自分の購入判断が相手にも当てはまるとは限らない
自分なら買うかと聞かれたら、結論に加えて判断の理由を説明する必要があります。自分と相手の条件の違いを整理し、相手が選べる答え方を考えます。
- 答え方の組み立てを決める 質問の意図に応じて、商品の事実と自分の意見を分け、判断の基準を説明する組み立てを決めます。
- 相手と考える範囲を決める 自分と相手の条件を比べ、相手が決めることと、追加で確かめることを決めます。
- 答え方と記録を決める 買わない場合や答えられない場合の伝え方と、答えた内容の記録先、社内の確認先を決めます。
購入への質問が後押しの希望とは限らない
同じ質問でも、意見を知りたい場合と、判断への不安がある場合では必要な説明が違います。質問に至った理由を確かめてから、答える内容を決めます。
- 結論を急がない 買うか買わないかを答える前に、何を知るための質問かを確かめます。
- 迷う様子だけで決めない 迷いが見えても、後押しを求めているとは限りません。言葉の背景を確かめます。
- 重なる意図を整理する 意見も聞きたい、不安も解消したい場合は、先に整理したいことを相手と決めます。
質問の意図の整理
| 意図 | 表れ方 | 確かめること |
|---|---|---|
| 意見が聞きたい | 商品説明に加え、個人の考えを求めています。 | 結論と判断の理由のどちらを知りたいか確かめます。 |
| 後押しがほしい | 購入に傾きつつ、判断への賛同を求めています。 | 購入したい理由と、まだ迷う点を確かめます。 |
| 不安がある | 説明後も、購入してよいかを尋ねています。 | 情報が足りない点と、条件への不安を確かめます。 |
個人の意見だけでは商品の事実は伝わるとは限らない
自分なら買うという意見だけでは、商品の機能や条件は伝わりません。確認できた事実、自分の判断、まだ確かめていない推測を分けて説明します。
- 事実には根拠を添える 機能や提供条件などは、現在の資料で確認できた内容と、その確認元を示します。
- 意見には理由を添える 買うかどうかの意見には、自分が重視する条件を添えます。商品の説明とは分けます。
- 推測には未確認と記す 見込みを説明する場合は、未確認であることを明らかにし、確定した情報と区別します。
答えの種類の整理
| 答えの種類 | 示し方 | 注意 |
|---|---|---|
| 商品の事実 | 確認元と、適用される条件を示します。 | 未確認の機能や条件を含めません。 |
| 自分の判断 | 個人の意見として、理由と前提を示します。 | 会社の見解や、商品が条件を満たす裏付けとして扱いません。 |
| 推測 | 推測であることと、考えた根拠を示します。 | 確認できるまでは、確定した前提にしません。 |
自分なら買うかの答えは目的と欠かせない条件で変わる
自分なら買うかを説明するには、何のために買い、何が満たされれば選ぶのかを示す必要があります。確かめる項目、判断の基準、想定する状況を分けて示します。
- 目的から項目を選ぶ 解決したい仕事上の問題を起点に、購入前に確認したい機能や利用条件を選びます。
- 基準に優先順をつける 欠かせない条件と、あれば望ましい条件を分け、判断に与える重みを説明します。
- 想定する状況を示す 利用の目的や運用の人手など、判断の前提として想定した状況を示します。想定が仮のものなら、その旨も伝えます。
判断の理由の整理
| 説明すること | 示し方 | 注意 |
|---|---|---|
| 確かめる項目 | 目的に必要な機能や、導入後の作業を挙げます。 | 確認していない項目は、未確認と明記します。 |
| 判断の基準 | 購入に欠かせない条件と、その理由を示します。 | 好みを、誰にでも必要な条件として扱いません。 |
| 想定する状況 | 想定する目的、人手、利用時期を示します。 | 仮定した状況なら、実際の状況と区別します。 |
目的が同じでも購入の条件まで同じとは限らない
解決したい問題が似ていても、使える人手や利用時期が違えば判断は変わります。自分の基準を示したうえで、相手にも当てはまる部分を一緒に整理します。
- 共通点の範囲を見極める 目的が同じという理由だけで、人手や運用の条件まで共通していると考えないようにします。
- 違いで判断を見直す 異なる条件が見つかったら、自分の結論を当てはめず、その違いが判断に与える影響を考えます。
- 相手の確認を待つ 社内の優先順位などは推測で埋めず、相手側で確かめてもらう項目として残します。
自分と相手の条件の整理
| 比べる点 | 確かめること | 扱い |
|---|---|---|
| 同じ点 | 目的や必要な機能が、どこまで共通するか確かめます。 | 共通と確認できた条件について、自分の判断の理由を伝えます。 |
| 違う点 | 目的、人手、利用時期の違いを確かめます。 | 違いを踏まえ、判断の基準を相手と見直します。 |
| 相手だけが知る点 | 社内の優先順位や、運用を担う人を確かめます。 | 相手側で確認するまで、相手に当てはまるかの結論を保留します。 |
判断を求められても購入を決めるのは相手でしかない
自分の意見を伝えることと、相手の購入を決めることは別です。結論を求められる場面でも、説明できることと、相手が決めることを分けます。
- 意見と決定を分ける 判断の理由は示しても、相手の社内事情を含む決定まで引き受けないようにします。
- 期限内に確認できる範囲を示す 急ぎの場合も、未確認の条件を省いて結論を出さず、期限までに確認できる範囲を示します。
- 説明の前提も残す 上司への説明に使われる場合は、個人の意見であることと、判断の前提も一緒に残します。
判断を委ねられた場面の整理
| 場面 | 避けること | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 決定を求められる | 相手の事情を確認しないまま購入を決めること。 | 判断材料を整理し、相手側で決める項目を示します。 |
| 期限を迫られる | 確認できていない条件を満たしていると扱うこと。 | 確認の見通しと、未確認のまま残る点を示します。 |
| 上司に説明される | 個人の意見が会社の裏付けとして伝わる状態にすること。 | 意見の理由と前提を、事実と分けて残します。 |
自分が買わない理由が相手にも当てはまるとは限らない
買わないと考える場合も、結論だけでは商品全体への否定と伝わることがあります。自分の条件と理由を示し、相手にも同じ理由があるかを整理します。
- 見送る理由を自分の状況に結び付ける 必要性や利用時期など、見送る理由を自分の状況に結び付けます。商品の事実とは分けて説明します。
- 変われば買う条件を示す 条件次第で判断が変わるなら、その条件を示します。変わる見込みがない条件で、判断が変わると期待させません。
- 購入以外も整理する 現状を続ける、時期を改めるなどの選択肢も整理します。それぞれに残る問題を説明します。
買わない理由の整理
| 場面 | 伝えること | 注意 |
|---|---|---|
| 自分の状況では | 自分の目的や状況では、商品が自分に必要な条件を満たさない理由を示します。 | 相手にも同じ理由があると決め付けません。 |
| 条件が合えば | 何が変われば購入を検討するかを示します。 | 商品の機能や条件が変わると約束しません。 |
| 別の選択肢 | 現状維持や延期で対応できる範囲を示します。 | 購入を見送った場合に残る問題も扱います。 |
答えられない立場では、答えられる範囲を示すしかない
判断に必要な利用の状況が自分にない場合や、役割上、個人の意見を示せない場合があります。答えられない理由を絞り、代わりに提供できる情報を示します。
- 理由を具体的にする 判断の材料がないのか、役割や社内方針によるのかを分け、説明できる範囲で理由を示します。
- 分かることを示す 個人の購入判断を答えられなくても、確認済みの機能や条件、未確認の項目は整理できます。
- 確認できる範囲を示す 追加の説明が必要なら、誰に何を確認できるかを示します。別の人が結論を出すとは約束しません。
答えられない立場の整理
| 立場 | 伝えること | 代わりに示すこと |
|---|---|---|
| 利用者ではない | 自分には購入を判断できる利用の状況がないことを伝えます。 | 判断前に必要な確認項目と、商品の事実を示します。 |
| 判断する立場でない | 役割上、個人の購入判断を示せない範囲を説明します。 | 自分が説明できる情報と、確認先を示します。 |
| 社内方針がある | 個人の意見として回答できる範囲を説明します。 | 提供可能な資料と、追加で確認できる内容を示します。 |
答えの前提を残さなければ引き継ぎで結論だけが残る
買うと答えたという記録だけでは、どの条件で判断したのかが分かりません。質問の意図、答えの前提、相手の反応、残る確認事項を記録します。
- 意図の確認状況を残す 相手に確かめた意図と、自分が推測した意図を分けて記録します。
- 結論と理由を残す 商品の事実、自分の判断、推測を分け、結論に付けた条件も記録します。
- 反応を決定と扱わない うなずきや賛同だけで購入の決定と記録せず、実際に確認できた内容を残します。
回答後の記録項目
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 質問の意図 | 確かめた意図と、まだ分からない点を書きます。 | 次の説明で何を扱うべきか分かります。 |
| 自分の答え | 結論、判断の基準、前提、事実の確認元を書きます。 | 結論だけでなく、判断の前提もたどれます。 |
| 相手の反応 | 実際に示された賛同、疑問、保留の内容を書きます。 | 相手が示した反応と、購入の決定を区別できます。 |
| 確かめること | 未確認の項目、確認する人、回答予定を書きます。 | 誰が何を確認するかを引き継げます。 |
社内では結論ではなく回答の範囲をそろえる必要がある
個人の意見を求められる質問では、全員の結論が同じになるとは限りません。説明してよい範囲、答えを控える範囲、確認先を社内で決めます。
- 意見を言える範囲を決める 個人の意見と明示し、理由と条件を添えて答えられる範囲を決めます。
- 答えを控える範囲を決める 未確認の効果や条件を言い切ること、相手の購入を代わりに決めることは控えると定めます。
- 迷った場合の確認先を決める 商品情報と回答方針の確認先を明らかにし、回答を保留した場合の連絡方法も決めます。
社内で決める回答方針
| 決めること | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 意見を言える範囲 | 個人の意見を示せる話題と、添える前提を書きます。 | 意見と会社の見解を分けて伝えられます。 |
| 言わない範囲 | 未確認の内容を言い切らないこと、購入の決定を引き受けないことを書きます。 | 説明できる範囲を超えた回答に気づけます。 |
| 確認先 | 確認する内容ごとに、部署や担当者を記します。 | 迷ったときに誰へ確認するか分かります。 |
| 保留中の対応 | 相手に知らせる内容と、回答予定の決め方を書きます。 | 確認中の相手への連絡が続きます。 |
確認表を埋めると回答の前提と相手が決めることが分かる
あなたなら買いますかと聞かれた場面を思い浮かべ、自社の言葉で記入します。空欄は推測で埋めず、追加で確かめることとして残します。
- 回答前の条件を書く 質問の意図、確認済みの事実、自分の基準を書き、相手との違いを整理します。
- 買わない・答えられない場合も書く 買わないと答える理由や、立場上答えられない理由をそれぞれ記入し、代わりに示す情報を決めます。
- 回答後に更新する 実際に答えた内容と相手の反応を追記し、未確認事項と社内の確認先を記録します。
あなたなら買いますかと聞かれたときの確認表
| 確認項目 | 自社で記入すること |
|---|---|
| 質問の意図 | 相手が知りたいことと、その意図を確認できたかを書きます。 |
| 商品の事実 | 確認済みの機能や条件と確認元を書き、未確認の情報は分けて書きます。 |
| 自分の判断基準 | 目的、欠かせない条件、自分の状況を書きます。 |
| 相手との違い | 共通する条件、異なる条件、相手側で確かめる点を書きます。 |
| 相手が決めること | 相手側で判断する優先順位や購入の可否を書きます。 |
| 答えた内容・記録先 | 答えた内容、相手の反応、残る確認事項、確認先、保存する場所を書きます。 |
