相手が想定した使い方を確かめて提案を進める

商品を正確に説明しても、説明しなかった条件を、相手が自分の業務に合わせて想定することがあります。相手の発言が自社の説明と食い違うと感じたら、相手が考えている使い方と期待する結果を確かめます。

  • 何を聞くか決める 相手が想定した業務、使う人、目的、期待する結果を聞きます。
  • 何を照合するか決める 説明した内容と相手が補った想定を照らし合わせ、省略した前提を確かめます。
  • 提案の進め方を決める 提案に使う前提と未確認の内容を分け、P11の確認表で整理してから営業管理表に記録します。

説明が正確でも想定する使い方は分かれる

説明に含めなかった条件は、相手の業務や経験をもとに補われることがあります。理解力の問題にせず、どの前提から違いが生じたかを確かめます。

  • 省略した条件を探す 説明の正誤だけでなく、伝えなかった条件がないかを見直します。
  • 相手の業務を確かめる どの業務に当てはめたかによって、想定する使い方が変わります。
  • 言葉の指す範囲を聞く 同じ言葉を使っていても、対象や作業範囲が同じとは限りません。

説明しなかった条件を相手が想定する原因

分かれる原因起きること防ぎ方
前提の省略相手は、伝えていない条件を、条件なしと捉えることがあります。利用に必要な条件を説明します。
業務への当てはめ説明とは別の業務でも使えると想定します。想定した対象業務を聞きます。
言葉の意味の違い相手は、機能名から、説明より広い作業範囲を想定することがあります。含む作業と含まない作業を示します。
表は編集部作成の例です。

発言や質問から説明との違いを見つける

説明していない使い方や結果への言及は、想定の違いに気づく手がかりになります。その発言だけで違いを断定せず、どのような前提で考えたかを確かめます。

  • 発言の対象を見る 説明した対象より広い業務や利用者が含まれていないかを見ます。
  • 質問の前提を拾う 質問への回答に入る前に、その使い方ができる前提になっていないかを確かめます。
  • 共有資料を確認する 共有された要約や社内資料で、説明にない機能や結果が加わっていないかを見ます。

確認が必要になる手がかり

手がかり相手の発言や資料に現れる内容確かめること
相手の発言説明していない業務への利用に触れます。どの業務まで使えると想定したか
質問の前提準備が不要である前提で開始時期を尋ねます。利用前に何が必要だと考えているか
要約や社内資料作業の一部を補助する機能が、作業全体を行う機能として書かれています。商品の役割をどこまでと想定したか
表は編集部作成の例です。

違いに気づいた時点で前提を確かめる

想定の違いを残して話を進めると、その前提で提案内容が具体化してしまいます。気づいた時点で、相手が想定した使い方を確認します。

  • 関係する提案を止める 自社の説明と食い違いがある使い方については、対応できると確認するまで提案に含めません。
  • 確認の目的を伝える 相手の発言を訂正する形にせず、希望する使い方に対応できるかを確かめるための利用条件の確認だと相手に伝えます。
  • 不明な点は持ち帰る その場で判断できなければ、確認する内容と回答時期を決めます。

気づいた場面ごとの対応

場面することしないこと
発言で気づいた想定した使い方をその場で聞きます。発言を流して提案を続けます。
資料で気づいた該当箇所と、そう考えた根拠を確かめます。資料の修正だけを求めます。
即答できない確認先と回答時期を決めて持ち帰ります。確認できていない内容を推測で回答します。
表は編集部作成の例です。

相手が想定した使い方と期待する結果を聞く

説明を繰り返す前に、相手が思い描いている利用場面を聞きます。業務、使う人、目的、期待する結果を具体的にすると、説明との違いを確かめやすくなります。

  • 利用場面を具体化する どの業務の、どの作業で使う想定かを聞きます。
  • 使う人と目的を聞く 誰が操作し、何を済ませるために使うのかを確かめます。
  • 期待する結果を聞く 商品を使った後にどこまで作業が終わると考えているか、どの手順を変えたいと考えているかを聞きます。

想定した使い方を確かめる項目

聞くこと確かめ方記録
どの業務で使うか業務の流れと、商品を使う作業を聞きます。対象業務と作業を書きます。
誰が使うか操作する人と、その後の作業を担う人を聞きます。利用者と役割を書きます。
何のために使うか済ませたい作業や変えたい手順を聞きます。利用目的を書きます。
何を期待するか利用後に完了すると想定した範囲を聞きます。期待する結果を書きます。
表は編集部作成の例です。

説明した内容と相手が補った想定を分ける

相手の想定が分かったら、資料や説明の記録と照らし合わせます。伝えたと確認できる内容、説明にない想定、伝えたかどうか確認できない内容に分けて整理します。

  • 伝えた内容を確認する 説明したつもりで判断せず、使用した資料や商談の記録を確かめます。
  • 補われた想定を分ける 説明に含まれない使い方や条件を分け、何をもとに想定したかを聞きます。
  • 不明な部分を残す 説明したか確かめられない内容は、相手が補ったものと決めつけません。

説明と想定の整理

区分内容扱い
説明した事実資料や記録で、伝えたと確認できる内容示した範囲と条件を確認します。
補われた想定説明にはなく、相手が想定していると確認できた内容想定の根拠と、実際に可能かを確かめます。
どちらとも不明伝えたか、補われたかを確認できない内容未確認として残し、改めて説明します。
表は編集部作成の例です。

省略していた利用条件を説明に足す

説明した内容と相手の想定の間に、伝えていなかった利用条件が見つかることがあります。機能を説明する箇所に、その機能が使える範囲と必要な準備を加えます。

  • できる範囲を示す 商品で完了する作業と、その後に別途行う作業を分けて説明します。
  • 必要な準備を示す 利用前に用意する情報や設定を、使い方と一緒に説明します。
  • 対象外の使い方を示す 相手が想定した使い方に対象外のものがあれば、該当する範囲を明らかにします。

説明に加える利用条件

省略した前提相手の想定説明に足すこと
できる範囲関連する作業もすべて商品で完了します。商品が担う作業の始まりと終わりを示します。
必要な準備情報の用意や設定なしで使い始められます。用意する情報と必要な設定を示します。
対象外の使い方似た業務にも同じ条件で使えます。対象となる業務と利用条件を示します。
表は編集部作成の例です。

営業の案内から生まれた期待を商談で確かめる

商談前の短い案内から、使い方や結果を想定している場合があります。相手が見聞きした案内を確かめ、そこで触れた内容の範囲と条件を商談で説明します。

  • 接点になった案内を見る 手紙DM、テレアポ、フォーム営業のうち、どの案内の何に関心を持ったかを聞きます。
  • 案内からの期待を聞く 案内で触れた内容から、どの業務に使えると考えたかを確かめます。
  • 省略した条件を補う 案内で紹介した使い方について、どの作業に使え、どの準備と条件が必要かを商談で説明します。

案内と商談で確かめる内容

案内の手段期待が生まれる箇所商談でそろえること
手紙DM対象業務や利用後の変化に触れた箇所案内した内容が当てはまる業務と条件を示します。
テレアポ機能や対応できる作業を短く伝えた箇所口頭で触れた機能が担う作業範囲を示します。
フォーム営業利用目的やできることを伝えた箇所案内した使い方に必要な準備と条件を示します。
表は編集部作成の例です。

使い方と利用条件を確かめてから提案を進める

説明を補った後は、相手が想定していた使い方で利用できるかを確かめます。使える部分、条件が合わない部分、未確認の部分を分けて、提案する範囲を決めます。

  • 使える部分を確かめる 対象業務と利用条件が合う部分を、提案に含めます。
  • 合わない部分を分ける 使えない部分を除いても利用目的を満たせるか、相手に確認します。
  • 進めない判断もする 必要な使い方に対応できない場合は、その目的での提案を見送ります。

確認結果に応じた提案の扱い

場面すること注意
想定に合う確認した業務と利用条件で提案を進めます。新たな使い方は、確認と説明を経てから提案に加えます。
一部が合わない合わない部分を除いた使い方を検討します。相手の利用目的を満たすかを確かめます。
必要な用途に合わないその目的での提案を見送ります。将来の対応を確約して提案を進めません。
確認が残っている該当部分の提案判断を保留します。確認前の想定を提案の条件に含めません。
表は編集部作成の例です。

想定の違いと確認後の前提を営業管理表に残す

確認した結果は、次の提案で参照できるように営業管理表へ残します。相手の当初の想定と確認後の前提を分け、未確認の内容も見える状態にします。

  • 当初の想定を残す 何をどう使えると考えていたかを、確認できた内容に沿って記録します。
  • 確認後の前提を書く 説明を補った内容と、次の提案に使う業務範囲や利用条件を書きます。
  • 未確認の対応を決める 不明な内容には、確認先、確認する人、回答予定日を添えます。

営業管理表への記録項目

記録項目書くこと
相手の想定想定した業務、利用者、目的、期待する結果を書きます。
説明した内容伝えた機能、範囲、条件と、参照する資料や記録を書きます。
補われた内容説明にない想定と、何をもとに考えたかを書きます。
そろえた前提確認後の使い方、利用条件、提案に含める範囲を書きます。
未確認不明な内容、確認先、確認する人、回答予定日を書きます。
確認の記録確認日、確認した相手、資料や商談記録の保存先を書きます。
表は編集部作成の例です。

確認表に書いてから次の提案内容を決める

理解の違いに気づいた商談を取り上げ、確認できた内容を書き込みます。不明な項目は未確認と記し、次に確かめる内容を決めます。

  • 手がかりから書く 気になった発言と、そこから確認できた使い方を分けて書きます。
  • 説明と想定を照合する 伝えた内容、補われた内容、省略した条件を記し、案内から相手が期待した使い方と商談で説明した範囲の差も記入します。
  • 提案前の確認を終える 使い方と利用条件を確かめた範囲を記録し、未確認の部分は提案判断を保留します。

商品説明の理解をそろえる確認表

確認項目記入欄確認項目記入欄
相手の発言と手がかり気づいた発言や資料の箇所:相手が想定した使い方業務・利用者・目的・期待する結果:
説明した内容伝えた内容と確認できる資料:補われた内容説明にない想定とその根拠:
省略していた前提範囲・準備・対象外の使い方:案内との違い案内から生じた期待と説明との差:
そろえた前提双方が確認した使い方・利用条件:記録確認日・相手・保存先・未確認事項と対応:
確認表は編集部作成の例です。未確認事項には確認する人と回答予定日も記入します。