ営業に使えません。

閉鎖情報の扱いも同様です。

検索時点で該当した法人を、そのまま固定リストとして保存し続けると、後から閉鎖や移転が公表されても気づけません。営業を実施する前に、法人番号を使って最新の基本情報と照合する運用が必要です。

更新作業を一度きりにせず、営業実施のタイミングへ組み込む方法は、営業リスト更新の実務ガイド|新設・移転・閉鎖を反映する運用手順で整理しています。

営業対象として条件を重ねる

法人の識別と現況確認が終わったら、地域、業種、規模などの営業条件を重ねます。

赤字という条件だけでは、営業担当者が「なぜこの会社へ連絡するのか」を説明できません。自社の対応地域に入っているか、対象業種と一致しているか、提供するサービスと企業の事業内容が合うかを見ます。

狙う相手が明確な場合は、必要な条件を先に定義してから抽出すると作業がぶれません。対象が曖昧な場合は、赤字企業をまとめて集める前に、どの業種のどの課題へ提案するのかを整理したほうが、営業文面までつながります。

ひとりや小規模なチームでは、件数を増やすほど確認作業も増えます。最初から広く集めるより、営業理由を説明できる範囲で条件を重ねるほうが、リストを使い切りやすくなります。

営業リスト実務で詰まりやすいデータ整備

公開財務データから赤字企業を抽出できても、それだけでは電話、手紙、フォーム営業に使える状態とは限りません。実務では、抽出後のデータ整備に時間がかかります。

特に詰まりやすいのが、名寄せ、閉鎖・移転の反映、担当者名の欠落、業種コードの粒度、データの鮮度です。

名寄せは会社名より法人番号を優先する

同じ法人が複数のデータに掲載されている場合、表記が完全には一致しないことがあります。

会社名だけを見て統合すると、表記違いを重複として残したり、別法人を誤って統合したりします。財務情報、法人基本情報、自社で集めたWebサイト情報を結合するときは、法人番号を軸にします。

ただし、法人番号が入っていない自社データもあります。その場合は、商号と所在地などを照合し、法人番号を補った後に統合します。推測した番号をそのまま採用せず、国税庁の法人番号公表サイトで対応関係を確認します。

重複削除は件数を減らす作業ではありません。同じ法人へ重ねて営業するのを避け、どの情報が新しいかを判断できる状態にする作業です。

閉鎖・移転は営業直前にも確認する

赤字企業の検索結果を保存した日と、営業を実施する日は同じとは限りません。その間に所在地の変更や閉鎖が公表されることがあります。

財務条件は合っていても、現在の営業先として使えなければ除外や更新が必要です。

手紙DMでは所在地の鮮度がそのまま送付可否に関わります。テレアポやフォーム営業でも、法人の公式Webサイトが変わっていないか、営業対象として現在も確認できるかを見ます。

変更履歴を上書きだけで処理すると、古い情報がどこから入ったのか追えません。取得元、取得時の値、現在採用している値を区別できる形にすると、誤送付や重複調査を減らせます。

担当者名がない状態を前提に設計する

公開財務情報は、営業担当者を探すための名簿ではありません。赤字という財務条件を確認できても、連絡したい部署や担当者名まで同じデータでそろうとは限りません。

ここで推測を混ぜると、リストの信頼性が下がります。

担当者名が確認できない場合は空欄として管理し、企業のWebサイトなど別の情報源から確認できた情報と分けます。部署名しか分からない状態と、担当者名まで確認できた状態も同じにしません。

手紙の宛名や電話の取次先を考えるときは、この欠落が作業量に直結します。抽出件数を見るだけでなく、実際に営業できる状態まで整える工程を見込んでおく必要があります。

業種コードの粒度を営業目的に合わせる

公的データの業種区分と、自社が営業で使いたい分類が同じ粒度とは限りません。

同じ業種コードに入る企業でも、提供する商品、顧客、商流が異なることがあります。業種コードだけで対象を決めると、営業文面が合わない企業まで混ざる可能性があります。

反対に、細かく分けすぎると候補を落とします。

業種コードは最初の絞り込みに使い、その後に企業のWebサイトや事業内容を確認する流れが現実的です。自社独自の営業分類を付ける場合も、元の業種コードを消さずに残します。後から条件を見直すとき、どの分類で抽出したかを追えるからです。

データの鮮度を項目ごとに見る

「最新データ」というひとつの表示だけでは、営業リストの鮮度を説明できません。

商号と所在地は毎日更新される法人番号データを参照していても、財務情報は定期更新、Webサイトや連絡先は随時収集という組み合わせがあります。それぞれ更新の間隔が異なります。

そのため、リスト全体へ同じ更新日を付けるだけでは不十分です。

財務条件の確認元、法人基本情報の確認元、連絡先の確認元を分けておけば、どの項目を再確認すべきか判断できます。古い可能性がある項目だけを更新できるため、毎回すべてを調べ直す必要もありません。

データの鮮度は「リストを作った日」ではなく、「各項目をどの情報源から確認したか」で管理します。

営業GO!で予定している赤字企業の絞り込み

営業GO!は、地域、業種、規模などの条件から企業を絞り込み、結果をリストとして保存したり、CSVでダウンロードしたりできるサービスとして、2027年1月の提供開始を予定しています。

2026年8月時点では提供前で、先行登録を受け付けています。

収録件数は約532万件です。国税庁の法人番号データと突合し、新設、移転、閉鎖を毎日自動更新する予定です。企業数は更新によって変わるため、細かな実数ではなく約532万件を目安としています。

赤字・債務超過による絞り込みには、gBizINFOと経営事項審査を情報源として利用する予定です。赤字を倒産予測に置き換える機能ではありません。公開財務情報に基づく抽出条件として使います。

絞り込んだ後は、同じ画面から手紙DM、テレアポ、フォーム営業を発注できる予定です。手紙DMでは代筆、封入、郵送、テレアポでは架電までを代行する想定です。

自分で営業を進める場合は、CSVへ出力した後に、自社の顧客管理や営業手順へ合わせて確認できます。抽出後の営業作業も任せたい場合は、検索条件から営業手段の発注までを同じ流れで進める使い方が考えられます。

ただし、営業手段を選ぶ際は、抽出条件とは別の確認が必要です。フォーム営業では送信先サイトの利用規約を確認し、電話や手紙を含め、対象、文面、連絡方法が適切かを営業実施前に判断します。

赤字という情報を営業文面へ直接書く必要もありません。候補を探す条件として使い、相手へ伝える内容は、自社が提供できる支援と対象企業の事業内容を基準に組み立てます。

営業GO!のサービス情報と先行登録は、営業GO!公式サイトで確認できます。

申し込んだ後、最初にやること

営業GO!は2026年8月時点では提供前です。申し込み後の詳しい手続きは、提供開始時の公式サイトで確認してください。

連絡手段については、電話かメールか、いつ案内が届くかを確認します。連絡方法が分かれば、見落としを避けるために確認する場所を決められます。

次に、最初に聞かれる内容を見ます。

自社の対象地域、狙いたい業種、企業規模、赤字以外に重ねたい条件、希望する営業手段を整理しておくと、検索条件を説明しやすくなります。狙う相手がまだ曖昧なら、業種や地域を広げる前に、自社が提案できる課題から考えます。

手元に用意する書類についても、申し込み後の流れとあわせて公式サイトで確認します。公開されていない書類や手続きを推測して準備する必要はありません。

自社でリストを使うのか、営業作業まで任せるのかも先に決めておきます。CSVを使って自社で進める場合と、手紙DM、テレアポ、フォーム営業を発注する場合では、準備する営業文面や確認項目が変わるためです。

よくある質問

赤字企業を無料で検索できますか?

gBizINFOでは法人の基本情報や財務を確認できます。建設業者の経営状況は経営事項審査の公表情報から確認できます。

ただし、企業ごとに情報を確認する作業と、営業リストとして名寄せや更新を行う作業は別です。検索できることと、そのまま営業に使えることを分けて考えてください。

赤字企業の一覧は倒産しそうな会社の一覧ですか?

違います。

公開財務情報上の赤字は、指定した財務条件に該当することを示します。倒産の予測や信用力の評価まで示すものではありません。営業リストでも、企業を評価するラベルではなく、候補を抽出する条件として扱います。

法人番号公表サイトだけで赤字企業を探せますか?

国税庁の法人番号公表サイトから確認できるのは、商号、所在地、法人番号です。赤字企業を抽出するには、gBizINFOや経営事項審査など、財務や経営状況を確認できる別の情報源と組み合わせます。

法人番号公表サイトは、抽出後の企業を識別し、商号や所在地を照合するために使います。

財務情報がない会社は黒字ですか?

財務情報が見つからないことだけで、黒字とは判断できません。

リスト上では、赤字に該当しない企業と、判定に使える財務情報を確認できない企業を分けます。情報がない状態を黒字として処理すると、後から条件を見直したときに判定根拠を追えなくなります。

赤字企業だけを対象に営業してもよいですか?

赤字を候補抽出の条件にすることはできます。ただし、赤字であることだけでは、自社サービスへの需要や相手の課題までは分かりません。

地域、業種、規模、事業内容などを重ね、なぜその会社へ提案するのかを別に組み立てます。営業文面でも、公開財務情報から相手の事情を決めつけず、自社が支援できる業務を具体的に伝えます。

検索結果をそのまま営業リストにできますか?

財務条件による検索結果だけでは、営業に必要な状態まで整っていないことがあります。

法人番号による名寄せ、現在の商号と所在地、閉鎖・移転の反映、担当者名の欠落、業種コードの粒度、各項目の鮮度を確認します。手紙DMを使う場合は所在地、電話やフォームを使う場合は連絡先とWebサイトの現況も見ます。

営業GO!は現在利用できますか?

営業GO!は2027年1月の提供開始を予定しています。2026年8月時点では提供前で、先行登録を受け付けています。

提供予定の内容や先行登録については、公式サイトで確認できます。

まとめ

赤字企業は、gBizINFOや経営事項審査に掲載される財務情報から検索できます。ただし、検索結果は倒産予測や信用評価ではありません。公開財務条件に該当する企業を抽出した結果として扱います。

営業リストへ利用するときは、法人番号で企業を識別し、国税庁の法人番号公表サイトから商号と所在地を照合します。その後、閉鎖・移転の反映、担当者名の欠落、業種コードの粒度、データの鮮度を確認します。

赤字は入口にすぎません。

地域、業種、規模、事業内容を重ね、自社が提案できる相手まで絞ることで、検索結果が営業に使えるリストへ変わります。財務情報がない企業を黒字として扱わないこと、取得元と更新の違いを残すことも、後から条件を検証するために欠かせません。

営業GO!では、約532万件の企業データを対象に、赤字・債務超過を含む条件で企業を絞り込める機能を提供する予定です。2027年1月の提供開始を予定しており、2026年8月時点では先行登録を受け付けています。

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