社内の条件付きの承認は、相手への約束とは違う

社内から条件付きで提案を認められても、そのまま相手に約束できるとは限りません。条件を具体的な確認事項に直し、次の商談で伝える範囲を決めます。

  • 条件の意味を明らかにする 条件の意味と決めた人、条件が付いた理由を確かめ、相手が答えられる確認事項を決めます。
  • 伝える範囲と順番を決める 条件を満たす前に伝えることと約束できないことを分け、確認を頼む順番を決めます。
  • 確認後の判断方法を決める 確認結果を社内に戻す方法と、条件を満たせない場合や条件が変わった場合の扱いを決めます。

条件の文面だけでは、対象と判断する人が分かるとは限らない

条件に使われた言葉の意味が曖昧だと、確認しても提案を確定できません。決めた人に対象の業務を聞き、その人が判断できる提供内容の範囲と、条件を満たしたかを判断する人も明らかにします。

  • 条件が指す業務を絞る 対応可能などの言葉が具体的にどの業務や状態を指すのかを確かめ、誰がどの業務を、どの状態まで行えればよいかを明らかにします。
  • 決めた人と判断できる範囲を知る 条件を伝えた人と決めた人を区別し、決めた人がどの提供内容まで判断できるかを確かめます。
  • 満たしたかを判断する人 条件を満たしたかを誰が判断するかを決め、判断に必要な情報も聞いておきます。

条件の意味を確かめる

確かめること方法注意
文面の意味対象の業務と、満たすべき状態を聞きます。曖昧な言葉を自分の解釈で補いません。
決めた人決めた人と、その人が判断できる範囲を聞きます。伝達した人が決めた人とは限りません。
満たしたかの判断判断する人と、必要な情報を聞きます。営業だけで満たしたと決めません。
表は編集部作成の例です。

条件の確認方法は、条件が付いた理由で変わる

同じ文面の条件でも、提供上の制約なのか、情報が足りないためなのかで確認方法が変わります。何を避けるための条件かを社内で確かめます。

  • 提供上の理由を聞く 条件を満たせない場合に、提供内容のどこに支障が出るかを聞きます。理由を聞かずに条件を緩めません。
  • 業務上の理由を聞く 作業の受け渡しや判断の分担など、どの業務が止まることを避けたいのかを確かめます。
  • 不足している情報を知る 情報不足による条件なら、何が分かれば判断できるかを聞きます。追加情報で見直せるかも確かめます。

条件が付いた理由を分ける

理由の種類確かめること注意
提供上の理由条件を満たせないと、提供内容にどの支障が出るか。相手の希望だけで条件を外しません。
業務上の理由どの作業や判断が滞ることを避けたいか。関係する業務と分担を具体的に聞きます。
情報不足何が未確認で、何が分かれば判断できるか。未確認と対応できない状態を混同しません。
表は編集部作成の例です。

社内の条件だけでは相手が答えられるとは限らない

社内で通じる条件の言葉が、そのまま相手に通じるとは限りません。相手の業務に置き換え、確認する項目と回答に必要な情報を示します。

  • 相手の業務の言葉に直す 社内だけで使う呼び方を避け、相手が行う作業や判断として説明できる形に直します。
  • 確認する項目を分ける 作業を行う人、実施する場面、判断する人を分けます。まとめて可否だけを尋ねない形にします。
  • 回答できる形を示す 現在の手順や分担など、必要な情報を指定します。未定や不明の場合も、その状態を答えられる形にします。

条件を確認事項に直す

場面すること注意
社内語がある相手が行う作業と、必要な状態に書き換えます。言葉を変えても条件の意味は変えません。
条件が複合的作業、実施する人、判断する人に分けます。一部の回答で条件全体を満たしたとしません。
回答しにくい必要な情報と、不明な場合の答え方を示します。回答するための推測を相手に求めません。
表は編集部作成の例です。

条件付きの内容には、未確定だと分かる説明が必要だ

条件を確認する前でも、提案の方向を説明できる場合があります。確定済みの内容と未確定の内容を分け、未確定の内容は条件付きで説明するか、約束しないかを決めます。

  • 提案の方向を示す 解決したい業務上の課題と、検討している提供内容を示します。実施の確定と混同させない説明にします。
  • 条件付きだと明示する 未確認の条件と、確認後に社内で判断する内容を対応させます。条件だけを小さな補足にしません。
  • 未確定の内容を約束しない 条件に左右される対応範囲や作業の分担は、確定した内容として伝えません。判断する手順を示します。

説明と約束を分ける

区分扱い避けること
提案の方向課題と検討中の提供内容を説明します。実施が決まったように説明しません。
条件付きの内容未確認の条件と、判断待ちの内容を示します。条件を省いて提供内容だけを伝えません。
約束できない内容未確定と示し、確認後の判断手順を伝えます。対応範囲や分担をその場で確約しません。
表は編集部作成の例です。

確認の順番は、提案への影響と回答する人で決まる

条件を並べた順に尋ねても、必要な回答が得られるとは限りません。提案への影響、自社で確認できること、相手の社内確認が必要なことを分けます。

  • 提案を左右する条件を先に 満たせなければ提案の方向が変わる条件を先に扱います。後続の確認が必要かも、その結果で判断します。
  • 相手の社内確認を見込む 別の部署や決める人の確認が必要なら、必要な情報を早めに示します。窓口担当者の条件を満たせそうだという予測と、正式な回答を区別します。
  • 自社で分かることを調べる 自社で確認できる内容を先に調べ、相手には不足する情報を頼みます。回答が必要な場面も明らかにします。

確認を頼む順番を決める

区分すること注意
先に確かめる条件提案を続けるか左右する条件から確認します。答えやすさだけで順番を決めません。
相手の社内確認確認する人と必要な情報を早めに伝えます。窓口担当者の予測を確定した回答にしません。
自社での確認手元の情報と社内への確認で調べます。自社で分かることまで相手に頼みません。
表は編集部作成の例です。

条件を満たせない場合の扱いには社内の判断が必要だ

相手が条件を満たせないと分かってから、その場で対応を決める必要はありません。別の提案、条件の見直し、見送りのどれを社内に相談するかを、満たせない事情に応じて決めておきます。

  • 別の提案を検討する 元の条件が必要ない提案を検討できるか、社内で確かめます。別の提案に必要な判断も省略しません。
  • 条件の見直しを相談する 条件が付いた理由を別の方法で解消できる場合は、判断する人に相談します。その場で条件を外しません。
  • 見送る場合を決める 条件が不可欠で別の対応もできなければ、提案を見送る扱いにします。どの条件や状況が変われば再検討できるかも社内で確認します。

条件を満たせない場合を分ける

場面すること注意
別案を検討できる別の提供内容を検討するための社内判断を求めます。元の回答を別案にも使えるか確認し、不足する情報を別に確かめます。
理由を解消できる別の方法と根拠を示して条件の見直しを相談します。相手との合意だけで条件を変えません。
条件が不可欠見送りと、再検討できる場合を社内で決めます。未確認の状態と満たせない状態を分けます。
表は編集部作成の例です。

確認結果だけでは提案を確定できるとは限らない

相手から回答を得たことと、社内の条件を満たしたことは別です。条件ごとに回答と根拠を戻し、判断する人が認めた範囲で提案を確定します。

  • 条件と結果を対応させる 条件ごとに、確かめた事項、相手の回答、回答した人を示します。確認できた事実と自分の解釈を分けます。
  • 判断する人に戻す 条件を満たしたか、追加確認が必要かを判断してもらいます。回答が曖昧なら、未確認として残します。
  • 確定した範囲を示す 認められた提供内容と業務の分担を明記します。相手に伝える内容が社内の判断と一致しているか確認します。

確認結果から提案を確定する

すること方法注意
結果を戻す条件ごとに回答、回答した人、根拠を示します。事実と営業の解釈を混ぜません。
判断を得る定めた人に条件を満たしたか判断してもらいます。返信がない状態を了承と扱いません。
提案を確定する認められた提供内容と分担を明記します。残った条件に関わる内容まで確定しません。
表は編集部作成の例です。

条件や前提が変わった提案には再判断が必要だ

提案を確定した後でも、社内の条件や相手の業務が変わることがあります。以前の確認結果を使える範囲と、判断し直す範囲を分けます。

  • 社内の変更を確認する 何が変わり、今回の提案にも適用されるかを確認します。影響する内容は、改めて判断を得ます。
  • 相手の変更を確認する 作業の手順や分担が変わったら、関係する条件を確認し直します。変更のない項目と区別して扱います。
  • 以前の結果を点検する 確認時点の情報が今も成り立つかを確かめます。不明な場合は、以前の結果だけで提案を進めません。

変更による影響を確認する

場面すること注意
社内の条件が変更変更点と、今回の提案への適用を確認します。変更前の判断をそのまま使いません。
相手の状況が変更変わった業務に関係する条件を確認し直します。変更に関係する内容の確約を控えます。
確認結果が古い回答した人に現在も同じ状態か確認します。確認からの経過が短くても、状況が変わっていないかを確かめます。
表は編集部作成の例です。

条件と判断の経緯を残せば、約束できる範囲が分かる

最終的な提案だけを残すと、何を前提に認められたかが分からなくなります。社内の条件、相手への確認、社内の判断をたどれる形で記録します。

  • 条件を理由とともに残す 条件の内容と決めた人、条件が付いた理由を残します。意味を確認した場合は、その説明も記録します。
  • 確認した事実を残す 相手に確かめた事項、回答した人、確認時点、回答の根拠を記録します。未確認の項目も残します。
  • 確定の経緯を残す 社内で判断した人と認められた範囲を記録します。条件が変わった場合は、変更前後の違いも残します。

判断をたどれる記録を残す

記録項目書くこと理由
社内の条件条件の内容、決めた人、理由、判断する人を書きます。条件の意味と相談先を確認できます。
相手への確認確かめた事項、回答した人、確認時点を書きます。誰に何を確認したか分かります。
確認結果回答、根拠、未確認の項目を書きます。事実と推測を区別できます。
提案の確定判断した人、認められた範囲、相手に伝えた内容を書きます。約束した内容と社内の判断を照合できます。
変更の経緯変更点、理由、確認し直した結果、再判断を書きます。古い条件のまま提案せずに済みます。
表は編集部作成の例です。

条件の確認表を埋めると、未確認の事項が分かる

次の商談で扱う条件ごとに、この確認表を作成します。分からない欄には未確認と記し、確認する人と次の対応を添えます。

  • 商談前に準備欄を埋める 条件から確認の順番までを記入します。満たせない場合の扱いも社内で決め、商談中の判断に備えます。
  • 回答と社内判断を追記する 確認結果には回答した人と根拠を添えます。社内で判断した人と、確定した提案の範囲も追記します。
  • 変更時に記録を更新する 条件や相手の状況が変わったら、変更点と再確認の結果を残します。以前の記録もたどれるようにします。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

記入項目記入欄記入項目記入欄
社内の条件決めた人
条件が付いた理由相手に確かめる事項
条件を満たす前に約束できないこと条件を満たす前に伝えること
確認の順番確認結果
満たせない場合の扱い記録先
社内の判断と確定した範囲変更点と再確認の結果
表は編集部作成の例です。決めた人の欄には、判断できる範囲と、条件を満たしたと判断する人も記入します。