説明を終えても何が決まったかの理解は同じとは限らない
説明が終わっても、何が決まったかを同じように理解しているとは限りません。結論を急がず、決まったことと残ったことを分けて商談を終えます。
- 確認の始め方と分け方を決める 終わりの確認を始める合図と、決定・保留・未確認を分ける方法を決めます。
- 次の行動を決める 次に誰が何をするかと、相手の社内で必要なこと、返事がない場合の扱いを決めます。
- 確認の範囲を決める 説明不足や確認できなかった点の扱いを決め、記録に残す内容を確認表にまとめます。
話題が尽きても、商談の確認が済んだとは限らない
会話が途切れたことと、話し合う事項がなくなったことは別です。終わりを意識する合図を決め、残った論点がないかを確かめてから、決まったことの確認に移ります。
- 合図を決めておく 話題が尽きた、相手が退出の準備を始めた、予定の終了時刻になった場合を、確認に移る合図にします。
- 残った論点を見分ける 質問が止まっても、疑問が解消したとは決めつけません。話し足りない事項があるかを確認します。
- 確認できる範囲を選ぶ 確認を始めてよいかを確かめます。続けられない場合は、未確認の事項を残して終了します。
終わりの確認を始める合図
| 合図 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 話題が尽きた | 残った質問や論点の有無を確かめます。 | 沈黙を確認終了の根拠にしません。 |
| 相手の様子 | 話を続けられるかを確かめます。 | 退出の準備から結論を推測しません。 |
| 予定の終了時刻 | 確認できる事項を選びます。 | 確認のために終了を引き延ばしません。 |
説明した事項が、決まった事項とは限らない
説明した内容や提案した条件を、そのまま決定事項に含めてはいけません。相手と確認できた内容をもとに、決定・保留・未確認の事項を分けます。
- 決まった範囲を絞る 互いに了承した内容だけを決定事項にします。条件付きなら、その条件も含めて確かめます。
- 保留の理由を残す 判断に必要な情報が足りないのか、社内確認が必要なのかを、答えられる範囲で確認します。
- 未確認の点を分ける 取り上げなかった事項や確認できなかった事項は、保留や了承に含めません。確認が必要な事項として別に残します。
話した内容の区分
| 区分 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 決まった | 了承した内容と適用する条件を確かめます。 | 一部の了承を提案全体に広げません。 |
| 保留 | 判断を残した事項と不足している情報を確かめます。 | 保留と確認できた事項を、受注の見込みとして数えません。 |
| 未確認 | まだ取り上げていない事項と、確認できなかった事項を区別します。 | 説明していない内容を了承済みにしません。 |
次にすることは引き受けた担当と中身の両方で決まる
資料を送る、社内で確認するといった予定だけでは、誰が何をするかが曖昧です。実際に引き受けた担当と、行う内容を分けて確認します。
- 自社の行動を具体化する 提出する資料や回答する質問を特定します。何を渡せば約束を果たしたことになるかを明確にします。
- 相手の了承を確かめる 依頼しただけでは相手の担当事項にしません。相手が引き受けると答えた内容だけを、相手の担当として記載します。
- 共同作業を分ける 両方で行う作業も、それぞれの役割を分けます。先に必要な情報や作業があれば併せて確認します。
次に行うことの分担
| 担当 | 中身 | 注意 |
|---|---|---|
| 自社 | 提出する資料や回答する質問を特定します。 | 対応できるか不明なことを約束しません。 |
| 相手 | 引き受けた確認や共有の内容を特定します。 | 依頼を相手の約束として扱いません。 |
| 両方 | それぞれの作業と、先に必要な情報を分けます。 | 担当が決まらなければ未定とします。 |
社内での検討には共有先と必要な情報の確認が要る
社内で検討すると聞いても、何を持ち帰る必要があるかまでは分かりません。共有する相手の役割と、説明に必要な情報を確認します。
- 共有先の役割を知る 誰に何を報告する必要があるかを、役割や部署の範囲で確認します。個人名の開示を求める必要はありません。
- 必要な情報を見極める 提供条件、社内への影響など、説明に必要な情報を確認します。相手が社内説明に使わない資料まで渡しません。
- 分からない点を残す 社内の手順が不明なら、何が分からないかを残します。時期を尋ねるときは、答えられる範囲でよいと添えます。
社内での共有に必要な確認
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 誰に報告するか | 共有先の役割と報告内容を確認します。 | その人だけで判断できると推測しません。 |
| 何が必要か | 社内説明に不足する情報を確認します。 | 相手が社内説明に使わない資料まで渡しません。 |
| 何が不明か | 分かっている手順と不明な手順を分けます。 | 時期は、相手が答えられる範囲で聞きます。 |
返事がないことは了承の根拠にはならず不明のまま残る
返事が届かないという事実だけでは、検討状況も意思も分かりません。沈黙を了承に変えず、返答がない場合に何を止めておくかを確認します。
- 了承の根拠を分ける 返事がなければ進めるという扱いを、一方的に設けません。了承を得ていない実施事項は進めません。
- 検討中と推測しない 検討中と分かるのは、その旨を確認できた場合です。返事がないだけなら、状況は不明のまま残します。
- 連絡待ちを具体化する 誰から何の連絡を待つのかを明確にします。返答がない場合の再確認の可否も、合意できる範囲で決めます。
返答と検討状況の分け方
| 状態 | 扱い | 注意 |
|---|---|---|
| 返事がない | 返答を受け取っていない状態として扱います。 | 了承や検討中に置き換えません。 |
| 検討中 | 検討中と確認できた事項は、結論が出ていない状態として記録します。 | 他の事項まで検討中と判断しません。 |
| 連絡待ち | 連絡する側と待っている内容を明記します。 | 再確認の可否が不明なら合意済みにしません。 |
終わりの確認には、保留や辞退を選べる余地が必要だ
終わりの確認に結論の要求を混ぜると、答えにくい事項まで返答を迫る形になりかねません。保留や辞退も確認結果として扱い、進めることだけを求めません。
- 確認の目的を絞る 話した内容の認識を確かめることと、購入の判断を求めることを分けます。確認の途中で決断を迫りません。
- 保留を選べるようにする 判断できない事項は、そのまま保留にします。理由を話せない場合も、理由の説明を保留の条件にしません。
- 辞退を確認結果にする 進めない意向が示されたら、了承済みの作業への影響を確かめます。同じ提案への賛同を繰り返し求めません。
確認が圧力になりやすい場面
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 結論が出ない | 決まった範囲と残った判断を分けます。 | 商談を終える条件として結論を求めること。 |
| 保留したい | 保留する事項を確認します。 | 理由を説明するまで確認を続けること。 |
| 進めたくない | 辞退の対象と、残る作業の有無を確認します。 | 辞退を翻意させるために確認を繰り返すこと。 |
質問が出なかった事項も、理解されたとは限らない
説明中に質問がなくても、分かりにくい点や聞きそびれた点が残ることがあります。答えを求めすぎず、追加説明が必要な事項を確認します。
- 分かりにくさを聞く 理解できたかを答えさせるのではなく、説明が足りなかった箇所を確認します。説明し直す範囲を絞ります。
- 聞きそびれを拾う 途中で話題が変わった箇所や、触れなかった条件を確認の対象にします。質問がないという返事も、そのまま受け止めます。
- 回答待ちを明確にする その場で答えられない質問は、内容と回答する側を確認します。推測による回答で埋めません。
追加説明が必要な事項
| 聞くこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 分かりにくい点 | 不足していた説明の箇所を確認します。 | 理解度を試す聞き方にしません。 |
| 聞きそびれた点 | 話題が変わった箇所に質問がないか確認します。 | 質問を無理に出してもらいません。 |
| 持ち帰る質問 | 質問の内容と回答する側を確認します。 | 回答前に、その内容を前提とした了承を求めません。 |
商談の記録では、確認済みと未確認の区別が必要だ
記録に残す前に、商談の終わりに確かめた内容と、確かめられなかった内容を分けます。ここでは書式や保存方法ではなく、相手と確認した内容と自社の推測をどう分けて書くかを決めます。
- 決定の条件も残す 決まった内容だけでなく、付いている条件も記録対象にします。条件を省いて了承の範囲を広げません。
- 保留と未確認を分ける 保留すると確かめた事項と、確認自体が済んでいない事項を分けます。理由が不明なら推測を加えません。
- 約束の範囲を残す 次に行う内容と、引き受けた担当を記録対象にします。依頼しただけの作業には、了承未確認と付記します。
終わりの確認から記録に残す内容
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 決まったこと | 確認できた内容と、その条件を書きます。 | 条件のない了承と取り違えないため。 |
| 保留する事項 | 保留の対象と、確認できた理由を書きます。 | 未確認の事項と区別するため。 |
| 次にすること | 作業内容、担当、了承の有無を書きます。 | 依頼を約束として扱わないため。 |
途中で終わった商談では確認できた範囲だけが確認済みになる
中断や退出、確認漏れによって、終わりの確認ができない場合もあります。商談が終わったことを了承の根拠にせず、未確認の事項を特定します。
- 確認済みの範囲を守る 途中まで確かめた場合は、その範囲だけを確認済みにします。残った事項を、まとめて了承済みにしません。
- 終了の事情を尊重する 退出を急いでいる場合は、確認のために引き止めません。未確認として残すことで、終了できるようにします。
- 再確認の要否を分ける 実施に了承が要り、まだ了承を得ていない事項は止めておきます。合意済みの連絡方法や連絡を控える意向を確認し、対応を決めます。
未確認の事項が残った場合の対応
| 場面 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 途中で終わった | 確認できた事項と残った事項を分けます。 | 中断前の会話から了承を推測して補いません。 |
| 相手が急いでいた | 確認できなかった事項を特定します。 | 退出時の反応を内容への承諾と扱いません。 |
| 確認を忘れた | 未確認と記録し、再確認の要否を判断します。 | 自社の整理だけで確認済みに変えません。 |
確認表には未確認の事項も残す必要がある
商談が終わった時点で、確認できた内容と残った事項を確認表に記入します。確認できなかった事項は未確認と書き、了承済みと区別します。
- 話した範囲を整理する 話した事項をもとに、決まったことと保留する事項を記入します。話していない重要な点は未確認の点に残します。
- 次の行動を記入する 次にすることと担当を対応させます。相手の社内で行われることは、説明を受けた範囲で記入します。
- 不明な欄を区別する 返事がない場合の扱いを確認できなければ、未確認と記します。記録先を決め、確認後の内容を保存します。
商談の終わりの確認表
| 話した事項 | 決まったことと条件 | 保留する事項と理由 | 未確認の事項 | 次にすること | 担当と了承の有無 | 相手の社内で行われること | 返事のない状態の扱い | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
