試作品の面談には試してもらう作業の準備が要る
開発中の商品への意見を聞くには、相手に試してもらう作業を決める必要があります。見せる範囲から面談後の返答まで、準備する内容を整理します。
- 社内で確かめる範囲 見せてよい範囲と、相手に伝える面談の目的を決めます。
- 相手に試してもらう作業 相手の業務に近い作業と、業務に合うかを確かめる観点を決めます。
- 面談後の共有と返答 開発担当者へ渡す内容と、相手への返答に必要な記録を決めます。
見せてよい範囲には社内の確認が必要だ
社内で動いている試作品でも、商談先にすべて見せてよいとは限りません。開発担当者に、見せる部分と説明してよい内容を確かめます。
- 見せる範囲を決める 相手に見せる画面や資料を具体的に挙げ、見せてよい範囲を社内で確かめます。
- 説明できる内容を決める 仕様として説明してよい内容と、まだ説明できない内容を分けて記録します。
- 確認が済まない部分 社内の確認が済んでいない部分は、面談で見せる対象から外します。
社内で確かめる内容
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 使う試作品 | 面談で使う版を開発担当者と確認します。 | 別の版の仕様を混ぜて説明しません。 |
| 見せる部分 | 画面・資料ごとに見せてよい範囲を確認します。 | 画面の移動で別の部分が映らないか確認します。 |
| 見せない部分 | 対象外の画面や資料を明記します。 | 相手に操作を任せる範囲にも反映します。 |
| 説明する仕様 | 説明してよい仕様を文章で残します。 | 検討中の内容を決定済みとして扱いません。 |
試作品を見せる目的は販売の提案とは違う
商品を見せるだけでは、購入を勧める面談だと受け取られることがあります。何について意見を聞き、どのように開発の検討に使うかを先に伝えます。
- 聞きたい内容を絞る 操作の分かりやすさや業務との合い方など、今回の面談で意見を聞く対象を決めます。
- 協力してほしいこと 試してほしい作業と、迷った点や合わない点も聞きたいことを伝えます。
- 販売の提案と分ける 意見を聞く目的を示し、購入や導入の判断を求める場面とは分けます。
目的を伝える型
| 伝えること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 面談の目的 | 意見を聞く対象と、開発で検討したい点を示します。 | 商品全体への評価だけを求めません。 |
| 期待する協力 | 試す作業と、教えてほしい点を示します。 | 良い感想だけを求めません。 |
| 販売との区別 | 意見を聞く時間と販売の提案を分けます。 | 協力への承諾を購入の意向として扱いません。 |
試作品の動作は完成後の仕様とは限らない
目の前で動く部分があっても、完成品であることは意味しません。変わる可能性がある部分と動かない部分を、試してもらう前に伝えます。
- 完成品ではないと伝える 開発途中であり、画面や操作、仕様が変わる可能性があることを先に伝えます。
- 動作の範囲を示す 実際に動く部分と、表示だけで動かない部分を区別します。
- 今の商品との関係 今の商品で使える内容と、試作品で意見を聞く内容を分けて説明します。
試す前に伝える前提
| 伝えること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 変わり得る部分 | 変更の可能性がある画面や操作を示します。 | 見た状態のまま提供されると受け取らせません。 |
| 動かない部分 | 表示だけの箇所と操作できない箇所を示します。 | 操作できないことを相手の誤りとして扱いません。 |
| 今の商品との関係 | 現行の商品と試作品の範囲を分けて示します。 | 現行の商品でも使える機能だと誤解させません。 |
試す作業は相手の業務と聞きたい意見で決まる
自由に触ってもらうだけでは、何を試した結果なのかが曖昧になります。相手の業務に近い作業を選び、始める状態と終える状態を決めます。
- 業務に近い作業を選ぶ 普段扱う情報や判断に近く、今回聞きたい意見が得られる作業を選びます。
- 試す順番を決める 作業の開始から結果の確認までを区切り、試してもらう順番を決めます。
- 試さないことを決める 確認したい点に関係しない操作や、見せる範囲を超える作業は対象から外します。
試す作業の決め方
| 決めること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 作業の対象 | 普段の業務から、試作品で試せる作業を選びます。 | 機能を多く触ること自体を目的にしません。 |
| 始める状態 | 使う情報と、操作を始める画面を決めます。 | 事前の説明が必要な条件を省きません。 |
| 順番と終点 | 試す順番と、どの結果まで見るかを決めます。 | 操作を終えたことと業務の完了を混同しません。 |
| 試さないこと | 対象外の操作と作業を明記します。 | 当日の思いつきで対象を広げません。 |
操作できても相手の業務に合うとは限らない
試作品を操作できたことだけでは、普段の業務で使えるかは分かりません。今の手順や使う人を踏まえ、追加の作業や合わない点を確かめてもらいます。
- 今の手順と比べる 試した作業を普段の手順に組み込んだとき、前後に何が必要になるかを確認します。
- 実際に使う人を考える 面談相手と実際に使う人が違う場合は、分かる範囲と未確認の点を分けます。
- 合わない条件を残す 合わないという評価だけで終えず、どの業務条件で支障が出るかを記録します。
業務と比べる観点
| 確かめてもらうこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 今の手順との差 | 普段の作業のどこに入るかを確認します。 | 試作品の操作だけで判断しません。 |
| 実際に使う人 | 実際に使う人の役割と、操作に必要な知識を確認します。 | 面談相手の評価を全員の評価に広げません。 |
| 前後の作業 | 入力の準備や結果の受け渡しを確認します。 | 追加で必要になる手作業を見落としません。 |
| 合わない点 | 使いにくくなる場面や条件を確認します。 | 想像した懸念と、試して起きた事実を分けます。 |
好意的な感想は開発への要望とは限らない
面談では、要望と感想と質問が混ざって出てきます。同じ扱いで開発へ渡さず、相手が述べた内容と自分の解釈を分けて記録します。
- 要望は背景も残す 変えてほしい内容に加え、どの作業で何に困るため必要なのかを記録します。
- 感想と質問を分ける 感じたことは感想、説明を求める内容は質問として扱い、要望へ書き換えません。
- 解釈には印を付ける 発言の要旨と自分の推測を別欄にし、確認できていない解釈を明示します。
意見を分ける記録欄
| 区分 | 記録の仕方 | 注意 |
|---|---|---|
| 要望 | 希望する変更と、その背景の作業を書きます。 | 必要な理由が不明なら未確認と残します。 |
| 感想 | どの作業の後に、何を感じたかを書きます。 | 好意的な評価を変更の要望として扱いません。 |
| 質問 | 知りたい内容と、回答済みかどうかを書きます。 | 質問された機能を必要な機能と決めつけません。 |
| 自分の解釈 | 発言の要旨とは別欄に推測を書きます。 | 相手が述べた事実として開発へ渡しません。 |
要望の受け取りは採用の決定とは違う
要望を記録して開発へ渡すことと、その要望を採用することは別です。意見を聞く面談では、提供の予定や時期を約束せず、確認が必要な内容を残します。
- 受領と採用を分ける 受け取った要望の内容を確認し、開発へ渡すことを採用の決定として伝えません。
- 時期は回答を持ち帰る 時期についての質問は記録し、社内で回答してよい内容を確認します。その場で推測の見通しを示しません。
- 期待を前提にしない 実現を前提とした使い方や導入準備の話をせず、未決定の内容を明確にします。
要望を聞いた場面の対応
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 要望を受けた | 記録した内容と、開発へ渡す範囲を確認します。 | 採用が決まったと受け取られる返答をしません。 |
| 時期を聞かれた | 質問を残し、回答できる内容を社内で確認します。 | 推測による提供時期や見通しを示しません。 |
| 採用を期待された | 受領したことと未決定のことを分けます。 | 実現を前提に導入準備を勧めません。 |
開発への共有には試した事実と業務の条件が必要だ
要望だけを渡しても、何を試し、なぜ必要と感じたのかが分かりません。試した作業と結果、要望の背景、相手の業務の条件をまとめて渡します。
- 作業と結果を渡す 使った試作品の版、試した作業、実際の結果を記録し、補足説明の有無も添えます。
- 必要な理由を渡す 希望された機能だけでなく、実現したい業務と現在困っている点を渡します。
- 判断の範囲を示す 相手の役割や業務条件を添え、今回試していない作業や未確認の点も示します。
開発へ渡す記録
| 渡すこと | 書き方 | 注意 |
|---|---|---|
| 試した作業と結果 | 試作品の版、作業、結果、補足説明の有無を書きます。 | 観察した事実と原因の推測を分けます。 |
| 要望の背景 | 希望する変更と、困っている業務を書きます。 | 変更案だけを切り離して渡しません。 |
| 業務の条件 | 使う人、今の手順、前後の作業を書きます。 | 別の業務にも同じ要望があると決めつけません。 |
| 未確認の点 | 試していない作業と、確認が残る内容を書きます。 | 記録がないことを問題がないことと扱いません。 |
面談後の返答は社内で確認した範囲に限られる
面談後は、意見へのお礼と、質問や要望への返答を整理します。採用の可否を伝えられるかは社内で確かめ、返答する内容と担当を決めます。
- お礼と受領を伝える 協力へのお礼と受け取った意見の要旨を伝え、記録の食い違いがないか確認します。
- 可否は確認後に伝える 社内で判断された内容と、相手に伝えてよい内容を確認します。未決定なら可否を示しません。
- 次の返答を決める 残った質問への回答や追加確認など、次に連絡する内容と担当、記録先を決めます。
面談後の返答の整理
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| お礼を伝える | 協力へのお礼と、受け取った意見の要旨を伝えます。 | お礼に採用への期待を含めません。 |
| 可否を伝える | 社内の判断と説明してよい範囲を確認します。 | 採用の判断に提供時期の約束を加えません。 |
| 未決定である | 未決定であることと、回答できる範囲を伝えます。 | 決まっていない内容を推測で答えません。 |
| 確認が残る | 次の連絡内容、担当、記録先を決めます。 | 追加の協力が必要なら内容を示して意向を聞きます。 |
面談準備表は面談の前・中・後で記入欄が分かれる
面談前に決める内容と、面談中に記録する内容を同じ表に残します。面談後は開発への共有内容と相手への返答を追記し、確認が残る項目を明示します。
- 面談前に記入する 見せてよい範囲、意見を聞く目的、説明する前提、試す作業を記入します。
- 面談中に書き足す 業務との合い方と、要望・感想・質問を記録します。分からない内容は未確認と残します。
- 面談後の共有と返答を決める 開発へ渡す内容と相手への返答を決め、担当と記録先を記入します。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 場面 | 記入する項目 | 記入欄 |
|---|---|---|
| 社内確認 | 見せてよい範囲 | 見せる部分:/見せない部分:/説明してよい仕様: |
| 事前説明 | 意見を聞く目的/完成品でないと伝えた内容 | 目的:/説明予定:/実際に伝えた内容: |
| 試す作業 | 試してもらう作業/業務との合い方の確認結果 | 作業・順番:/対象外:/結果・業務条件: |
| 意見の記録 | 要望/感想/質問 | 要望と背景:/感想:/質問:/自分の解釈: |
| 開発への共有 | 開発担当者に渡す内容 | 試した作業と結果:/要望の背景・業務条件:/未確認: |
| 相手への返答 | 相手への返答と記録先 | お礼・返答内容:/次の連絡内容:/担当:/記録先: |
