変更の採否は根拠と自社の作業で分かれる
営業方法の変更を勧められても、提案だけでは採用を決められません。変更を勧める根拠と自社への影響を整理し、試す範囲と判断する時期を決めます。
- 提案を判断する材料 今の方法の結果と提案の根拠を分け、説明を求める内容を決めます。
- 試す範囲と自社の作業 変更する営業先・文面・進め方を整理し、自社で対応できる範囲を確かめます。
- 採否の伝え方と記録 変更前後の比べ方を定め、採用・保留・見送りの理由と時期を記録できます。
提案されたことと変更が必要なことは同じとは限らない
変更を勧められたら、何を見て必要だと考えたのかを聞きます。自社の結果から分かったことと、依頼先の経験による見立てを分けて説明してもらいます。
- 提案のきっかけを聞く どの営業先の、どの反応や進行上の問題を見て提案したのかを聞きます。
- 自社との関係を聞く 自社の記録に基づく理由か、別の案件で得た経験に基づく理由かを区別します。
- 変化の見込みを聞く 何がどう変わる見込みなのかと、その変化を期待する理由を聞きます。
変更を勧める理由の確認
| 聞くこと | 確かめる内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 提案のきっかけ | 変更が必要だと考えた出来事と、その記録を聞きます。 | 印象による説明なら、確認できた事実を聞き直します。 |
| 理由の根拠 | 自社の結果か、別の案件の経験かを聞きます。 | 別の案件での経験だけでは、自社でも有効とは判断できません。 |
| 期待する変化 | 変わると見込む反応や進め方と、その理由を聞きます。 | 期待する変化と、すでに確認できた変化を混同しません。 |
今の方法の不調は変更案が有効な根拠とは限らない
今の方法に問題があっても、提案された方法で解消できるとは限りません。起きていること、提案を支える材料、見込みにとどまる部分を分けます。
- 起きたことを取り出す 連絡の結果や相手の反応を記録から取り出し、原因についての推測と分けます。
- 根拠の出どころを知る 自社の記録、別の案件の経験、依頼先の仮説のどれに基づく提案かを記します。
- 根拠のない部分を未確認とする 根拠が示されない部分は未確認と記し、採用の理由に含めず追加説明を求めます。
結果・根拠・未確認事項の区別
| 区分 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 今の方法の結果 | 実際に起きた反応や、進行が止まった場面を確認します。 | 結果の記録だけで原因まで断定しません。 |
| 提案の根拠 | 材料の出どころと、自社の状況に当てはまる理由を確認します。 | 営業先や商材の違いが説明されているかを見ます。 |
| 根拠が示されない部分 | 未確認の内容と、追加で示せる材料を確認します。 | 説明がないまま全面的な変更を決めません。 |
変更の範囲は営業先・内容・手順のどれが変わるかで分かれる
営業方法の変更には、営業先や伝える内容、連絡の手順の変更も含まれます。今の方法と提案された方法を並べ、実際に変わる箇所を明らかにします。
- 対象の違いを知る 営業先を選ぶ条件がどう変わり、これまでの対象のうち何が外れるかを確認します。
- 伝える内容を知る 紹介する商品、伝える事実、相手に求める行動のうち、変更する内容を確認します。
- 連絡の手順を知る 連絡の順序や、相手の反応に応じた次の対応がどう変わるかを確認します。
変更前後で異なる箇所の確認
| 変わるもの | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 対象の営業先 | 変更前後の選定条件と、対象に含める先・外す先を確認します。 | 手段の変更に伴う対象の変更も記録します。 |
| 文面や話す内容 | 変更する説明や、相手に求める行動を確認します。 | 自社が認めていない約束を含めないようにします。 |
| 連絡の手順 | 連絡の順序、次に進む条件、連絡を止める条件を確認します。 | 相手の反応を誰が判断するかも決めます。 |
実施を外部に頼んでも自社の作業は減るとは限らない
変更によって、情報の追加提供や承認、問い合わせ対応が増える場合があります。作業の内容と発生する場面を確認し、自社で対応できるかを判断します。
- 追加で渡す情報を知る 変更案の実施に必要な情報と、自社で新たに準備する資料を確認します。
- 承認する場面を知る 実施前や内容の変更時に必要な確認を洗い出し、社内で判断する人を決めます。
- 問い合わせに備える 想定する問い合わせの内容と引き継ぐ条件を確認し、自社の対応窓口を決めます。
変更に伴って自社に増える場合がある作業
| 作業の種類 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 資料や情報の提供 | 新たに必要な資料と、その準備を終える時点を確認します。 | 既存資料を渡すだけで足りるかを確認します。 |
| 確認や承認 | 確認する内容、承認する人、返答が必要な場面を決めます。 | 承認が間に合わない場合の扱いも決めます。 |
| 問い合わせ対応 | 自社へ引き継ぐ問い合わせと、必要な情報を確認します。 | 受け付ける窓口と、回答の内容を決める人を決めます。 |
方法の変更と依頼範囲の変更は別に合意することになる
方法を変える合意と、任せる範囲を変える合意は分けて扱います。依頼の範囲、報告の内容、自社が判断する事項のうち、維持する条件を明記します。
- 任せる範囲を区切る 連絡から結果の報告まで、引き続き依頼する作業と自社に残す作業を明記します。
- 必要な報告を残す 変更後も確認したい記録を指定し、同じ基準で記録できるかを確認します。
- 自社の判断を残す 説明内容の承認や対象の追加など、自社の判断が必要な事項を明記します。
変更後も維持する条件の確認
| 条件 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 依頼の範囲 | 依頼先が行う作業と、自社が行う作業を確認します。 | 提案の採用だけで任せる範囲を広げません。 |
| 報告の内容 | 残す記録、報告する時点、閲覧する場所を確認します。 | 記録の名称が同じでも、数え方や基準が変わっていないかを見ます。 |
| 自社が決める事項 | 事前の承認が必要な変更と、その連絡先を確認します。 | 自社から返答がない場合を、実施の承諾とは扱いません。 |
試す範囲は対象と時期で絞ることになる
採用を決める材料が足りない場合は、対象と実施する時期を絞って試す方法があります。試す前に、継続・中止・再検討を判断するための見方を決めておきます。
- 対象を絞る 提案の理由に挙がった条件に当てはまる営業先を選び、試す対象と対象外を記録します。
- 終了の時点を決める 開始と終了の時期を決め、終了時に材料が足りない場合の扱いも決めます。
- 判断する条件を決める 期待する変化、継続が難しい状態、途中で止める条件を実施前に書き出します。
試行の対象と終了条件の決め方
| 絞り方 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 営業先を絞る | 提案の理由に挙がった条件に当てはまる営業先を選びます。 | 対象を選んだ理由も残し、他の営業先へ安易に広げません。 |
| 時期を区切る | 開始・終了の時期と、途中で止める条件を決めます。 | 終了後に自動で継続する扱いにしません。 |
| 見方を決める | 何が確認できれば採用を検討できるかを決めます。 | 結果を見た後で、都合のよい判断条件へ変えません。 |
変更後の結果の違いは方法の効果とは限らない
変更前後で結果が違っても、営業先や実施した時期の違いが影響している場合があります。結果と実施条件を併せて記録し、方法の変更で説明できるかを考えます。
- 比べる対象を決める 相手の反応、次の対応に進んだかどうか、自社に生じた作業を比較する対象にします。
- 条件の違いを残す 営業先の条件や連絡の内容を確認し、同じにできなかった条件を記録します。
- 判断できる範囲を知る 結果の違いと原因の説明を分け、材料が足りない部分は判断を保留します。
結果と実施条件を併せて比べる方法
| 比べること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 相手の反応 | 関心を示した内容や、断られた理由を同じ区分で記録します。 | 手段ごとに意味が異なる反応を同じ結果として扱いません。 |
| 次の対応に進んだか | 次の対応に進む条件と、実際に進んだ経緯を比べます。 | 営業先や実施時期の違いによる影響も考えます。 |
| 自社に生じた作業 | 追加資料、承認、問い合わせ対応の内容を比べます。 | 相手の反応がよくても、自社で継続できるかを別に判断します。 |
採用は範囲と時期まで伝えることになる
採用する意思だけでは、どの営業先から、いつ変更するかが伝わりません。採用する部分、開始できる条件、再検討する時点を分けて伝えます。
- 採用する部分を示す 営業先・文面・進め方ごとに、採用する部分と今の方法を続ける部分を示します。
- 開始できる時点を示す 資料の準備や承認など、開始に必要な条件と変更を始める時期を伝えます。
- 再検討する時点を示す 記録を見直す時期と、対象の拡大・継続・見直しを判断する材料を伝えます。
採用を伝えるときに伝える内容
| 場面 | 伝えること | 注意 |
|---|---|---|
| 全部か一部かを決める | 採用する変更内容と、採用しない変更内容を伝えます。 | 一部の採用が提案全体への承認と受け取られないようにします。 |
| 開始を決める | 開始の時期と、その前に完了させる準備を伝えます。 | 準備が間に合わない場合の連絡と判断の方法も決めます。 |
| 再検討を決める | 見直す時期、確認する記録、自社で判断する人を伝えます。 | 対象を広げる場合は、改めて採用範囲を決めます。 |
提案を見送っても今の方法の問題は残る
変更案を断る場合も、今の方法で起きている問題は残ることがあります。見送る理由と現行方法を続ける条件を伝え、再提案を検討できる条件を明らかにします。
- 見送る理由を分ける 根拠の不足、自社の作業、実施の時期など、採用できない理由を具体的に示します。
- 継続する条件を示す 今の方法を続ける範囲と、引き続き確認する問題、見直す時期を伝えます。
- 再提案の条件を示す 追加の根拠や作業の見直しなど、何が変われば再検討できるかを伝えます。
見送りを伝えるときに伝える内容
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 理由を伝える | 採用できない内容と、その判断の理由を分けて示します。 | 提案の評価を依頼先全体への評価に広げません。 |
| 今の方法を続ける | 継続する範囲と、問題を確認し直す時期を示します。 | 変更案を断ったことで、現状の問題まで解消したと扱いません。 |
| 再提案を受ける | 再検討に必要な説明や、自社で対応できる条件を示します。 | 不足している材料を示さず、同じ提案の出し直しを求めません。 |
根拠と合意の記録で変更の理由と範囲が分かる
提案を受けた時点から採否を決めるまで、確認した内容を同じ確認表に記録します。未確認の事項も残し、後から変更の理由と合意した範囲をたどれるようにします。
- 説明と判断を分ける 依頼先から受けた説明と、自社で決めた内容を分けて書きます。
- 未確認を明記する 不明な欄は未確認とし、誰に何を聞くかを添えて残します。
- 変更した経緯を残す 判断を変えた場合は、以前の判断と変更理由を残し、双方が見られる場所を決めます。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 確認項目 | 記入する内容 | 確認項目 | 記入する内容 |
|---|---|---|---|
| 提案の内容 | 何をどの方法へ変更する提案かを書きます。 | 提案の理由 | 何を見て変更が必要と考えたかを書きます。 |
| 根拠の出どころ | 参照した記録や経験と、未確認の点を書きます。 | 変わる営業先・文面・進め方 | 営業先の条件、伝える内容、連絡手順の変更点を書きます。 |
| 自社に増える作業 | 追加の準備・承認・対応と、担当する人を書きます。 | 変わらない条件 | 依頼範囲、報告内容、自社の判断事項を書きます。 |
| 試す範囲 | 対象、開始と終了の時期、中止する条件を書きます。 | 比べる見方 | 比べる結果、実施条件の違い、判断を保留する条件を書きます。 |
| 採用の判断と時期 | 採用・保留・見送りの理由と範囲、開始・再検討の時期を書きます。 | 記録先 | 結果と合意を保管する場所、更新する人を書きます。 |
