判断する人を確かめ、説明の順番を変える

話が進んでいても、その先で誰が判断するかを確かめていないことがあります。相手に確かめた内容をもとに、先に伝えることを決めます。

  • 判断する人を確かめる 肩書きで決めつけず、誰がどこまで判断するかを確かめます。
  • 説明の順番を書き分ける 確かめた相手に合わせて、社長には事業への影響を、現場には日々の作業の変化を先に伝えます。
  • 説明メモを完成させる 説明の順番、相手に渡す材料、管理表に残す項目をメモにまとめます。

判断する人に説明が届かず、話が止まる

前向きな返事があっても、その場で決められるとは限りません。判断する人に必要な説明が届かず、話が止まることがあります。

  • 関心と判断の範囲を分ける 担当者は、提案に賛成していても導入を決められない場合があります。関心の有無と判断の範囲を分けて考えます。
  • 説明の偏りを点検する 日々の使いやすさだけを説明すると、相手は事業への影響や費用を判断できない場合があります。
  • 提案前に判断者を聞く 誰が判断するかを確かめ、社内で説明するときに必要な材料を用意します。

説明が途中で止まる場合

  1. 担当者と話が進む
  2. 社内で別の人が判断する
  3. 必要な説明が届かず、話が止まる
編集部作成の例。提案が止まる理由は、判断者への説明不足だけではありません。

判断する人は、肩書きで決めつけない

同じ肩書きでも、任されている役割は会社によって違います。会社の規模から推測せず、提案する商材の金額や影響する業務の範囲を伝えたうえで、相手に確かめます。

  • 肩書きだけで決めない 役職名から判断の権限までは分かりません。誰が何を決めるかを、連絡した相手に確かめます。
  • 規模と商材を踏まえる 同じ会社でも、購入額や関係する部署によって判断する人が変わる場合があります。
  • 確かめた範囲で伝える 聞けていない役割は未確認として扱います。推測を前提に説明を書きません。

肩書きによる決めつけを見直す

決めつけの例実際に起きること
社長なら決める導入の判断を別の役職に任せている場合がある。
部長なら決める判断できる金額や対象業務が限られる場合がある。
現場は決めない日々使う商材の選定や購入を任されている場合がある。
小規模なら社長会社の規模だけでは、商材ごとの判断者を特定できない。
編集部作成の例。表の内容を個別の会社に当てはめず、相手に確かめます。

公開情報は、判断者を確かめる準備に使う

公式サイトで、役員名や部署名、採用情報、組織図を確認できることがあります。ただし、その商材を誰が判断するかまでは分からない場合があります。

  • 掲載された事実を読む 名前や部署、募集している職種など、実際に掲載されている情報を確認します。
  • 権限まで読み取らない 部署名や仕事内容が分かっても、購入の判断を任されているとは限りません。
  • 確認事項を書き出す 連絡する部署や相手の候補を整理する材料に使い、誰が判断するかについて確かめたいことをメモします。

掲載情報から分かる範囲を分ける

情報分かること分からないこと
役員名掲載された氏名と役職が分かる。この商材の導入を判断するかは分からない。
部署名部署の名称や紹介された業務が分かる。購入を判断できる範囲は、記載がなければ分からない。
採用情報募集職種や記載された仕事内容が分かる。導入予定や社内の困りごとは断定できない。
組織図掲載時点の組織の構成が分かる。この提案を承認する手順は、記載がなければ分からない。
編集部作成の例。掲載内容と更新時点を確認し、記載のない事情は推測しません。

初回の連絡で、誰が判断するかを確かめる

提案する内容を短く伝えたうえで、誰が判断するかを率直に聞きます。今の相手が判断できる範囲と、その先に確認が必要な人を分けて確かめます。

  • 判断する人を聞く 「このサービスの導入は、どなたがご判断なさいますか」と聞きます。肩書きだけで答えを予想しません。
  • 判断の範囲を聞く 「ご担当で決められることと、別の方の確認が必要なことを教えていただけますか」と聞きます。
  • 答えを無理に求めない 答えてもらえない内容は未確認として残します。名前や社内の手順を繰り返し聞きません。

判断する役割を確かめる

聞き方聞く場面避けること
どなたが判断しますか提案する内容を伝えた後に聞く。社長が決めると前置きしない。
どこまで判断しますか今の相手が判断できる範囲を確かめる。すべて決められると扱わない。
他に確認は必要ですか別の方による確認が必要かを聞く。答えにくそうなら聞き続けない。
編集部作成の例。表の聞き方は要点を短く示したものです。

社長には、事業への影響と提供範囲を先に伝える

社長が判断に関わると確かめたら、事業にどんな変化があるかから説明します。提供する範囲と導入する側に残る作業も、早い段階で伝えます。

  • 事業への影響を伝える どの業務を変え、その変化が事業の運営にどう関わるかを説明します。確かめていない効果は約束しません。
  • 引き受ける範囲を示す 自社が引き受ける作業と、導入する側で行う準備や運用を分けて伝えます。
  • 費用の条件は別に示す 費用が発生する条件や追加費用の有無は、効果の説明と分けて示します。画面の操作などの細かな説明は後にします。

事業と役割の説明を先に置く

先に伝えること後で伝えること
事業への影響を示す個々の機能の詳しい使い方を説明する。
提供する範囲を示す作業ごとの詳しい実施手順を説明する。
相手の作業を示す準備する資料の形式や提出手順を説明する。
費用の条件を示す選択できる追加機能の詳細を説明する。
編集部作成の例。実際の関心や質問に応じて、説明の順番を調整します。

現場には、日々の作業の変化を先に伝える

現場で使う人には、今の作業がどう変わるかから説明します。利用前の準備や、困ったときの問い合わせ先も具体的に伝えます。

  • 作業の変化を示す 今の手順を確認し、減る作業・増える作業・変わらない作業を説明します。負担が減ると決めつけません。
  • 必要な準備を伝える 利用前に必要な情報や設定、導入する側で行う作業を伝えます。
  • 相談できる範囲を示す 困ったときの問い合わせ先と、対応する範囲を伝えます。事業全体への影響は、相手が確認したい場合に説明します。

使うときの説明を先に置く

先に伝えること後で伝えること
作業の変化を示す事業全体への影響を短く説明する。
必要な準備を示す利用開始までの詳しい手順を説明する。
問い合わせ先を示す問い合わせの手順や対応条件を説明する。
対応する範囲を示す追加の支援が必要な場合の条件を説明する。
編集部作成の例。現在の作業を確認してから、導入後との違いを説明します。

同じ商品でも、相手に合わせて説明の順番を変える

受注情報を共有するサービスを例に、説明の順番を変えます。伝える事実は変えず、最初の一文で触れる内容を選びます。

  • 同じ事実を伝える 機能や提供範囲、費用の条件は共通です。相手によって約束する内容を変えません。
  • 連絡手段によらず変える どの連絡手段で伝える場合も、相手が判断に使う内容から説明します。
  • 不明なら業務の説明から始める 判断する役割が分からないときは、対象となる業務を短く説明します。確かめてから詳しい話を選びます。

受注情報を共有するサービスの説明メモ

相手最初に書くこと次に書くこと
社長受注状況を誰が確認でき、何の判断に使えるかを書く。提供する機能と、導入する側に残る入力・確認作業を書く。
現場担当者受注情報を入力し、共有する作業がどう変わるかを書く。利用前の準備と、問い合わせ先を書く。
不明受注情報の入力・共有を扱うサービスであることを書く。判断する役割を確かめてから、詳しく説明する内容を書く。
編集部作成の例。説明する内容と順番を整理するためのメモです。

社内で説明するときに使える材料を渡す

担当者から社長などに説明する場面を考え、短い説明と確認用の資料を渡します。担当者が読み上げるだけでなく、自分の言葉で説明できる形にします。

  • 短く説明できる形にする 何のために使い、どの業務が変わるのかを短く書きます。商品を知らない人にも伝わる言葉を選びます。
  • 条件を確認できる形にする 提供範囲、導入する側の作業、費用の条件を明記します。説明だけでは足りない部分を資料で確認できるようにします。
  • 疑問の確認先を添える 答えが分からない質問に備え、問い合わせ先を添えます。無理に説明してもらわず、必要なら補足します。

社内への説明に使う材料を用意する

渡すもの担当者がそれで何をするか
短い説明を渡す導入の目的と業務の変化を、自分の言葉で説明する。
提供範囲の資料を渡す依頼できる作業と、自社に残る作業を説明する。
費用条件の資料を渡す費用が発生する条件や、追加費用の有無を確認する。
準備事項の一覧を渡す社内で用意する情報や、必要な作業を確認する。
問い合わせ先を渡す社内で出た質問のうち、分からない点を問い合わせる。
編集部作成の例。社内で説明するときに使いやすい形式を、相手に確かめます。

確かめた役割と日付を営業管理表に残す

判断する人の名前だけでなく、何を判断するかも記録します。役割は変わることがあるため、確かめた日と次の連絡内容を残します。

  • 名前と役割を残す 判断する人の名前と役割、今の相手が判断できる範囲を書きます。分からない項目は未確認と記録します。
  • 確かめた日を残す いつ、誰から聞いた内容かを記録します。時間がたった情報は、そのまま使わず再確認します。
  • 次の連絡内容を残す 次は誰に、何の説明や資料を送るかを書きます。相手の社内で説明してもらう予定も記録します。

判断者に関する記録項目を決める

残す項目書くこと
判断者名前と、何を判断する役割かを書く。
担当者の判断範囲今の相手が決められることと、別の人の確認が必要なことを書く。
確認日・確認相手確かめた日と、その内容を教えてもらった相手を書く。
未確認の内容まだ分からない役割や判断の範囲を書く。
次の連絡誰に何を説明し、どの資料を送るかを書く。
再確認の予定役割や判断の範囲を、いつ確かめ直すかを書く。
編集部作成の例。確認できた事実と未確認の内容を、区別して記録します。

相手別に、先に伝えることを書き出す

次に提案する商材を選び、説明の順番をメモにします。判断する人が分からない場合は、確かめ方も書いてから連絡します。

  • 商材と確かめ方を書く 何を提案するかを書き、誰が判断するかをどう確かめるか決めます。未確認の役割は推測で埋めません。
  • 相手別の説明を書く 社長には事業への影響と提供範囲、現場には作業の変化を書きます。不明なときは対象業務から説明します。
  • 材料と記録項目を書く 社内で説明してもらう材料と、管理表に残す項目を書きます。メモを見直す日も決めます。

次の提案で使う説明メモを記入する

記入する項目記入欄記入する項目記入欄
商材判断する人の確かめ方
社長に先に伝えること現場に先に伝えること
不明時の説明の始め方担当者に渡す材料
管理表に残す項目見直し日
編集部作成の例。連絡後に確かめた内容を反映し、説明の順番を見直します。