経験した仕事と今回の役割を分けて説明する

経歴や資格を聞かれたら、まず何を確かめたい質問なのかを確認します。そのうえで、経験した仕事と今回の役割を分けて説明します。

  • 質問の意図を確かめる 相手との会話で、何を気にして経歴を尋ねているのかを確かめ、説明する内容を決めます。
  • 説明する範囲を決める 経験した仕事、今回の役割、資格や所属について、話してよい範囲を決めます。
  • 確認と記録の方法を決める 答えられない質問の確認先と返答方法を決め、営業管理表に残す内容を確認します。

経歴を聞かれても事実の範囲で答える

経歴を聞かれると、経験を大きく見せたり、答えに詰まったりすることがあります。話せる事実と確認が必要な内容を分けておくと、商品の説明に戻りやすくなります。

  • 経験を大きく見せない 関わった仕事でも、自分が担当していない部分まで経験したように話さないようにします。
  • 答えに詰まったら確認する 何を知りたい質問かを確かめ、説明できることから答えます。
  • 経歴を商品の裏付けにしない 経歴の説明から、商品の品質や会社の対応を裏付ける話へ広げないようにします。

対応によって起こり得ること

取りがちな対応起きること防ぎ方
経験を大きく話す任せられる仕事の範囲を誤解されることがあります。自分が担当した部分を明らかにします。
答えに詰まる商品の説明を続けにくくなります。質問の意図を確認し、答えられる範囲を伝えます。
経歴を裏付けにする商品の条件より個人の経歴で判断されることがあります。商品の仕様と利用条件に戻って説明します。
表は編集部作成の例です。

経歴を答える前に質問の意図を確かめる

同じ経歴の質問でも、相手が知りたいことは異なります。担当範囲、業界の理解、相談の進め方のどこが気になるのかを確かめます。

  • 任せたい仕事を確かめる 安心して任せられるかを気にしている場合は、今回引き受ける仕事と担当の範囲を説明します。
  • 業界で気になる点を確かめる 業界への理解を問われた場合は、相手が理解してほしい業務や取引の条件を具体的に確認します。
  • 相談の進め方を伝える 話が通じるかを気にしている場合は、要望の確認方法と専門的な質問の相談先を説明します。

質問に応じて答える方向を決める

質問の型相手が知りたいこと答える方向
担当経験を問う今回の仕事を安心して任せられるかを知りたい。担当する仕事と、支援を受ける範囲を説明します。
業界理解を問う業界特有の事情を理解しているかを知りたい。経験した業務と、確認が必要な事情を分けます。
相談方法を問う自分の要望を理解してもらい、必要な回答を得られるかを知りたい。要望の確認方法と社内への相談方法を説明します。
表は編集部作成の例です。

過去の仕事と今回できることを分けて説明する

経験した仕事と、今回任されている仕事は同じとは限りません。過去の担当内容、今回の役割、判断できる範囲を分けて説明します。

  • 経験した仕事を整理する どの仕事で何を担当したかを整理します。部署全体の仕事と、自分が行った仕事を区別します。
  • 今回の役割を明らかにする 商談の窓口、要望の確認、商品説明など、今回引き受ける仕事を明らかにします。
  • 決められる範囲を伝える 自分で判断できることと、社内の確認や承認が必要なことを分けます。

説明する内容を分ける

説明すること内容注意
これまでの仕事自分が行った業務と、関わった範囲を説明します。参加しただけの仕事を、主導したように話しません。
今回の役割今回の商談で受け持つ仕事を説明します。他の人が担う仕事まで引き受けたように話しません。
判断できる範囲自分で決められる事項と承認が必要な事項を説明します。過去の経験を、現在の決定権の根拠にしません。
表は編集部作成の例です。

個人の経歴を商品の品質や会社の対応の証明に使わない

個人の経験だけでは、商品の品質や会社の対応範囲は説明できません。商品の品質は仕様と利用条件で、会社の対応は社内で確認した体制で説明します。

  • 品質は仕様と条件で話す 商品の仕様、利用条件、対応できない範囲を示します。自分の経歴が評価されても、それを理由に商品の品質を説明しません。
  • 会社の対応は体制で話す 窓口、対応する部署、確認の手順を説明します。自分の経験だけで会社の対応を約束しません。
  • 経験は判断の参考にする 経験から気づいた点は、今回の条件でも当てはまるかを確認して伝えます。

説明の根拠を選ぶ

場面することしないこと
品質を聞かれる仕様や資料を示し、利用条件を確認します。自分の経歴や資格だけで品質を裏付けません。
対応を聞かれる対応部署と受付範囲、確認手順を説明します。自分が詳しいことを理由に、会社の対応を約束しません。
担当経験を尋ねられる経験と今回の条件の違いを確認します。過去にできたことが今回もできると決めつけません。
表は編集部作成の例です。

経験の範囲と確認の方法を伝える

経験が浅い場合も、担当した仕事を事実に沿って説明します。不明点の確認方法と、実際に利用できる社内の支援を伝えます。

  • 事実をそのまま伝える 未経験の仕事を経験したように話さず、学んだ内容と実際に担当した内容を分けます。
  • 確認の方法を伝える 不明点を誰に、どの資料で確認するかを伝えます。返答時期は社内で確認してから約束します。
  • 受けられる支援を伝える 説明の補助、回答の確認、同席など、今回受けられる支援を営業責任者と確かめます。

経験が浅い場合の対応を決める

場面することしないこと
未経験の業務未経験であることと、今回の担当範囲を伝えます。研修で学んだことを、担当した経験として話しません。
商品知識が不足質問を整理し、資料や社内の確認先を伝えます。曖昧な理解で、機能や条件を言い切りません。
支援が必要受けられる支援と連絡方法を確認します。未確認の同席や回答を約束しません。
表は編集部作成の例です。

質問の種類で確認と回答の方法を決める

答えられない質問には、知識の確認が必要なものと、話してよいかの判断が必要なものがあります。質問の種類に応じて、確認先と回答の範囲を決めます。

  • 専門的な質問は確認する 質問と前提条件を整理し、答えられる部署や人へ確認します。確認後の返答方法も伝えます。
  • 顧客情報は話してよいか確認する 他の顧客の話は、話してよい内容かを社内の確認先に確かめます。名前を伏せるだけで話せると判断しません。
  • 個人的な質問は範囲を決める 商談との関係を確かめ、必要な範囲で答えます。私生活の詳細まで説明する必要はありません。

答えられない質問を扱う

質問の型扱い注意
専門的な質問確認先と確認方法を伝え、質問を持ち帰って回答します。推測を確定した回答として伝えません。
他の顧客の話開示の可否を社内で確認してから答えます。情報の組み合わせから顧客が分かる場合にも注意します。
個人的な質問商談との関係を確かめ、答える範囲を決めます。答えない場合も、業務上説明できる内容を案内します。
表は編集部作成の例です。

資格や所属は確認できる範囲で説明する

資格や所属を伝えると、相手はできる仕事や判断できる範囲まで広く受け取ることがあります。現在の状態と今回の役割を確かめ、誤解が生じない範囲で説明します。

  • 資格の状態を確認する 保有や登録、更新の状況を確認します。学習中なのか、取得済みで現在も有効なのかを区別して伝えます。
  • 所属と役職を正確に話す 現在の所属と役職を正式な表記で伝えます。役職とは別に、今回の担当範囲を説明します。
  • 資格だけで請け合わない 資格の説明と、今回提供できる業務を分けます。専門的な判断をすべて引き受けるように話しません。

資格や所属の説明を確認する

項目説明すること注意
資格の状態確認した名称と現在の保有状況を伝えます。失効や更新の状況が不明なまま、保有を言い切りません。
資格と業務資格に関わる知識と、今回提供できる業務を分けます。資格だけで商品の品質や対応範囲を裏付けません。
所属と役職現在の所属、役職、今回の担当範囲を説明します。過去の所属を現在の所属のように伝えません。
判断できる範囲自分で判断できる事項と確認が必要な事項を伝えます。役職名だけで、すべて決められるように話しません。
表は編集部作成の例です。

話す範囲と引き継ぐ条件を営業責任者と決める

経歴への質問に、その場の判断だけで答えると、会社としての説明とずれることがあります。商談前に、話してよい範囲と社内確認が必要な条件を決めます。

  • 話してよい範囲を決める 経歴に含まれる顧客情報や過去の勤務先の情報について、説明してよい範囲を確認します。
  • 会社の回答を確認する 営業担当者と営業責任者で、商品の条件や会社の対応について参照する資料と、判断に迷った場合の確認先を決めます。
  • 同席や引き継ぎを決める 専門的な判断や、自分の権限では答えられない質問が出た場合に、誰へ相談し、いつ同席を求めるかを決めます。

社内で判断を分担する

決めること営業担当者がすること営業責任者が判断すること
話してよい範囲説明する事実と、開示に迷う情報を整理します。会社として開示してよい範囲を判断します。
会社としての回答質問に関係する資料と、不明な条件を確認します。回答内容と、回答の確認を担う人を決めます。
同席や引き継ぎ質問、前提条件、希望する返答時期を伝えます。同席や引き継ぎの要否と、対応する人を決めます。
表は編集部作成の例です。

聞かれた質問、答えた内容、残った確認事項を分けて記録する

商談後は、聞かれたことと答えたことを分けて記録します。持ち帰った質問と相手の反応も残すと、次に回答するまでに社内で確認する事項が分かります。

  • 質問と回答を分けて残す 質問の意図、答えた内容、説明に使った資料を記録します。未確認の推測は回答と区別します。
  • 持ち帰りの対応を決める 未回答の内容、確認先、確認する人、返答予定を残します。日程が未定なら、その旨も書きます。
  • 反応は事実として残す 追加の質問や資料の依頼など、確認できた反応を書きます。表情だけで理解や了承を判断しません。

営業管理表に記録する

記録項目書くこと
聞かれた質問質問の内容と、確認できた質問の意図を書きます。
答えた内容伝えた事実、説明した範囲、参照した資料を書きます。
持ち帰った質問未回答の内容と、回答に必要な前提条件を書きます。
確認と返答確認先、確認する人、返答予定、連絡方法を書きます。
相手の反応相手の発言、追加の質問、資料の依頼などを書きます。
表は編集部作成の例です。商談に不要な私生活の情報や、他の顧客の詳細は記録しません。

確認表に説明の範囲と次の対応を書き込む

商談前に説明する範囲を記入し、商談後に質問と対応を追記します。決まっていない欄には確認先を書き、未確認のまま約束しないようにします。

  • 商談前に範囲を確認する 経験した仕事、今回の役割、話してよい範囲を書きます。判断に迷う箇所は営業責任者に確認します。
  • 商談後に質問を追記する 確認できた質問の意図と、持ち帰った質問を書きます。返答予定が決まったら追記します。
  • 管理表への記録を確認する 回答内容と残った確認事項を営業管理表に記録し、回答内容を確認する社内の担当者にも共有します。

経歴を聞かれたときの確認表

確認項目記入する内容
質問の意図相手が確かめたいこと:
経験した仕事と役割経験した仕事:/今回の役割と判断できる範囲:
話してよい範囲説明できる内容:/開示の確認先:
答えられない質問質問の種類:/確認先と確認方法:
持ち帰った質問未回答の内容:/確認する人・返答予定・連絡方法:
記録答えた内容と相手の反応:/営業管理表への記録日:
表は編集部作成の例です。