共有の目的と相手を確かめて渡す範囲を決める

提案書を相談相手に見せたいと言われたら、共有の目的と相手を確認したうえで判断します。渡す範囲を社内で確認し、共有用の資料を用意します。

  • 共有する条件を決める 誰に、何のために、提案書のどの範囲を渡すかを決めます。
  • 渡せる情報と渡せない情報を分ける 公開している情報と個別の条件、社内向けの情報を分け、社外に出せない情報を確認します。
  • 共有後の対応を決める 相談相手からの質問の窓口と、説明の機会、共有した内容の記録先を決めます。

渡す前に情報の広がり方を確かめる

商談先への説明用に作った提案書には、商談先以外への共有を想定していない情報が含まれることがあります。そのまま渡す前に、共有後に起きることを考えます。

  • 条件の前提を確認する 個別の価格や対応範囲は、商談先の条件に合わせて決めたものです。別の会社にも同じ条件が使えると誤解されないようにします。
  • 連絡の経路を決める 相談相手から直接連絡が来る可能性を考え、質問を受ける窓口を商談先と決めます。
  • 社内向けの情報を探す 説明用の資料に原価や社内の検討事項が含まれていないかを確認します。

確認せずに渡した場合に起こり得る行き違い

起きること相手に起きること防ぎ方
個別条件が伝わる別の会社でも使える条件だと誤解するおそれがあります。共有する条件と、その前提を確認します。
直接連絡が来る商談先が質問や回答の経緯を把握できなくなるおそれがあります。質問の窓口と回答の共有先を決めます。
社内情報が外に出る検討途中の情報を正式な提案だと捉えるおそれがあります。社内向けの情報を共有用資料から除きます。
表は編集部作成の例です。

誰に何のために渡すかを確かめる

相談相手の肩書きだけでは、必要な資料の範囲は決まりません。何を確かめてもらいたいのか、提案の採否の判断にどう関わるのかまで確認します。

  • 共有先を確かめる 共有先の会社・所属・氏名を確認し、商談先との関係を把握します。
  • 相談する内容を絞る 提示した条件の確認なのか、導入内容への助言なのかを聞き、見てもらう部分を決めます。
  • 提案の採否への関わりを聞く 助言を求める相手か、提案の採否の判断にも関わる相手かを確認します。

共有前に聞く項目

確かめること内容確認できなかった場合
誰に渡すか会社・所属・氏名と商談先との関係を確認します。共有先が決まってから渡す範囲を決めます。
何のためか相談したい内容と見てもらう箇所を確認します。相談内容が分かるまで個別条件の共有を保留します。
提案の採否に関わるか助言・承認など、判断への関わり方を確認します。関わり方を商談先に確認するまで、個別条件の共有を保留します。
社内か社外か商談先と同じ会社に所属しているかを確認します。社内共有として扱わず、所属を確認します。
表は編集部作成の例です。

提案書の情報を種類ごとに分ける

提案書全体をまとめて判断せず、含まれる情報ごとに分けます。公開している説明と、個別の条件や社内向けの情報では、共有の扱いが違います。

  • 公開情報を区別する 公開済みのサービス説明と、商談のために加えた説明を区別します。
  • 個別条件を拾い出す 価格、対応範囲、実施時期など、商談先に合わせて決めた条件を確認します。
  • 社内の判断材料と他社に関わる情報を確かめる 社内の判断材料や他社に関わる情報は、相談に必要かどうかとは別に、共有できるかを確かめます。

提案書に含まれる情報の区分

情報の区分例社外共有の扱い
公開している情報公開済みのサービス内容や会社紹介。現在の公開内容と一致するかを確認します。
相手向けの個別条件個別価格、対応範囲、実施時期。共有先と目的を踏まえて社内で確認します。
社内向けの情報原価、値引きの判断基準、検討途中の事項。そのまま渡さず、共有用資料から除きます。
他社に関わる情報他社名を含む事例や業務上の情報。その他社と取り決めた共有の範囲を確認します。
表は編集部作成の例です。

社外に出せない情報を社内で確かめる

相談に必要な情報でも、社外に出せるとは限りません。社内の基準と、他社と取り決めた共有の範囲を確認し、判断できない部分は営業責任者に相談します。

  • 確認先を決める 資料を作った部門や条件を決めた営業責任者に、該当する情報を示して確認します。
  • 判断の基準を確認する 社内の共有基準と、他社と取り決めた共有の範囲を確認します。相談の目的だけで共有を決めません。
  • 営業責任者に相談する 基準が不明な場合や、認められた範囲を超える依頼がある場合は、営業責任者に判断を求めます。

社内で判断を求める項目

確かめること確認先確認できなかった場合
個別条件の共有条件を決めた営業責任者に確認します。該当する条件の共有を保留します。
社内向けの情報資料を作った部門に確認します。該当する情報を共有用資料から除きます。
取り決めた範囲取り決めを管理する担当に確認します。対象の情報を渡さず、範囲を確かめます。
基準外の依頼営業責任者に判断を求めます。判断が出るまで対象の情報を渡しません。
表は編集部作成の例です。

相談に必要な範囲で共有用の資料を作る

共有できる情報が決まったら、相談の目的に合う資料を別に用意します。情報を除いた結果、条件や説明の意味が変わっていないかも確認します。

  • 必要な部分を選ぶ 相談内容に関係し、社内で共有を認められた部分を選びます。
  • 除く情報を決める 社外に出せない情報を除きます。残した説明だけで誤解を招かないかも見直します。
  • 要約版を用意する 提案書の抜粋では伝わりにくい場合は、相談に必要な説明と条件の前提をまとめます。

相談内容に応じた資料の選び方

場面用意するもの注意
サービス概要の確認公開しているサービス資料を用意します。個別提案と内容が違う場合は、違う点を商談先に伝えます。
個別条件の確認共有を認められた条件の抜粋を用意します。条件が成り立つ前提も残します。
社内情報が混在社内向けの情報を除いた資料を用意します。残した説明の意味が変わらないかを確認します。
提案全体の相談共有できる情報で要約版を用意します。共有できる範囲で、判断に必要な制約や条件を残します。
表は編集部作成の例です。

質問の窓口と答えられる範囲を決める

資料を渡す前に、相談相手からの質問をどこで受けるかを決めます。直接対応する場合も、商談先への回答の共有方法を確認します。

  • 連絡の経路を選ぶ 商談先を通して質問を受けるか、相談相手から直接受けるかを商談先と決めます。
  • 回答の範囲を決める 共有済みの資料についての説明と、追加情報や条件変更の求めへの対応を分けます。後者は社内で確認します。
  • 商談先にも回答を伝える 直接受けた質問への回答を、商談先にもどう伝えるか決めておきます。

質問を受けた場合の対応

場面すること注意
商談先を通す質問を商談先にまとめてもらい、回答を返します。質問の意図が不明なら追加で確認します。
直接質問を受ける窓口を決め、回答を商談先にも共有します。直接対応することを商談先と確認します。
追加情報を求められた追加する情報を社内で確認します。資料の共有許可だけで回答範囲を広げません。
条件変更を求められた商談先の意向と社内での判断を確認します。相談相手とのやり取りだけで変更を決めません。
表は編集部作成の例です。

提案の採否への関わり方に応じて説明方法を決める

相談相手が提案の採否の判断に関わる場合は、相談相手が確認したい内容を資料だけで確かめられるかを商談先に聞きます。同席や別途説明の必要性を確かめ、商談先と進め方を決めます。

  • 確認する論点を聞く 提示した条件や対応範囲など、相談相手が何を確認して判断するのかを確かめます。
  • 説明の機会を確かめる 商談への同席や別途説明が必要かを確認します。資料だけで進めたい意向も尊重します。
  • 商談先と進め方を決める 相談相手への連絡方法、説明する範囲、商談先への報告方法を決めます。

提案の採否に関わる相手への説明方法

場面確かめること対応
商談に同席する参加者と確認したい論点を確かめます。商談先と相談相手に同じ場で説明します。
別途説明する商談先の同席の有無と説明範囲を確かめます。説明後に商談先へ内容と残った質問を伝えます。
資料だけで判断する判断に必要な情報と質問の窓口を確かめます。共有用資料を渡し、不明点があれば対応します。
表は編集部作成の例です。

社内への共有と社外への共有を区別する

商談先の社内に渡す場合と、別の会社に渡す場合では、確認する範囲が違います。親会社やグループ会社も、別の会社なら社外への共有として確認します。

  • 同じ会社かを確かめる 部署名やグループ名だけで判断せず、共有先が商談先と同じ会社かを確認します。
  • 社内でも範囲を確かめる 同じ会社の別部署でも、利用目的と見せる範囲が取り決めた範囲に収まるかを確認します。
  • 共有先の追加を確認する 当初と違う会社や相談相手にも渡したい場合は、目的と資料の範囲を改めて確認します。

共有先による扱いの違い

共有先扱い確認すること
社内の別部署商談先の社内への共有として扱います。部署、利用目的、取り決めた共有の範囲を確認します。
親会社別の会社なら社外への共有として扱います。会社名、判断への関わり方、渡す範囲を確認します。
グループ会社別の会社なら社外への共有として扱います。会社名、共有する理由、渡す範囲を確認します。
社外の相談相手社外への共有として扱います。所属と氏名、相談内容、質問の窓口を確認します。
表は編集部作成の例です。

共有した資料と相手を記録する

共有後に問い合わせが来たとき、誰にどの資料を渡したか分かるようにします。実際に共有した資料を残し、共有先や目的と一緒に記録します。

  • 渡した版を残す 元の提案書だけでなく、実際に渡した共有用資料を保存します。改訂前の資料も区別できるようにします。
  • 共有先と目的を書く 会社・所属・氏名と共有の目的を記録します。商談先経由の場合は、実際に渡されたかも確認します。
  • 変更した内容を追記する 資料の差し替えや共有先の追加があれば、変更内容を追記します。

共有後に残す記録

記録項目書くこと
共有日実際の共有日を書きます。未確認なら、未確認と書き、確認予定を添えます。
資料と版渡した資料名、版、保存先を書きます。
共有相手会社・所属・氏名と、直接渡したか商談先経由かを書きます。
共有の目的何を相談し、どの点を確認してもらうためかを書きます。
除いた情報元の提案書から除いた箇所と、その理由を書きます。
質問の窓口質問を受ける人と、商談先への回答の共有方法を書きます。
表は編集部作成の例です。

共有前の判断を確認メモに整理する

依頼を受けたら、下の項目を書き込みます。未確認の部分には確認先を記し、判断が済んだ範囲で共有用資料を用意します。

  • 決まった内容を書く 目的、共有先、渡す範囲を具体的に書きます。判断に関わる相手への説明方法も記します。
  • 未確認の部分を残す 不明な情報は推測で埋めず、確認先と確認する内容を書きます。
  • 営業責任者に確認する事項を書く 個別条件の共有や取り決めの範囲外の依頼など、今回の依頼で営業責任者への確認が必要な事項を記します。

提案書の社外共有を確認するメモ

確認項目記入する内容記入欄
目的と相手共有先、相談の目的、判断への関わり、社内か社外か、説明の機会を書きます。
情報の区分提案書の各情報を公開情報、個別条件、社内向けの情報、他社に関わる情報に分け、区分ごとの共有可否を書きます。
社内の確認社外に出せない情報、確認先、判断の結果、営業責任者に確認する事項を書きます。
共有用資料渡す部分、除く部分、要約版の要否、資料名と版を書きます。
質問の窓口商談先経由か直接か、回答する範囲、商談先への共有方法を書きます。
記録先共有日、資料と版、相手、目的、除いた情報、窓口を残す場所を書きます。
表は編集部作成の例です。