他社への不満から今回の提案条件を確かめる

他社への不満を聞いたときは、相手の困りごとへの理解と、他社への評価を分けます。この資料では、営業担当者が聞く内容と記録する範囲を整理します。

  • 共感と評価の分け方を決める 相手の困りごとに共感しながら、他社への評価に加わらない対応を決めます。
  • 今回の条件を確かめる 不満から今回求める条件を聞き取り、自社で対応できる範囲を確かめます。
  • 記録と次の対応を決める 営業管理表に残す内容を選び、社内で確認する事項と次の対応を決めます。

他社への評価を急がず困りごとを確かめる

不満への賛同は、他社への評価として伝わることがあります。話を急いで終わらせず、今回の提案に関わる困りごとを確かめます。

  • 理解を示す対象を選ぶ 困っている気持ちへの理解は示しても、他社の落ち度や担当者の能力までは判断しません。
  • 提案に戻す前に支障を確かめる すぐに提案へ戻さず、相手の業務で何が支障になったのかを確認します。
  • 不満を自社の売り込みに使わない 聞いた不満を自社の優位性の説明に使わず、今回求める条件を確認します。

取りがちな対応と起こり得ること

取りがちな対応起きること防ぎ方
他社への非難に賛同する他社への否定的な評価に賛同したと伝わることがあります。困りごとへの理解と他社への評価を分けます。
話を遮る提案で必要な条件を聞き逃すことがあります。支障が出た場面を確かめてから区切ります。
不満を根拠にする未確認の情報に提案が左右されることがあります。今回の要望と自社で確認した内容を使います。
表は編集部作成の例です。

困りごとへの共感と他社への評価を分ける

共感する対象は、相手が困ったと話している経験や気持ちです。その話だけで、他社の対応や担当者の良しあしを判断しません。

  • 困った経験を理解する 仕事への支障や不安があったことを理解します。他社についての説明が正しいと認めることは、それとは別です。
  • 他社への評価を控える その場にいない関係者の事情や経緯を推測して、落ち度や意図を決めつけません。
  • 自社の発言範囲を決める 自社として説明するのは、確認できた自社の対応と、今回の提案に関わる内容です。他社の対応については説明しません。

共感と評価の区別

発言の型することしないこと
困りごとへの共感支障や不安があったという経験を理解します。他社への非難に賛同しません。
他社への評価判断に必要な事情が分からないことを伝えます。対応の良しあしや人柄を断定しません。
自社としての説明確認済みの対応範囲を説明します。確認していない対応を約束しません。
表は編集部作成の例です。

評価を求められても他社への否定に加わらない

賛同や見解を求められた場面でも、他社への否定的な評価に加わる必要はありません。判断できる範囲を示し、相手が求める対応を確かめます。

  • 理解と賛同を分ける 不満があることは理解を示しつつ、他社への評価には賛同しません。
  • 他社の事情を推測しない 対応の理由を聞かれても、他社の意図を推測して説明しません。擁護のための推測も避けます。
  • 自社の対応を説明する 自社の見解を求められたら、他社への評価ではなく、自社で確認した方針や対応範囲を説明します。

評価を求められたときの対応

場面することしないこと
賛同を求められる困った点を確認し、自社として答えられる範囲を伝えます。相づちで他社への非難を肯定しません。
他社の対応を聞かれる経緯が未確認であることを明確にします。他社の事情や意図を代わりに説明しません。
自社の見解を聞かれる自社の対応方針を確認したうえで説明します。他社を否定して自社をよく見せません。
表は編集部作成の例です。

不満を聞いて今回求める条件を確かめる

不満の内容だけでは、今回の提案で必要な対応は決まりません。困った場面、期待していた対応、今回求める条件を順に確かめます。

  • 困った場面を確かめる どの作業や判断に支障が出たのかを確認します。他社の落ち度を確かめるための詳細は求めません。
  • 期待していた対応を知る 連絡の時期や説明の内容など、どのような対応があれば支障が出なかったのかを確かめます。
  • 今回の条件を確認する 相手が以前に期待していた対応が、今回も必要とは限りません。今回欠かせない条件と、相談して決められる条件を確認します。

不満から提案条件を聞き取る手順

確かめること聞き方の方針記録
困った場面業務への支障と、その発生場面を確かめます。今回の提案に関わる支障を残します。
期待した対応必要だった連絡や説明を具体的に確かめます。相手が期待していた対応として残します。
今回求める条件今回も必要か、どこまで必要かを確かめます。欠かせない条件と相談して決められる条件を分けます。
表は編集部作成の例です。

他社の話を確認済みの事実として使わない

他社について聞いた話は、確認済みの事実として扱いません。不満から読み取った希望は今回の要望に当たるかを相手に確認し、対応できると説明する根拠には自社で確認した内容だけを使います。

  • 聞いた話と確認した事実を分ける 相手から聞いた他社の話と、自社で確認した事実を混ぜません。
  • 説明の根拠を確認する 自社の対応範囲や手順は、社内資料や対応する部門への確認に基づいて説明します。
  • 要望として整理する 不満から分かった希望は、今回の要望に当たるかを相手に確認します。自社で対応できるかは、社内で別に確認します。

情報ごとの扱い

情報の型扱い理由
他社についての話確認済みの事実としては使いません。経緯や内容を自社で確認できていません。
自社の確認済み情報確認元と適用条件を確かめて使います。対応できる範囲を説明する根拠になります。
相手の要望本人に確認し、提案で検討する条件にします。希望が分かることと、対応できることは別です。
未確認の自社対応確認事項として持ち帰ります。要望があっても、対応できるとは限りません。
表は編集部作成の例です。

同じ不満を招かないよう対応範囲を確かめる

相手の希望を聞いたまま返事をしないと、自社の対応への期待が広がることがあります。できること、条件が付くこと、できないことを提案前に確かめます。

  • 期待の内容を確かめる 連絡の時期、説明の内容、問い合わせ先など、今回求められる対応を具体的に確認します。
  • 対応できる範囲を調べる 実際に対応する部門へ確認し、必要な条件や制約も含めて説明します。
  • できない範囲を伝える 対応できない内容を明確にし、別の方法を検討できる場合は、その可否も確認して伝えます。

期待と対応範囲の確認

確かめることすること注意
求められる対応必要な内容と時期を確認します。自社の標準対応と同じだと決めつけません。
対応できる範囲実際に対応する部門に、対応の可否と条件を確認します。条件付きの対応を無条件で約束しません。
対応できない場合できない範囲と理由を具体的に説明します。曖昧な返答で期待を残しません。
表は編集部作成の例です。

他社の話は今回の対応に必要な範囲だけ残す

商談の記録には、今回の提案や対応に必要な内容を残します。他社への評価を保存するのではなく、相手の要望と自社の確認事項として整理します。

  • 要望として記録する 必要な連絡や説明と、相手が避けたい支障を要望として記録します。他社への不満の表現をそのまま転記しません。
  • 評価と不要な個人の情報を省く 他社や担当者への決めつけと、今回の対応に不要な氏名や私生活の話は残しません。
  • 共有する相手を絞る 対応の判断や実施に必要な関係者へ、要望と確認事項を共有します。

記録する内容と省く内容

記録の区分残すこと残さないこと
相手の要望今回必要な対応と、避けたい支障を残します。他社を否定する表現は残しません。
他社への評価評価の背景にある要望だけを確認して残します。人柄や能力への決めつけは残しません。
社内への共有判断に必要な条件と確認事項を共有します。不要な他社名や個人の情報は共有しません。
表は編集部作成の例です。

不満が続くときは今回の目的を確認して区切る

不満が続いても、すべての経緯を聞き終えるまで提案を待つ必要はありません。聞き取った困りごとを整理し、今回進めたい内容を確認します。

  • 聞いた内容を整理する 今回に関わる困りごとと要望をまとめ、理解にずれがないかを確認します。
  • 今回の目的を確認する 相手がこの商談で解決したいことを確かめ、提案の検討へ進めてよいかを相手に確認します。
  • 別の機会を相談する 検討を進めにくい場合は、必要な確認を整理し、次に話す内容と時期を相談します。

提案へ戻れないときの対応

場面すること注意
同じ不満が続く確認できた困りごとと要望をまとめます。他社への評価を要約して繰り返しません。
目的が見えない今回の商談で確認したい内容を確かめます。自社の都合だけで提案を進めません。
検討を進めにくい別の機会と、それまでの確認事項を相談します。次回の目的が曖昧なまま日程だけを決めません。
表は編集部作成の例です。

営業管理表には条件、確認状況、次の対応を分けて書く

営業管理表には、後から読んでも対応を判断できる内容を残します。相手の要望、自社の確認結果、未確認の事項を分けて書きます。

  • 条件を具体的に残す 今回必要な対応と時期、相談して決められる範囲を書きます。他社の評価は書きません。
  • 確認状況を明記する 対応できる範囲には確認元を添えます。持ち帰った事項は、未確認と分かるように書きます。
  • 次の対応を決める 誰が何をいつまでに確認し、いつ相手へ伝えるかを記録します。

営業管理表に残す項目

記録項目書くこと
求める条件必要な対応、希望する時期、相談して決められる範囲を書きます。
自社の対応範囲対応の可否、必要な条件、確認元と確認日を書きます。
社内で確認する事項未確認の内容、確認先、確認する人、回答予定日を書きます。
次の対応実施する内容、担当する人、期限、相手への連絡予定を書きます。
表は編集部作成の例です。

確認表を埋めて次に行う対応を決める

商談後に記入し、他社への評価が混ざっていないかを見直します。分からない欄は未確認と書き、確認する人と期限を決めます。

  • 共感と評価を見直す 困りごとへの理解と、他社への評価を区別できたか確認します。
  • 条件と対応範囲を照らす 相手の条件に対して、自社で確認できたことと、確認が必要なことを書き分けます。
  • 記録と次の対応を決める 不要な他社の情報を除き、社内で確認する事項と次に行う対応を記入します。

他社への不満を聞いたときの確認表

確認項目記入欄
共感と評価の区別理解した困りごと:/自分の発言や記録に他社への評価が混ざっていないか:
聞き取った条件必要な対応・時期:/相談して決められる範囲:
自社の対応範囲対応できること・条件:/できないこと:/確認元:
記録する範囲残す要望・確認事項:/共有が必要な相手:
社内で確認する事項未確認の内容・確認先:/確認する人・期限:
次の対応行うこと:/担当する人・期限:/連絡予定:
表は編集部作成の例です。記入後、営業管理表へ必要な内容を転記します。