困っていないという発言の範囲を確かめる

今のままで困っていないという判断を尊重して、何についての発言かを確かめます。現在の方法と変化の予定を聞き、提案を続ける理由があるかを判断します。

  • 確かめる事項を決める 発言の範囲、現在の方法、業務の変化の予定、困っていない理由について、確認する事項を決めます。
  • 提案を続けるか決める 自社の商品が相手の業務に役立つかを判断する基準を決め、役立つ場面が無ければ無理に続けない方針を決めます。
  • 連絡と記録を決める 次の連絡の条件と、相手の発言と自分の解釈を分けて残す記録方法を決めます。

発言だけで商談の進め方を決めない

発言の範囲が分からないままでは、提案を続ける根拠も、終える根拠も曖昧になります。まず、何について困っていないのかをもう少し尋ねてよいかを相手に確かめます。

  • 課題探しを急がない 提案する理由を作るために、不満や不便を探し続けないようにします。
  • 終了を即断しない 今回の話題への発言を、会社のすべての業務に広げて解釈しないようにします。
  • 困っていると決めない 外から見た手間の多さだけで、現在の方法に問題があると判断しないようにします。

対応による違い

取りがちな対応相手に起きること防ぎ方
課題を無理に探す不満がない理由を繰り返し説明することに負担を感じる場合があります。現在の方法で足りている範囲を確かめます。
すぐ引き下がる相手が発言の範囲や今後の予定を伝える機会が減ります。確認を続けてよいかを確かめます。
困っていると断定現在の判断を否定されたと感じる場合があります。相手の説明と自分の推測を分けます。
表は編集部作成の例です。

何について困っていないのかを確かめる

同じ発言でも、対象の業務や時点、判断する立場によって意味が違います。説明された範囲を越えて、困っていないという判断を広げないようにします。

  • 対象の業務を確かめる 業務全体についての判断か、今回取り上げた作業や用途についての判断かを区別します。
  • 対象の時点を確かめる 現在の状況だけを指すのか、把握している今後の予定も含むのかを区別します。
  • 判断する立場を確かめる 個人の担当範囲での判断か、会社として確認された判断かを区別します。

発言の範囲の確認

確かめること確かめ方記録
対象の業務今回の話題と業務全体のどちらを指すかを確認します。対象の業務と、確認していない業務を分けて残します。
対象の時点現在だけか、今後の予定を含むかを確認します。判断の対象となる時点を残します。
判断する立場本人の担当範囲か、会社としての判断かを確認します。発言者の立場と判断の範囲を残します。
表は編集部作成の例です。

現在の方法が成り立つ条件を確かめる

現在の方法を知る目的は、欠点を見つけることではありません。誰がどのように進め、どんな条件のもとで業務が成り立っているかを把握します。

  • 実際の進め方を聞く 今回の話題に関わる作業について、担う人と進め方を確認します。
  • 使っているものと決まりを聞く 使っているものに加え、確認や引き継ぎの決まりも含めて現在の方法を把握します。
  • 選んだ経緯を聞く 現在の方法を選んだ理由と、今もその理由が当てはまるかを確認します。

現在の方法の把握

聞くこと確かめ方注意
人と進め方作業を担う人と、完了までの流れを確認します。手作業があるだけで負担と判断しないようにします。
使っているものと決まり使っているものと、確認や引き継ぎの決まりを確認します。道具の機能だけで業務全体を評価しないようにします。
選んだ経緯現在の方法を選んだときに重視した条件と、その条件が今も当てはまるかを確認します。選んだ当時の事情を否定しないようにします。
表は編集部作成の例です。

変化の予定と現在の方法への影響を分ける

業務が変わる予定があっても、現在の方法で対応できる場合があります。予定の内容と確かさを聞き、その変化が今回の話題に関係するかを確かめます。

  • 予定の確かさを聞く 決まっている予定と検討中の案を区別し、時期が未定なら未定のまま記録します。
  • 業務への影響を聞く 変化によって作業や役割がどう変わるかと、変わった後も現在の方法で対応できそうかを確認します。
  • 変化の予定が無い場合も判断に使う 予定がないという説明も判断の根拠にします。仮の変化を想定して提案の理由を作らないようにします。

変化と提案の関係

変化の種類確かめること提案への影響
体制や拠点役割や作業場所の変更内容と時期を確認します。変更後に提案が関わる作業があるかを判断します。
取引先や量取引先や業務量の変化と、変わった後も現在の方法で対応できそうかを確認します。量が変わるだけで提案が必要とは判断しないようにします。
制度や仕組み制度や仕組みが変わる予定と、その変更で相手の社内で必要になる作業を確認します。対応方針の中に自社の商品が役立つ場面があるかを判断します。
表は編集部作成の例です。

困っていない理由に応じて対応を決める

困っていない理由には、現在の方法で足りていることや、判断する立場にないことなどがあります。変更の負担を避けたい場合は、業務への評価と変更への考えを分けて確かめます。理由を反論の材料にせず、対応を決めるために使います。

  • 足りている条件を知る 必要な作業を終えられることなど、現在の方法を続ける理由になっている条件を確認します。
  • 変更の負担を知る 移行の手間や過去の経験も、現在の方法を選ぶ理由として扱います。
  • 立場と評価を分ける 判断する立場にないという説明は、現在の方法への満足や不満とは分けて扱います。

理由に応じた対応

理由確かめ方対応
今の方法で足りる必要な作業と、満たしている条件を確認します。現在の方法ですでに満たせている条件を、自社の商品が必要な理由として扱いません。
変える手間が大きい変更時に増える作業と、その負担の捉え方を確認します。変更の負担を含めた判断を尊重します。
過去に変更で失敗話せる範囲で、支障が出た点と今回も気にする点を確認します。今回なら解決すると根拠なく約束しないようにします。
判断する立場にない本人が説明できる範囲と、判断を担う役割を確認します。回答や別の人への取り次ぎを無理に求めないようにします。
表は編集部作成の例です。

確認できた事実をもとに、自社の商品が役立つ場面があるかを判断する

提案を続けるかは、確認した業務と提供できる内容の関係で決めます。役立つ場面がないことと、情報が足りず判断できないことを分けます。

  • 現在の業務で役立つかを判断する 今回の話題の範囲で、相手が業務で満たしたい条件のうち、現在の方法では満たせていないものがあるかを確かめます。
  • 変化後に役立つかを判断する 確認できた変化の予定で新たに必要になる条件に、自社の商品が対応できるかを判断します。
  • 判断の限界を残す 根拠が不足している場合は判断を保留します。役立つ場面が確認できなければ、提案の対象を広げないようにします。

根拠と次の行動

判断根拠次の行動
現在の業務で役立つ現在の方法で満たせない条件と、自社の商品が対応できる内容を確認しています。その場面に限って説明し、相手に続けてよいかを確かめます。
変化後に役立つ予定される業務の変化で必要になる条件と、自社の商品が対応できる内容を確認しています。変化の時期に合わせた確認が必要かを相手と決めます。
役立つ場面がない確認した範囲では現在の方法で足りています。変化の予定がない場合も含みます。今回の提案を終える結論を伝えます。
判断できない必要な条件や予定が未確認で、提案との関係を判断できません。判断に足りない情報を示し、追加で尋ねてよいかを相手に確かめます。
表は編集部作成の例です。

役立つ場面が無ければ今回の提案を終える

確認した範囲で提案が合わなければ、現在の方法を続ける判断を尊重します。今回の結論を伝え、今後の連絡を希望するかを別に確かめます。

  • 現在の判断を尊重する 自社の商品を利用しないという選択も、確認した条件に基づく判断として扱います。
  • 今回の結論を伝える 確認した範囲と、提案を続ける理由がないという結論を簡潔に伝えます。
  • 連絡の意向を確かめる 今回の提案を終えることと、今後の連絡を続けることを別々に決めます。

提案を終える対応

場面することしないこと
現在の方法で足りる足りている条件を踏まえて、今回の結論を伝えます。小さな不便を探し直して提案を続けないようにします。
変化にも対応できる説明された対応の見込みを判断に反映します。別の変化を仮定して必要性を強調しないようにします。
今後の連絡を決める連絡を希望するか、希望するなら条件を確かめます。商談できたことを継続連絡の了承とみなさないようにします。
表は編集部作成の例です。

次の連絡は相手と確認した条件で決める

次の連絡は、自分の都合だけで連絡日を決めず、相手が挙げた変化や希望に沿って決めます。連絡しないという選択も、相手と確認した結果として残します。

  • 連絡する理由を決める 相手が挙げた変化について、何を確認するための連絡かを決めます。
  • 時期と方法を決める 希望する時期と連絡方法を確認します。時期が未定なら、予定が決まったらどちらから連絡するかを相手と決めます。
  • 連絡しない選択を残す 希望がなければ次の連絡を設定しません。返答がないことを、連絡を続ける了承とみなさないようにします。

連絡条件の記録

条件内容記録
変化の時期相手が挙げた変更時期と、連絡を希望する時期を確認します。変化の内容、時期、連絡の目的を残します。
希望する方法希望する連絡方法と宛先を確認します。了承された方法と宛先を残します。
時期が未定予定が決まった際に、どちらから連絡するかを確認します。連絡する側と、連絡のきっかけを残します。
連絡しない今後の連絡を希望しない意向を確認します。連絡しない結論と、確認した日を残します。
表は編集部作成の例です。

相手の発言と自分の解釈を分けて記録する

発言と解釈を混ぜると、次に読む人が推測を事実として扱うおそれがあります。確認できたこと、未確認のこと、そこから出した判断を区別して残します。

  • 発言を意味どおり残す 要約する場合も、対象の業務や時点を省かず、相手の説明の意味を変えないようにします。
  • 解釈に根拠を添える 提案についての自分の判断には、根拠となった発言と、まだ確認していない点を添えます。
  • 未確認を明記する 予定なしと予定未確認を分けます。次の連絡についても、希望なしと意向未確認を区別します。

発言と解釈を分ける記録

記録項目書くこと
発言困っていないという説明と、その理由を発言欄に残します。要約した場合は、その旨を記します。
範囲対象の業務、時点、判断する立場を残します。未確認の範囲は未確認と記します。
現在の方法担う人、進め方、使っているもの、決まり、選んだ経緯のうち確認した内容を残します。
変化の予定変更内容、時期、確定か検討中か、現在の方法で対応する見込みを残します。
判断自分の解釈欄に、自社の商品が役立つ場面の有無、根拠となる発言、判断できない点を残します。
次の連絡相手と確認した目的、時期、方法を残します。連絡しない結論や意向未確認も明記します。
表は編集部作成の例です。

確認から記録までの方針を、自社の商品と顧客の業務に当てはめて決める

ここまでの内容を、自社の商談で使う確認事項と判断の基準に置き換えます。質問の台本ではなく、何を確かめ、どう判断して残すかを記入します。

  • 相手の業務名を当てはめる 自社の商品が対象とする顧客の業務名と、その業務を担う人の役割名を使い、確認する範囲を具体的に書きます。
  • 終える基準も書く 提案を続ける根拠だけでなく、役立つ場面がない場合や判断できない場合の扱いも決めます。
  • 記録する欄を設ける 普段使う商談記録に、相手の発言、自分の解釈、次の連絡の条件をそれぞれ記入する欄を設けます。

自社の方針を記入する確認表

確認項目自社で決めること記入欄
発言が指す範囲業務、時点、判断する立場について、確認する範囲を決めます。
現在の方法担う人、進め方、使っているものと決まり、選んだ経緯について、確認事項を決めます。
変化の予定確認する変化と、その確かさや業務への影響の記録方法を決めます。
理由と提案の判断困っていない理由の確認事項と、自社の商品が役立つ場面の判断基準を決めます。
次の連絡の条件連絡の目的、時期、方法と、連絡しない場合の扱いを決めます。
記録発言、解釈、未確認事項を分けて残す欄と、記録する場所を決めます。
表は編集部作成の例です。