苦情には、困った点と今後の連絡の希望の聞き取りが要る
営業電話への苦情は、謝るだけでは次の対応が決まりません。何に困ったのかと今後の連絡の希望を聞き、その場の返答と社内に残す内容を分けて考えます。
- 苦情の内容を聞き分ける かけ方、相手や部署、時期や回数、以前の連絡のうち、何への指摘かを書けるようにします。
- 謝る範囲と約束を分ける その場で謝る点と、社内で確かめてから答える点を分け、連絡停止の希望を聞きます。
- 記録から次の対応を決める 聞いた内容と答えた内容を同じ様式で残し、共有先と同じ会社への次の接触を決めます。
何に困ったかの聞き分けが、次の対応には要る
強い口調だけでは、何への苦情かは分かりません。かけ方、相手や部署、時期や回数、以前の連絡との食い違いに分けると、聞く点が見えてきます。
- 困った点から聞く 言葉の強さに気を取られず、電話のどの点が迷惑だったのかを聞きます。
- 重なる内容も残す 窓口の違いと繰り返しの電話など、重なった指摘はそれぞれ記録します。
- 指摘と希望を分ける 困った出来事と、今後どうしてほしいかは分けて聞きます。苦情だけで連絡の可否を決めません。
苦情の内容から聞く点を整理する
| 苦情の内容 | その場で聞くこと | 次の対応 |
|---|---|---|
| かけ方 | 名乗り方、説明の進め方、話の長さのどこに困ったかを聞きます。 | 指摘された話し方をやめ、苦情の内容を聞きます。 |
| 相手や部署 | どの人やどの部署への電話を控えてほしいのかを聞きます。 | 取次ぎや別の窓口への電話を続けてよいかを見直します。 |
| 時期や回数 | 今回の時期への不満か、繰り返しの連絡への不満かを聞きます。 | かけ直す前提を置かず、今後の電話の希望を聞きます。 |
| 以前との食い違い | 以前に伝えた希望と、今回の電話のどこが違うかを聞きます。 | 過去の記録を調べる間は、追加の営業連絡を止めます。 |
苦情の理由は、説明ではなく聞くことで分かる
事情の説明を先に始めると、相手が困った点を聞き逃します。話を遮らずに聞き、分からなかった点だけを短く尋ねます。
- 相手の話を最後まで聞く 反論や商品説明を挟まずに聞きます。すでに話された内容は、聞き直す前に手元のメモを見ます。
- 困った出来事を絞る 不満の理由を推測せず、今回の電話のどこで困ったのかを聞きます。
- 説明を求められたら答える 質問された点には分かる範囲で答えます。分からない点は、その場で理由を作らず社内で調べます。
聞くための行動と避けたい行動
| すること | 避けること | 理由 |
|---|---|---|
| 話を最後まで聞く | 途中で営業の目的や商品の利点を説明します。 | 相手が何に困ったのかを聞けないまま、話が広がるためです。 |
| 分からない点を聞く | 話された内容を初めからすべて尋ね直します。 | 同じ説明を求めることが、さらに負担になるためです。 |
| 困った点を言い直す | 相手の不満を、こちらに有利な理由に置き換えます。 | 聞いた内容と記録する内容に食い違いが生まれるためです。 |
| 尋ねられた点に答える | こちらの事情を長く話し、苦情への返答に代えます。 | 理由の説明だけでは、指摘された点への対応が伝わらないためです。 |
その場で謝れることと約束できることは違う
電話で迷惑をかけた点への謝罪と、今後の対応の約束は分けます。過去の経緯や他の担当の動きまで、その場の推測で言い切らないようにします。
- 迷惑をかけた点に謝る 仕事を中断させたことなど、相手から聞いた困りごとに沿って謝ります。
- 指定に反した点を分ける 相手が電話を控えてほしいと指定した連絡先と、今回かけた連絡先の食い違いを整理します。
- できることだけを約束する 今の通話でできることと社内の確認が要ることを分け、調べる範囲と返答の希望を残します。
謝る点と社内で確かめる点
| 区分 | その場で言えること | 確かめてから答えること |
|---|---|---|
| 電話自体への苦情 | 今回の電話で迷惑をかけた点に謝り、営業の話を終えることを伝えます。 | 他の担当や外注先も含めた、連絡停止の反映状況を答えます。 |
| 指定との食い違い | 聞いた指定と今回の電話が食い違った点に謝ります。 | 指定をいつ誰が聞き、社内のどこまで伝わっていたかを答えます。 |
| 過去の経緯 | 指摘された内容を記録し、社内で調べることを伝えます。 | 過去の連絡の記録と突き合わせ、分かった事実を答えます。 |
今回の電話への不満が、今後の電話拒否とは限らない
今回の電話に困ったことと、今後の電話を望まないことは分けて聞きます。電話を続ける余地を探すためではなく、望まれない連絡を防ぐための確認です。
- 今後の希望を聞く 今回だけの指摘なのか、今後の電話も望まないのかを聞きます。返答を急がせません。
- 止める範囲を聞く この番号、部署、会社全体のどこへの電話を望まないか、話された範囲で確かめます。
- 別の窓口へ急がない 窓口名が出ても、そこへの営業電話を望むとは限りません。案内された窓口と、相手が述べた条件を記し、不明なら未確認と記します。
電話への希望と残す内容
| 相手の言葉 | 確かめること | 記録 |
|---|---|---|
| 今後の電話への拒否 | 会社全体への電話か、特定の部署や番号への電話かを聞きます。 | 電話を止める範囲と、停止を申し出た人を記します。 |
| この番号への拒否 | この番号への停止希望を聞き、他への連絡も望まないかを確かめます。 | 止める番号と、他への連絡について聞けた内容を記します。 |
| 別の窓口への案内 | 案内された窓口へ営業電話をしてよいという意味かを聞きます。 | 案内された窓口と、連絡に関して付けられた条件を記します。 |
| 今回の時期への不満 | 今後の電話について希望があるかを聞き、話された内容だけを記します。 | 聞けた希望を記し、希望が分からなければかけ直す予定を決めません。 |
以前との食い違いには、記録の調べ直しが要る
前にも断ったという指摘には、その場で記録が見つからなくても反論しません。相手が覚えている内容を聞き、社内の記録で調べる点を分けて残します。
- 覚えている範囲で聞く 以前に伝えた希望と連絡の手段を聞きます。日時や担当の名前を思い出すよう迫りません。
- 指摘と記録を分ける 相手から聞いた内容と、手元の記録で分かる内容を混ぜずに残します。
- 営業の連絡を止めて調べる 食い違いを調べている間は追加の営業連絡を止めます。調べた結果の返答を望むかも聞きます。
以前の連絡を指摘されたときの確認
| 指摘 | 確かめること | その場の対応 |
|---|---|---|
| 以前にも断った | 以前に何を断り、今後の連絡について何を伝えたかを聞きます。 | 指摘を記録し、以前の希望が社内でどう伝わったかを調べます。 |
| 別の担当からの電話 | 同じ会社からの電話と分かった点を、覚えている範囲で聞きます。 | 他の担当や外注先の連絡記録も調べる対象に含めます。 |
| 手紙も届いた | 手紙の到着自体への不満か、以前の停止希望との食い違いかを聞きます。 | 電話以外も止めてほしいかを聞き、手紙の担当への共有内容を残します。 |
苦情とその場の対応を併記すると、経緯が残る
苦情があったとだけ残しても、次に何をすればよいかは分かりません。受けた内容、返答、約束、まだ分からない点を同じ様式に書きます。
- 出来事を具体的に書く 受けた日、相手、連絡先と、どの電話への苦情かを記します。相手の性格への感想は書きません。
- 返答と約束を書き分ける 説明した内容と、今後行うと伝えた内容を分けます。謝った範囲も残します。
- 聞けなかった点も残す 停止希望の範囲など、聞けなかった点を明記します。空いた部分を推測で埋めません。
苦情と対応を残す共通の記録項目
| 記録項目 | 書くこと | 注意 |
|---|---|---|
| 受けた日と相手 | 受けた日、会社、部署、名前、連絡先、苦情に対応した自社の担当を記します。 | 分からなかった項目は、聞けなかったことを記します。 |
| 苦情の内容 | 何への指摘かと、相手が困った出来事を記します。 | 相手の発言の趣旨と、こちらの推測を混ぜません。 |
| その場の返答 | 謝った点、説明した点、まだ答えられないと伝えた点を記します。 | 社内で調べた後の内容を、通話中の返答として書きません。 |
| 約束したこと | 行うと伝えた対応と、その対応を進める人を記します。 | 社内で考えているだけの案を、約束に含めません。 |
| 連絡の希望 | 止めてほしい連絡の範囲と、返答を望むかどうかを記します。 | 電話への拒否を、他の手段ならよいという意味に変えません。 |
| 残る確認と共有 | まだ分からない点、調べる人、共有先、次の接触について記します。 | 共有を予定している状態と、伝え終わった状態を分けます。 |
連絡の希望には、次の作業の前の共有と反映の確認が要る
受けた人だけが知っていても、別の担当から営業連絡が続くことがあります。苦情の全文を送るだけでなく、次の作業を止める範囲を添えて伝えます。
- 同じ会社にかける人へ伝える 苦情の内容と電話を止める範囲を伝えます。かける予定がある人にも届いているかを確かめます。
- 他の手段の担当にも伝える 手紙やフォームへの希望があれば添えます。電話が断られたことを、手段変更のきっかけにしません。
- 外注先の作業状況も聞く これからの連絡と、すでに進んでいる作業を分けて聞きます。伝えた内容と返答を記録します。
共有先と伝える場面
| 共有先 | 伝えること | いつ伝えるか |
|---|---|---|
| 社内の架電担当 | 対象の会社や連絡先、苦情の要旨、電話を止める範囲を伝えます。 | 苦情を受けた後、次に電話をかける先を決める前に伝えます。 |
| 手紙の担当 | 手紙に関する指摘と、今後の手紙への希望を伝えます。 | 送る相手を選ぶ前に伝え、進行中の作業があればその場で知らせます。 |
| フォームの担当 | フォームでの連絡への希望と、まだ聞けていない点を伝えます。 | 連絡する相手を選ぶ前に伝え、送信待ちの相手にも含まれていないかを聞きます。 |
| 外注先 | 委託している連絡のうち止める範囲と、返答してほしい内容を伝えます。 | 次の連絡作業に入る前に伝え、作業中なら現在の状況も聞きます。 |
苦情への返答は、新たな営業の連絡とは違う
苦情への返答と、新たな営業の連絡は分けて考えます。返答を求められたことを、営業を再開してよいという意味に変えないようにします。
- 止める希望を先に反映する 相手が停止を望んだ連絡先と手段への営業連絡を止めます。理由を調べ終えるまで停止を待たせません。
- 窓口を変える条件を読む 別の窓口を案内された場合は、営業電話への意向と条件を記録で読み直します。
- 返答と営業を分ける 調べた結果を返すときは、聞かれた点への返答にとどめます。商品説明を加えません。
次の接触と社内で決める人
| 場面 | 次の接触 | 決める人 |
|---|---|---|
| 連絡停止を希望 | 希望された範囲への営業連絡を止めます。 | 苦情を受けた人が停止希望を伝え、営業の取りまとめ役が関係先への反映を進めます。 |
| 別の窓口を案内 | 営業電話を望む意向が聞けた場合に、示された条件に沿って連絡します。 | 営業の取りまとめ役が記録を読み、連絡する人を決めます。 |
| 調べた結果を希望 | 希望された連絡方法で、調べた結果を返します。 | 社内で経緯を調べる人と返答する人を、営業の取りまとめ役が決めます。 |
| 希望が分からない | 営業連絡を止めて社内の記録を調べ、追加の電話を急ぎません。 | 営業の取りまとめ役が、相手に聞けた内容と未確認の点を整理します。 |
記録を読むと、繰り返す苦情の直しどころが分かる
気をつけるよう伝えるだけでは、次の電話の何を変えるかが曖昧です。苦情が起きた場面と、その前に分かっていたことを記録から読み直します。
- 話し方を具体的に直す 説明が長かったのか、断った後も話したのかを分けます。指摘された行動に沿って直します。
- かける先の選び方を直す 停止希望が記録にある会社へかけた場合は、電話先を選ぶときにその記録を見たかを調べます。
- 時期と重複の決まりを直す 相手の指定と社内の予定が食い違った場面を探し、かける前に読む記録と確認する人を決め直します。
苦情の記録と見直す行動
| 見直す点 | 記録から分かること | 直すこと |
|---|---|---|
| かけ方 | 話を遮った点や、断られた後も説明を続けた点が分かります。 | 説明を終える場面と、相手の話を聞く進め方を決め直します。 |
| リストの除外 | 停止希望があった会社を、電話先に含めた経緯をたどれます。 | かける先を選ぶ前に停止希望を読み、対象から外す手順を直します。 |
| 相手や部署 | 指定された窓口と、実際にかけた窓口の違いが分かります。 | 窓口の指定をどこに記し、かける前に誰が読むかを決め直します。 |
| 時期や回数 | 相手の指定を見落とした場面や、担当間で連絡が重なった場面が分かります。 | 予定を立てる前に、相手の指定と他の担当の連絡記録を読む手順を加えます。 |
| 以前の連絡 | 以前の希望が、次に連絡した人へ伝わらなかった箇所をたどれます。 | 希望を書き残す場所と、関係する人へ伝える場面を見直します。 |
聞いた内容と残る疑問を書き出すと、社内で決めることが分かる
通話を終えたら、苦情の内容とその場の対応をこの表に沿って書きます。聞けなかった点も残すと、社内で調べることと次の接触を分けて考えられます。
- 聞いたことから書く 相手が話した内容を先に記し、こちらの推測を混ぜません。聞けなかった点も文章で残します。
- 謝罪と約束を読み直す 謝った点と、行うと伝えた点を分けます。約束した対応には、進める人を書き添えます。
- 次に動く人まで書く 共有する相手と次の接触を書くことで、通話後に誰が何をするかを明らかにします。
苦情を受けたときの確認表
| 確認する項目 | 記入する内容 | 確認する項目 | 記入する内容 |
|---|---|---|---|
| 苦情の区分を記す。 | かけ方、相手や部署、時期や回数、以前の連絡のどれへの指摘かを記します。 | 聞いたことを記します。 | 相手が困った出来事と、その場で聞けた内容、聞けなかった点を記します。 |
| 謝った範囲を記す。 | 今回の電話で迷惑をかけた点や、相手の指定と食い違った点のうち、謝った内容を記します。 | 約束の範囲を記します。 | 行うと伝えた対応と進める人を記し、社内で調べてから答える点も書き分けます。 |
| 停止の希望を記す。 | 連絡停止の希望の有無と、対象となる会社、部署、番号、連絡手段を聞けた範囲で記します。 | 出来事を記します。 | 受けた日、相手、連絡先、自社の担当、その場の返答を記し、苦情の内容と結び付けます。 |
| 共有先を記す。 | 社内の架電担当、手紙やフォームの担当、外注先のうち、伝える相手と伝え終わった内容を記します。 | 次の接触を記します。 | 連絡を止める範囲、案内された窓口、返答の希望と、次の対応を進める人を記します。 |
