途中から引き受けた仕事の聞き取りは、着手前の仕事とは違う

他社が途中まで進めた仕事では、着手前を前提にした聞き取りだけでは足りません。引き受けた状態と、前の作業を使えると判断した根拠をたどります。

  • 引き受けた状態を捉える 実際の案件を選び、依頼者の希望と、その時点で存在した物や記録を分けて聞きます。
  • 確かめ直した仕事を捉える 進み具合と作業条件の調べ方をたどり、そのまま使えた部分と手を加えた部分を分けます。
  • 商品の支援範囲を分ける 前の作業と新しい作業が接する箇所まで聞き、商品で支援できる範囲を確認表に残します。

引き継いだ仕事の聞き取りには、引き受けた時点の確認が要る

実際に途中から引き受けた仕事を、商談先に選んでもらいます。関わり始めた場面を定め、その時点で何が分かっていたかを聞きます。

  • 実際の案件を選ぶ 前の作業が残っている状態から始めた案件を選びます。引き受けた後の経過をたどれる案件が向いています。
  • 関わり始めた場面を定める 相談を受けた場面と、物や記録を受け取った場面を分け、聞き取りの起点を定めます。
  • 引き受けた状態に戻す 前の事業者の良し悪しには踏み込まず、手元にあった物と、確かめる必要があった点を聞きます。

案件と起点の整理

確かめること方法注意
選んだ案件途中から関わった実際の仕事を選んでもらいます。想定の進め方と混ぜません。
関与の起点最初に受け取った物や説明から場面をたどります。後で判明した内容と分けます。
当時の状態分かっていた点と不明だった点を聞きます。前の事業者の良し悪しを尋ねません。
表は編集部作成の例です。

依頼者が残したい部分をそのまま使えるとは限らない

依頼者の希望には、前の作業を残す内容と、新たに加える内容が含まれる場合があります。希望として受け取った内容と、実際に確かめた状態を分けて聞きます。

  • 残したい内容を聞く 前の成果のうち、変更せずに使いたいと依頼者が考えていた部分を聞きます。全体を残す希望か、一部を残す希望かも分けます。
  • 新たな依頼を分ける 前の作業の続きを進める内容と、新たに加わった内容を聞きます。変更を望んだ部分も記録します。
  • 希望と確認結果を分ける 依頼者が使えると考えていた部分でも、引き受けた後に何を確かめたかを別に聞きます。

希望と状態の区別

区分聞くこと注意
残したい内容依頼者が変更せずに使うことを望んだ部分を聞きます。使えると確認済みの部分とは分けます。
新たな依頼追加や変更を頼まれた内容を聞きます。前の作業の続きに含めて扱いません。
確認した状態希望された部分を調べて分かった状態を聞きます。希望と異なった点も記録します。
表は編集部作成の例です。

存在すると聞いた物が手元に届くとは限らない

引き受けた時点で存在した物と、実際に受け取れた物を分けます。作業途中の物だけでなく、その経緯を示す記録が届いていたかも聞きます。

  • 届いた物を特定する 未完成の成果物や材料について、受け取った範囲と、その時点の状態を聞きます。
  • 経緯を示す記録を探る 作業の経過や変更が分かる記録を聞きます。どの物や部分についての記録かも対応させます。
  • 届かなかった物を分ける 存在すると聞いていた物のうち、届かなかった物を聞きます。後から届いた物は受領時点を分けます。

受け取った範囲の整理

区分確かめること注意
成果物や材料届いた物と、その時点の状態を聞きます。後で手を加えた状態と混ぜません。
経緯の記録何の作業について記されていたかを聞きます。記録の存在だけで内容を把握済みとしません。
届かなかった物存在すると聞いた内容と受領状況を聞きます。届かないことを、存在しないことと同じに扱いません。
表は編集部作成の例です。

前の作業の進み具合は成果物だけで分かるとは限らない

出来上がって見える部分でも、どこまで作業したかが読み取れない場合があります。実物から分かった内容と、記録や説明で補った内容を分けます。

  • 実物から読んだ内容を聞く どの部分の何を見て、作業が進んでいると捉えたかを聞きます。見た目と作業の完了を分けます。
  • 記録で補った内容を聞く 実物だけでは分からなかった進み具合を、どの記録や説明で確認したかを聞きます。確認に使った情報も残します。
  • 分からない作業を残す 行われたか確認できなかった作業を聞きます。未実施と決めず、進み具合が不明な作業として記録します。

進み具合の確かめ方

区分見分け方扱い
実物で確認見た箇所と、そこから分かった作業を聞きます。読み取れた範囲に限って記録します。
情報で補完記録や説明で確認した進み具合を聞きます。実物で確認した内容と分けます。
進み具合が不明実施の有無を確認できなかった作業を聞きます。未実施とは区別して残します。
表は編集部作成の例です。

前の作業で使われた条件は今の指定と同じとは限らない

現在の指定を知っていても、前の作業が同じ条件で進んだとは限りません。当時の指定と変更を、何から知り得たかを聞きます。

  • 当時の指定をたどる 作業時の指定や変更が分かる記録を聞きます。変更がどの部分まで反映されたかも分けて捉えます。
  • 見えない条件を分ける 成果物を見るだけでは分からなかった条件を聞きます。外見から推測した内容は別に記録します。
  • 不明点の調べ方を聞く 条件が分からないとき、誰の説明や何の記録を使ったかを聞きます。調べても不明だった点を残します。

作業条件の知り方

区分聞くこと注意
指定と変更当時の指定や変更をどの記録で確認したかを聞きます。現在の指定を当時の条件として扱いません。
読み取れない条件成果物だけでは分からなかった条件を聞きます。推測と確認できた内容を分けます。
追加の確認説明や記録をたどった方法を聞きます。情報が食い違った点も残します。
表は編集部作成の例です。

使えると判断した範囲には、確認した根拠の聞き取りが要る

前の作業を残した事実だけでは、そのまま使えると判断した理由は分かりません。対象の部分と、判断した人が用いた根拠を結び付けて聞きます。

  • 使った部分を特定する 前の作業のうち、そのまま使った部分を聞きます。成果物全体ではなく、判断の対象になった範囲を残します。
  • 判断した人と根拠を聞く 誰が、何を確かめて使えると判断したかを聞きます。判断時に分かっていた作業条件も添えます。
  • 未確認の部分を分ける 手を加えず残した部分でも、使えると確認したのか、まだ確認していなかったのかを区別します。

使える範囲と根拠

区分確かめること注意
使った部分そのまま使った箇所と用途を聞きます。一部の判断を全体に広げません。
判断の根拠判断した人と確認に使った内容を聞きます。後から得た情報を当時の根拠に含めません。
未確認の部分確認せず残っていた箇所を聞きます。変更がないことを、確認済みの根拠にしません。
表は編集部作成の例です。

成果物の変化を聞くだけでは、確認の手間を拾えるとは限らない

引き受けた後の仕事には、手を加える作業と、状態を確かめ直す作業があります。成果物の変化だけを聞くと、確認に使った手間を見落とします。

  • 手を加えた作業を聞く 前の作業のどこを、どのように変更したかを聞きます。変更前の状態と変更後の状態を対応させます。
  • 確認だけの作業を聞く 変更せずに調べた内容と、その方法を聞きます。そのまま使うために行った確認も含めます。
  • 必要だった理由を分ける 変更が必要だった理由と、確認が必要だった理由を別に聞きます。確認後に変更した場合は順序を残します。

変更と確認の区別

場面聞くこと注意
手を加えた変更した箇所、内容、理由を聞きます。新たな依頼による変更も区別します。
確認だけ行った調べた対象、方法、理由を聞きます。変化がなくても行った作業として残します。
確認後に変更確認で分かった内容と、その後の変更を聞きます。確認と変更をまとめてやり直しと呼びません。
表は編集部作成の例です。

前後の成果の違いは、部分ごとの確認で分かるとは限らない

前の成果を使って新しい作業を始めると、部分ごとには見えなかった違いが分かる場合があります。前の成果を新しい作業で使う際に行った確認や調整を聞きます。

  • 使い始めた箇所を聞く 前の成果のどの部分を使って、新しい作業を始めたかを聞きます。使う側で必要だった条件も残します。
  • 使う際の調整を聞く 前の成果を新しい作業で使う際に、何を変えたかを聞きます。前の部分と新しい部分のどちらかも区別します。
  • 合わせて分かった点を聞く 個別に見たときには分からず、合わせて初めて気付いた点を聞きます。確認した場面も記録します。

接する箇所の整理

区分確かめること注意
使い始める箇所前の成果と、それを使う新しい作業を聞きます。どの部分をどの作業で使ったかを残します。
必要になった調整合わせる際に変えた内容と理由を聞きます。どちらの部分に手を加えたかを分けます。
合わせた後の確認組み合わせて分かった違いを聞きます。部分ごとの確認結果と混ぜません。
表は編集部作成の例です。

支援範囲を決めるには、確認できた機能と提供条件の照合が要る

聞き取った仕事を、自社の商品で支援できるか検討します。状態や確認内容を記録する働きと、そのまま使えるかを決める判断を分けます。

  • 状態の記録を検討する 引き受けた時点の物や記録を残す仕事について、対応する機能と提供条件を確かめます。
  • 確認内容の記録を検討する 確かめた対象、方法、結果を残せるかを確かめます。聞き取れた作業に対応させて支援範囲を示します。
  • 人の判断を分ける 記録できることから、使える部分も決められるとは説明しません。誰のどの判断が残るかを明記します。

支援できる範囲の整理

区分扱い注意
状態の記録対応する機能がある範囲を支援候補にします。記録するだけで状態が判明するとは説明しません。
確認内容の記録対象、方法、結果を残せる範囲を示します。確認そのものを商品が行うかは別に確かめます。
使える部分の判断人が根拠を読み取って決める範囲を残します。未確認の機能を支援範囲に含めません。
表は編集部作成の例です。

聞き漏らした点を知るには、状態と根拠を分けた記録が要る

選んだ案件について、引き受けた状態から商品の支援範囲まで記入します。分からなかった点は空欄にせず、未確認の内容と、確かめる相手や参照する資料を残します。

  • 同じ案件で記入する 別の案件の経験を混ぜず、選んだ仕事の経過を記入します。引き受けた時点と、その後に分かった内容を分けます。
  • 根拠まで記入する 使った部分だけでなく、判断した人と根拠を残します。確認だけで終えた作業も記入します。
  • 未確認の点を残す 未確認の内容と、確かめる相手や参照先を残します。商品の支援範囲も確認済みかどうかを分けます。

途中から引き受ける仕事の確認表

確認項目記入する内容確認項目記入する内容
選んだ案件案件と関わり始めた場面を記入します。依頼者の希望残したい内容と新たな依頼を分けて記入します。
存在した物と記録届いた物、経緯の記録、届かなかった物を記入します。進み具合の確かめ方実物で見た内容と情報で補った内容を記入します。
条件の知り方当時の指定や変更を知った方法を記入します。使える部分の根拠対象の部分、判断した人、根拠を記入します。
やり直しと確かめ直し変更と確認を分け、理由を記入します。接する箇所使った部分と、合わせる際の調整を記入します。
支援できる範囲確認した機能や提供条件と、人の判断を記入します。未確認の点と記録先不明な内容、確かめる相手、参照先を記入します。
表は編集部作成の例です。