導入と継続の比較には、作業と課題の説明が必要だ
今の方法を続ける案も、比較する選択肢に含めます。導入の利点に加え、それぞれの場合に行う作業と残る課題を整理します。
- 比べる項目を決める 相手が気にしている点を出発点に、導入する場合と今の方法を続ける場合の比較項目を決めます。
- 両案の作業を示す 今の作業と導入後の作業を並べ、相手が引き受ける作業や新たに増える作業を示します。
- 足りない情報を確かめる 残る課題の裏付けと相手の評価を記録し、判断するために足りない情報を確かめます。
今の方法を続ける意向は、導入の否定とは限らない
商品に関心があっても、今の方法を続ける案を検討することはあります。継続する理由を確認し、導入する案と並べて比べます。
- 続ける理由を聞く 慣れた手順を使える点など、今の方法を続けたい理由を確認します。理由を聞く前に欠点を挙げないようにします。
- 両案を並べる 導入する場合と続ける場合を、同じ業務について比べます。続ける案にも説明する欄を設けます。
- 比較と選択を分ける 比較内容への合意を、導入への合意と扱わないようにします。説明した直後に選択を迫る必要はありません。
継続の意向が示されたときの整理
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 継続を検討 | 続けたい理由を確認します。 | 関心がないと決めつけます。 |
| 比較を開始 | 両案を選択肢として並べます。 | 導入する案だけを説明します。 |
| 説明を終了 | 比較内容に異論がないか確認します。 | 説明への納得を購入の意思と扱います。 |
比較する項目は、相手の関心を起点に決めることになる
商品の特徴をそのまま比較項目にすると、相手が知りたい点から離れることがあります。相手の関心を確認して項目を決め、根拠を示せる範囲と未確認の点を分けます。
- 気になる点を起点にする 作業の分担や確認のしやすさなど、相手が判断に使いたい点を挙げてもらいます。
- 説明できる範囲を示す 仕様や実際の手順で説明できる範囲を示します。分からない点は、比較項目から外さず未確認と記します。
- 決め手になるか確認する 違いがあっても選択に影響しない項目は、参考情報として分けます。自社の得意な項目だけを残さないようにします。
比較項目の選び方
| 項目の出どころ | 決め方 | 注意 |
|---|---|---|
| 相手の関心 | 選択に関わる点を採用します。 | 気になる理由まで確認します。 |
| 自社の説明 | 根拠を示せる範囲を決めます。 | 説明できない点も未確認と記します。 |
| 参考情報 | 選択への影響を相手に確認します。 | 違いがあるだけで決め手と扱いません。 |
今の方法の負担を知るには、実際の作業の流れの確認が要る
同じ作業名でも、関わる人や確認の手順によって実態は異なります。最近の実例をたどり、相手がどの作業を負担と感じているか確認します。
- 作業の流れをたどる 誰が何を受け取り、何を確認して次へ渡すかを整理します。普段と異なる対応があるかも確認します。
- 手間が起きる作業を特定する 探し直しや確認のやり直しがあれば、どの作業で起きているかを確認します。作業があるだけで負担とは決めつけません。
- 相手の評価を聞く 負担に感じる点と、今のままで困っていない点を分けます。こちらの観察だけで課題を決めないようにします。
現在の作業を確認する項目
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 役割と手順 | 最近の作業を順にたどります。 | 手順書と実際の違いも確認します。 |
| 手間が起きる作業 | やり直しが起きる場面を確認します。 | 確認していない頻度を推定しません。 |
| 相手の評価 | 困る点と困らない点を分けて聞きます。 | 自社の見方を相手の評価に置き換えません。 |
導入後に相手が担う作業は、提供範囲と相手の運用で分かれる
導入によって自社に任せられる作業があっても、相手に残る作業があります。準備から日常の利用まで、提供範囲と相手の役割を対応させて示します。
- 準備する内容を示す 開始前に必要な情報の提出や社内での確認を示します。何を用意すれば利用を始められるか説明します。
- 日常の役割を示す 利用中の入力、確認、承認などを示します。相手の社内で担当を決める必要がある作業も明記します。
- 提供範囲を明記する 自社が担う作業と、相手に確認を求める場面を説明します。対応条件がある場合は併記します。
導入後の役割を示す項目
| 区分 | 示すこと | 注意 |
|---|---|---|
| 開始前の準備 | 相手が用意する情報を示します。 | 準備の担当が未定なら明記します。 |
| 日常の作業 | 相手が入力や確認を行う場面を示します。 | 通常時以外の対応も確認します。 |
| 自社の作業 | 提供する作業と対応条件を示します。 | 相手の承認が必要な箇所を省きません。 |
継続で残ると説明できる課題は、裏付けのある範囲に限られる
今ある課題が、そのまま将来も続くとは断定できません。相手の申告と確認した事実を分け、残ると考える条件を添えて説明します。
- 相手の申告を区別する 相手が挙げた課題は、申告された内容として記録します。どの作業で困っているかも確認します。
- 確認した範囲を示す 確認に使った記録や手順を示します。課題が残るという説明には、現在の条件が続くという前提を添えます。
- 推測は結論に使わない 未確認の見通しは推測と明記し、裏付けが必要な点を示します。裏付けのない将来の悪化を購入の理由にしないようにします。
裏付けに応じた課題の示し方
| 区分 | 伝え方 | 避けること |
|---|---|---|
| 相手の申告 | 申告された課題と対象業務を示します。 | 自社でも確認済みと扱います。 |
| 確認した事実 | 確認資料と課題が残る条件を示します。 | 見ていない業務まで広げます。 |
| 未確認の推測 | 推測と明記し、必要な確認を示します。 | 将来の悪化を事実として断定します。 |
導入で作業が減っても、相手の負担が減るとは限らない
今の作業が減る一方で、操作の習得や登録内容の確認が必要になる場合があります。導入時に行う作業と、利用中も続く作業を分けて示します。
- 覚える内容を示す 使う機能や変更される手順を示します。説明を受けることと、実際に操作を覚えることを分けます。
- 設定と登録を示す 初期設定や情報の登録で相手が行う作業を示します。自社の支援を受けても残る作業を明記します。
- 続く確認を示す 利用中に必要な内容確認や修正を示します。導入時だけで終わる作業と混同しないようにします。
導入によって増える作業の整理
| 増える作業 | 伝えること | 注意 |
|---|---|---|
| 操作の習得 | 覚える操作と手順を示します。 | 説明を受ければ習得済みとは扱いません。 |
| 設定と登録 | 相手が用意し入力する内容を示します。 | 支援があっても残る作業を明記します。 |
| 利用中の確認 | 確認と修正が必要な場面を示します。 | 利用開始後も続くかを明記します。 |
購入の利点だけの説明は、判断材料とは限らない
利点だけを示すと、それを得るために相手が行う作業を判断できません。続ける案の利点も含め、同じ項目で両案を説明します。
- 利点と作業を併記する 導入で可能になることの隣に、必要な準備や確認を書きます。利点と作業を対応させて読めるようにします。
- 継続の利点も書く 慣れた手順を使える点など、相手が認めた継続の利点も記します。続ける案を課題だけで説明しないようにします。
- 相手の表現を使う 商品の特徴を、相手が使っている業務の言葉で説明します。意味を変えていないか、比較表を見てもらいます。
購入の利点に偏らない記載方法
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 導入の説明 | 利点と必要な作業を併記します。 | 作業を省いて利点だけを書きます。 |
| 継続の説明 | 相手が認めた利点も書きます。 | 不都合だけを取り上げます。 |
| 表現の確認 | 相手の業務の言葉で書きます。 | 商品用語だけで違いを説明します。 |
比較表が埋まっても、判断に十分とは限らない
説明を記入しただけでは、相手の疑問が解消したか分かりません。どの項目が判断できないかを確認し、調べる内容と確認先を決めます。
- 知りたい点を特定する 比較表を見ながら、説明が足りない欄を挙げてもらいます。何が分かれば判断できるかまで確認します。
- 自社で調べる範囲を決める 仕様や対応範囲など、自社で確認する事項を引き取ります。回答できる根拠を調べ、未確認のまま断定しません。
- 相手側の確認を分ける 現在の手順や社内の役割など、相手側で確認する事項を分けます。確認する人と、結果を反映する欄を記します。
不足している情報の確認先
| 区分 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 相手の疑問 | 判断できない欄と理由を確認します。 | 質問がないだけで理解済みと扱いません。 |
| 自社の確認 | 仕様や対応条件の根拠を調べます。 | 未確認の事項は回答済みにしません。 |
| 相手側の確認 | 社内の手順や役割の確認先を決めます。 | 自社の推測で相手の事情を埋めません。 |
比較内容の記録で、何を前提に比べたかが分かる
結論だけを残すと、何を前提に比べたかが分からなくなります。比較項目、両案の作業、相手の評価を分け、確認した根拠とともに記録します。
- 項目と前提を残す 比べた業務の範囲と、採用した項目を記録します。条件が変わったときに見直す箇所を分かるようにします。
- 両案の分担を残す 相手が行う作業と、導入する場合に自社が担う作業を記録します。導入で増える作業と残る課題も省きません。
- 評価と解釈を分ける 相手が示した評価と、自社の解釈を分けて記録します。反応がなかった項目は、賛成ではなく未確認とします。
比較後に残す記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 項目と前提 | 比較した業務と条件を書きます。 | 条件変更時に見直す箇所が分かります。 |
| 両案の作業 | 相手と自社の分担を書きます。 | 自社に依頼できる範囲が分かります。 |
| 課題と根拠 | 残る課題と確認資料を書きます。 | 説明の裏付けをたどれます。 |
| 相手の評価 | 評価の内容と未確認の点を書きます。 | 自社の解釈と区別できます。 |
| 記録の所在 | 比較表と根拠資料の保存先を書きます。 | 後から同じ内容を確認できます。 |
比較表には、両案の作業と根拠の記載が必要だ
相手と決めた比較項目ごとに記入します。作業や課題の欄にも、継続する場合と導入する場合のどちらに当たるかを明記します。
- 同じ項目で記入する 両案を同じ業務について書きます。片方だけ詳しくなる場合は、もう片方で足りない情報を確認します。
- 不明な点を明記する 裏付けの欄には確認資料を記し、根拠がなければ未確認と書きます。空欄を課題なしという意味で使いません。
- 評価と記録先を残す 相手の評価を確認して記入します。根拠資料と比較表の保存先を残し、確認結果に応じて更新します。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 比べる項目 | 今の方法を続ける場合 | 導入する場合 | 相手が行う作業 | 自社が担う作業 | 残る課題 | 新たに増える作業 | 裏付け(確認資料) | 相手の評価 | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 作業の進め方 | 現在の手順と続ける利点を書きます。 | 導入後の手順と利点を書きます。 | 両案それぞれの相手の作業を書きます。 | 導入する場合の提供範囲を書き、続ける場合は該当なしと書きます。 | 各案で残る課題と条件を書きます。 | 導入時と利用中に分けて書きます。 | 確認資料を書き、なければ未確認と書きます。 | 各案への評価か未確認かを書きます。 | 比較表と根拠資料の保存先を書きます。 |
| 結果の確認 | 現在の確認方法と続ける利点を書きます。 | 導入後の確認方法と利点を書きます。 | 各案で相手が確認する内容を書きます。 | 導入する場合に自社が確認する内容を書きます。 | 各案で解消しない点と条件を書きます。 | 導入で追加される確認を書きます。 | 確認資料を書き、なければ未確認と書きます。 | 各案への評価か未確認かを書きます。 | 比較表と根拠資料の保存先を書きます。 |
