営業方法の変更範囲は、意見の対象と影響で変わる

営業先からの意見には、その会社への対応の希望と、営業全体への提案のどちらか、または両方が含まれます。その会社への対応を先に決め、他の営業先にも広げるかは別に判断します。

  • 意見の対象を見極める 何への意見か、誰の立場からの意見かを確かめ、その会社への対応の希望と営業全体への提案を分けます。
  • 変更する範囲を決める その会社への対応を決め、営業全体への変更は営業責任者と判断します。変えられない理由も確かめます。
  • 伝えて記録する 相手に伝える内容と、次の連絡に反映する内容を決め、意見と判断を対応表に残します。

必要な変更は、意見が指す対象と範囲で分かれる

案内を分かりやすくしてほしいという意見でも、連絡手段、内容、時期のどこを指すかで対応が変わります。何を、誰への連絡で変えてほしいのかを確認します。

  • 変えてほしい点を絞る 意見が届いた経緯だけで判断せず、連絡手段、案内内容、連絡時期のどれを変える希望かを確かめます。
  • 対象となる範囲を聞く 本人への連絡、部署への連絡、会社への連絡のどこまでを指すか整理します。
  • 不明な点を残す 確認できない部分は未確認と記録します。推測で希望を補い、変更範囲を広げないようにします。

意見の対象を確かめる表

確かめること方法注意
連絡の手段手紙DM・電話・フォームのどの手段への意見か確認します。意見が届いた手段と、変えてほしい手段を混同しません。
案内の内容どの情報が不足し、どの部分が分かりにくいか確認します。営業方法への意見か、商品の改善要望かを区別します。
連絡の時期どの業務や検討の段階で案内が必要か確認します。希望する時期を推測で決めません。
対象の範囲本人・部署・会社のどこへの連絡に関する希望か確認します。その会社への対応の希望を、他社への希望まで広げません。
表は編集部作成の例です。確認した内容と、まだ確認できていない内容を分けて記録します。

発言者の意見が会社全体の希望とは限らない

窓口で聞いた意見でも、その人の希望と会社としての希望は同じとは限りません。意見を述べた人と、その対応を決められる範囲を確認します。

  • 役職だけで判断しない 窓口の役割と連絡方法を決める役割を区別します。役職名だけで会社全体の希望と判断しません。
  • 意見の出所を確かめる 本人の意見か、別の人から預かった意見かを確認します。取り次ぎの場合は元の発言者も記録します。
  • 決められる範囲を聞く 発言者が本人や部署の連絡方法を決められるかを確かめます。他部署を含む対応まで決められるとは限りません。

発言者の立場を確かめる表

区分確かめること注意
窓口の担当者本人の希望か、部署や会社で共有した希望かを確認します。窓口であることだけで、会社全体を代表する意見と扱いません。
決める人連絡方法を決められる部署や相手の範囲を確認します。確認した範囲を超えて変更しません。
取り次いだ人元の発言者と、預かった意見の対象を確認します。取り次いだ人の補足と元の意見を分けます。
表は編集部作成の例です。立場が未確認でも意見は記録し、会社全体の希望として扱う判断は保留します。

その会社への対応の希望と営業全体への提案は扱いが違う

同じ意見の中に、その会社への対応の希望と、他社への営業にも関わる提案が含まれることがあります。会社への対応と営業全体への検討に分けて扱います。

  • 会社への希望を分ける 相手の業務や連絡窓口に合わせた希望は、その会社への対応として検討します。
  • 他社への指摘を分ける 他社にも当てはまりそうな指摘は、営業全体を見直す候補にします。広く当てはまるかは別に確認します。
  • 方針への意見を分ける 連絡手段の選び方など、自社の方針に関わる意見は営業責任者の判断事項として記録します。

意見を分けて扱う表

区分見分け方扱い
その会社への対応の希望相手の窓口や業務に合わせた変更を求めています。その会社への対応として可否を決めます。
他社にも及ぶ指摘案内の分かりにくさなど、他社にも生じうる点を指摘しています。他の営業先の状況と照らして検討します。
自社方針への意見営業手段の選択など、自社の運用方針を変える提案になっています。営業責任者と変更の必要性を判断します。
表は編集部作成の例です。複数の区分にまたがる意見は、内容を分けてそれぞれに対応を記録します。

その会社への対応には全体判断との切り分けが必要だ

営業全体の見直しを待たなくても、その会社への対応は決められる場合があります。変える内容、変えない内容、確認が必要な内容を分けます。

  • 変更内容を決める その会社への連絡で変更できることを決め、対象の窓口や連絡場面まで記録します。
  • 未決定を区別する 変えないと決めた内容と、確認中の内容を分けます。未決定の内容を次の連絡で約束しないようにします。
  • 次の連絡に反映する 次に連絡する人が変更内容を確認できる場所に記録し、連絡前に参照する手順を決めます。

その会社への対応を決める表

場面すること注意
変更できる変える内容と、適用する窓口や場面を決めます。その会社だけの設定で対応できるか、全営業先に共通の設定を変える必要があるかも確認します。
変更しない維持する内容と理由を記録します。以前からの運用という理由だけで決めません。
確認が必要確認する相手と、判断に必要な情報を記録します。確認中の内容を決定済みと扱いません。
次に連絡する記録した希望と決定内容を連絡前に確認します。別の人が連絡する場合も参照できるようにします。
表は編集部作成の例です。営業全体への判断が未決定でも、その会社について決まった対応は記録します。

他社への変更は、営業責任者と別に判断することになる

その会社で役立つ変更でも、他の営業先で同じように役立つとは限りません。営業責任者と他社の状況を確認し、必要なら試す範囲を絞ります。

  • 判断を別に設ける その会社への対応を決めたことだけを理由に、営業全体の運用を変えないようにします。
  • 他社の状況と照らす 同じ手段や案内を使う営業先で、似た意見や理解の行き違いが生じているかを確認します。
  • 試す条件を決める 対象と変更点、確認する反応を決めます。続けるか戻すかの判断は営業責任者と行います。

全体への変更を判断する表

場面すること注意
全体へ広げたい意見の背景と、他社にも当てはまる理由を整理します。要望の口調の強さだけを理由に変更を決めません。
他社と照らす同じ手段や案内での意見、質問、理解の行き違いを確認します。反応がないことを、現状への賛成と扱いません。
範囲を限り試す対象の営業先、変更点、確認する反応を決めます。別の変更を重ねて判断しにくくしません。
結果を判断する理解しやすさと運用上の支障を営業責任者と確認します。判断できない場合は、全体への変更を保留します。
表は編集部作成の例です。その会社への対応結果と、営業全体への採用判断は別の欄に残します。

これまで変えていないことは、変更できない理由とは違う

これまで変えていないことと、変更できないことは別です。提供条件、社内の決まり、営業の目的のどこに制約があるかを確認します。

  • 条件の制約を確かめる 希望どおりに変えると、提供条件の説明に不足や誤解が生じないかを確かめます。
  • 決まりの根拠を探す 社内の決まりが何を守るためのものかを確認し、変更や例外を判断できる人を明らかにします。
  • 目的と手段を分ける 営業で伝える必要がある内容と、従来使ってきた手段を分けます。目的を保てる変更は検討できます。

変更できない理由を確かめる表

理由の種類確かめること注意
提供条件による変更すると説明できなくなる条件や、誤解を招く点があるか確認します。変えられない条件と、変えられる案内方法を分けます。
社内の決まり決まりの目的、適用範囲、変更を判断できる人を確認します。慣習を、変更できない決まりとして説明しません。
営業の目的による営業で伝える必要がある内容を保てるか確認します。使い慣れた手段であることを理由にしません。
表は編集部作成の例です。根拠が確認できていない場合は、変更不可ではなく確認中として扱います。

相手への返答は、変えたことと変えないことで分かれる

意見への返答は、その会社への対応がどう変わるかを中心に伝えます。変えない内容や未決定の内容も区別し、期待の食い違いを防ぎます。

  • 変えた内容を伝える 変更した内容、適用する範囲、次の連絡で反映する点をまとめます。決定済みの変更と未決定の内容を区別して伝えます。
  • 維持する理由を伝える 希望のうち変えない内容と、確認できた理由を伝えます。一部の変更を、希望すべての採用と誤解させません。
  • 伝える範囲を決める その会社への対応に関係しない社内の検討経過や他社の情報は伝えず、相手の希望への結論は省きません。

相手に伝える内容の型

区分伝え方避けること
変えた内容変更点・適用範囲・次の連絡への反映を示します。その会社への変更を、営業全体の変更として伝えません。
変えない内容維持する内容・確認済みの理由・可能な対応を示します。確認していない理由を付け加えません。
未決定の内容未決定であることと、確認が必要な点を示します。採用や変更を約束しません。
伝えない判断自社がその会社に行う対応と関係のない社内事情や他社情報は説明から除きます。相手が希望した内容への結論まで省きません。
表は編集部作成の例です。この表は説明する項目の型です。会話や連絡文の文例ではありません。

共通の運用を変える前には他社への影響確認が必要だ

その会社だけへの変更でも、共通の設定や依頼内容を変えると、他社への営業に影響する場合があります。変更が及ぶ範囲と、必要なときに戻せるかを確認します。

  • 共通の運用を調べる 同じ連絡手段や管理項目を使う営業先を確認し、会社ごとに変更できる部分を見分けます。
  • 依頼した作業を調べる すでに依頼している作業に変更が及ぶかを確認し、変更の対象と適用する段階を明確にします。
  • 戻す方法を決める 元の設定や依頼内容を残します。戻す場合も、その会社の希望を踏まえて決めた対応が維持されるか確認します。

変更の影響を確かめる表

確かめること方法注意
同じ手段の営業先共通の設定や管理項目を使う営業先を確認します。対象外の会社への対応まで変えません。
依頼済みの作業変更可能な範囲と、作業の進み具合を依頼先に確認します。記録を直すだけで作業も変わると考えません。
変更の取り消し元の設定や依頼内容と、戻す手順を残します。すでに相手へ伝わった内容は、設定を戻すだけでは取り消せません。
表は編集部作成の例です。他社への影響が分からない場合は、共通の運用を変える前に確認します。

意見と判断を分けた記録で対応の根拠が分かる

意見の内容と自社の判断を混ぜて記録すると、相手が求めた範囲が分からなくなります。元の意見、その会社への対応、全体への判断を分けて残します。

  • 意見を判断と分ける 相手が述べた内容と、自社で補った解釈を区別します。未確認の点も分かるように残します。
  • 判断の理由を残す 採用したかどうかだけでなく、対象範囲、理由、判断した人を記録します。
  • 連絡前に読める形にする 相手に伝えた内容と、次の連絡で反映する内容を記録し、連絡する人が確認できる場所を決めます。

意見と対応の記録項目

記録項目書くこと理由
意見の中身対象の手段・内容・時期と、求められた変更を書きます。相手が述べた内容と自社の解釈を分けて書けます。
述べた人と立場発言者、窓口としての役割、決められる範囲を書きます。誰の希望として扱ったかが分かります。
その会社への対応変える内容、変えない内容、未決定の内容を書きます。その会社への次の対応を判断できます。
営業全体への判断採用・試行・保留・不採用と、理由や判断した人を書きます。会社別の対応と全体の判断を混同せずに済みます。
相手への説明伝えた変更点、維持する内容、理由を書きます。相手に伝えた内容を引き継げます。
次の連絡への反映連絡前に確認する項目と、記録を参照する場所を書きます。決めた対応を次の連絡で実行できます。
表は編集部作成の例です。判断を更新した場合は、以前の判断と変更理由も確認できるように残します。

対応表に判断と未確認事項を残せば、対応漏れが分かる

意見から次の連絡までを対応表に記入すると、未決定の部分が見えます。空欄のままにせず、確認中や対象外の場合も理由を残します。

  • 意見ごとに記入する 異なる変更希望が含まれる場合は、内容ごとに分けて記入します。会社への希望と全体への提案も区別します。
  • 未確認の点を示す 判断できない欄には、確認が必要な内容と確認する相手を書きます。
  • 次の連絡前に見直す 相手に伝えた内容と実際の対応が一致するか確認します。判断が変わった場合は理由も追記します。

営業先を絞って実施を依頼する流れ

記入項目記入欄記入項目記入欄
意見の中身対象と変更希望を記入:変えられない理由確認した根拠を記入:
述べた人と立場発言者と決められる範囲を記入:相手に伝えた内容変更点・維持する内容・理由を記入:
意見の対象その会社への対応の希望か全体への提案かを記入:他の営業先への影響影響する対象と作業を記入:
その会社への対応変える・変えない・確認中の内容を記入:次の連絡での反映連絡前に確認し反映する内容を記入:
営業全体への判断結論・理由・判断した人を記入:記録先次に連絡する人が参照する場所を記入:
表は編集部作成の例です。営業全体への判断が未決定でも、その会社への対応は記入します。