現場の反対は、理由を確かめてから対応する
現場が反対していると聞いても、その言葉だけでは次の対応を決められません。発言と解釈を分け、何を確かめるかを整理します。
- 発言と解釈を分ける この資料で、本人が話した内容と窓口担当者の解釈を分け、未確認の点を明らかにできます。
- 理由ごとに対応を決める 自社が回答できる疑問と、相手の社内で決める事項を分け、提案に反映する内容を決められます。
- 次の確認方法を決める 現場と話すための相談、反対が残る場合の扱い、営業管理表に残す内容を確認表に書けます。
反対と聞いたら、結論より先に中身を確かめる
反対という言葉には、作業への懸念や、今は変更したくないという意向などが含まれます。説明を重ねるか諦めるかを決める前に、中身を確かめます。
- 説明を増やす前に聞く 懸念が分からないまま利点を説明しても、知りたいことへの回答にならない場合があります。
- 検討終了と決めつけない 現場に未解決の疑問があるのか、商談先が検討を終える意向なのかを分けて確かめます。
- 伝わった言葉を確かめる 現場全体の意見と決めつけず、誰のどの発言から反対と判断したのかを確認します。
理由を確かめずに対応したときに起きやすいこと
| 取りがちな対応 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 説明を急ぐ | 懸念と違う説明を重ねることがあります。 | 説明の前に理由を確かめます。 |
| すぐに諦める | 回答できる疑問を確かめないまま終えることがあります。 | 疑問と、検討を終える意向を分けます。 |
| 解釈で進める | 本人が話していない理由に対応することがあります。 | 発言と窓口担当者の解釈を分けます。 |
本人の発言と窓口担当者の解釈を分ける
窓口担当者から聞いた話には、本人の発言と、その発言への解釈が含まれることがあります。確認できていない部分も分けて残します。
- 発言の内容を残す 誰が、どの作業や条件について、何を言ったのかを確認します。伝聞であることも記録します。
- 解釈を別に残す 窓口担当者が発言からどう考えたかを確かめます。本人の発言と同じ欄には書きません。
- 不明な点を補わない 言葉や理由が分からない箇所は、推測で埋めず未確認と記します。
発言・解釈・未確認の分け方
| 区分 | 内容 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 本人の発言 | 現場担当者が、入力作業が増えると話した | 発言者と、対象の入力作業を確認します。 |
| 窓口の解釈 | 窓口担当者が、現場担当者は新しい操作を覚えたくないのだろうと考えた | 本人の発言か、発言からの推測かを確認します。 |
| 未確認の点 | どの入力が増えるかは分かりません。 | どの入力作業が増えると考えているかを、現場担当者に確認する方法を相談します。 |
反対の理由を、確かめられる項目に分ける
反対という結論のままでは、何に回答すればよいか分かりません。作業への影響、現状への認識、過去の経験などに分けて確かめます。
- 理由を混ぜずに書く 作業の増加と過去の失敗が重なっている場合は、別の項目として記録します。
- 具体的な条件を聞く 何が、どの場面で気になるのかを確かめます。性格や意欲の問題に置き換えません。
- 理由不明を残す 分からない場合は理由不明と記します。現場担当者が導入への賛否を答えられないというだけで、反対と決めません。
伝えられた発言や回答の状況ごとに確かめること
| 発言や回答の状況 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 作業が増える | 増える作業と発生する場面を聞きます。 | 導入時と日常業務を分けます。 |
| 現状で困らない | 今の方法で支障がない範囲を聞きます。 | 困り事があるはずだと決めません。 |
| 過去に失敗した | 以前の変更で何が起きたかを聞きます。 | 今回も同じ原因があるかを確かめます。 |
| 判断する立場にない | その人が回答できる範囲と、導入の判断を誰に確認すればよいかを聞きます。 | 回答の保留を反対と決めません。 |
| 理由が不明 | 具体的な発言が残っているかを聞きます。 | 推測を理由として記録しません。 |
自社で答えることと相手の社内で決めることを分ける
商品の機能で答えられる疑問と、業務の分担や優先順位の問題では、進め方が違います。理由ごとに、自社が回答できる範囲を明らかにします。
- 商品の事実を答える 機能や提供範囲は、確認した事実に基づいて回答します。未確認の対応は約束しません。
- 運用の前提を分ける 自社が提供する支援と、導入先に必要な作業を分けます。社内の作業分担は相手に検討してもらいます。
- 社内の判断を代行しない 方針や優先順位は相手の社内で決める事項です。検討に必要な情報を提供します。
理由に応じた回答範囲
| 懸念の区分 | 誰が答えるか | 自社の対応 |
|---|---|---|
| 商品の対応範囲 | 自社が機能と制約を回答します。 | 可能なこととできないことを示します。 |
| 運用の分担 | 自社が支援範囲を答え、相手が社内分担を決めます。 | 導入先に必要な作業を示します。 |
| 方針や優先順位 | 相手の社内で検討して決めます。 | 検討材料を提供し、結論を待ちます。 |
現場と直接話す方法を窓口担当者と相談する
作業の詳細を確かめるには、現場と直接話す方法もあります。懸念を具体化する目的を伝え、窓口担当者と進め方を相談します。
- 確認の目的を伝える 何の作業や条件を確かめたいのかを示します。賛成してもらうことを面談の目的にしません。
- 窓口の事情を確かめる 社内の調整状況や同席の希望を聞きます。直接連絡してよいか、事前に相談します。
- 直接話せない場合に備える 現場と直接話せない場合に備え、確認事項を短い一覧にし、窓口担当者を通じて回答をもらえるか相談します。
現場への確認方法の選び方
| 場面 | すること | しないこと |
|---|---|---|
| 面談を相談する | 目的と確認事項を事前に共有します。 | 意見を変えてもらう場として依頼しません。 |
| 同席を希望される | 同席して確認する進め方を相談します。 | 窓口担当者を外して進めません。 |
| 直接は話せない | 窓口担当者経由の確認を相談します。 | 独断で現場に連絡しません。 |
| 確認も難しい | 未確認のまま残る点を共有します。 | 回答がないことを了承と扱いません。 |
現場には、懸念が生じる作業と条件を確かめる
現場との対話では、現在の作業を理解するところから始めます。懸念がどの作業で生じるのかを確かめ、確認した内容を記録します。
- 確認として進める 作業への影響を確かめる目的を共有します。その場で賛否の変更を求めません。
- 今の作業を聞く 作業の始まりから終わりまでを聞きます。入力や確認、引き渡しの流れを整理します。
- 懸念を具体的な作業と条件で確かめる 現場担当者がどの作業で、どのような負担の増加を心配しているのかを確認します。整理した内容を現場担当者に伝え、理解に誤りがないか確かめます。
現場で確認する項目
| 聞くこと | 確かめ方 | 記録 |
|---|---|---|
| 現在の作業 | 開始から完了までの流れを聞きます。 | 作業の順序と関係する業務を書きます。 |
| 増える作業 | 導入後に増えると考える作業を聞きます。 | 作業名と増えると考える理由を書きます。 |
| 発生する条件 | いつ、どのような場合に困るかを聞きます。 | 導入時、通常の業務中、通常と異なる対応が必要な場合に分けて書きます。 |
| 過去の経験 | 以前の変更で困った作業を聞きます。 | 起きたことと今回への懸念を分けます。 |
| 理解の確認 | 整理した内容を現場担当者に伝え、誤りがないか確認します。 | 修正された内容と未確認の点を書きます。 |
現場の懸念への対応と条件を提案に明記する
確認した懸念は、回答しただけで終わらせず提案に反映します。対応できること、できないこと、条件が必要なことを区別して示します。
- 変更する内容を書く 対応できる懸念には、どの機能や支援を使い、現場の作業や負担がどう変わるかを書きます。回答の根拠も添えます。
- 残る負担を書く 自社では解消できない懸念は、導入後も残る作業や制約、または商談先で判断する事項として明記します。曖昧な約束をしません。
- 必要な条件を書く 条件付きの対応には、必要な準備や分担を書きます。商談先でその条件を満たせるかを確かめます。
懸念の扱いと提案への反映
| 懸念の扱い | 提案への反映 | 相手に伝えること |
|---|---|---|
| 対応できる | 対象の懸念と具体的な対応を書きます。 | 何が変わり、何が残るかを伝えます。 |
| 対応できない | 残る作業や制約を明記します。 | 現時点で対応できない範囲を伝えます。 |
| 条件付きで対応 | 必要な準備・分担・条件を書きます。 | 条件を満たせない場合の影響を伝えます。 |
反対が残る場合は、商談先の判断を確認して進め方を決める
回答や提案の修正をしても、反対が残る場合があります。残る懸念を示したうえで、範囲を絞るか、時期を改めるか、提案を終えるかを、判断する人に確認します。
- 一部で始める条件を決める 一部の業務で始める場合は、対象外の業務への影響も確かめます。判断する人の了承を得て、確認する項目と中止する条件を決めます。
- 再検討の条件を確かめる 何が変われば検討できるのかを確認します。再連絡の可否と時期も相談します。
- 終了の意向を尊重する 商談先が検討を終える意向を示したら提案を終えます。懸念が残る状態で実施を決まったことのように扱いません。
反対が残る場合の選択肢
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 範囲を絞れる | 影響範囲と中止条件を示して相談します。 | 一部で始めることにも、判断する人の了承を得ます。 |
| 今は進められない | 再検討の条件と連絡時期を相談します。 | 時期を変えれば解決すると決めません。 |
| 継続を望まない | 提案を終え、終了の意向を記録します。 | 了承なく再提案を予定しません。 |
| 判断が保留される | 不足する情報と確認可能な時期を聞きます。 | 返答がないことを了承と扱いません。 |
反対の理由と確認の経緯を営業管理表に残す
現場が反対しているとだけ記録すると、後で同じ確認を繰り返しかねません。発言、理由、回答、未確認の点、次の確認を分けて残します。
- 情報源と日付を残す 本人から聞いた話か、窓口担当者経由かを記します。確認日も添えて、経緯を追えるようにします。
- 回答後の状態を残す 自社の回答と、その回答への相手の反応を分けます。回答済みだけで懸念が解消したと扱いません。
- 次の確認を具体化する 確認事項、確認方法、予定日を書きます。再連絡の了承がない場合は、その状態も残します。
営業管理表に記録する項目
| 記録項目 | 書くこと |
|---|---|
| 発言者と情報源 | 発言者、具体的な発言、伝えた人、確認日を書きます。 |
| 理由と解釈 | 反対の理由ごとに関係する作業・条件・方針を書き、窓口担当者の解釈を別に書きます。 |
| 自社の回答 | 回答内容、条件、提案の変更点を書き、相手の反応は別の欄に書きます。 |
| 未確認の点 | 不足する情報と、まだ確かめられていない内容を書きます。 |
| 次の確認 | 何を、どの方法で、いつ確かめるかを書きます。 |
| 今後の扱い | 継続・延期・終了について確認した意向と連絡の了承を書きます。 |
確認表に書いて、次に確かめることを決める
今ある情報を使って、商談中の案件について記入します。分からない欄には未確認と書き、次の確認事項を具体的に決めます。
- 分かる範囲で記入する 発言と解釈を分け、理由を作業や条件で書きます。情報がない欄は推測で埋めません。
- 確認方法を相談する 直接話す必要がある項目を選びます。目的と確認事項を示して、窓口担当者と方法を相談します。
- 確認後に書き直す 新たに分かったことを提案と営業管理表に反映します。反対が残る場合の意向も確認して記します。
現場の反対を確かめる確認表
| 確認項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 発言と解釈 | 本人の発言と情報源:/窓口担当者の解釈:/未確認: |
| 理由の仕分け | 反対の理由:/自社が回答できる疑問:/相手の社内で決める事項: |
| 直接話す相談 | 目的と確認事項:/窓口担当者との相談結果:/話せない場合の方法: |
| 提案への反映 | 対応できる懸念と変更内容:/対応できない懸念:/対応に必要な条件: |
| 反対が残る場合 | 残る懸念:/商談先の判断(一部で開始・時期変更・終了)と判断した人:/連絡の了承: |
| 記録 | 営業管理表への記録日:/次に確かめる内容・方法・予定日: |
