読む順番は、次の商談で何を決めるかによって変わる
届いた順に読み始めると、今回の商談に必要な情報が後回しになることがあります。資料の役割と次の商談の目的から、読む範囲を決めます。
- 読む範囲を決める 資料を種類で分け、次の商談で決めることに関係する箇所と、今回は読まない箇所を決めます。
- 相手への質問を決める 読んで分かったことと分からなかったことを分け、分からなかったことと資料どうしの食い違いから質問を決めます。
- 伝え方と管理を決める 読んだ範囲の伝え方と資料の保管・共有方法を決め、同じ型で資料メモを残します。
資料から分かることは、資料の役割によって変わる
会社案内と商品資料では、説明している対象が違います。資料名だけで判断せず、目次や冒頭から何を説明する資料かを見分けます。
- 説明する対象で分ける 会社全体、業務の流れ、商品や取引、相手の検討内容のどれを説明しているかで分けます。
- 混在する資料を分ける 役割が混在する資料は、章や見出しごとに分けます。資料全体を同じ種類として扱う必要はありません。
- 資料の種類を記録する 資料名の横に種類を記録します。次の商談で必要な情報を、どの資料から探すか判断できます。
資料の役割を分ける表
| 種類 | 分かること | 注意 |
|---|---|---|
| 会社案内 | 会社全体の事業や組織が分かります。 | 個別の取引条件まで分かるとは限りません。 |
| 業務の説明 | 業務の流れや担当範囲が分かります。 | 今回の対象部署にも当てはまるかは別に確認します。 |
| 商品や取引の資料 | 商品の仕様や取引条件が分かります。 | 条件が適用される対象や時期も読みます。 |
| 相手の検討資料 | 検討中の案や比較の観点が分かります。 | 記載された案を決定事項として扱いません。 |
資料から探す情報は、商談で決めることから絞ることができる
資料を読む目的が会社全体の理解だけでは、読む範囲が広がります。次の商談で何を決めたいかを先に書くと、探す情報を絞れます。
- 決めたいことを書く 自社が提案する商品や、提案の対象とする相手の業務など、次の商談で決めたいことを書きます。まだ選べない場合は、選ぶための条件を書きます。
- 条件を具体的にする 対象部署、利用場面、対応範囲など、判断が変わる条件を挙げます。資料で探す内容が明確になります。
- 質問の目的を決める 質問に答えが出たら何を決められるかを書きます。今回の判断と関係が薄い質問は後に残します。
商談の目的から情報を選ぶ表
| 決めること | 必要な情報 | 注意 |
|---|---|---|
| 提案の対象 | 対象業務、部署、利用場面を調べます。 | 会社全体の事業をすべて提案対象にしません。 |
| 確かめたい条件 | 対応範囲、制約、取引条件を調べます。 | 条件が違うと提案がどう変わるかも考えます。 |
| 相手に聞くこと | 判断に必要で、資料では分からない情報を挙げます。 | 質問の回答を何の判断に使うかを書きます。 |
優先して読む箇所は今回の判断との関係で決まる
必要な情報は、資料の冒頭にあるとは限りません。目次や見出しから関係する箇所を探し、条件や注記も含めて読みます。
- 目次から探す 決めたいことに関係する業務名や条件を目次で探します。目次がなければ、見出しから内容をたどります。
- 指定された箇所の役割を見る 相手が示した箇所は、今回の判断とどう関係するかを考えます。関係が分からなければ、指定した理由を聞きます。
- 条件まで読む 該当箇所の前提や注記も読みます。別の箇所への参照があれば、判断に必要な範囲までたどります。
読む箇所を選ぶ表
| すること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 目次から探す | 今回決めることに関係する見出しを探します。 | 本文だけでなく、適用条件や注記も読みます。 |
| 指定箇所を読む | 相手が示した箇所と商談の目的を照らします。 | 指定箇所だけで判断できるとは限りません。 |
| 関係を見分ける | 今回の判断に使う情報があるかを見ます。 | 関係が薄くても、本文の前提となる箇所は読みます。 |
届いた資料のすべてが今回読む対象とは限らない
受け取った資料をすべて読むことと、商談の準備ができることは同じではありません。今回は読まない資料にも理由を残し、必要になったときに戻れるようにします。
- 今回の対象から外す 今回の決定に関係せず、判断の前提にもならない資料は、今回読む対象から外します。
- 後で読む条件を書く 提案の対象が広がった場合など、読む必要が生じる条件を書きます。後で読むという記録だけで終わらせません。
- 送付の理由を聞く 必要性が判断できない資料は、何の検討に使うために送られたかを聞きます。内容を推測して除外しません。
今回は読まない資料を分ける表
| 区分 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 今回と関係しない | 今回の判断に使わない理由を残します。 | 資料そのものが不要だとは決めつけません。 |
| 後で読む | どの検討が始まったら読むかを書きます。 | 読む必要が生じたら、内容が現状に合うかも確認します。 |
| 理由を聞く | 送付の目的と、関係する検討事項を聞きます。 | 関係が分からないことだけを理由に除外しません。 |
資料に書かれた内容だけで判断できるとは限らない
記載があることと、その意味や適用範囲まで分かることは別です。資料から分かったこと、見つからなかったこと、読み取りに迷うことを分けます。
- 根拠を添えて書く 分かったことには、根拠となる見出しや箇所を添えます。記載内容と、自分が補って考えた内容を分けます。
- 不明の範囲を絞る 見つからない情報は、読んだ範囲では分からないと記録します。資料全体に記載がないとは断定しません。
- 解釈の迷いを残す 意味が複数に読める箇所は、迷う理由を書きます。都合のよい解釈だけを提案の前提にしません。
理解の状態を分ける表
| 区分 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 資料から分かった | 記載内容と、その根拠の箇所を書きます。 | 自分の推測を記載内容に混ぜません。 |
| 読んだ範囲では不明 | 不足する情報と、探した範囲を書きます。 | 読んでいない箇所にある可能性を残します。 |
| 読み取りに迷う | 迷う表現と、考えられる解釈を書きます。 | 意味を相手に確かめます。 |
食い違う記載のどちらを使うかは、対象と時期で分かれる
説明が食い違っていても、作成時期や対象部署が違う場合があります。今回の判断に関係する項目を比べ、どちらを前提にするかを確認します。
- 同じ条件で比べる 同じ商品、業務、部署についての説明かを確認します。対象が違う記載を、そのまま矛盾と判断しません。
- 違う箇所を残す 資料名と該当箇所を並べ、何が違うかを書きます。作成時期が不明なら、不明のまま記録します。
- どちらを使うかを聞く 食い違う記載のどちらを今回の前提にするかと、その理由を聞きます。確認できるまでは、食い違う情報に依存する判断を保留します。
食い違いを確認する表
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 作成時期が違う | 作成時期と、内容の適用時期を比べます。 | 新しい資料が常に今回の前提だとは決めません。 |
| 部署が違う | 説明の対象部署と担当範囲を比べます。 | 部署ごとの違いを会社全体の矛盾と扱いません。 |
| 前提を選ぶ | 今回使う情報と、その根拠を相手に聞きます。 | 提案に都合のよい記載だけを採用しません。 |
読んだ範囲を示すと、相手にどこまで理解したかが分かる
資料を読んだという報告だけでは、どこまで理解したかが伝わりません。読んだ箇所、読んでいない箇所、そこから出た質問を分けて示します。
- 読んだ箇所を示す 資料名と見出しなどで、読んだ範囲を示します。そこから何が分かったかも、同じ範囲に限って伝えます。
- 未読の理由を示す 未読の資料には、今回の決定との関係から理由を添えます。読んでいないことが、資料を軽視していると受け取られないようにします。
- 質問に根拠を添える 質問には、関係する資料の箇所があればそれを、なければ探した範囲を添え、回答で決めたいことも示します。
読んだ範囲を伝える型
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 読んだ範囲を示す | 資料名、読んだ箇所、分かったことを記します。 | 一部を読んだ状態で全体を理解したと伝えません。 |
| 未読を示す | 未読の資料名、理由、後で読む条件を記します。 | 相手が今回必要と考える箇所があれば見直します。 |
| 質問を示す | 関係する箇所か探した範囲、不明点、回答で決めたいことを記します。 | 資料への質問と、追加の相談を分けます。 |
資料メモの共有には元資料との対応づけが必要だ
メモだけを共有すると、元資料の条件や注記を確かめにくくなります。相手の指示に従い、資料とメモの保管先、共有先、使用後の扱いを決めます。
- 共有する範囲を決める 今回の検討に参加する人のうち、誰に何を共有するかを決めます。メモには元資料の保管先を残します。
- 指示を記録する 相手から示された保管・共有の指示を、資料と対応づけて記録します。不明な点は共有前に聞きます。
- 使用後の扱いを決める 検討が終わったら、相手の指示に沿って扱いを見直します。保管先を変えた場合は、メモの参照先も直します。
資料とメモの管理を決める表
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 社内で共有する | 共有する人、資料、メモ、保管先を決めます。 | 元資料を見られない人には、メモだけで判断を求めません。 |
| 指示に従う | 相手の指示と、対象となる資料を記録します。 | 資料ごとに指示が違う場合は分けて扱います。 |
| 使い終える | 相手の指示に沿って保管や廃棄などを行います。 | 資料の扱いを変えたら、メモにも反映します。 |
根拠と質問が残るメモなら判断の理由が分かる
内容の要約だけでは、商談で何を決めるために読んだかが残りません。必要な情報と根拠、残った質問を、次に読む人がたどれる形で記録します。
- 出どころを残す 資料名と読んだ箇所を記録します。同名の資料がある場合は、作成時期などで区別できるようにします。
- 判断との関係を書く 分かった内容が、次の商談で何を決める材料になるかを書きます。資料全体の要約に広げる必要はありません。
- 質問を更新する 回答を得たら、回答者と回答内容を追記します。資料の記載と商談で補われた情報を区別して残します。
資料メモに残す内容
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 資料と読んだ箇所 | 資料名、見出し、必要なら作成時期を書きます。 | どの記載を根拠にしたかをたどれます。 |
| 分かったこと | 記載内容と、商談で決めることとの関係を書きます。 | 情報を何の判断に使うかが分かります。 |
| 残った質問 | 不明点、解釈の迷い、食い違いを書きます。 | 何が分かれば判断できるかを引き継げます。 |
同じ欄で記録すると、分かったことと未確認のことが分かれる
資料ごとに同じ欄で記録すると、分かったことと未確認のことを見分けられます。今回の商談に関係する内容を、以下の型に記入します。
- 資料ごとに記入する 資料名と種類を記入し、読んだ箇所を特定します。作成時期が見つからない場合は、不明と記入します。
- 確認の状況を書き分ける 未読、読んだが不明、今回の対象外を区別します。読み取りに迷う内容は、分からなかったことの欄に理由を書きます。
- 質問と記録先を残す 相手への質問には、回答で決めたいことを添えます。記録先の欄には、元資料とメモの保管先を書きます。
繰り返し使う資料メモの型
| 資料名 | 種類 | 作成時期 | 読んだ箇所 | 次の商談で決めることとの関係 | 分かったこと | 分からなかったこと | 相手への質問 | 元資料とメモの保管先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
