新しい業務への提案は、計画の決定状況で分かれる
新しい業務への提案では、これから行う作業と決定状況を材料にします。未定の運用を含め、何を根拠にどこまで提案できるかを整理します。
- 計画から提案の材料を選ぶ 計画の決定状況を分け、誰がいつ決めるかと、先に決められる範囲を整理します。
- 仮定を共有して提案する 提案で使う仮定を相手と共有し、計画に含まれていない作業の扱いを分けます。
- 変更時の見直し方を決める 提案が成り立たなくなる変更を挙げ、見直す箇所と確認結果の記録先を決めます。
新しい業務の提案材料は、計画にある作業と順番になる
これから始める業務には、現在の手順や記録がない場合があります。計画に含まれる作業と始める順番から、提案の対象を捉えます。
- 計画にある作業を拾う 扱うもの、行う作業、作業後に渡すものを計画から拾い、提案と関係する部分を示します。
- 始める順番を読む 当初から行う作業と、後から加える作業を分けます。最終的な計画を最初から行う前提にしません。
- 現在の業務と区別する 既存の手順を使う部分は、計画上の採用が決まっている範囲だけを提案の材料にします。
計画から拾う提案の材料
| 聞くこと | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 予定する作業 | 計画にある作業を実施順に並べます。 | 現在の業務から推測して補いません。 |
| 作業の受け渡し | 前後の作業で何を受け渡すか整理します。 | 受け渡し方の未定部分を残します。 |
| 始める順番 | 当初の作業と後から加える作業を分けます。 | 将来の作業を当初の対象に含めません。 |
| 既存手順の利用 | 計画で使うと決まった手順を特定します。 | 既存の手順すべてを前提にしません。 |
計画に書かれた内容が決定済みとは限らない
計画資料には、決定した内容と検討段階の内容が混在することがあります。記載の有無ではなく、決定状況で提案への使い方を分けます。
- 決定した範囲を区切る 作業を行うことが決まっていても、方法まで決まっているとは限りません。決定した部分を区切ります。
- 候補を決定扱いしない 候補が残っている事項は、候補ごとの違いを記します。有力な案でも、決定済みには含めません。
- 未着手の事項を残す 検討を始めていない事項は、その状態を記します。記載がない事項を、相手が不要と決めた事項として扱いません。
計画の決定状況の分け方
| 区分 | 確かめること | 注意 |
|---|---|---|
| 決定済み | 作業、方法、役割のどこまで決まったか確認します。 | 未決定の細部まで確定扱いしません。 |
| 候補あり | 残る候補と、まだ選べない理由を整理します。 | 提案に都合のよい候補を選びません。 |
| 未着手 | 検討の対象に入っているか確認します。 | 未検討と実施しない決定を区別します。 |
未決事項の扱いは、決める人と時期と必要な材料で分かれる
検討中と分かっても、誰がいつ決めるかが分からないと、提案でどう扱うかを決めにくくなります。決める人と時期に加え、判断に必要な材料を整理します。
- 決める人を特定する 計画を説明する人と、未決事項を決める人を区別します。事項ごとに決定する役割を記します。
- 決定の時期を記す 決定予定日や、決定に先立つ条件を記します。時期自体が未定なら、未定であることを残します。
- 提案の用途を分ける 候補を選ぶための材料か、決定後に具体化する提案かを分けます。提案に必要な情報がそろった部分から作ります。
未決事項の決定に関する整理
| 確かめること | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 決める人 | 事項ごとに決定する役割を記します。 | 説明を受けた相手と同じとは限りません。 |
| 決める時期 | 決定予定日か、先に満たす条件を記します。 | 業務を始める日と混同しません。 |
| 必要な材料 | 候補の判断に使う情報を特定します。 | 判断に不要な細部まで作り込みません。 |
| 提案の用途 | 判断用か、決定後の具体化用かを記します。 | 判断用の案を確定内容として扱いません。 |
先に決める範囲は未定の運用との関係で決まる
運用が未定でも、計画から決められる内容はあります。未決事項がどの候補に決まっても使える部分と、決定を待つ部分を分けます。
- 計画だけで決める 対象作業など、計画で決定済みの内容から定められる範囲を示します。未定の方法まで含めません。
- 運用の決定を待つ 役割や受け渡し方で変わる内容は、関係する運用が決まるまで確定を保留します。
- 後の変更を妨げない 先に決めることで候補が選べなくなる内容は、その制約を示してから確定の要否を判断します。
運用が未定の段階での決定範囲
| 区分 | 例 | 注意 |
|---|---|---|
| 計画で決める | 実施が決まった受付作業を提案対象にします。 | 受付方法の未定部分は含めません。 |
| 運用を待つ | 役割が未定のため、利用権限は保留します。 | 役割が決まる前に権限を固定しません。 |
| 先決めに注意 | 受け渡す項目を固定すると候補の手順が使えなくなります。 | 残る候補への制約を先に示します。 |
仮定を使う提案には相手との共有が必要だ
未定の運用に仮定を置けば、提案を具体化できる場合があります。その仮定と、変わった場合の影響を提案内容と一緒に示します。
- 仮定と決定を分ける 計画で確認できた内容と、自社で置いた仮定を分けて記します。仮定を置いた事項を、確認済みの事項のように書きません。
- 影響する箇所を示す 仮定ごとに、提案のどの内容が依存しているかを記します。変わる可能性だけで済ませません。
- 仮定の使用を確認する その仮定で提案を検討できるか確認します。仮定の使用への了承を、運用の決定とは扱いません。
仮定を置く際の扱い方
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 役割が未定 | 受付と確認を同じ役割で行う仮定を示します。 | 相手が決めた役割として記載しません。 |
| 仮定に依存 | 役割を分ける場合は権限設定が変わると示します。 | 影響を提案全体などの曖昧な表現で済ませません。 |
| 相手が確認 | 仮定として使えるか、確認結果を残します。 | 異論がないことだけで了承扱いしません。 |
計画にない作業が提案に必要とは限らない
慣れた進め方をそのまま当てはめると、相手の計画にない作業まで提案に含まれることがあります。追加が必要と考える場合は、計画との差と理由を分けて示します。
- 定型の手順を見直す 自社の提案書にある作業を、相手の計画と照合します。いつも含める作業でも、自動的には足しません。
- 省いた理由を整理する 意図して省いた作業か、未検討の作業かを区別します。計画にないことだけで不足とは判断しません。
- 追加の理由を分ける 提案の成立に必要な作業と、任意の追加案を分けます。追加する場合は、計画を変える点として示します。
計画にない作業の扱い方
| 場面 | すること | 避けること |
|---|---|---|
| 定型案に含む | 計画にない作業を取り出して扱いを確認します。 | 定型案にあるという理由で含めません。 |
| 意図して省略 | 省いた理由と提案への影響を整理します。 | 説明なく作業を復活させません。 |
| 成立に必要 | 必要な理由と、追加しない場合の制約を示します。 | 相手が行う作業として織り込みません。 |
| 任意の追加 | 計画に沿った提案と分けて提示します。 | 必須の作業として扱いません。 |
提案の前提が崩れる変更には事前の明示が必要だ
計画が変わると、提案の前提条件が成り立たなくなることがあります。変更される項目と、その条件に依存する提案箇所を対応させます。
- 業務範囲の変更を挙げる 対象作業の追加や取りやめで、何が変わるかを示します。提案に含めた範囲の境目を明らかにします。
- 人数と役割の変更を挙げる 商品を使う人数や役割が変わる場合に、権限や支援内容などのどこを見直すかを示します。
- 順番の変更を挙げる 前の作業の完了を前提にした部分を特定します。始める順番が変わると成立しない条件を記します。
提案の条件が成り立たなくなる変更
| 変更の種類 | 影響する箇所 | 注意 |
|---|---|---|
| 業務範囲 | 受付後の確認を追加すると、対応範囲を見直します。 | 追加作業が元の提案に含まれるとは扱いません。 |
| 利用人数 | 想定した人数を超えると、利用条件を見直します。 | 人数に依存する条件がある箇所を示します。 |
| 利用者の役割 | 受付と確認の役割を分けると、権限設定を見直します。 | 人数が同じでも役割の変更を確認します。 |
| 始める順番 | データ整備より先に受付を始めると、受付手順を見直します。 | 前の作業が済む前提を明記します。 |
計画変更後の見直し範囲は提案への影響で決まる
条件に影響する変更が分かった後は、提案のどこを保留し、どこを作り直すかを判断します。連絡する変更と見直す手順を、あらかじめ共有します。
- 知らせる変更を決める 提案の条件に影響する変更を連絡対象にします。変更が未決定でも、案として共有するかを決めます。
- 影響する提案を保留する 変更前の条件が使えない箇所を特定し、確認が済むまで確定内容として扱わない範囲を示します。
- 作り直す範囲を分ける 影響が及ぶ箇所をたどり、修正部分と維持できる部分を分けます。修正後の前提を再度共有します。
計画が変わった場合の見直し手順
| 手順 | すること | 注意 |
|---|---|---|
| 変更を受ける | 変更内容と、決定済みか検討中かを記します。 | 変更案を確定した計画に置き換えません。 |
| 前提を照合する | 元の条件が使えない箇所を特定します。 | 影響する提案の確定を保留します。 |
| 修正範囲を分ける | 関連する設定や作業まで影響をたどります。 | 維持できる部分も明示します。 |
| 修正版を共有する | 新しい前提と修正した内容を示します。 | 古い条件をそのまま使える状態にしません。 |
計画と仮定を分けた記録で、未確定の事項が分かる
打ち合わせの記憶だけに頼ると、決定事項と提案用の仮定が混ざることがあります。計画の内容、確認結果、確認した相手を分けて残します。
- 決定状況を記録する 決定済みの範囲と検討中の内容を別々に記します。未着手の事項も、空欄にせず状態を残します。
- 仮定の確認結果を残す 置いた仮定と、提案への使用を認められたかを記します。相手の決定事項と区別して記します。
- 確認元と変更前を残す 確認した相手、確認日、参照した資料を記します。変更前の内容も残し、どの提案に使ったかを示します。
提案の前提として残す記録
| 記録項目 | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 決定済み | 決まった内容と、その範囲を書きます。 | 決まっていない細部と区別できます。 |
| 検討中 | 候補、未着手の事項、決める人と時期を書きます。 | 決定を待つ部分が分かります。 |
| 置いた仮定 | 仮定の内容と影響する提案箇所を書きます。 | 計画で決まった内容と区別できます。 |
| 確認した相手 | 相手の氏名や役割、確認日、確認結果を書きます。 | 誰に何を確認したかをたどれます。 |
| 参照した資料 | 計画資料と、前提を使った提案の保存先を書きます。 | 記録と提案の対応が分かります。 |
| 変更の履歴 | 変更前後の内容と更新日を書きます。 | 以前の提案の根拠も確認できます。 |
整理表で提案の前提と見直す箇所が分かる
計画の項目ごとに、決定状況から見直す箇所までを同じ行に記します。提案前と計画変更時に、確認が残る部分を読み取れる形にします。
- 計画の項目で行を分ける 受付方法や利用者の役割など、別々に決まる内容で行を分けます。計画全体をまとめて記入しません。
- 仮定と影響を横に並べる 仮定の右に、仮定が変わると変わる箇所と、相手への確認結果を記します。仮定がない場合も、その旨を記載します。
- 確認事項と記録先を残す 次に確認する内容を具体的に書き、根拠となる記録の保存先を添えます。変更時は該当する行を更新します。
営業先を絞って実施を依頼する流れ
| 計画の項目 | 決定済みか検討中か | 決める人と時期 | 提案で置いた仮定 | 仮定が変わると変わる箇所 | 相手に確かめた結果 | 成り立たなくなる変更 | 見直す箇所 | 次に確認すること | 記録先 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 受付の対象 | 申込受付のみで決定済みです。 | 業務の担当役員が決定済みです。 | 仮定は置いていません。 | 該当しません。 | 対象は申込受付だけと確認済みです。 | 受付以外の作業が追加される場合 | 対応範囲を見直します。 | 追加があれば役割分担を確認します。 | 計画資料と確認記録に残します。 |
| 利用者の役割 | 役割の分け方を検討中です。 | 業務の担当役員が決めます。時期は未定です。 | 受付と確認を同じ役割で行います。 | 権限設定が変わります。 | 仮定として使えるかは未確認です。 | 受付と確認の役割が分けられる場合 | 権限設定を見直します。 | 仮定の使用可否と決定時期を確認します。 | 確認記録と提案書に残します。 |
