説明の裏付けを示すには、記述と条件の併記が必要だ
商品の説明の根拠を求められたときは、資料名だけでは裏付けを確認できません。説明に対応する記述を、条件と所在が分かる形で示します。
- 何を根拠として示すか 求められた根拠の種類に合わせて、説明を裏付ける記述と、裏付けられない部分を分けます。
- どこまで一緒に示すか 記述に付く条件や例外を省かず、原文と要約を区別して、資料の版と確認日を添えます。
- 何を渡して記録するか 相手が見返せる形で根拠を渡し、示した内容と示せない理由を対応表に残します。
示す根拠は、相手が確認したい内容で決まる
商品の仕様、提供条件、自社の判断では、必要な裏付けが異なります。説明のどの部分について根拠を求められているかを絞ります。
- 仕様の記述を示す 機能や動作についての質問には、その内容を明記した記述を示します。紹介文だけで細かな動作まで裏付けません。
- 提供条件を示す 利用できる対象や範囲についての質問には、適用条件を示します。機能があることと、利用できることを分けます。
- 自社の判断を分ける 提案の理由を求められた場合は、判断に使った事実と判断の基準を示します。商品の仕様としては扱いません。
確認したい内容と根拠の種類
| 根拠の種類 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 商品の仕様 | どの機能や動作を確認したいかを特定します。 | 紹介文から動作の詳細を補いません。 |
| 提供条件 | 誰が、どの条件で利用できるかを特定します。 | 機能の有無だけで利用可否を決めません。 |
| 自社の判断 | 提案の理由か、自社の対応方針かを確かめます。 | 自社の判断を商品の仕様と混ぜません。 |
その資料で裏付けられる範囲は、対応する記述に限られる
説明と似た表現が資料にあっても、説明全体を裏付けるとは限りません。対象や動作、範囲を照合し、対応しない部分を明らかにします。
- 説明を項目に分ける 機能の有無、対象、利用範囲などを分けます。複数の内容を含む説明に、まとめて根拠ありと付けません。
- 対応する記述を示す 説明した各項目に、該当する記述を対応させます。同じ言葉があるだけでなく、意味と範囲が一致するかを見ます。
- 対応しない部分を残す 資料にない動作や範囲は、裏付けられない部分として分けます。別の根拠を確かめ、誤りと分かった説明は訂正します。
説明と記述の照合
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 説明が複合的 | 説明を項目ごとに分け、それぞれに根拠の有無を付けます。 | 一部の記述で説明全体を裏付けません。 |
| 表現が似ている | 対象、動作、範囲を照合します。 | 言葉の一致だけで判断しません。 |
| 一部が対応しない | 裏付けられる部分と残る部分を示します。 | 資料にない動作や条件を推測で補いません。 |
記述の適用範囲を示すには、条件と例外の併記が必要だ
本文の記述は、条件や例外によって適用範囲が変わります。相手が自社の場合に当てはまるか判断できるよう、注意書きまで一緒に示します。
- 適用条件を添える 対象、利用環境、提供上の条件など、記述が成り立つ前提を添えます。相手に当てはまるか不明な条件は、その旨を残します。
- 例外を近くに置く 対象外となる場合や制限は、本文と同時に確認できる位置に示します。本文だけを目立たせて例外を隠しません。
- 注意書きを結び付ける 別の箇所にある注意書きは、参照先を添えます。どの記述に付く注意か分かるように対応を示します。
記述と一緒に示す条件
| 示すこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 適用される条件 | 本文に付く前提を併記します。 | 相手が条件を満たすと決め付けません。 |
| 例外 | 対象外となる場合を本文の近くに置きます。 | 例外を外して適用範囲を広げません。 |
| 注意書き | 参照先と、対応する本文を示します。 | 別の箇所にあることを理由に省きません。 |
要約は、資料の記述そのものとは違う
読みやすくまとめた文は、資料に書かれた文そのものではありません。原文と要約を分けて示し、要約から原文へ戻れるようにします。
- 原文をそのまま示す 原文として示す部分は、語句を変えずに抜き出します。省略する場合は省略箇所を明示し、条件を落としません。
- 要約と明記する まとめた文には要約と付け、元の記述の所在を添えます。原文とは区画を分け、どちらを読んでいるか分かるようにします。
- 言い換える範囲を守る 対象や条件、断定の強さを変えません。短くすると意味が変わる部分は、無理に要約せず原文で示します。
原文と要約の区別
| 区分 | 示し方 | 注意 |
|---|---|---|
| 原文 | 語句を変えず、抜粋の範囲を示します。 | 抜粋した文を資料全文のように扱いません。 |
| 要約 | 要約と明記し、原文の所在を添えます。 | 資料の記述そのものとして示しません。 |
| 言い換え | 元の意味と条件を保ちます。 | 可能性を確約へ変えません。 |
根拠の時点を示すには、資料の版と確認日が要る
同じ資料名でも、改訂によって記述が変わる場合があります。参照した版と確認日を添え、いつの記述に基づく説明かを示します。
- 参照した版を示す 資料名に加えて、版や改訂の表示を記します。版の表示がない場合は、その旨と発行元の更新表示などを添えます。
- 確認した日を添える 該当する記述を確認した日を記します。資料の発行日や更新日とは分け、確認しただけで最新版とは断定しません。
- 古い資料を区別する 以前の版を示す場合は、過去の記述であることを明記します。現在も同じ条件で提供される根拠には、そのまま使いません。
根拠の時点を示す情報
| 添えること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 資料の版 | 資料名と版や改訂の表示を記します。 | 版が不明な場合に推定で埋めません。 |
| 確認した日 | 該当記述を確認した日を記します。 | 発行日や更新日と混同しません。 |
| 古い資料の扱い | 過去の記述であることを明記します。 | 現在の提供条件を裏付けると断定しません。 |
根拠を示せないときは、理由の伝え方が分かれる
根拠を示せない理由は、記述の不在、確認の未完了、開示の制限で異なります。理由と、現時点で相手に裏付けを示せない説明の範囲を伝えます。
- 記述の不在を示す 確認した資料には該当記述がないと明示します。確認した範囲を超えて、根拠が存在しないとは断定しません。
- 確認待ちを示す どの説明に社内確認が必要かを示します。確認が済むまでは、その説明を確定した内容として提示しません。
- 開示の制限を示す 資料を示せない理由を、伝えられる範囲で説明します。代わりの根拠がない場合は、相手が検証できないことも明示します。
示せない理由の分け方
| 場面 | 伝えること | 避けること |
|---|---|---|
| 記述がない | 確認した資料と、該当記述がない内容を示します。 | 記載がないことを提供可能の根拠にしません。 |
| 社内確認が要る | 未確認の内容と確認が必要な点を示します。 | 確認前に提供や対応を約束しません。 |
| 示せない資料 | 開示できない理由と代替資料の有無を示します。 | 相手が確認済みであるかのように扱いません。 |
資料から導いた解釈は、資料に書かれた事実とは限らない
資料を読んで導いた結論には、説明者の解釈が含まれる場合があります。資料の記述、経験、推測を分け、何が直接書かれているかを示します。
- 解釈を記述から分ける 資料に明記された内容と、そこから導いた判断を分けます。複数の記述を組み合わせた結論も、原文としては示しません。
- 経験を仕様に広げない 過去に対応できた経験だけで、今回も対応できるとは示しません。経験の説明と、今回の提供条件の裏付けを分けます。
- 推測には区分を付ける 推測を添える場合は推測と明記します。区分を付けても根拠になるわけではなく、未確認の説明として扱います。
根拠と混ぜない情報
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 解釈を加える | 記述と、記述から導いた判断を分けます。 | 解釈を発行元の説明として示しません。 |
| 経験を添える | 経験した条件と今回の条件を区別します。 | 過去の対応を共通の仕様に広げません。 |
| 推測を添える | 推測と明記し、未確認の内容を示します。 | 推測の表示だけで裏付け済みにしません。 |
根拠を相手が確認するには、所在と閲覧手段が必要だ
該当箇所を説明しても、相手が資料を開けなければ後から確認できません。記述の所在と資料全体への参照先を添え、見返せる形で渡します。
- 該当箇所を特定する 資料名、章や見出し、該当ページなどを添えます。相手が資料内を探し直さず、対象の記述へたどれるようにします。
- 資料全体へ戻れる形にする 抜粋には元の資料の所在を添えます。前後の説明や注意書きを確認できる範囲まで、参照できるようにします。
- 相手の閲覧可否を見る 相手の権限で閲覧できるか、後から見返せるかを確認します。閲覧できない場合は、渡せる資料や抜粋を用意します。
後から確認できる渡し方
| 方法 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 該当箇所を指定 | 資料名と章や見出し、該当ページを添えます。 | 資料名だけで探し直させません。 |
| 抜粋を渡す | 元の資料と条件の参照先を添えます。 | 抜粋で前後の意味を変えません。 |
| 参照先を渡す | 相手が閲覧できる手段かを確認します。 | 自社で開けるだけで判断しません。 |
| 閲覧できない | 共有できる資料や抜粋で補います。 | 共有できない部分は理由を添えます。 |
示した根拠を記録すると、説明と条件の照合ができる
参照した資料だけを残しても、相手にどの条件まで示したかは分かりません。説明、実際に示した記述、条件、示せなかった内容を対応させて残します。
- 説明と記述を対にする 説明した内容に、実際に示した資料の版と該当箇所を結び付けます。提示後の改訂で記述が変わっても、区別できるようにします。
- 示した条件を残す 相手に示した条件や例外を記します。資料に載っていることと、相手に示したことを分けて残します。
- 未提示の内容も残す 示せなかった根拠と理由を記し、実際に渡した資料は別に記します。渡したことだけで、内容への理解や承諾まで確認済みにしません。
提示した根拠の記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 説明した内容 | 相手に示した説明の範囲を記します。 | 何を裏付けた記述か分かるようにします。 |
| 示した記述 | 資料名、版、該当箇所、原文か要約かを記します。 | 提示時の記述を特定できるようにします。 |
| 条件 | 相手に示した条件、例外、注意書きを記します。 | 条件を含めて提示したか確認できます。 |
| 示せなかった根拠 | 未提示の内容と理由を記します。 | 裏付け済みの説明と区別できます。 |
| 相手への渡し方 | 渡した資料と、その渡し方を記します。 | 相手が何を見返せるか確認できます。 |
| 確認日 | 該当記述を確認した日を記します。 | 根拠を確認した時点を区別できます。 |
説明と根拠の対応表で、裏付けの抜けが分かる
説明ごとに根拠と条件を対応させると、提示できる範囲と残る確認を見渡せます。下の欄を使い、相手へ渡す前に抜けを確認します。
- 説明ごとに記入する 個別に裏付けを確認できる説明を行ごとに記入します。異なる条件が付く説明は、同じ行にまとめません。
- 空欄の理由を明記する 未確認、該当なし、開示できない場合を区別します。資料の版が不明な場合や、条件の有無が未確認の場合も明記します。
- 渡す内容と照合する 対応表と相手に渡す資料を照合します。条件の欠落、原文と要約の混同、参照先の不足を直してから渡します。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 説明した内容 | 根拠の種類 | 資料名と版 | 該当箇所 | 付いている条件 | 原文か要約か | 確認日 | 示せない理由 | 相手への渡し方 | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
