相手が詳しくても自社商品の説明は必要だ

分野に詳しい相手でも、自社商品の仕様や提供条件まで知っているとは限りません。教わる内容と自社で説明する内容を分けることで、提案の前提を確認できます。

  • 相手の知識の範囲を知る 分野の知識と自社商品についての知識を分け、説明を省いてよい範囲を決めます。
  • 指摘の種類を分ける 相手の指摘が仕様に関するものか業務上の評価かを分け、提案に使う前に確認する内容を決めます。
  • 確認内容を記録する 教わった内容と自社の説明を残し、社内での確認結果を提案に反映する方法を決めます。

分野に詳しい相手が自社商品にも詳しいとは限らない

専門用語が通じても、知識の範囲までは判断できません。分野の知識、同種商品の利用経験、自社商品の知識を分けて確認します。

  • 分野の知識を区切る 詳しい領域と、知識の根拠となる経験を整理します。分野全体に詳しいと広げて扱わないようにします。
  • 利用経験と知識を分ける 同種商品の利用経験があっても、自社商品の仕様や提供条件を知っている根拠にはしません。
  • 自社商品の理解を見る 参照した自社資料と理解している内容を照合し、説明が必要な範囲を決めます。

知識の範囲の確認表

確かめること方法注意
分野の知識詳しい領域と、その根拠を整理します。周辺領域まで詳しいと推定しません。
同種商品の利用経験経験から把握している範囲を区切ります。自社商品の理解とは分けて扱います。
自社商品の知識参照資料と理解している内容を照合します。古い資料による理解は現行の内容と比べます。
表は編集部作成の例です。経験の有無だけで、説明を省く範囲を決めないようにします。

説明を省ける範囲は、相手の知識と提案の前提で分かれる

相手が知っている一般的な説明は短くできます。ただし、自社商品に固有の内容と提供条件は、今回の提案の前提として示す必要があります。

  • 一般的な説明を絞る 理解が確認できた部分は省きます。提案の判断に必要な前提は相手に示し、省いた説明の範囲は記録に残します。
  • 固有の内容は省かない 自社商品の機能や制限は説明します。同種の商品を知っていることだけで説明済みにはしません。
  • 提供条件を明示する 対象範囲、利用上の条件は今回の提案に即して示します。既知の条件との違いも確認します。

説明を省く範囲の整理

区分扱い注意
分野の一般的な説明理解を確認できた部分は省きます。提案に関わる前提は明示します。
自社商品に固有の内容今回使う機能と制限を説明します。同種商品の知識で代用しません。
提供条件今回適用する条件を示します。過去の条件が続くと決めつけません。
表は編集部作成の例です。説明を省いた理由は、相手が詳しそうだったという印象だけにしません。

同種商品の知識があっても、自社固有の説明は省けるとは限らない

同じ名称の機能でも、できることや対応範囲が同じとは限りません。自社商品で提供する内容を示し、相手の想定との差を確認します。

  • 違いを具体的に示す 同種商品との違いは、確認できる仕様に限って説明します。比較対象が不明なら優劣を断定しません。
  • 提供範囲を区切る 自社が担う作業と提供対象外の作業を示します。追加対応が必要な部分も分けて説明します。
  • 想定との差を残す 相手ができると考えていた内容と、実際の仕様との差を記録します。提案への影響も示します。

自社固有の内容の説明表

説明すること方法注意
同種商品との違い確認できる仕様の違いを示します。名称だけで同じ機能と判断しません。
自社の提供範囲含む作業と含まない作業を示します。追加対応を標準の提供内容に含めません。
相手の想定との差想定と実際の仕様を対比します。差が提案に及ぼす影響も説明します。
表は編集部作成の例です。確認できない他社商品の仕様を、比較の根拠として使わないようにします。

相手の指摘が商品説明の誤りとは限らない

指摘には、商品の事実に関する訂正と、相手の業務から見た評価が含まれます。何についての指摘かを分けてから、説明の訂正や提案の見直しを判断します。

  • 説明の誤りを訂正する 仕様や条件の誤りが確認できたら訂正します。誤った説明を前提にした提案箇所も見直します。
  • 業務上の見方を知る 商品説明の内容を正しいと認めても、相手の業務には合わないと評価されることがあります。評価が分かれる条件を整理します。
  • 不明な指摘は保留する 根拠が確認できなければ未確認として扱います。その場で正誤や採否を決めず、社内で確かめます。

指摘の種類と対応

区分すること注意
説明の誤り正しい仕様を確認し、説明を訂正します。提案の前提への影響も調べます。
業務の見方の違い評価が分かれる業務条件を整理します。相手の評価を商品の仕様と混同しません。
どちらか分からない論点を区切り、根拠を社内で確認します。確認前に誤りとも正しいとも決めません。
表は編集部作成の例です。ひとつの指摘に両方が含まれる場合は、論点を分けて記録します。

相手の見解を提案の根拠にするには確認が必要だ

相手の見解には、特定の業務条件や個人の判断が含まれます。発言の意味と当てはまる範囲を確認し、自社で裏づけられる事実と分けて扱います。

  • 見解の範囲を絞る 個人の判断、部署の運用、会社の方針を区別します。個人の見解を会社としての方針と取り違えません。
  • 事実と分けて照合する 自社商品の仕様や対応可否は、社内の資料で確認します。相手の詳しさだけを根拠にはしません。
  • 確認後に反映する 発言の意味を相手と確認し、商品側の事実も調べます。未確認の部分は提案の確定条件にしません。

見解を提案に使う前の整理

場面すること避けること
相手の見解を聞いた対象業務と判断の範囲を確認します。別の部署や会社にも当てはめます。
自社で事実を調べる仕様や提供条件を資料と照合します。相手の発言を自社の裏付けとして扱います。
提案に反映する確認済みの内容と残る仮定を分けます。未確認の見解を確定事項として記載します。
表は編集部作成の例です。相手の発言の確認と、自社商品の事実確認は、それぞれ必要です。

用語が指す対象は、知っている言葉でも確かめることになる

同じ用語でも、業界や会社によって指す対象が異なることがあります。意味が分からないまま話を進めず、その場の発言で何を指すかを確認します。

  • 用語の対象を特定する 用語が指す作業、状態、範囲を確認します。似た言葉から意味を推測して承諾しないようにします。
  • 社内の呼び方を区別する 相手の社内だけで使う呼び方は、対象の部署や工程とともに記録します。一般的な名称とは分けます。
  • 意味の違いを明示する 自社で使う意味との差を確認します。解消できない場合は、その用語に関わる判断を保留します。

用語の意味の確認表

場面すること注意
業界の用語が出た発言の中で指す対象と範囲を確認します。辞書上の意味だけで理解を決めません。
社内の呼び方が出た対応する部署や工程を特定します。他社でも通じる呼び方とは扱いません。
自社と意味が違う双方が指す対象の違いを記録します。意味が未確定のまま対応を約束しません。
表は編集部作成の例です。その場で意味が定まらない場合は、確認先と保留する判断を記録します。

相手に確認を求める範囲は、相手が把握している業務で分かれる

相手の知識は、提案が業務の実情に合うかを確認するために使えます。自社商品の仕様についての説明は自社で確かめ、相手には把握している業務の範囲を確認してもらいます。

  • 業務との一致を見る 提案で想定した工程や役割を示します。実際の業務と異なる箇所を確認してもらいます。
  • 前提の抜けを調べる 提案が成り立つ条件を示します。通常と異なる処理や、関係部署の作業が抜けていないかを見ます。
  • 把握範囲を越えない 社内の制約や運用事情は、相手が把握する範囲で確認します。分からない部分は別の確認先を決めます。

相手の知識で確認する箇所

確認してもらうこと方法注意
業務に合うか想定した工程と役割を示します。商品の対応可否は自社で確認します。
前提の抜け提案が成り立つ条件を示します。通常と異なる処理も対象に含めます。
自社では不明な事情商談先の社内の制約や関係部署の事情を確認します。相手が把握していない範囲は別途確認します。
表は編集部作成の例です。確認する箇所を具体的に示し、提案全体の正しさを相手に委ねないようにします。

教わった内容を他の提案に使うには社内確認が必要だ

相手から教わった内容は、その商談の条件に限って成り立つ場合があります。自社商品の事実と照合し、他の提案でも使える範囲を確認します。

  • 商品の担当部署に論点を渡す 教わった内容と発言の条件を示し、仕様の説明に誤りがないかを確認します。判断に必要な情報も添えます。
  • 資料との差を調べる 現行の自社資料と照らし、訂正の必要性を確認します。誤説明があれば、商談相手にも訂正を伝えます。
  • 他で使える範囲を決める 確認前の内容は他の商談に使いません。確認後も、相手固有の事情と共通して使える事実を分けます。

教わった内容の社内確認

手順すること注意
商品の担当部署に確認する発言の条件と商品に関する論点を渡します。相手の見解を確定した仕様として渡しません。
自社資料と照らす現行資料との差と訂正箇所を調べます。資料だけでなく、既に行った説明も見直します。
使える範囲を決める根拠と適用条件を確認して記録します。確認前に他の相手への説明に使いません。
表は編集部作成の例です。確認しても結論が出ない内容は、未確認のまま残して利用を保留します。

情報源を分けた記録で、誰の見解か何を説明したかが分かる

商談メモに内容だけを残すと、誰の見解か、自社が何を説明したかが分からなくなることがあります。教わった内容、自社の説明、確認結果を別の欄に残します。

  • 教わった内容を残す 発言者と対象業務、成り立つ条件を残します。自社の解釈を加えた部分は発言内容と分けます。
  • 自社の説明を残す 説明した仕様や条件、参照資料を記録します。省いた説明と、その判断の根拠も残します。
  • 確認結果を追記する 確認先、確認日、根拠、提案への反映箇所を記録します。訂正前の説明も経緯が分かる形で残します。

情報源を分ける記録表

記録項目書くこと理由
教わった内容発言者、内容、対象業務、条件を書きます。相手の見解と自社の解釈を区別できます。
自社が説明した内容説明した仕様、条件、参照資料を書きます。何を前提に提案したかを確認できます。
確認の結果確認先、日付、根拠、反映箇所を書きます。確認済みの内容と保留中の内容を区別できます。
表は編集部作成の例です。訂正した内容は上書きだけで済ませず、訂正を伝えたかどうかも残します。

専門知識の確認表で提案に残る未確認事項が分かる

商談後は、説明した内容と教わった内容を確認表にまとめます。確認結果と提案への反映を照合すると、根拠が不足している箇所を見つけられます。

  • 説明の範囲を記入する 相手の知識の範囲と、省いた説明の理由を書きます。固有の仕様や条件を説明したかも確認します。
  • 未確認事項を明記する 指摘の種類と見解を分けて書きます。社内で確かめる内容には、確認先と期限も添えます。
  • 反映内容を照合する 確認結果の根拠と提案の変更箇所を対応させます。記入できない欄には、未確認か該当なしかを書きます。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

記録項目記入欄記録項目記入欄
相手の詳しさの範囲相手の見解
省いた説明社内で確かめること
省かずに説明した内容確認結果
相手の指摘提案に反映した内容
指摘の種類説明の誤り・見方の違い・未確認から該当するものを記入します。記録先
表は編集部作成の例です。商談ごとに使い、確認後は結果と反映内容を追記します。