質問と回答を並べると直す箇所が分かる
説明を増やしても、尋ねられたことへの答えになるとは限りません。相手の質問と実際の回答を並べ、どこを直すかを判断します。
- 説明を止める時点を決める 答えになっていないと指摘されたら、説明の追加を止め、質問と回答を書き分けます。
- 回答の修正箇所を決める 対象・時点・答えの種類を比べ、ずれた箇所と答えられない箇所を分けます。
- 修正後の確認事項を決める 直した回答が質問に対応したかを相手に確かめ、結果を見直し表に残します。
説明の追加だけでは回答のずれを直せるとは限らない
答えになっていないという指摘だけでは、説明不足とは判断できません。まず追加の説明を止め、相手がどの質問への答えを得られていないのかを確かめます。
- 同じ説明の追加を止める 詳しく言い換える前に、尋ねられた内容と答えた内容を見返します。
- 指摘された箇所に戻る 説明全体をやり直さず、相手が答えを得られていない箇所を探します。
- ずれの種類を見分ける 対象・時点・答えの種類の違いを分けます。判断できない箇所は未確認として残します。
指摘を受けた直後の対応
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 指摘の直後 | 追加の説明を止めます。 | 同じ説明を詳しく繰り返します。 |
| 修正箇所の確認 | 指摘と直前の回答を見返します。 | 説明全体を最初からやり直します。 |
| ずれの整理 | 質問と回答を比べ、対象・時点・答えの種類のどこが違うかを分けます。 | 説明不足だと決めつけます。 |
| 判断できない時 | 不明な箇所を相手に確かめます。 | 質問の意味を推測で決めます。 |
回答の見直しには実際の発言を残す必要がある
言いたかったことだけを記録すると、実際の回答との差が分からなくなります。尋ねられた内容と答えた内容を、別々の欄に書きます。
- 尋ねられた内容を書く 相手の言葉をできるだけ保ちます。意味を特定できない部分も、勝手に補いません。
- 実際に答えた内容を書く 口にした内容を記録します。後から思いついた説明や、伝えたつもりの内容は加えません。
- 言いたかった内容を分ける 意図を残す場合は別欄に置きます。質問との比較には、実際に答えた内容を使います。
比較する発言の書き分け
| 書くこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 尋ねられた内容 | 質問の言葉と条件を残します。 | 意味が不明な部分を補いません。 |
| 実際の回答 | 口にした内容を別欄に書きます。 | 後から正しい答えに直しません。 |
| 言いたかった内容 | 必要な場合だけ別欄に書きます。 | 実際の回答と混ぜません。 |
| 記憶が曖昧な部分 | 曖昧であることを記します。 | 記憶が曖昧な内容を、実際の発言を正確に記録したものとして扱いません。 |
内容が正しくても対象が違えば答えとは違う
商品全体の説明と、特定の作業への回答では、指している対象が違います。質問と回答が何について述べているかを比べます。
- 対象をそれぞれ取り出す 質問が指す商品や作業と、回答で説明した商品や作業を書き出します。
- 回答でも対象を示す 対象の省略で別のものを指して見える場合は、何について答えているかを明示します。
- 対象が違えば答え直す 質問の対象について答え直します。対象を特定できない場合は、推測のまま修正しません。
対象のずれの見分け方
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 商品と作業 | 質問が商品そのものを指すのか、特定の作業を指すのかを比べます。 | 全体の説明で作業への答えを代用しません。 |
| 対象の省略 | 回答が何を指すかを読み直します。 | 自分が何について答えたのかを、相手も同じように受け取ったと決めつけません。 |
| 対象の入れ替わり | 質問と回答の対象を横に並べます。 | 別の商品や作業の情報を足しません。 |
| 対象の不明点 | 特定できない部分を残します。 | 質問側の対象も明確とは決めつけません。 |
同じ作業でも尋ねられた時点によって必要な答えが変わる
対象が同じでも、使い始める前と作業後では必要な情報が変わります。回答が、相手が尋ねた時点を扱っているかを見直します。
- 使い始める前に合わせる 開始前について尋ねられたら、その時点の準備や条件を扱います。作業中の説明で代用しません。
- 作業中に合わせる 進行中について尋ねられたら、その時点の操作や対応を扱います。完了後の説明と分けます。
- 作業後に合わせる 終了後について尋ねられたら、その時点の状態や確認事項を扱います。実施手順だけで終えません。
尋ねられた時点への対応
| 場面 | 答えること | 注意 |
|---|---|---|
| 使い始める前 | 開始前の準備や利用条件を答えます。 | 開始後の操作だけを説明しません。 |
| 作業中 | 進行中の操作や問題への対応を答えます。 | 完了後の状態だけを説明しません。 |
| 作業後 | 終了後の状態や確認事項を答えます。 | 開始前の準備へ話を戻しません。 |
| 時点が不明なとき | どの時点かを確認してから答えます。 | 回答しやすい時点を選びません。 |
対象と時点が同じでも答えの種類が違うと通らない
理由を尋ねられて手順を説明しても、理由の質問は答えられていないまま残ります。情報の詳しさより先に、返した情報の種類を見直します。
- 理由と手順を分ける 理由を尋ねられたら判断の根拠や原因を、手順を尋ねられたら行うことと順番を答えます。互いの説明で代用しません。
- 担当と状態を分ける 担当を尋ねられたら受け持つ人や部署を、完了後の状態を尋ねられたら何がどうなっているかを答えます。
- 求められた種類に直す 質問と回答の種類が違えば、求められた情報に直します。種類が不明なまま決めつけません。
求められた種類と返す情報
| 求められた種類 | 返すこと | 注意 |
|---|---|---|
| 理由 | 判断の根拠や出来事の原因 | 手順の説明だけで終えません。 |
| 手順 | 行うことと実施する順番 | 必要性の説明だけで終えません。 |
| 担当 | 受け持つ人や部署 | 作業内容だけを説明しません。 |
| 完了後の状態 | 終了時に何がどうなっているか | 途中の操作だけを説明しません。 |
質問に対応する答えを先に置くと回答の場所が分かる
答えが補足に埋もれると、どの部分が質問への回答かを見つけにくくなります。質問に対応する答えを先に置き、条件と補足を続けます。答えを理解するために前提が要る場合は、前提を短く示してから答えます。
- 冒頭に答えを置く 対象・時点・答えの種類が質問に対応した答えから始めます。背景の説明はその後に置きます。
- 必要な条件を続ける 答えが成り立つ条件を直後に示します。条件が欠けると意味が変わる場合は、答えと一緒に示します。
- 補足は後に置く 理解に必要な補足だけを続けます。関連していても質問への対応に不要な説明は加えません。
回答の並べ方
| 順番 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 冒頭 | 質問に対応する答えを示します。 | 長い背景説明から始めません。 |
| 答えの直後 | 答えが成り立つ条件を示します。 | 意味を変える条件を離して書きません。 |
| 条件の後 | 理解に必要な補足を置きます。 | 関連情報をすべて付け足しません。 |
関連情報を足しても未回答の箇所が残る
分からない部分に別の説明を足しても、その箇所への答えにはなりません。答えられる範囲と、確認が必要な範囲を分けて伝えます。
- 分からない箇所を示す 何が分からないかを明示します。一部が未確認なら、回答全体ではなく該当箇所を区別します。
- 関連情報と答えを分ける 参考になる情報を添える場合も、質問への答えとは分けます。未回答の箇所を隠しません。
- 確認後に回答する 誰に確認するかと、いつ回答できるかを相手に伝えます。確定できないことは約束せず、確認後は元の質問に戻って答えます。
未回答の箇所への対応
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 情報がない時 | 分からない箇所を明示します。 | 推測を確定した情報として伝えます。 |
| 一部が未確認 | 答えられる範囲と分けます。 | 回答全体が済んだ扱いにします。 |
| 関連情報がある時 | 参考情報として区別します。 | 別の説明で未回答の箇所を埋めます。 |
| 確認が必要な時 | 確認先と回答できる時期を相手に伝えます。 | 確約できない回答時期を約束します。 |
| 確認できた時 | 元の質問に対応する答えを返します。 | 調べた経緯だけを報告します。 |
回答が対応したことと相手が納得したことは違う
答え直しただけでは、質問に対応したかは判断できません。回答が質問に合ったことと、相手が納得したことを分けて確かめます。
- 答え直した点を示す 修正した答えを先に伝え、必要なら対象・時点・答えの種類のどこを直したかを短く添えます。
- 残っているずれを尋ねる まだ答えになっていない箇所があるかを相手に確かめます。反応がないだけで完了と判断しません。
- 納得と商品の評価を分ける 質問に合った回答であることと、回答内容への納得と、商品の評価を分けます。質問に合った回答でも、納得や購入の意思を意味しません。
答え直した後の確認
| 手順 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 修正点を示す | どのずれを直したかを示します。 | 修正前の説明を長く繰り返しません。 |
| 残るずれを尋ねる | まだ答えになっていない箇所を確かめます。 | 沈黙を確認済みと扱いません。 |
| 結果を分ける | 質問への一致・納得・商品の評価を分けて記録します。 | 回答への納得を購入の意思と扱いません。 |
質問と回答を記録すると提案書で直す箇所が選べる
直した回答だけを残すと、どこがずれていたかが分からなくなります。質問、ずれた回答、直した回答を残し、提案書の該当箇所を見直します。
- 修正前後を残す 質問と修正前後の回答を別々に記録します。元の回答を直した回答で上書きしません。
- ずれと確認結果を記す 対象・時点・答えの種類などのずれを記します。修正後も確認できていない箇所は、そのまま残します。
- 提案書の該当箇所を直す 同じずれを招く記述を直します。商談固有の条件が付く答えは、共通の説明として転用しません。
提案書の見直しに使う記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 質問 | 実際に尋ねられた内容と条件 | 修正後も元の質問と比べることができます。 |
| ずれた回答 | 実際に伝えた内容 | ずれが生じた箇所を残せます。 |
| ずれの種類 | 対象・時点・答えの種類のどれが違ったか、または未回答だったか | 修正する内容を判断できます。 |
| 直した回答 | 修正後の内容と必要な条件 | 条件を落とさずに再確認できます。 |
| 相手の確認結果 | 対応した箇所と残ったずれ | 未確認の修正を確定扱いせずに済みます。 |
| 提案書の反映先 | 直すページや項目と商談固有の条件 | 別の場面へ誤って転用せずに済みます。 |
見直し表に元の発言を残すと修正前後を比べることができる
質問と回答を同じ表に残すと、修正前後を見返せます。判別できない項目は未確認と記し、推測で埋めないようにします。
- 元の発言を先に残す 商談を識別できる情報と、実際の質問・回答を書きます。修正後も元の発言を残します。
- 比較した結果を書く 対象・場面・求められた種類を記し、回答とのずれを整理します。複数のずれがあれば併記します。
- 修正と確認結果を残す 直した回答と、相手への確認結果を別の欄に記します。記録先には、商談記録や提案書の該当箇所を書きます。
回答の見直し表
| 商談日と相手 | 相手の質問 | 自分の回答 | 質問の対象 | 質問の時点 | 求められた種類 | ずれの種類 | 直した回答 | 相手への確認結果と記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
