提案の取り下げには会社としての判断が必要だ

自社の体制や方針が変わっても、その場の判断で提案を取り下げることは避けます。続けられない事情と相手の準備を確かめ、会社として決めた対応を説明します。

  • 取り下げの要否を決める 社内で確認した事情をもとに、提案を取り下げる必要があるかを営業責任者と決めます。
  • 説明の範囲と順番を決める 対象の提案と相手が進めた準備を特定し、誰に何をどの順番で伝えるかを決めます。
  • 案内と記録の扱いを決める 代わりの案内と再開の扱いを決め、判断から説明までの経緯を記録します。

社内の変更だけで提案を続けられないとは限らない

体制や方針の変更が、提案した内容のどこに影響するかを調べます。担当の交代などで対応できる問題か、会社として提供できない事情かを分けます。

  • 体制変更の影響を調べる 担当部署や人員の変更により、提案した作業の何ができなくなったかを確認します。
  • 方針変更の決定を調べる 検討中の方針を決定事項として扱わず、決定内容と適用される提案の範囲を確認します。
  • 対応できる部署を調べる 担当者だけで解消できない場合は、関係部署に対応の可否と必要な条件を確認します。

提案への影響を調べる表

確かめること方法注意
体制の変更関係部署に担当できる作業を聞きます。人員の変更だけで継続不可と決めません。
方針の変更決定内容と適用範囲を確認します。検討中の内容を確定扱いしません。
解消の可否担当交代や部署間の調整が可能か聞きます。対応可能との回答には条件も添えます。
表は編集部作成の例です。相手への説明に使う前に、確認済みの事実と未確認の情報を分けます。

取り下げの要否は営業責任者と決めることになる

続けられない事情を確認したら、継続できる方法の有無を営業責任者と検討します。全部の取り下げが必要か、一部を残せるかを会社として決めます。

  • 継続できる方法を検討する 体制の調整で続けられる場合は、必要な人員や承認を確保できるかまで確認します。
  • 一部を残す条件を決める 残す部分だけで提供が成り立つかを関係部署と確認し、相手に説明できる範囲を決めます。
  • 決定する人を明らかにする 営業責任者と決定権限を確認します。別の承認が必要なら、承認を得てから取り下げを伝えます。

取り下げの要否を決める表

場面すること注意
継続の余地がある実行できる方法を営業責任者と検討します。調整の見込みだけで継続を約束しません。
一部は続けられる残せる内容と必要な条件を決めます。取り下げる部分との依存関係を調べます。
継続する方法がない取り下げの範囲について決裁を得ます。担当者の判断だけで決定しません。
表は編集部作成の例です。判断が未了でも相手の準備が進む場合は、先に伝える状況と確認期限を営業責任者と決めます。

取り下げの対象は資料名と該当箇所まで示す必要がある

提案を取り下げるという説明だけでは、対象が相手に伝わらないことがあります。送付した資料と該当箇所を示し、全部か一部かを明らかにします。

  • 対象の資料を特定する 提案書の名称、送付日、版を確認します。メールだけで案内した内容も対象に含めます。
  • 取り下げる箇所を示す 全部なら資料全体、一部なら項目名や対象作業を示し、相手の手元の資料と照合します。
  • 続く相談への影響を示す 関連する相談が続くかを確認し、継続する内容と、今回の決定で進められなくなる内容を分けます。

取り下げの対象を示す表

示すこと方法注意
対象の提案資料名と送付日、版を示します。同じ名称の古い資料と区別します。
全部か一部か対象の項目名や作業を示します。資料外で案内した内容も確認します。
続く相談への影響継続する相談と停止する内容を示します。関連する相談まで終了したと誤解させません。
表は編集部作成の例です。社内の管理番号だけに頼らず、相手が手元の資料で確認できる情報を使います。

取り下げの理由には自社で確認した事実が必要だ

自社の体制や方針による取り下げは、自社側の事情として説明します。社内の詳細をすべて開示しなくても、変更した事実と提案への影響は分けて伝えられます。

  • 事実と決定を結び付ける 社内で何が変わり、どの対応ができなくなり、その結果何を取り下げるのかを順に整理します。
  • 相手の要望を理由にしない 自社の変更が理由なら、相手の要望や判断の遅さが原因であるかのように説明しません。
  • 説明できる範囲を決める 外部に伝えてよい事実を営業責任者と確認します。開示できない詳細を推測や別の理由で埋めません。

理由を整理する表

場面すること注意
理由を整理する確認した変更と提供への影響を記します。社内のうわさを理由に加えません。
相手に説明する自社の事情と取り下げの決定を示します。相手の要望が原因のように扱いません。
詳細を尋ねられる承認済みの範囲で説明し、不明点は持ち帰ります。説明できない部分を推測で補いません。
表は編集部作成の例です。説明の型は、確認した変更→提供への影響→会社の決定→取り下げる範囲です。

相手の準備は自社が頼んだ作業だけとは限らない

提案後には、自社から依頼した作業以外にも準備が進んでいる場合があります。取り下げの決定を伝えたうえで、実施済みの作業とこれからの予定を確認します。

  • 依頼した準備を洗い出す 資料の用意や社内確認など、自社から頼んだことを送信履歴と打ち合わせ記録で確認します。
  • 自主的な準備も尋ねる 社内説明や関係部署との調整など、提案を受けて進めた準備があるかを窓口に確認します。
  • 予定への対応を決める 予定済みの会議や資料提出を確認します。中止や変更に必要な自社の対応を営業責任者と決めます。

相手の準備を確認する表

確かめること方法注意
自社が頼んだ準備依頼履歴を示し、進み具合を確認します。返答がない作業も未着手と決めつけません。
自主的に進めた準備提案後の社内説明や調整の有無を尋ねます。依頼していないことを理由に確認を省きません。
これからの予定関連する会議や提出予定を尋ねます。不要になった準備をそのまま依頼し続けません。
表は編集部作成の例です。確認できなかった準備は、準備なしと記録せず、未確認として残します。

伝える順番には窓口を踏まえた調整が必要だ

取り下げを決めた社内の人と、商談先で説明を受ける人を区別します。社内の関係者に決定を共有し、先方の窓口と判断者への伝え方を調整します。

  • 社内で先に共有する 営業責任者と関係部署に対象と説明内容を共有し、別の担当から継続の案内が出ることを防ぎます。
  • 窓口への連絡を決める 現在の窓口と連絡方法を確認します。先方の判断者への説明は、窓口と相談して順番を決めます。
  • 決定者の参加を決める 取り下げを決めた人の説明参加を検討し、説明担当だけでは答えられない質問の確認先も決めます。

伝達先と役割を決める表

区分すること注意
社内関係者相手への連絡前に決定と説明内容を共有します。未確定の内容を決定事項として広めません。
自社の決定者説明への参加と質問への対応を決めます。説明担当に判断権限を超える回答を任せません。
先方の窓口取り下げを伝え、社内への伝達方法を相談します。相談せずに上位者へ連絡しません。
先方の判断者窓口と決めた方法で説明します。誰から何が伝わったかを確認します。
表は編集部作成の例です。伝達後は、連絡した事実と、内容が相手に伝わったことを分けて記録します。

代わりの案内は提供を確認できた範囲に限られる

取り下げに際して、代わりの案内をいつでも用意できるとは限りません。別の商品や方法を案内する場合も、提供の可否と説明できる範囲を先に確認します。

  • 自社で案内できるか調べる 別の商品や方法について、担当部署の対応可否と条件を確認します。未確認の案を約束しません。
  • 他社の案内範囲を決める 他社の情報を案内する場合は、情報提供と紹介の手配を分けます。他社の対応を自社で確約しません。
  • 案内しない判断も伝える 案内できるものがない場合は、その結論を明確にします。取り下げの埋め合わせとして別の商談を求めません。

代わりの案内を分ける表

区分扱い注意
自社の別商品や方法提供を確認した内容と条件だけを案内します。元の提案と同じ対応ができると決めつけません。
他社の情報情報提供か紹介の手配かを明らかにします。他社の受入可否や条件を確約しません。
案内しないもの案内しないと決めた範囲を社内に記録します。相手には検討が続いている印象を残しません。
表は編集部作成の例です。代わりの案内をする場合も、元の提案を取り下げる決定と混同させないようにします。

再開の案内には会社で確認した根拠が必要だ

再開の条件が決まっている場合と、見通しが立たない場合では説明が違います。相手を待たせる含みを残さず、会社で決めた扱いをそのまま伝えます。

  • 決まった条件だけを示す 再開条件が承認されている場合は、その内容と判断する人を示します。条件だけで再開を確約しません。
  • 未定を見込みに変えない 条件も時期も決まっていなければ、未定として扱います。期待や個人の予測を再開予定にしません。
  • 再開しない範囲を示す 再開しないと決めた場合は、対象の提案を明示します。後日連絡するという伝え方で取り下げの説明を済ませません。

再開の扱いを決める表

場面伝えること注意
条件が決まっている承認済みの条件と、再開を判断する手順を示します。未確定の時期まで約束しません。
条件が決まっていない再開の見通しが立っていないことを示します。いずれ再開できる印象を与えません。
再開しない再開しないと決めた提案の範囲を示します。再開を前提とする連絡を約束しません。
表は編集部作成の例です。再開条件がある場合も、相手に準備を続けてもらう前提にはしません。

後任者の再案内を避けるには取り下げの記録が要る

取り下げ済みという状態だけでは、判断の理由や相手への説明が後任者に伝わりません。対象の提案と社内の決定、伝達結果を同じ経緯としてたどれるように記録します。

  • 決定の根拠を残す 確認した事情、確認先、決めた人、決定日を記録し、対象の提案書を参照できるようにします。
  • 伝達内容と反応を分ける 伝えた内容と相手からの回答を分けて書きます。返答がない状態を了承済みとして扱いません。
  • 残る対応を明らかにする 未回答の質問や必要な連絡について、担当と期限を記します。案内の制限と再開の扱いも残します。

取り下げの経緯を残す表

記録項目書くこと理由
対象と範囲提案書の参照先と取り下げる箇所を書きます。後任者が対象を特定できます。
確認した事情変更の事実、確認先、確認日を書きます。推測と確認済みの事実を区別できます。
決めた人決定者、決定日、承認した内容を書きます。会社の判断を確認できます。
伝えた内容日時、相手、説明内容、案内と再開の扱いを書きます。後任者が説明の内容を確かめられます。
相手の反応回答、準備の状況、未確認の点を書きます。了承の有無と準備への影響が分かります。
残る対応未回答事項、担当、期限を書きます。引き継ぎ後も必要な対応を続けられます。
表は編集部作成の例です。記録先は社内で参照できる場所を決め、関連する資料や連絡履歴への参照も残します。

取り下げの確認表で説明前の未決事項が分かる

相手に連絡する前に、判断と説明に必要な情報を確認表に記入します。空欄を残さず、未確認の項目には確認先と確認期限を書きます。

  • 決定事項を記入する 対象、範囲、事情、決定者を記入します。決まっていない内容は、決定済みの内容と区別します。
  • 説明できるか点検する 相手の準備、伝達順、説明内容、代わりの案内、再開の扱いを営業責任者と確認します。
  • 連絡後に記録を更新する 相手から確認できた準備や回答を追記します。残る対応には担当と期限を付けて記録先に保存します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

確認項目記入欄確認項目記入欄
対象の提案資料名・送付日・版を記入します。取り下げる範囲全部か一部か、該当箇所を記入します。
社内で確認した事情変更の事実と確認先を記入します。決めた人決定者と決定日を記入します。
相手が進めた準備依頼した準備と自主的な準備を記入します。伝える相手と順番社内外の連絡先と順番を記入します。
伝える内容理由・決定・範囲・対応を記入します。代わりの案内の有無有無と案内できる範囲を記入します。
再開の扱い条件あり・未定・再開なしの別を記入します。記録先保存場所と更新する担当を記入します。
表は編集部作成の例です。確認できない項目が残る場合は、相手に伝えられる内容と追加確認が必要な内容を分けます。