説明の違いを確かめて提案の前提を決める

同じ業務でも、説明が指す作業や時期は異なることがあります。どちらかを正しいと決める前に、確認する内容と提案への反映方法を決めます。

  • 説明の違いを書き出す 誰の説明がどこで違うかを残し、部署・役割・時期・業務の範囲を確かめます。
  • 資料と確認順を決める 確認に使う資料を選び、双方に何をどの順番で確かめるかを決めます。
  • 提案への反映を決める 確認できた事実と未確認の事項を分け、確認結果を提案にどう反映したかと、確認の経緯を記録します。

説明の違いが提案にどう影響するかを確かめてから、提案条件を決める

一方の説明だけで提案を進めると、対象外の作業を含めることがあります。両方を混ぜたり、相手を責めるように矛盾を指摘したりせず、違いが提案に影響する範囲を確かめます。

  • 一方だけで決めない 詳しい説明でも、対象が特定の部署や作業に限られていないかを確かめます。
  • 説明を混ぜない 別々の条件で行う作業を条件を確かめずにまとめると、実際とは違う手順を提案の前提にするおそれがあります。
  • 確認の目的を絞る 説明の正誤を判定するのではなく、提案に必要な業務の範囲と条件を確かめます。

前提を確かめずに進めた場合

営業担当者の行動商談先に起きること防ぎ方
一方の説明だけで提案条件を決める別の範囲の作業まで確認し直す必要が生じます。双方の説明が指す範囲を確かめます。
両方を折衷する実際の手順と提案の対応が分かりにくくなります。各説明の条件を分けて残します。
説明の誤りを責めるように伝える提案の検討より、説明の違いへの対応に時間を使うことになります。作業・時期・範囲の確認事項として示します。
表は編集部作成の例です。

違う点と同じ点を説明ごとに書き出す

説明の違いを省いて要約すると、後から相違点を確認しにくくなります。誰が何を説明したかが分かるように、説明者ごとに内容を残し、同じ作業について比べます。

  • 説明の出所を残す 説明した人と聞いた日を添え、誰から聞いた内容かを後から確認できるようにします。
  • 違う箇所を絞る 作業の有無、進める順番、使う帳票など、異なる点を具体的に書きます。
  • 同じ箇所も残す 一致している説明も記録します。ただし、時期や範囲の確認前に、業務全体の事実とは扱いません。

説明を比較するための書き出し方

書き出す項目書き方注意
説明した人氏名・部署と、説明を聞いた日を書きます。伝聞の場合は、その旨を添えます。
説明の内容説明ごとに、作業と進め方を書きます。聞いていない内容を補いません。
違う点作業を行う時期や使う帳票について、各説明の内容を並べて書きます。同じ作業を比較しているか確かめます。
同じ点双方が説明した共通の作業を書きます。一致する範囲だけを記します。
表は編集部作成の例です。

部署・役割・説明が指す時期を説明に添えて確認する

作業をする役割と管理する役割では、説明する内容の細かさが異なることがあります。聞いた日とは別に、説明がいつの業務を指すかも確かめます。

  • 担当する部署を確かめる 部署名に加え、その業務のどの部分を担当しているかを確認します。
  • 関わり方を確かめる 実際に作業する役割か、管理する役割かを記します。役職だけで説明の確かさを判断しません。
  • 説明が指す時期を確かめる 現在の運用、以前の手順、今後の計画を分けます。変更の予定と実施済みの内容も区別します。

説明の背景を確認する項目

確かめること確かめ方分かること
担当部署所属と担当する作業を確認します。どの部分の業務を説明しているかが分かります。
業務上の役割作業・管理などの関わり方を確認します。説明が実際の作業に基づくか、管理上の手順に基づくかが分かります。
説明が指す時期現在・過去・計画のどれかを確認します。同じ時期の説明を比較できます。
変更の状況変更内容と適用済みの範囲を確認します。新旧の手順が使われる条件が分かります。
表は編集部作成の例です。

業務名ではなく作業の範囲を確かめる

同じ業務名でも、受付から完了までのどこを含むかは異なります。拠点や部署、通常時と例外時の違いを分けて確認します。

  • 作業の始めと終わりを見る 何を受け取って作業を始め、何を終えたら完了とするかを確かめます。
  • 拠点と部署を分ける どの拠点・部署の手順かを記し、他の拠点にも同じ手順が当てはまると推測しません。
  • 例外の条件を残す 通常の処理と、差戻しや個別対応がある場合の処理を分けて記録します。

業務の範囲を切り分ける確認

範囲の違い確かめ方記録
作業の始まりと終わり開始のきっかけと完了の状態を確認します。含む作業と含まない作業を書きます。
拠点・部署説明が当てはまる拠点と部署を確認します。適用する拠点名・部署名を書きます。
対象の案件商品や受付経路による手順の違いを確認します。対象となる案件の条件を書きます。
例外の扱い通常と異なる処理が必要になる条件を確認します。通常の手順と例外の手順を分けます。
表は編集部作成の例です。

聞いた説明と確認できた事実を区別する

両方の説明を残すことは、両方を実際の業務として確定することではありません。説明があった事実を記録し、業務の実態は別に確認します。

  • 両方の説明を残す 片方を消したり書き換えたりせず、それぞれの説明と確認状況を残します。
  • 理由を推測で書かない 違いの理由が分からない間は未確認と記します。部署間の事情や理解の差を推測で補いません。
  • 作業の条件を確かめる 相手を責めるように食い違いを指摘せず、それぞれの説明が当てはまる条件を確認します。

説明の違いが見つかった場面での扱い

場面することしないこと
説明が異なるそれぞれの説明を出所とともに残します。片方の説明を記録から消しません。
理由が不明理由は未確認と記します。社内事情を推測して書きません。
説明が詳しい裏付けとなる資料や作業を確認します。説明の詳しさだけで採用しません。
双方へ確認する同じ作業と条件を確認項目にします。どちらの説明が誤りかを問い詰めません。誤りと分かった場合は、訂正内容を記録します。
表は編集部作成の例です。

資料で確かめてから双方への確認順を決める

説明を確かめられる資料を、共有できる範囲で提供してもらいます。資料の適用範囲を確認し、残った項目を誰にどの順で確かめるかを決めます。

  • 資料の範囲を確かめる 手順書・分担表・帳票の更新日と対象を確認します。共有できない情報を伏せた資料でも、読める範囲で手順や条件を確認します。
  • 確認する順番を決める 資料を説明できる人に確認し、残る項目を双方に確かめます。窓口と確認先・順番を調整します。
  • 確認の目的を伝える 確認の目的は、提案の対象作業と条件を明確にすることだと伝えます。説明した人同士を比べる伝え方は避けます。

資料の選び方と確認の進め方

確かめ方確かめたいこと注意
業務手順書を見る定められた作業順を確かめます。現在の運用にも使われているか確認します。
分担表を見る部署ごとの担当作業を確かめます。日々の作業の詳細まで分かるとは限りません。
実際の帳票を見る記入項目や処理の跡を確かめます。その帳票の対象・時期を確認します。
双方に確認する資料だけでは分からない条件を確かめます。同じ確認項目を使い、回答の条件も残します。
表は編集部作成の例です。共有が難しい資料は、該当箇所の閲覧などで確認します。

確認結果を分けて提案に使う事実を選ぶ

双方の説明が一致した内容と、資料で確認できた内容を分けて記録します。時期と範囲を確かめたうえで、提案に使える内容を選びます。

  • 一致した範囲を記す 双方の説明が一致していても、確認した作業・時期・範囲を超えて提案に使いません。
  • 資料の裏付けを記す 資料名と該当箇所を残します。資料の記載と現在の運用が異なる場合は、違いも記します。
  • 不一致と未確認を分ける 確かめても一致しない内容と、まだ確かめていない内容を分け、次の確認事項を決めます。

確認結果と提案への反映

区分扱い提案への反映
双方の説明が一致説明が一致したことと、実際の運用を確認できたことを分けます。同じ時期・範囲で一致した内容を、実際の運用の確認結果とともに前提にします。
資料で確認更新日・適用範囲と現在の運用を確かめます。裏付けられる内容に限って使います。
一致しない各説明と、残る違いを記します。業務の条件ごとに提案内容を分けるか、確認が済むまで対象範囲を確定しません。
未確認確認先と確かめる項目を記します。確定した事実として書きません。
表は編集部作成の例です。資料で確認できても、説明と異なる点は別に残します。

商談先の説明に違いが残る場合は、提案に条件と未確定事項を書く

説明の違いが残っていても、確認できた範囲から提案を組み立てられます。対象範囲・進め方・提供条件への影響に応じて、書き方を決めます。

  • 前提を本文に書く 対象とする拠点・作業・運用の時期を、提案内容の近くに明記します。
  • 条件ごとに場合分けする 手順によって必要な対応が変わる場合は、条件と対応内容を組にして示します。
  • 確定に必要な確認を示す 対象範囲や提供条件を確定するために何の確認が必要かを明示し、確認後に確定すると書きます。

違いの影響に応じた提案の書き方

場面提案の書き方注意
範囲を絞れる確認済みの部署と作業を対象として明記します。未確認の部署まで対象を広げません。
手順で内容が変わる手順ごとに必要な対応を分けて書きます。どの条件で各案を使うかを示します。
提供条件に影響する提供条件は対象作業の確認後に確定すると書きます。仮の条件に基づく箇所には、その条件を添えます。
範囲が決まらない対象範囲は確認後に確定すると書きます。先に検討できる内容だけを提示します。
表は編集部作成の例です。

提案の前提をたどれる記録を残す

結論だけでは、後から前提が変わった理由を確かめられません。説明・資料・確認結果・提案への反映を対応させ、次に確認することまで残します。

  • 出所をたどれるようにする 説明した人、確認した日、資料の該当箇所を残し、各記述の根拠を示します。
  • 変更の理由を残す 確認結果が変わったら、以前の内容と更新日、変更の根拠を記します。
  • 次の確認を具体化する 確認する内容・相手・時期を記し、回答を得た後に提案のどこを見直すかを決めます。

商談記録に残す項目

記録項目書くこと
説明した人と内容氏名・部署・役割、聞いた日、説明が指す時期と範囲を書きます。
確認した資料資料名・更新日・該当箇所と、確認できた内容を書きます。
確認の結果説明同士が一致しているかと、資料や運用で確認できたかを分け、各項目の根拠を書きます。
提案の前提採用した事実と適用範囲、条件付きで扱う内容を書きます。
次に確認すること確認項目・相手・時期と、結果を反映する箇所を書きます。
記録の更新更新日、変更前後の内容、変更の根拠を書きます。
表は編集部作成の例です。

確認表に記入して提案前の対応を決める

商談中の案件を選び、確認できている内容から記入します。分からない欄には未確認と書き、確認先と順番を決めます。

  • 説明を分けて記入する 異なる説明をそれぞれ残し、部署・役割・時期・作業の範囲を添えます。
  • 未確認の対応を決める 確認する資料と相手を選び、双方への確認順と、提案のどの条件を確かめたいかを書きます。
  • 提案に反映する 確認表の内容をもとに、提案の前提、条件ごとの対応、確認後に確定する事項を提案書に書きます。

説明の食い違いを整理する確認表

記入項目記入する内容記入欄
食い違いの内容各説明と、違う点・同じ点を書きます。
説明の背景と範囲説明した人の部署・役割、説明が指す業務の時期、対象となる作業の範囲を書きます。
確認した資料資料名・更新日・該当箇所と、確認結果を書きます。
一致した内容双方の説明が一致した内容と、資料や運用で確認できた範囲を書きます。
不一致・未確認残る違いと未確認を分け、確認先・順番・時期を書きます。
提案の前提と書き方使う事実、場合分け、確認後に確定する事項を書きます。
確認表は編集部作成の例です。記入日と更新日を添え、商談記録と一緒に保管します。