業界の説明に使える範囲は根拠の対象と条件で分かれる
業界の傾向を示す資料があっても、相手の会社に当てはまるとは限りません。根拠の範囲と相手の事情を分けて、説明に使ってよい部分を決めます。
- 説明できる範囲を決める 根拠の対象と条件を調べ、自社で見聞きしたことをどこまで説明に使えるか決めます。
- 相手への確認内容を決める 断定を避けた説明の型を選び、相手の会社にも当てはまるか確認する内容を決めます。
- 説明後の対応を決める 根拠への質問や当てはまらないという回答への対応を決め、説明と反応を記録します。
公開資料の結果も業界全体の傾向とは限らない
公開資料、自社の商談、伝聞では、確かめられる内容が違います。説明に使う前に、誰を対象に、どの条件で得られた情報かを調べます。
- 対象と条件を調べる 資料の対象、調べ方、時期を確認します。対象外の会社にも同じ傾向があるとは考えません。
- 直接確認した範囲を分ける 商談で直接聞いた情報と、そこから自分で解釈した内容を分けます。
- 伝聞は根拠にしない 出どころや対象をたどれない情報は、業界の傾向を裏付ける根拠にしません。
根拠ごとに確認する範囲
| 根拠の種類 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 公開資料 | 対象、調べ方、時期と、対象に含まれない会社の条件を調べます。 | 公開されていても、業界全体を表すとは限りません。 |
| 自社の商談 | 訪問先の選び方と、直接確認した内容を調べます。 | 営業先の選び方による偏りが残ります。 |
| 伝聞 | 元の情報と、その対象や条件をたどります。 | 元の根拠を確認できなければ、説明への使用を保留します。 |
商談でよく聞く話も業界全体の傾向とは限らない
自社の商談で聞く話は、営業先の選び方によって偏ることがあります。同じ話を繰り返し聞いても、それだけで業界全体に広げて説明することはできません。
- 営業先の偏りを調べる 地域や規模、接点を持った理由を確認します。似た条件の会社に営業していないかを見ます。
- 件数だけで判断しない 見聞きした件数が増えても、営業先の偏りがなくなるとは限りません。
- 見聞きした範囲を示す 接点を持った会社の範囲を添えます。自社の商談での観察として、説明する範囲を絞ります。
商談で得た情報の扱い
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 営業先が偏る | 営業先を選んだ条件を書き出します。 | 接点のない会社にも同じ傾向があると扱いません。 |
| 同じ話が続く | 発言した会社の条件と、話題になった背景を調べます。 | 繰り返し聞いたことだけを一般的と言える根拠にしません。 |
| 説明に使う | 自社の商談で見聞きした範囲を添えます。 | 業界全体を調べた結果のように示しません。 |
同じ業界でも傾向が当てはまるとは限らない
業界が同じでも、会社の規模や地域、部署によって状況は変わります。資料の対象と相手の会社の条件を比べ、違う部分を相手に確認します。
- 会社の条件を比べる 資料が対象とする規模や地域と、相手の会社の条件を比べます。確認できていない条件は、未確認と記して残します。
- 部署の範囲を分ける 会社全体の傾向と、話している部署の状況を分けます。その部署の回答を全社に広げません。
- 相手が示す違いを残す 傾向と違うという回答も、その会社を知る情報です。説明に合うように回答を読み替えません。
業界の傾向と会社の事情の分け方
| 分けること | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 規模や地域 | 根拠の対象と、相手の会社の条件を比べます。 | 条件が近くても、当てはまるかは別に確認します。 |
| 会社と部署 | 回答が全社と部署のどちらを指すか確認します。 | 部署の状況を会社全体の事情として扱いません。 |
| 傾向と相手の認識 | 相手がどの点を違うと考えているか確認します。 | 違うという回答を例外として片付けません。 |
断定を避けるには語尾より範囲の明示が必要だ
語尾を曖昧にしても、根拠より広い説明をしていれば誤解は残ります。根拠の範囲を示し、相手の会社に当てはまるかは、相手に尋ねる部分として分けます。
- 範囲を先に置く 見聞きした会社の範囲や、公開資料の対象を説明の前に置きます。
- 説明を根拠に合わせる 根拠が扱う内容だけを述べます。資料にない原因や、今後も続くという判断を加えません。
- 相手への確認を添える 相手の会社にも当てはまるか、異なる点があるかを確認する形にします。
断定を避ける説明の構成
| 説明に含める要素 | 使う場面 | 注意 |
|---|---|---|
| 見聞の範囲を示す | 自社の商談で直接確認した内容を説明するときに使います。 | 接点の範囲を添え、業界全体の話に広げません。 |
| 資料の対象を示す | 公開資料に記載された傾向を説明するときに使います。 | 対象と条件を添え、資料が示す内容に限ります。 |
| 相手への確認を置く | 示した傾向が相手にも当てはまるか確認するときに使います。 | 当てはまる回答を前提にせず、異なる点も確認します。 |
傾向を示しただけでは相手への確認とは限らない
傾向を説明して返答がなかったとしても、当てはまると確認できたわけではありません。相手が答える時間を取り、当てはまる部分と違う部分を分けます。
- 説明の範囲を短く示す 根拠の対象と傾向を短く示します。続けて商品を説明せず、相手の状況を確認します。
- 異なる点も確認する 当てはまるかだけでなく、異なる点を確認します。一部だけ当てはまるという回答は、当てはまる部分と違う部分を分けて扱います。
- 相手の答えを優先する 相手の会社についての説明は、回答に合わせて修正します。返答がなければ未確認のまま残します。
傾向を示してから確認する手順
| 手順 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 傾向を示す | 根拠の対象と、その範囲で確認できる傾向を示します。 | 相手の会社にも同じ状況があるとは述べません。 |
| 当てはまるか聞く | 相手の会社に当てはまるかを確認します。 | 賛同を前提に質問を進めません。 |
| 異なる点を聞く | 当てはまらない部分や条件の違いを確認します。 | 部分的な一致を全体の一致に広げません。 |
| 回答を反映する | 確認できた部分だけを以後の説明に使います。 | 沈黙や曖昧な反応を賛同として扱いません。 |
根拠の説明は出どころと対象の時期まで示すことになる
根拠を聞かれたときは、情報の出どころだけでは説明が足りません。対象や条件、確認した時期を示し、答えられない部分は確認後に返答します。
- 根拠をたどれるようにする 参照先と該当箇所を手元に残します。自社の見聞は、公開資料と区別して説明できるようにします。
- 時期を分けて記録する 情報が対象とする時期と、自分が確認した時期を分けます。古い情報を現在の傾向と扱いません。
- 不明な部分は保留する その場で答えられなければ、該当する説明を保留します。確認する内容と返答方法を決めます。
根拠を聞かれた場面での対応
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 出どころを聞かれる | 根拠の種類と、参照先や確認方法を示します。 | 伝聞を自分で確認した情報として答えません。 |
| 対象を聞かれる | 対象と条件、説明できる範囲を示します。 | 対象外の会社まで含むように答えません。 |
| 時期を聞かれる | 情報の対象時期と、自分の確認時期を示します。 | 最近確認しただけで情報も新しいと扱いません。 |
| その場で答えられない | 説明を保留し、確認後の返答方法を決めます。 | 記憶で補った根拠を確かな情報として示しません。 |
当てはまらないという回答には説明の修正が必要だ
当てはまらないと言われたら、その会社への当てはめを取り下げます。相手が示した違いを確認し、その傾向を前提にした商品の説明も見直します。
- 当てはめを取り下げる 業界の傾向をその会社に当てはめた説明を取り下げます。同じ説明を重ねません。
- 違いを必要な範囲で聞く どこが違うかを、以後の説明に必要な範囲で確認します。詳しい回答を無理に求めません。
- 商品の説明を見直す 取り下げた説明を前提にしていた提案は止めます。相手に困りごとや希望が別に確認できた場合だけ、説明し直します。
相手の反応に応じた説明の修正
| 相手の反応 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 全体が当てはまらない | その会社への当てはめを取り下げ、以後の説明を見直します。 | 業界の傾向を示し直して賛同を求めません。 |
| 一部だけ当てはまる | 一致する部分と異なる部分を分け、説明の範囲を狭めます。 | 一部の一致で当初の説明全体を維持しません。 |
| 判断できない | 未確認として残し、その傾向を提案の前提から外します。 | 否定されなかったことを確認済みの扱いにしません。 |
| 詳しく答えたくない | 確認を止め、その話題を使った説明を控えます。 | 理由を繰り返し尋ねません。 |
業界の傾向があっても商品が必要とは限らない
傾向が相手の会社に当てはまっても、商品を導入する理由には直結しません。困っていることと対応の希望を確認し、説明する機能を判断します。
- 傾向と困りごとを分ける 同じ状況でも、困っているとは限りません。その状況で困っているかは相手に確認します。
- 対応の希望を確認する 困りごとがあっても、すでに対処している場合があります。追加の対応を望んでいるか確認します。
- 必要な機能だけ説明する 確認できた困りごとと希望に関係する機能を説明します。業界の傾向だけを導入の理由にしません。
傾向と商品の必要性を分ける判断
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 傾向が当てはまる | 現状で困ることがあるか確認します。 | 同じ状況なら商品が必要だと決めません。 |
| 困りごとがある | 現在の対処と、追加の対応を望むか確認します。 | 困りごとの存在だけで導入の話を進めません。 |
| 対応を望んでいる | 希望する対応と商品の機能がどう関係するか説明します。 | 業界の傾向を、機能が役立つ根拠の代わりにしません。 |
| 必要性が未確認 | 商品の必要性についての判断を保留します。 | 傾向を繰り返して導入を促しません。 |
説明と反応を分けた記録で次回に使えない前提が分かる
説明だけを残すと、相手に当てはまらなかった部分が、次の商談で分からなくなります。使った根拠、実際の反応、説明を修正した内容を分けて記録します。
- 使った説明を残す 伝えた傾向と絞った範囲を記録します。根拠の種類、参照先、確認時期も残します。
- 反応と解釈を分ける 相手が答えた内容と、自分の解釈を分けます。返答がなかった場合も、そのまま記録します。
- 次に使わない前提を残す 当てはまらなかった点と、商品の説明から外した前提を残します。次回の説明前に読み返します。
次の商談で読み返す記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 使った説明 | 伝えた傾向と、説明時に示した範囲を書きます。 | 実際にどこまで伝えたかを確認できます。 |
| 根拠と確認時期 | 根拠の種類、参照先、対象と条件、確認時期を書きます。 | 後から根拠と説明を照らし合わせられます。 |
| 相手の反応 | 回答の内容を、自分の解釈と分けて書きます。 | 曖昧な反応を賛同と読み違えずに済みます。 |
| 当てはまらない点 | 傾向と違う部分と、未確認の部分を書きます。 | 次回に使わない前提が分かります。 |
| 商品の説明の修正 | 取り下げた前提と、説明を変更した内容を書きます。 | 取り下げた前提を再び使わずに済みます。 |
未確認と記した欄で説明に使える範囲が分かる
使いたい説明ごとに、根拠と相手の会社との違いを書きます。まだ分からない欄は未確認と記し、商談後に相手の反応と説明の修正を追記します。
- 根拠から記入する 使いたい説明と根拠を照合します。対象や条件が不明なら、業界の傾向としての使用を保留します。
- 未確認の対応を決める 相手との違いや反応が未確認なら、確認する内容を記します。当てはまらない場合の対応も決めます。
- 商談後に追記する 相手の回答と、商品の説明への影響を追記します。次回も参照できる場所に保存します。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 確認項目 | 記入欄 | 確認項目 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| 使いたい説明 | 説明する傾向と範囲を書きます。 | 根拠の種類 | 公開資料、自社の見聞、伝聞を区別して書きます。 |
| 根拠の対象と条件 | 対象、条件、参照先、時期を書きます。 | 自社で見聞きした範囲 | 営業先の選び方と接点の範囲を書きます。 |
| 相手の会社との違い | 確認済みの違いと未確認の点を書きます。 | 言い方 | 範囲の示し方と相手への確認内容を書きます。 |
| 相手の反応 | 説明の前は未確認とし、説明した後に回答を追記します。 | 商品の説明との関係 | 傾向を前提にした説明と、相手に確認した困りごとや希望を書きます。 |
| 記録先 | 保存先と、次回参照する場所を書きます。 | 当てはまらない場合 | 取り下げる説明と確認する内容を書きます。 |
