説明を続けるかは、聞ける状態と相手の了承で決まる
商談先で言い争いが始まると、説明を続けてよいか迷います。対立の解決を引き受けず、中断と再開を相手と決めるための確認事項をまとめました。
- 説明を続ける条件を決める 説明を聞ける状態かを見て、相手の社内で話す時間が必要なら中断を申し出ます。
- 中断と再開の方法を決める 中断中の居場所、再開の合図、再開後の話題を相手と決めます。
- 記録と共有の内容を決める 商品の要望と次の対応を確認し、対立の中身を含めずに記録・共有する内容を決めます。
出席者が静かでも、説明を聞けるとは限らない
声が収まっただけでは、商品説明に戻れるかは分かりません。出席者の注意と進行役の意向を見て、続けてよいかを判断します。
- 説明を聞けるかを見る 出席者が資料に目を戻し、商品の話に注意が戻っているかを見ます。沈黙だけを再開の合図にしません。
- 相手同士の話を待つ 社内の話が続いている間は説明を止め、商品の説明に戻れるかを確認します。
- 進行役の意向を聞く 別の話題が始まったら、その話を先に進めるのか、商品説明に戻るのかを確認します。
説明を続けられる状態の見方
| 見ること | 続けられる | 続けられない |
|---|---|---|
| 説明への注意 | 説明に注意が戻り、続行の了承があります。 | 説明への注意が戻っていません。 |
| 相手同士の話 | 話が区切られ、商品説明に戻る了承があります。 | 相手同士の話が続いています。 |
| 進行役の意向 | 商品説明を続ける意向が示されています。 | 別の話題を先に進める意向があります。 |
意見を求められても答えるのは商品の事実と提供条件に限られる
意見や賛同を求められても、どちらの主張が正しいかは判定しません。回答は、自社が確認できる商品の事実や提供条件に限ります。
- 判断の範囲を守る 社内の判断への賛否を求められたら、自社から回答できる範囲を伝えます。
- 回答と賛同を分ける 商品の事実への回答と、社内の主張への賛同を分けます。質問が曖昧なら対象を確認します。
- 有利でも肩入れしない 受注に有利な意見でも支持しません。説明を聞ける状態に戻るかを確認します。
意見や賛同を求められた場合の対応
| 場面 | 避けること | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 意見を求められる | 社内の判断の正否を決めます。 | 商品の事実として回答できる範囲を示します。 |
| 賛同を求められる | 主張全体に賛同したと取られる返答をします。 | 何を確かめたいのかを聞き、回答の対象を絞ります。 |
| 自社に有利な意見 | その意見を支持して説明を進めます。 | 賛否を述べず、説明を続けてよいかを聞きます。 |
商品に関わる対立でも説明するのは商品の事実に限られる
商品が話題に含まれていても、社内の決め方まで答える必要はありません。自社から説明できる部分と、相手の社内で扱う部分を分けます。
- 商品の事実を説明する 機能や提供条件は、確認済みの情報で答えます。未確認の内容は持ち帰る事項にします。
- 社内の進め方を分ける 役割や承認の進め方は、相手の社内で決める内容として扱います。
- 無関係な話を追わない 商品と無関係な対立は詳しく聞かず、説明の続行か中断かを確認します。
自社から回答する範囲の分け方
| 対立の中身 | 扱い | 確かめること |
|---|---|---|
| 機能や提供条件 | 確認できる商品の事実を説明します。 | 自社に回答を求めている項目は何か。 |
| 社内の進め方 | 社内で決める内容への賛否を述べません。 | 社内で話すために中断が必要か。 |
| 商品と無関係 | 背景や経緯を掘り下げません。 | 説明を続けてよいか、中断するか。 |
社内で決める話に移ったら、中断するかを相手と決める必要がある
相手の社内で話す必要がある内容に移ったら、説明を続けるか中断するかを相手に確かめます。中断するかどうかは、進行役など商談を進める相手と決めます。
- 申し出る相手を決める 進行役に中断を申し出ます。進行役が不明なら、進め方を誰に確認すればよいかを聞きます。
- 中断の目的を伝える 社内で話す時間が必要かを確認し、必要なら商品の説明を一度止める意向を伝えます。
- 続行できる場合を分ける 社内の話が区切られ、説明を聞ける状態で続行の了承があれば、中断せず進めます。
中断を相談する場面と対応
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 社内の話が続く | 進行役に説明の中断を申し出ます。 | どちらかの主張を中断の理由にしません。 |
| 進行役が不明 | 進め方を確認する相手を聞きます。 | 声の大きさや口調で申し出る相手を決めません。 |
| 続行の了承がある | 説明を聞ける状態なら続けます。 | 了承後も社内の話が続くなら再度確認します。 |
中断中の居場所は、相手への確認で決まる
中断が決まっても、席を外してよいかは別に確認が必要です。その場に残るか、席を外すかを相手の希望に合わせて決め、席を外すなら待つ場所も確かめます。
- 退席先を確認する 席を外す場合は、待つ場所と連絡方法を確認します。戻る時点も相手と決めます。
- 同席の希望を聞く 同席を希望されたら、説明を止めて待ちます。社内の話への賛否は述べません。
- 別室の案内に従う 別室で待つ場合は、案内された場所を使います。呼び出し方法を確認してから移動します。
中断中の待ち方の確認
| 選択 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 席を外す | 退席してよいか、どこで連絡を待つか。 | 無断で退出したり、戻ったりしません。 |
| 同席して待つ | 相手が自社の同席を希望しているか。 | 聞こえた社内の話を記録しません。 |
| 別室で待つ | 使える部屋と呼び出し方法は何か。 | 指定された部屋で待ちます。 |
説明の再開には、合図と戻る話題の確認が要る
会話が途切れても、説明に戻ってよいとは限りません。中断前に再開を知らせる人と方法を決め、再開時に話題を確認します。
- 再開の合図を決める 誰が、どの方法で再開を知らせるかを決めます。戻った後も説明を始めてよいか確認します。
- 戻る話題を決める 中断した箇所から戻るか、別の項目から始めるかを確認します。
- 再開しない場合も決める その場で再開しない場合は、次の連絡先と確認事項、連絡時期を相手と決めます。
再開に向けて決める内容
| 決めること | 確かめること | 記録 |
|---|---|---|
| 再開の合図 | 誰が、どう知らせるか。 | 再開を知らせる人と連絡方法を残します。 |
| 再開後の話題 | どの説明項目から始めるか。 | 再開する項目と未説明の項目を残します。 |
| 再開しない場合 | 次に誰と、何を、いつ確認するか。 | 次の連絡先・確認事項・時期を残します。 |
提案に反映する要望は、再開後に確かめ直したものに限られる
再開後に商品の要望や提案の前提が変わることがあります。変更を提案に反映してよいかを確認し、未確定の内容は保留として扱います。
- 変更の範囲を聞く どの要望を変更し、どの要望を維持するかを確認します。その場の発言だけで提案を更新せず、変更として確かめてから反映します。
- 前提を確認し直す 利用範囲や開始時期が変わったら、提供条件を確認し直す必要があるか判断します。
- 未確定の扱いを決める 保留する項目と確認先を決めます。自社の対応可否も、確認前に約束しません。
変更された内容の扱い
| 変わったこと | 確かめること | 提案での扱い |
|---|---|---|
| 商品の要望 | 変更する項目と、反映してよい範囲は何か。 | 確認できた変更を、自社の対応可否に応じて反映します。 |
| 提案の前提 | 利用範囲や開始時期の何が変わったか。 | 提供条件への影響を確認します。 |
| 確定から保留 | 何が未確定で、誰に確認するか。 | 未確定と記し、確定した条件と分けます。 |
商談記録に必要なのは、対立の経緯ではなく確認事項だ
記録には、説明した範囲と確認済みの要望、次の対応を残します。言い争いの発言や経緯、人物への評価は残しません。
- 進行に必要な内容を書く 説明済み・未説明の項目と、再開や次回に向けて決めた内容を書きます。
- 対立の中身を残さない 誰が何に反発したか、どのように言い争ったかは書きません。人物への推測も除きます。
- 要望と背景を切り離す 商品の要望は、相手から確認した内容として書きます。自社が対応すると決めた条件とは分けます。
商談記録に残す内容の判断
| 記録の内容 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 説明の進み具合 | 説明済み・未説明の項目を残します。 | 次にどこから説明するかが分かります。 |
| 確認済みの要望 | 条件と確認先を残します。 | 提案を修正する根拠になります。 |
| 保留と次の対応 | 確認する項目・相手・時期を残します。 | 次に必要な対応が分かります。 |
| 対立の発言や経緯 | 発言の引用や経緯の要約を残しません。 | 次の対応を決めるのに、対立の経緯は使いません。 |
| 人物への評価 | 性格や社内関係の推測を書きません。 | 未確認の評価が社内に広まるのを防げます。 |
社内に伝えるのは進み具合・確認が要る点・次の対応で済む
社内には、提案の修正や次回の準備に必要な内容を伝えます。対立の説明を加えず、確認できたことと未確認のことを分けます。
- 商談の現状を伝える どこまで説明し、何が残っているかを伝えます。対立を理由に受注の見込みを推測しません。
- 自社で確認する点を書く 変更された要望について、確認する項目と社内の確認先、回答時期を決めます。
- 次回の進め方を伝える 相手と合意した連絡方法と説明の開始箇所を共有します。未定の内容は未定と書きます。
持ち帰って伝える内容
| 伝える項目 | 書くこと | 注意 |
|---|---|---|
| 商談の進み具合 | 説明済みの範囲、未説明の項目、合意事項を書きます。 | 対立の様子から商談の見込みを断定しません。 |
| 確認が要る点 | 商品の対応可否、確認先、回答予定を書きます。 | 相手の要望と自社の回答を混同しません。 |
| 次回の進め方 | 連絡先、連絡時期、再開する話題を書きます。 | 相手と合意していない予定を確定扱いしません。 |
中断と再開の確認事項を書けば、未定の内容が分かる
実際の商談の内容を、各欄に記入します。決まっていない欄には、未定と確認先を書きます。
- 中断の判断を書き出す 説明を聞ける状態か、中断の相談が必要かを書きます。対立の内容や人物の評価は書きません。
- 再開の条件を書き出す 待つ場所、再開の合図、再開後の話題を書きます。再開しない場合は次の連絡予定を書きます。
- 持ち帰る内容を決める 変更された要望と未確認事項を分け、記録と社内共有に必要な内容を記入します。
説明を中断・再開するときの確認表
| 確認項目 | 自社で書く内容 | 確認項目 | 自社で書く内容 |
|---|---|---|---|
| 中断の判断 | 説明を聞ける状態と、中断の要否を書く: | 申し出た相手 | 進行を確認した相手を書く: |
| 中断中の居場所 | 相手に確認した待機場所を書く: | 再開の合図 | 知らせる人と方法を書く: |
| 再開後の話題 | 説明を始める項目を書く: | 変わった要望 | 変更内容と、確定か保留かを書く: |
| 記録に残すこと | 説明の進み具合と確認事項を書く: | 社内に伝えること | 自社で必要な確認と次の対応を書く: |
