担当変更の申し出には会社としての判断が必要だ

担当変更を求められても、その場で交代を約束する必要はありません。相手の希望と当時の対応を確認し、会社として実行できる対応を決めます。

  • 相手の希望を分ける 相手が交代を求めている人と、変えてほしい対応を確かめ、商談を続けたいかを別に確認します。
  • 本人の説明も確認する 当時の対応について本人の説明と記録を照らし合わせ、担当変更で変わることと残る問題を整理します。
  • 会社として回答する 実行できる対応と連絡窓口を決め、未解決の事項を記録して回答します。

担当変更の回答には会社の判断が必要だ

申し出を担当者本人が聞いた場合も、営業責任者へ共有します。担当者はその場で交代を約束せず、会社として検討したうえで回答します。

  • 本人だけに任せない 担当者は申し出の内容と受けた経緯を共有し、営業責任者は相手への確認を誰が担うか決めます。
  • 交代を即答しない 希望を聞くことと、担当変更を約束することを分けます。
  • 回答の担当を決める 営業責任者が判断に必要な情報を集め、会社として決めた対応を回答します。

申し出を受けた後の役割

場面担当者がすること営業責任者がすること
担当者が申し出を受けた希望を記録し、営業責任者へ共有します。申し出を確認し、以後の窓口を決めます。
相手から交代を求められた交代を約束せず、会社で検討して回答すると相手に伝えます。相手が交代を求めている人と、希望する対応を確認します。
回答を決める当時の対応と関連する記録を提供します。実行できる対応を決め、会社として回答します。
表は編集部作成の例です。

変更の対象は商談担当者とは限らない

最初に連絡した人と、商談を進めている人が異なる場合があります。外注先の担当者も含め、相手が誰の変更を求めているかを営業責任者が確かめます。

  • 連絡の経緯から特定する 相手が名前を挙げない場合は、連絡の手段や話した内容から、誰を指しているかを確認します。
  • 所属を思い込まない 相手が指した人が自社の担当者か外注先の担当者かを、連絡履歴と照らして確認します。
  • 対象の範囲を聞く 相手が特定の一人の変更を求めているのか、連絡に関わった複数の人を指しているのかを確認してから検討します。

接点から対象を確認する表

連絡に関わった人相手が指している可能性確かめること
最初の連絡最初に電話やメールで連絡した人を指している可能性があります。どの連絡についての申し出かを確認します。
商談説明や提案を担当した人を指している可能性があります。どの商談で誰が対応したかを確認します。
外注先の連絡自社から依頼した外注先の人を指している可能性があります。連絡履歴から所属と役割を確認します。
複数の接点連絡に関わった複数の人を指している可能性があります。変更を求める範囲を確認します。
表は編集部作成の例です。

対応の検討には出来事と評価の区別が必要だ

変えてほしい対応は、どの場面で何があったかを聞くと検討しやすくなります。営業責任者は、相手の説明を確定した事実と扱わず、出来事の説明と相手の感じ方を分けて記録します。

  • 場面を具体的に聞く 話せる範囲で、連絡の手段、説明の内容、その後の対応を確認します。
  • 出来事と評価を分ける 何があったという説明か、どう感じたという評価かを区別して残します。
  • 理由の説明を迫らない 相手が詳しく話すことを望まない場合は理由を聞き続けず、確認できた希望だけを記録します。

説明を分けて記録する表

相手の発言の種類出来事として残すこと評価として残すこと
場面の説明相手の説明として、場面と対応内容を残します。その対応をどう感じたかを、説明があれば残します。
対応への評価根拠となる場面が確認できた範囲だけ残します。相手が示した評価を、会社が確認した事実と分けて残します。
説明を望まない詳しい理由を確認していないことを残します。理由や評価を推測して補いません。
表は編集部作成の例です。

担当変更の希望は商談継続の希望とは限らない

担当を替えてほしいという申し出だけでは、その後も商談を続けたいかは分かりません。変更の希望と継続の意向を分けて確認します。

  • 継続の条件を聞く 相手が交代すれば続けたいという場合も、ほかに変えてほしい対応があるかを確認します。
  • 終了の意向を尊重する 相手に続けない意向がある場合は、担当変更を理由に商談の再開を迫りません。
  • 未定のまま記録する 相手がまだ決めていない場合は継続扱いにせず、連絡してよい範囲を相手に確認します。

変更と継続を分ける表

相手の意向確かめること当面の扱い
替えれば続ける担当変更以外にも継続の条件があるかを確認します。条件を記録し、変更の可否を会社で検討します。
替えても続けない終了に伴って必要な連絡があるかを確認します。商談を進める連絡を止め、必要な対応を整理します。
まだ決めていない判断に必要な情報と連絡の可否を確認します。意向は未定と記録し、確認できた範囲で連絡します。
表は編集部作成の例です。

結論が出るまでの連絡には当面の窓口が要る

担当変更の結論が出る前にも、問い合わせや未回答の事項が残ることがあります。営業責任者は、当面の窓口と、交代を求められた担当者から連絡してよい範囲を決めます。

  • 連絡窓口を決める 営業責任者などが当面の連絡を受け、社内でも窓口を共有します。
  • 本人からの連絡の可否を確かめる 交代を求められた担当者から連絡してよいかを相手に確認し、未確認の間は会社の窓口から対応します。
  • 進行中の約束を確かめる 営業責任者は未回答の質問や提出予定を確認し、継続する対応と保留する対応を決めます。

結論が出るまでの連絡整理

事項決めること相手に伝えること
当面の窓口問い合わせを受け、社内確認を担う人を決めます。窓口となる人と連絡先を伝えます。
本人からの連絡相手の意向に沿って、交代を求められた担当者が連絡してよいかと範囲を決めます。以後の連絡を誰が担うかを伝えます。
未回答の質問回答を引き受ける人と確認事項を決めます。回答できる内容と確認中の内容を伝えます。
進行中の約束実行の可否を確認し、継続か保留かを決めます。約束の扱いと変更が必要な点を伝えます。
表は編集部作成の例です。

当時の対応は本人の説明と記録を分ければ事実が分かる

相手の説明に加え、営業責任者は担当者本人からも当時の対応を聞きます。本人の記憶や解釈と、連絡履歴や送付資料で確認できる事実を分けます。

  • 対応の経緯を聞く 営業責任者は本人に、相手へ何を伝え、どのように対応したかを聞き、その判断に至った事情も確認します。
  • 記録で裏づける 連絡履歴と送付資料を照らし合わせ、内容や送付の有無を確認します。
  • 説明の違いを残す 相手の説明と本人の説明が一致しない部分は未確認として残します。記録がないことだけで、対応がなかったと判断しません。

本人の説明と記録の扱い

情報の出どころ分かること扱い
本人の説明本人が記憶する対応と、その判断の理由が分かります。対応の説明と本人の解釈を分けて残します。
連絡履歴残された記録の範囲で、やり取りを確認できます。記録にない会話まで確認できたとは扱いません。
送付資料資料の内容と、履歴があれば送付の有無を確認できます。相手が読んだか、どう理解したかとは分けます。
表は編集部作成の例です。

担当変更だけで会社の手順が変わるとは限らない

申し出の背景には、本人の対応だけでなく、会社の回答手順や提供内容が関わる場合があります。担当を替えても残る問題を分けて検討します。

  • 本人が変えられる対応を確かめる 説明の進め方や連絡方法など、本人の対応で変更できる部分を確認します。
  • 会社の手順を見直す 回答の承認や社内確認に原因がある場合は、会社として手順を検討します。
  • 提供内容の限界を示す 会社が提供できない内容は担当者の交代では変わりません。変更できる範囲を明らかにして伝えます。

担当変更で変わる範囲の整理

問題の種類担当変更で変わるか会社として変えること
本人の対応変わる可能性はあるが、交代だけでは変わるとは限りません。必要な対応を具体的に決め、実行できるか確認します。
会社の回答手順手順に原因がある場合、同じ手順を使う限り交代後も問題が残ります。社内確認と回答の担当者、承認の手順を見直します。
会社の提供内容担当が替わっても、提供できる内容は自動では変わりません。変更の可否を検討し、提供できる範囲を明示します。
表は編集部作成の例です。

担当変更が難しい場合も会社の対応が必要だ

担当変更を実行できない場合は、その事実と会社として変えられる対応を伝えます。代わりの対応で商談を続けるかは、相手の意向を確認します。

  • 実行できる案を選ぶ 担当変更や代わりの対応は、社内で実行できることを確認してから提示します。
  • 会社の関与を具体的に決める 営業責任者の同席や窓口の変更など、誰が何を担うかを決めます。
  • 継続の意向を聞く 営業責任者は、提示した対応で続けたいかを相手に確認します。代案への了承を商談継続の了承とみなしません。

担当変更が難しい場合の対応

対応の案実行に必要な条件相手に確かめること
営業責任者の同席営業責任者が商談に参加し、回答や判断を担える体制があること同席を希望するか、その対応で商談を続けたいかを聞きます。
連絡窓口の変更別の窓口が連絡を受け、社内確認を担える体制があること商談担当は同じでも、その連絡方法で続けたいかを聞きます。
回答手順の変更回答前の確認や承認を社内で実行できること変えてほしい対応に応えているか、続けたいかを聞きます。
表は編集部作成の例です。

相手への対応と社員の評価とは判断が違う

担当変更の申し出だけで、本人の対応に問題があったとは断定できません。相手への対応と社員への評価を分け、確認できた事実を社内で検討します。

  • 申し出だけで決めない 相手の希望は対応を決める材料として扱い、それだけで社員への評価を確定しません。
  • 確認できた対応で検討する 当時の対応、会社の指示、本人が判断できた範囲を確認したうえで、社内で検討します。
  • 社内評価を回答しない 相手には会社として行う対応を伝え、社員への評価を回答の理由に持ち込みません。

相手への対応と社員評価の区別

判断検討の材料避けること
相手への対応変更の希望、継続の意向、会社が実行できる対応を材料にします。本人への評価が決まるまで相手への連絡を止めること
社員への評価確認できた対応、本人の説明、会社の指示を材料にします。申し出があったことだけで結論を出すこと
相手への回答会社として決めた対応と未解決の事項を伝えます。社員への評価を示して、回答に納得するよう求めること
表は編集部作成の例です。

決めた対応と未解決の事項は分けて記録する必要がある

営業責任者は、確認できた内容と会社の判断を、自社の言葉でこの判断表に記入します。未確認の事項は空欄にせず、確認を担う人と合わせて残します。

  • 情報の出どころを書く 相手の説明、本人の説明、記録で確認した事実を区別して書きます。
  • 決めた対応と未確認を分ける 担当変更の可否と会社が変える対応を書き、相手の意向が未確認なら未確認と明記します。
  • 未解決の担当を決める 未解決の事項ごとに確認する人を決め、結果を誰が回答するかも残します。

担当変更の申し出を受けたときの判断表

確認項目記入する内容確認項目記入する内容
申し出の内容希望する変更と、申し出を受けた人を書きます。変更を求められた人氏名・所属・接点と、変更を求める範囲を書きます。
相手が問題にした場面出来事の説明と評価を分け、説明を望まない場合も記します。商談継続の意向継続・終了・未定の意向と、その条件を書きます。
当面の連絡窓口窓口、元の担当者の連絡可否、進行中の約束の扱いを書きます。本人の説明と記録本人の説明、記録で分かる事実、説明の違いを書きます。
決めた対応担当変更の可否、会社が変える対応、回答者を書きます。未解決の事項と担当残る事項、確認する人、相手への回答を担う人を書きます。
表は編集部作成の例です。