説明の出発点は、相手が思い浮かべにくい部分によって変わる

機能を順に紹介しても、相手が商品の使い方を思い浮かべられるとは限りません。商品が扱う仕事の範囲と、使う場面のどちらを先に補うかで、説明の出発点を選びます。

  • 説明の出発点を決める 相手が商品の扱う範囲と使う場面をどこまで知っているかから、先に伝える内容を決めます。
  • 後で補う内容を決める 先に伝えた内容と結び付くように、全体像や具体例を、説明のどの段階で補うかを決めます。
  • 順番の見直し方を決める 相手の言い換えや質問を手掛かりに、次の説明で変える順番を決めます。

順番を変えるときも、商品の条件を先に書き出す必要がある

順番を変えると、最初に伝わる内容や条件を補う位置が変わります。説明前に商品の対象と利用条件を書き出しておき、順番を変えても同じ条件を伝えます。

  • 変える範囲を決める 変えるのは、全体像と具体例を示す順番です。先に示した内容をどこで補うかも決めます。
  • 伝える条件をそろえる 対象の仕事、利用に必要な条件、できることとできないことは、どの順番でも同じ内容を伝えます。
  • 条件を伝える位置を決める 利用できる範囲の判断に必要な条件は、その説明と一緒に示します。最後まで伏せないようにします。

順番を変える前の確認

確かめること方法注意
説明の順番全体像と具体例の先後を書きます。順番の変更と内容の変更を分けます。
商品の条件対象、前提、制限を書き出します。説明しやすさを理由に条件を外しません。
条件の位置条件を、それが必要な説明に添えます。できることだけを先に伝えて、条件を後回しにしません。
表は編集部作成の例です。

全体像からの説明には使う場面への橋渡しが必要だ

全体像から始めると、商品が仕事のどこを扱うかを先に示せます。扱う範囲を示した後は、その中で商品を使う場面へ説明を進めます。

  • 扱う仕事を先に示す 商品が扱う仕事と、その前後にある仕事を区別します。機能名を並べる前に、商品の役割を示します。
  • 相手が知る仕事と結ぶ 業務の場面は知っていても、商品の役割が分からない相手には、全体像から始める方法を選べます。
  • 具体例へ進む位置を決める 扱う範囲を示したところで、その範囲内の使い方へ進みます。全機能の紹介が終わるまで待ちません。

全体像から説明する型

場面すること注意
説明の冒頭対象の仕事と商品が扱う範囲を示します。機能の分類だけで全体像を済ませません。
相手との照合相手が知る仕事と商品の役割を結び付けます。相手がその業務を知っているかは、先に確かめます。
具体例への移行示した範囲内の使い方を取り上げます。全体像と関係のない場面へ広げません。
表は編集部作成の例です。

具体例から始めるなら、例が扱う範囲を後で示す必要がある

具体例から始めると、商品を使う場面を先に示せます。その場面での使い方を説明した後は、その場面が商品の扱う仕事のどこに当たるかを補います。

  • 場面を先に示す 商品を使う状況、利用する人、利用の前提を示します。その条件の中で何ができるかを説明します。
  • 使い方の想像を助ける 商品の分類や機能を知っていても、実際の使い方を想像しにくい相手には、場面から入る方法を選べます。
  • 全体像へ進む箇所を決める その場面での使い方を示したところで、商品全体の説明へ進みます。例が扱った範囲を明らかにします。

具体例から説明する型

場面すること注意
説明の冒頭場面と、その場面の利用条件を示します。相手が状況を想像できるかを確かめます。
使い方の説明その条件で商品が担う仕事を示します。利用後の成果まで約束した形にしません。
全体への移行例の位置と商品が扱う他の範囲を示します。例の使い方だけが商品の全体だと扱いません。
表は編集部作成の例です。

出発点は、相手が知っている内容から選べる

全体像と具体例のどちらを先にするかは、商品の種類だけでは決まりません。相手が知っている内容を足場にして、思い浮かべにくい部分を先に補います。

  • 近い業務場面を探す 相手の業務に近い場面があるかを確かめます。場面を知っていて商品の役割が不明なら、全体像から入ります。
  • 商品の理解を確かめる 商品の全体像を知っていても、使い方を想像できない場合があります。その場合は具体例から入ります。
  • 不明な場合は仮に選ぶ 相手の状況が分からなければ、対象の仕事を示して近い場面を探します。相手の反応を見て、説明の出発点を選び直します。

相手の状況と出発点

相手の状況出発点注意
役割が不明全体像から商品の担当範囲を示します。相手が知る業務との関係を補います。
使い方が不明具体例から利用する場面を示します。商品の名前を知るだけで理解済みと扱いません。
相手の状況が不明対象の仕事を示し、近い場面を探します。最初に選んだ順番に固定しません。
両方を知っている相手が確認したい内容から始めます。既知の内容を最初から繰り返しません。
表は編集部作成の例です。

例の前後で、全体像のどこを扱ったかを示す必要がある

全体像の後に具体例を出しても、両者の関係が伝わるとは限りません。例に入る前にどこを扱うかを、説明した後にどこを扱ったかを示します。

  • 例を出す箇所を選ぶ 全体像のうち、相手が使い方を思い浮かべにくい箇所に例を置きます。機能ごとに例を増やす必要はありません。
  • 例が示す範囲を伝える 例に入る前に、どの仕事の使い方を示すのかを明らかにします。例で扱わない部分も区別します。
  • 説明後に全体像へ戻す 例の説明後は、全体像で使った項目名を再び示し、例がその項目の使い方だったと伝えます。例だけが商品全体の説明として残らないようにします。

全体像と具体例の対応

すること方法注意
例の箇所を選ぶ使い方が伝わっていない項目を選びます。説明済みの機能すべてに例を付けません。
範囲を示す全体の項目と例が扱う部分を対応させます。例に含まれない仕事まで扱った形にしません。
全体像へ戻す全体像の項目名で、例がどの項目だったかを確かめます。例の印象だけで説明を終えません。
表は編集部作成の例です。

例で伝わる使い方は、例の条件の範囲に限られる

具体例で使い方が伝わっても、条件が違う場面で同じように使えるとは限りません。例に固有の条件と、商品に共通する条件を分けて説明します。

  • 例の前提を示す 利用する人、対象の仕事、必要な準備を例の条件として示します。商品の共通条件も省きません。
  • 違う条件は確認する 相手の条件が例と違う場合は、同じ使い方ができるかを確認します。未確認の範囲は使えると断定しません。
  • 共通する説明へ戻す 全体像へ戻る際は、商品の共通条件を示します。例だけに必要だった条件を、すべての利用に当てはめません。

例の条件を他の場面に当てはめない確認

場面すること避けること
例を示す前例の前提と商品の共通条件を示します。使い方だけを切り離して示すことを避けます。
条件が違う場合利用できる範囲を商品情報で確認します。似た場面だから使えるという断定を避けます。
全体へ戻る時例に固有の条件と共通条件を分けます。例の条件を商品の全条件として扱うことを避けます。
表は編集部作成の例です。

説明順の違いの比較には同じ商品情報が必要だ

順番と一緒に機能や条件まで変えると、何が理解に影響したかを比べにくくなります。同じ全体像、具体例、条件を使い、先後を変えて比較します。

  • 共通の情報を用意する 対象の仕事、商品の範囲、具体例、利用条件を書き出します。どちらの順番でも、この情報を使います。
  • 先後だけを入れ替える 全体像から始める並びと、具体例から始める並びを作ります。全体像と例の関係を補う箇所も、それぞれの並びに決めます。
  • 伝わった内容と落ちた条件を見る 相手の言い換えや質問から、伝わった内容を比べます。同時に、説明から落ちた条件がないかを点検します。

説明順を比較する型

確かめること方法注意
情報の一致両方の並びを共通の商品情報と照合します。片方だけに機能や条件を追加しません。
全体像からの順全体像、例の位置、条件付きの具体例を並べます。例の説明後に全体での位置を再確認します。
具体例からの順条件付きの具体例、全体像、例の位置を並べます。例の条件が共通条件かを区別します。
理解と条件相手に伝わった内容と、説明で落ちた条件を分けて比べます。相手の知識や聞いた順番の影響も記録します。
表は編集部作成の例です。

相手の質問に合わせて、説明の出発点を変えることができる

説明中の質問には、全体の範囲を知りたいものと、場面ごとの使い方を知りたいものがあります。質問が求めている内容に合わせて、説明を始める位置を選び直します。

  • 質問の対象を見分ける 商品の役割や範囲についての質問か、場面や利用条件についての質問かを見分けます。
  • 補う内容を明らかにする 全体の範囲を補うのか、例の使い方を補うのかを示します。説明済みのどの内容に関係するかも伝えます。
  • 説明が済んでいない箇所へ戻る 回答後は、まだ説明していない箇所へ戻ります。商品の条件は、出発点を変えても保ちます。

質問に応じた出発点の変更

場面すること注意
範囲への質問全体像から、扱う仕事と扱わない仕事を示します。関係する具体例の位置も補います。
使い方への質問条件を示した具体例から説明します。質問に合わせて商品の条件を広げません。
対象が不明範囲と使い方のどちらが不明かを確認します。質問の意図を決め付けて説明を増やしません。
回答した後まだ説明していない内容へ戻ります。元の順番を最初から繰り返しません。
表は編集部作成の例です。

説明順だけの記録では見直しの根拠が残らない

全体像から始めたか、具体例から始めたかだけでは、次に何を変えるか判断できません。相手の言い換えや質問と、説明した条件を一緒に残します。

  • 選んだ理由を残す 相手が知っていた内容と、不明だった内容を記録します。その状況から選んだ出発点も残します。
  • 理解の根拠を残す 相手が商品の範囲や使い方をどう言い換えたか、何を質問したかを書きます。自分の推測とは分けます。
  • 次の変更を具体化する 先に示す内容、具体例を置く位置、条件を補う位置のうち、どこを変えるかと理由を書きます。

説明順と理解の記録

記録項目書くこと理由
相手の状況相手が知っていた内容と知らなかった内容を記録します。出発点を選んだ前提が分かります。
選んだ順番出発点と、途中で変更した位置を書きます。実際に伝えた順番をたどれます。
言い換えや質問発言の内容と、自分の解釈を分けて残します。理解の判断を後から見直せます。
伝えた条件示した条件と、まだ示していない条件を書きます。条件の説明不足を順番の問題と混同せずに済みます。
次に変えること変更する位置と、その根拠を書きます。次の説明で試す変更が分かります。
表は編集部作成の例です。

説明順の確認には準備と理解の記録が必要だ

説明前に商品の全体像、具体例、条件を記入し、相手の状況から出発点を選びます。説明後に相手の言い換えや質問を追記すると、次に変える位置を検討できます。

  • 説明前に記入する 商品の説明項目ごとに、全体像と具体例で伝える内容を書きます。共通条件と例に固有の条件を分けます。
  • 説明後に追記する 相手の言い換えや質問を残します。途中で出発点を変えた場合は、実際の順番と変更理由を追記します。
  • 次の説明で参照する 次に変えることを、相手の理解を示す記録と結び付けて書きます。記録先も明記し、説明前に読み返します。

説明前後に書き込む確認表

確認項目記入欄確認項目記入欄
商品の説明の項目全体像で伝えること
具体例で伝えること相手の状況
選んだ出発点共通条件と例の条件
相手の言い換えや質問次に変えること
実際の順番と変更理由記録先
記入欄です。商品と相手に合わせて使います。