根拠の場所を参照表に残せば探し直しが減る

商品の質問に答えるたびに資料を探し直すなら、根拠の場所を記録する必要があります。質問の種類から該当箇所へたどれる参照表を作ります。

  • 質問ごとに参照先を決める 質問を種類に分け、何を確かめるときに、どの資料を開くかを決めます。
  • 根拠の場所と範囲を残す 資料の版と該当箇所に加え、その記載が当てはまる商品と条件を記録します。
  • 確認と更新の役割を決める 資料を管理する部署と、変更時に参照表を更新する担当を決め、根拠が見つからない項目は未確認と記します。

資料名だけでは根拠の場所が分かるとは限らない

資料名を覚えていても、必要な記載までたどれるとは限りません。同じ名前の資料がある、版が違う、該当箇所が分からない、の三つを分けて考えます。

  • 同名の資料を区別する 資料名に保管場所と管理部署を添えると、同じ名前の別の資料を開く取り違えが減ります。
  • 現在の版を見分ける 更新日時だけでは現在有効な版か判断できません。管理部署が有効とする版を記録します。
  • 読む場所まで指定する 章や項目名がなければ、開いた後も探し直しになります。根拠が記載されている場所まで残します。

探せない原因と残す情報

探すときに起こること原因参照表で残すこと
同名で迷う名前だけでは資料を区別できません。資料名に保管場所と管理部署を添えます。
版を選べない現在有効な版が分かりません。管理部署に確認した版を記します。
開いた後に探し直す資料内の場所が分かりません。章や項目名を記します。
表は編集部作成の例です。参照表は、根拠を探すための案内として使います。

質問を種類に分ければ参照先が決まる

質問の言い回しが違っても、知りたい内容が同じなら参照先を共通にできます。用途・条件・提供範囲・手順・対応できないことに分けます。

  • 知りたい内容で分ける 使う目的、利用の前提、提供内容のどれを知りたいかに着目すると、分類を選びやすくなります。
  • 混ざった内容を分ける 異なる種類が含まれる場合は、参照表の行を分けます。種類ごとに必要な根拠を探せます。
  • 分類の意味を共有する 条件は利用の前提、提供範囲は含まれる内容と決めて区別し、人によって分類が変わらないようにします。

質問の種類と根拠を探す資料

質問の種類相手が知りたいこと根拠になる資料の例
用途何のために使う商品かを知りたい説明資料の利用目的を参照します。
条件利用に必要な前提を知りたい利用条件の文書を参照します。
提供範囲提供内容に何が含まれるかを知りたい仕様の一覧を参照します。
手順利用を始めるまでに何を準備し、どの手続きを進めるかを知りたい利用手順の資料を参照します。
対応できないこと対象外となる内容を知りたい制限や除外事項の記載を参照します。
表は編集部作成の例です。分類名は、自社で意味を共有できる表現に置き換えます。

最初に開く資料は質問の種類で変わる

資料には、それぞれ説明する目的と詳しさの違いがあります。分類ごとに最初に開く資料と、補足を探す資料を決めます。

  • 最初に開く資料を決める 用途なら説明資料、条件なら利用条件の文書など、知りたい内容に合う参照先を指定します。
  • 書かれていない点を補う 概要だけでは分からない条件や除外事項は、詳しく記載された別の資料と結び付けます。
  • 回答記録を補助に使う 社内の回答記録は根拠を探す手掛かりです。過去の判断を支えた資料までたどります。

資料ごとの役割と不足しやすい情報

資料の種類載っていること省かれることがある情報
説明資料商品の目的や概要を説明しています。細かな条件や例外は省かれることがあります。
仕様の一覧機能や提供内容を整理しています。利用の前提や手順は別資料の場合があります。
利用条件の文書利用の前提や制限を定めています。商品の用途や操作の詳細は省かれることがあります。
社内の回答記録過去に確認した内容と判断が残っています。現在の版や他商品への適用は示されないことがあります。
表は編集部作成の例です。実際の記載内容を見て、参照先を決めます。

根拠を探すには資料名と該当箇所が必要だ

資料を開いても、読む場所が分からなければ探す作業は続きます。資料名と版、章や項目名、確認した日を組み合わせて記録します。

  • 資料名と版を組にする 正式な資料名と版を記し、保管場所も添えます。版の表示がなければ管理部署に識別方法を聞きます。
  • 該当箇所を具体化する 章や項目名を資料の表記どおりに残します。根拠に関わる注記があれば、その場所も記します。
  • 確認した日を残す 記録した日ではなく、現行版であり対象商品に当てはまると確認した日を残します。記入しただけで確認済みにはしません。

同じ根拠へ戻るための記録

記録項目書くこと理由
資料名正式名称と保管場所を記します。同名の資料を区別するため
版資料に表示された版を記します。参照した内容を特定するため
章や項目名見出しと関連する注記の場所を記します。根拠と前提を読み直すため
確認した日現行版であり対象商品に当てはまると確認した日を記します。いつの確認に基づく記録か分かるようにするため
表は編集部作成の例です。資料への案内だけでなく、資料内の場所も残します。

根拠が当てはまる範囲は商品と条件で分かれる

同じ説明が、すべての商品や利用条件に当てはまるとは限りません。参照表には、根拠の場所とともに適用される範囲を残します。

  • 共通の範囲を確定する 共通資料という名前だけで全商品向けと判断せず、対象となる商品と除外の有無を確認します。
  • 対象の商品を特定する 特定の商品だけに当てはまる根拠は、商品名や区分を記します。似た商品の説明へ流用しません。
  • 条件を省かず残す 利用条件によって扱いが変わる場合は、その条件も記録します。範囲が不明なら未確認と記します。

根拠が当てはまる範囲の残し方

範囲書き方注意
複数の商品に共通共通して当てはまる商品群を記します。除外される商品がないか確認します。
特定の商品だけ対象の商品名や区分を記します。名称が似た商品へ広げません。
特定の条件だけ対象商品と、その記載が当てはまるために必要な条件を記します。条件を省いて共通の扱いにしません。
表は編集部作成の例です。商品の区分は、自社で使っている名称に合わせます。

資料の記載は今も有効な根拠とは限らない

根拠になりそうな文章が見つかっても、そのまま回答の根拠にはできません。版、社内向けの前提、例外を読み、管理する部署に現在の扱いを確かめます。

  • 現在有効な版か調べる 保管されている資料が現行版とは限りません。変更や廃止の有無を管理部署に確認します。
  • 社内の前提を読み取る 社内向けの記載には、別途の承認や準備が前提の場合があります。記載どおりに提供するために必要な条件を確認します。
  • 例外まで根拠に含める 本文だけで判断せず、注記と除外事項も読みます。確認した条件を参照表の範囲欄へ反映します。

見つけた記載を使う前の確認

場面確かめること確かめる相手
古い版が見つかった現行版で内容が変わっていないか、記載が廃止されていないか資料の版を管理する部署に聞きます。
社内向けの記載だった承認や準備などの前提があるか資料を管理し、前提を把握する部署に聞きます。
例外の記載があった対象の商品と条件が例外に当たるか資料を管理し、例外を定める部署に聞きます。
表は編集部作成の例です。有効性を確認できない記載は、未確認として残します。

根拠の確認先は管理する部署の記録で決まる

資料の保管場所だけでは、記載を誰に確かめればよいか分かりません。更新を担う部署と問い合わせ先を、参照表から分かるようにします。

  • 更新する部署を記録する 資料を送ってくれた人ではなく、記載を更新し、有効性を確かめられる部署を記録します。
  • 変更連絡の経路を決める 資料の変更が参照表の更新担当へ届くかを確認します。届かない場合は、更新担当が管理部署に確認する時期を決めます。
  • 問い合わせ先を残す 部署名に窓口と確認方法を添えます。特定の人が不在でも、確認先を探し直さずに済みます。

資料の管理部署と確認方法

資料管理する部署確認の仕方
説明資料商品説明の更新を担う部署を記します。現行版と、説明内容の変更を問い合わせる窓口を確認します。
仕様の一覧仕様の記載を管理する部署を記します。仕様変更が参照表の更新役へ届くか確認します。
利用条件の文書利用条件の改定を担う部署を記します。改定の適用範囲と問い合わせ窓口を確認します。
社内の回答記録回答記録を管理する部署を記します。元の根拠資料と、その管理部署を確認します。
表は編集部作成の例です。部署名と問い合わせ先は、自社の実際の役割に合わせます。

未確認と書いておけば確認済みとの区別が残る

空欄では、調べていないのか、根拠が存在しないのか区別できません。未確認の内容と確認先、確認予定を残し、確認後に記録を更新します。

  • 不明な項目を明記する 根拠が見つからない項目は未確認と記します。版や適用範囲だけが不明な場合も、対象を明記します。
  • 確認先と予定を残す 確認する部署、確認を進める人、確認予定を残します。部署が不明なら、その特定も確認事項に含めます。
  • 確認後に根拠を登録する 未確認の記載は回答の根拠に使いません。確認できたら資料と該当箇所、範囲、確認した日を更新します。

未確認の内容と回答での扱い

場面書くこと回答の扱い
資料が見つからない根拠資料が未確認と記し、確認先と予定を添えます。根拠資料を確認してから回答に使います。
版が分からない有効な版が未確認と記し、確認先と予定を添えます。現行版だと確認できるまで根拠にしません。
範囲が分からない適用範囲が未確認と記し、確認先と予定を添えます。対象商品に使えると確認してから回答します。
管理部署が不明管理部署が未確認と記し、特定する担当と予定を添えます。管理部署を特定し、有効性を確認してから使います。
表は編集部作成の例です。未確認は、対応できないという判断を意味しません。

別の人が探せば記録の不足が分かる

作った人が探せても、別の人が同じ根拠へたどれるとは限りません。別の担当者に参照表だけで探してもらい、不足する記録と更新の決まりを直します。

  • 口頭の補足なしで試す 別の担当者に、参照表だけを見て資料を開き、該当箇所と適用範囲を示してもらいます。口頭で補った箇所は参照表へ追記します。
  • 迷った箇所を直す 分類、保管場所、版、項目名のどこで止まったかを記録し、迷いの原因となった記載を直します。
  • 更新の決まりを残す 資料や商品の変更時に更新する担当を決めます。旧版への案内を差し替え、確認し直した結果と確認した日を書き換えます。

参照表の確認と修正

確かめ方分かること直すこと
分類から探す参照先を選べるかが分かります。分類の説明と資料の対応を直します。
資料を開く保管場所と版を特定できるかが分かります。資料の案内と版の記載を直します。
該当箇所を読む根拠と適用範囲を特定できるかが分かります。章や項目名、注記、範囲を補います。
変更時を想定する変更の連絡が更新担当に届く経路があるかが分かります。更新のきっかけと担当する役割を記します。
表は編集部作成の例です。更新後も、別の人が根拠へたどれるか確認します。

参照表には資料の所在と確認状況の両方が要る

ここまで決めた内容を、自社の資料名と部署名で記入します。未確認の箇所も残すと、探せる根拠と追加の確認が必要な項目を区別できます。

  • 根拠ごとに行を分ける 同じ分類でも、資料や適用範囲が異なる場合は行を分けます。どの根拠がどの商品に当てはまるかを行ごとに示します。
  • 確認済みと区別する 未確認の欄には、不明な内容と確認先、確認する人、予定を記します。確認が済んだら該当欄を更新します。
  • 更新する担当を添える 表に更新する担当と、資料や商品が変わったときの更新手順を添えます。記入後は、別の担当者が根拠までたどれるかを試します。

回答の根拠を探す参照表

質問の種類参照する資料と版該当箇所当てはまる商品の範囲管理する部署確認した日未確認の項目と確認予定
分類を記入する正式名称・保管場所・版を記します。章・項目名・注記の場所を記します。対象の商品と条件を記します。部署名と問い合わせ先を記します。有効性を確認した日を記します。不明な内容・確認先・確認する人・予定を記します。
表は編集部作成の例です。分からない欄には未確認と、確認先と予定を書きます。