説明メモに必要なのは原稿ではなく手掛かりだ
手元のメモには、説明を思い出す言葉と、正確に伝える条件を分けて書きます。相手の反応に合わせて話せるように、残す内容を決めます。
- 残す内容を決める 話す順番と区切りを残し、意味を変えてはいけない条件は正確に書きます。
- 変える箇所を決める 詳しく話す箇所や省く箇所を分け、示す資料の参照先と、想定される質問への回答の要点や確認先を添えます。
- 見直し方を決める 書かないことを決め、商談後にメモを見直す手順を決めて、使い続けられる書式にします。
説明の全文を書いても話しやすくなるとは限らない
全文があると、続きを読むことに意識が向き、相手の反応に合わせにくくなることがあります。メモには、話す内容を思い出せる手掛かりを残します。
- 項目を思い出す 自分で内容を説明できる項目は、話題を思い出せる言葉まで短くします。
- 文章を追わずに話す 次に読む文章ではなく、次に扱う項目が分かる形にします。
- 条件の正確さを残す 短くすると意味が変わる条件は、思い出すための言葉と分けて記載します。
原稿からメモへ移す判断
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 原稿を見直す | 各段落から説明の項目を取り出します。 | 全文を小さな文字で残すことは避けます。 |
| 項目を短くする | 見れば内容を思い出せるか試します。 | 意味を思い出せない略語は使いません。 |
| 条件を移す | 範囲や前提を含む表現を残します。 | 短さを優先して条件を削りません。 |
区切りごとに確かめる点を書くと、進めてよいかが分かる
項目を順に並べるだけでは、どこで相手に確かめるかが残りません。項目の境目に、先へ進むために確認する内容を書きます。
- 項目の境目を作る 説明する内容を項目ごとに分け、どこまでが同じ話題か分かる形にします。
- 基本の順番を残す 前の説明がないと伝わらない項目を確認し、基本の順番を決めます。
- 区切りに確認を置く 次の項目へ進む前に確かめたい理解や関心を、該当する境目に添えます。
順番と区切りの書き分け
| 書くこと | 書き方 | 注意 |
|---|---|---|
| 説明の項目 | 扱う話題ごとに見出しを付けます。 | 異なる話題を同じ見出しに詰めません。 |
| 項目の順番 | 説明する順に項目を配置します。 | 後の説明に必要な前提を先に置きます。 |
| 区切りの確認 | 境目に確認する観点を添えます。 | 確認する内容を思い出せるなら、質問の文章まで書きません。 |
意味が変わる条件は、範囲と前提ごと残すことになる
条件を短くしすぎると、対象が広がったり、必要な前提が抜けたりします。意味が変わる箇所は、承認済みの資料に合わせて正確に残します。
- 対象の範囲を残す 誰に、何に当てはまる条件なのかを省かず、説明する項目の近くに書きます。
- 必要な前提を残す 利用や提供に必要な前提を、できることと離さずに記載します。
- できないことを残す 対応できない範囲や例外は、説明の途中で見落とさない位置に置きます。
正確に記載する条件
| 条件の種類 | 書き方 | 注意 |
|---|---|---|
| 対象の範囲 | 対象と対象外の境界を残します。 | 対象を広げる言い換えは避けます。 |
| 必要な前提 | 成立に必要な条件をまとめて書きます。 | 前提を別の場所へ切り離しません。 |
| できないこと | 制限や例外を該当項目に添えます。 | できることだけを抜き出しません。 |
説明の変更には条件と補足の区別が必要だ
相手の反応に合わせて説明を変えても、必要な条件は伝える必要があります。変えられる補足と、欠かさず伝える内容を見分けられる形にします。
- 詳しく話す箇所を分ける 関心が示されたときに使う補足は、基本の説明から分けて配置します。
- 省ける箇所を分ける 相手が理解している場合に省ける補足を決め、必要な条件と区別します。
- 順番の変更に備える 先に説明できる項目と、その前に伝える必要がある前提を結び付けます。
反応に応じた変更の整理
| 反応 | 変えること | 注意 |
|---|---|---|
| 関心が示される | 該当項目の補足を追加します。 | 別の話題まで広げません。 |
| 理解が確認できる | 重複する補足を省きます。 | 理解を確認できても、必要な条件は省きません。 |
| 別の項目を問われる | 求められた項目を先に扱います。 | 必要な前提も一緒に扱います。 |
資料の参照先は、説明の項目ごとに添えると探さずに済む
資料名だけを書いても、説明中に示す場所を探すことになります。該当する見出しや図と、示すタイミングを説明項目に添えます。
- 示す場所を特定する 該当する見出しや図表名まで書き、資料の中で探し直す手間を減らします。
- 示す位置を決める 説明のどこで資料を示すかを決め、対応する項目のそばに記載します。
- 補足の扱いを分ける 資料にない補足には、その旨と確認元を添え、資料の記載と区別します。
説明と資料の対応付け
| 書くこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 資料の該当箇所 | 見出しや図表名を項目に添えます。 | 使用する資料と表記を合わせます。 |
| 示すタイミング | 資料を示す位置に目印を置きます。 | 参照先だけを別にまとめません。 |
| 資料にない補足 | 補足の要点と確認元を分けて書きます。 | 資料に記載があるように扱いません。 |
質問への備えには回答できる範囲の区別が必要だ
想定される質問を並べるだけでは、その場で答えてよいか判断できません。答えの要点と、確認が必要な事項、回答できない事項を分けます。
- 答えの要点を残す よく出る質問には、回答の要点と根拠の参照先を対応させます。
- 確認先を添える 個別の判断が必要な事項には、確認先と、判断に必要な情報を添えます。
- 回答の限界を残す 回答できない事項は、制限の理由と案内できる範囲を整理します。
確認事項の区分
| 区分 | 書くこと | 注意 |
|---|---|---|
| 回答できる | 答えの要点と根拠の参照先を書きます。 | 正確な言い回しが要る条件以外は、回答文を丸ごと作り込みません。 |
| 確認後に答える | 確認先と必要な情報を書きます。 | 未確認の見込みを答えに混ぜません。 |
| 回答できない | 理由と案内できる範囲を書きます。 | 確認すればいつでも答えられると扱いません。 |
メモの分量は、条件を残して相手を見られるかで分かれる
内容が収まっていても、文章を追い続けるなら説明中には使いにくいメモです。実際に見ながら話し、必要な箇所を見つけて相手を見られるか試します。
- 項目を見渡せる形にする 見出しと補足を分け、次に扱う項目が埋もれないように配置します。
- 目印の意味を固定する 条件、補足、資料の参照先を区別し、同じ役割には同じ目印を使います。
- 手間取った箇所を直す 読むのに手間取った箇所は、配置を直すか、重複や不要な補足を削ります。条件は残します。
分量と配置の点検
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 項目を探す | 見出しと本文の区別を付けます。 | 文字を小さくして詰め込みません。 |
| 条件を読む | 条件のまとまりを見える位置に置きます。 | 目印を増やして目立たなくしません。 |
| 書きすぎに気付く | 重複する説明を参照先に置き換えます。 | 意味が変わる条件を削りません。 |
相手の回答が必要な結論は事前には決まらない
資料の転載や、相手に聞く前の結論まで書くと、使わない内容が増えます。メモには参照先や判断に必要な観点を残し、決められない答えは書き込みません。
- 資料の転載を避ける 資料を示せば足りる説明は参照先で代え、正確に読む必要がある条件を残します。
- 相手の答えを決めない 相手に聞いてから決める事項は、結論ではなく必要な情報を記載します。
- 応答を作り込まない その場で組み立てる説明は、判断の観点を残し、想定応答を増やしません。
メモから外す内容の判断
| 区分 | 理由 | 注意 |
|---|---|---|
| 資料にある説明 | 転載すると参照する内容が重複します。 | 示す場所と必要な条件は残します。 |
| 聞いて決める結論 | 相手の回答によって判断が変わります。 | 判断に必要な情報は残します。 |
| その場の応答 | 相手の実際の反応は事前には決められません。 | 判断の観点と制限は残します。 |
メモの直し方は、使わなかった理由や誤りの原因で分かれる
使わなかった項目でも、不要だったのか、見つからなかったのかで修正が変わります。商談後は、追加する内容だけでなく、外した項目や配置変更の理由も残します。
- 未使用の理由を残す 相手に不要だった項目と、必要なのに使えなかった項目を分けて見直します。
- 不足した条件を補う 説明に必要だった条件を確認元と照合し、該当項目に追記します。
- 誤りの原因を直す 言い間違いが記載の欠落、曖昧さ、配置のどこから生じたかを確かめます。
商談後に残す修正の根拠
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 使わなかった項目 | 項目と使わなかった理由を書きます。 | 外すことと配置変更を区別するためです。 |
| 足りなかった条件 | 不足した条件と確認元を書きます。 | 確認済みの内容で補うためです。 |
| 言い間違えた箇所 | 正しい条件と誤りの原因を書きます。 | 原因に合わせて記載を直すためです。 |
説明メモの型には内容ごとの記入欄が必要だ
話す順番、正確な条件、変更できる補足を同じ欄に混ぜると、必要な内容を探しにくくなります。次の型で整理し、実際に使うメモへ配置します。
- 基本の流れを書く 項目と順番を決め、区切りで確認する内容と資料の参照先を対応させます。
- 条件と変更を分ける 正確に伝える条件は該当する説明のそばに置き、反応による変更と確認事項を書き分けます。
- 見直しまで型に含める 書かないことと修正内容の記録先を決め、商談後に同じ型へ反映します。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 説明の項目 | 話題を思い出せる言葉を書きます。 | 話す順番 | 項目を扱う順序を書きます。 |
| 区切りで確かめること | 次へ進む前の確認内容を書きます。 | 正確に伝える条件 | 対象、前提、制限を正確に書きます。 |
| 示す資料の箇所 | 参照先と示すタイミングを書きます。 | 相手の反応で変える箇所 | 説明を変えるきっかけと、変える内容を書きます。 |
| 確認事項 | 回答の要点や確認先を書きます。 | 書かないこと | 省く内容と参照先を書きます。 |
| 商談後の見直し | 修正する箇所と理由を書きます。 | 記録先 | 修正内容を残す場所を書きます。 |
