質問の内容で答え方を分ける
質問への対応は、答えを知っているかだけでは決まりません。その場で説明できる内容か、個別の確認が必要かを分けて進めます。
- 質問を受ける準備をする 質問を受け付ける範囲と出し方を決め、整理する役と回答する役を分けます。
- 公開できる内容を確かめる 知りたいことと公開してよい内容を確かめ、前提が同じ質問をまとめます。
- 回答の扱いを決める どの質問にその場で答え、どの質問を個別に確かめるかを決め、質問が出ないときの進め方も決めます。
質問を受け付ける範囲を講師と決める
講演のテーマに近い質問でも、その場で答えられるとは限りません。扱う内容と個別に確かめる内容を、講師と事前に決めます。
- 扱うテーマを決める 講演で説明する内容に照らし、質問を受け付けるテーマを具体的に書きます。
- 答えられる範囲を確かめる 知識がある内容でも、条件が未確認の質問にはその場で結論を出さず、回答できるかも含めて担当者に確認します。
- 個別の確認先を決める 個社の情報が必要な質問は、確認を引き受ける部署や担当を決めておきます。
質問を受け付ける範囲
| 区分 | 例 | 当日の扱い |
|---|---|---|
| 扱うテーマ | 講演で説明した業務の手順 | 質問の前提を確かめて答えます。 |
| 回答できる範囲 | 公開済みで確認できている条件 | 条件を示して説明します。 |
| 扱わないこと | 講演と関係のない他社の評価 | 今回の対象外であると伝えます。 |
| 個別に確かめる | 質問者の会社の業務の進め方に照らした利用の判断 | 必要な情報を個別に確認します。 |
参加者に質問の出し方を説明する
質問の出し方が分からないと、聞きたいことがあっても出しにくくなります。使える方法と受け付ける時間を、質問の受け付け前に説明します。
- 使える方法を伝える 発言と文章のどちらで質問できるかを伝え、終了後に利用できる窓口も示します。
- 匿名の扱いを伝える 名前を伏せて質問できるかと、入力した名前が誰に見えるかを分けて説明します。
- 受け付ける時間を伝える 説明中にも送れるのか、質疑応答の時間だけなのかを明確にします。
質問方法の説明事項
| 出し方 | 説明すること | 注意 |
|---|---|---|
| 発言する | 発言を希望する合図と順番を伝えます。 | 発言内容は会場に聞こえると伝えます。 |
| 文章で送る | 入力先と送信できる時間を示します。 | 名前と本文の閲覧範囲を伝えます。 |
| 匿名で送る | 匿名で受け付けられるかを伝えます。 | 本文から会社が分かる場合もあります。 |
| 終了後に送る | 使える窓口と受け付け期間を示します。 | 個別回答に必要な連絡先を説明します。 |
質問を整理する役と回答する役を分ける
質問を整理しながら回答まで考えると、確認すべき点を見落としやすくなります。質問の受け付けから残った質問の対応まで、役割を決めます。
- 質問を整理して渡す 進行役は要点と公開の可否を確かめ、講師が答えられる形にして渡します。
- 回答の前提を確かめる 回答に必要な条件が不足していれば、講師は答え始める前に質問者へ確かめます。
- 残った質問を引き受ける 答えられなかった質問は記録し、確認を引き受ける担当と連絡方法を決めます。
質問を受けてからの役割
- 進行役が質問を受ける
- 要点と公開の可否を確かめて整理する
- 整理した質問を講師へ渡す
- 講師が前提を確かめて回答する
- 残った質問を確認担当が引き受ける
質問者が何を知りたいかを確かめる
長い質問や曖昧な言葉を、そのまま講師へ渡すと答えがずれることがあります。何について何を知りたいのかを、短く言い換えて確かめます。
- 要点を短く確かめる 背景の説明と聞きたいことを分け、質問の中心を短い文で確認します。
- 曖昧な言葉を確かめる 「対応できる」「使える」などの言葉は、どの作業や条件を指すかを尋ねます。
- 必要な背景だけを聞く 回答に必要な背景だけを確かめ、顧客名などの詳しい情報は求めません。
質問の意図の確かめ方
| 質問の形 | 確かめ方 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 説明が長い | 最後に知りたいことを確かめます。 | 確認したいのは、開始までの手順でしょうか |
| 言葉が曖昧 | 言葉が指す作業を尋ねます。 | 「対応」とは、データの取り込みでしょうか |
| 背景が不明 | 答えに関係する状況だけを聞きます。 | どのような場面での利用についてのご質問でしょうか |
| 論点が混在 | 論点を分けて意図を確認します。 | 機能の有無と、運用方法のご質問でしょうか |
読み上げる前に公開できる内容か確かめる
受け取った質問には、その場で共有できない情報が含まれることがあります。本文を読み上げる前に、公開できる内容と質問者の意向を確かめます。
- 名前以外の情報も見る 顧客名だけでなく、取引の経緯や未公開の計画から、関係する会社や個人が特定されないかを確かめます。
- 他者への影響を確かめる 質問者の許可があっても、他の参加者や取引先の不利益になる内容は読み上げません。
- 言い換えの許可を得る 名前や事情を省いて紹介してよいかを確かめ、判断できなければ個別に扱います。
公開前に確認する内容
| 確認項目 | 進行役の対応 |
|---|---|
| 顧客名や個人名 | 読み上げず、名前を省いても質問が成立するか確かめます。 |
| 未公開の情報 | その場では紹介せず、個別に公開の可否を確かめます。 |
| 相手が分かる事情 | 名前を消しただけで紹介せず、特定される手掛かりも確かめます。 |
| 他者の不利益 | 質問者の許可だけで公開せず、個別に扱います。 |
| 質問者の許可 | 言い換えた内容で紹介してよいか、読み上げる前に確かめます。 |
前提が同じ質問をまとめて答える
似た言葉の質問でも、利用条件によって答えが変わることがあります。公開できる質問の中から、前提と知りたいことが同じものをまとめます。
- 言葉より前提を比べる 同じ機能についての質問でも、利用場面や契約条件が違う場合は分けて扱います。
- まとめた内容を伝える 共通する質問の内容を短く示し、どの利用場面や条件を前提に回答するかを明らかにします。
- 残った違いを補う まとめた回答で質問者の疑問が解消したかを確かめます。個別の条件について疑問が残れば、確認担当が質問者に詳しく聞きます。
質問をまとめる判断
| 場面 | まとめ方 | 注意 |
|---|---|---|
| 同じ機能を聞く | 利用条件と知りたいことが同じならまとめます。 | 機能名だけで同じ質問と判断しません。 |
| 同じ手順を聞く | 開始時点と目的が同じならまとめます。 | 途中の作業が違う場合は分けます。 |
| 表現だけが違う | 同じ意味かを確かめて言い換えます。 | 質問の意図を変えません。 |
| 共通の回答で解消しない | 共通部分の回答後に補足します。 | 個社の事情は個別に確かめます。 |
共通の条件と個社の判断を分けて答える
公開している機能を説明できても、その会社で使えると判断できるとは限りません。講師がその場で説明することと、確認担当が個別に確かめることを分けます。
- 確認済みの条件を示す 公開済みで内容を確認できている機能は、利用条件とともに説明します。
- 個社の事情を切り分ける 社内の承認や既存の運用によって答えが変わる質問は、その場で結論を出しません。
- 判断に必要なことを示す 個別の判断に必要な情報と確認先を示します。確認前に、その会社で利用できるとは伝えません。
その場で答える範囲
| 質問の種類 | その場で答えること | 個別に確かめること |
|---|---|---|
| 公開している機能 | 確認済みの機能と利用条件を説明します。 | 希望する作業を、示した利用条件のもとで行えるかを確かめます。 |
| 提供条件 | 公開済みの対象範囲や制限を示します。 | 質問者の契約に適用される条件を確かめます。 |
| 自社での利用 | 判断に必要な条件を説明します。 | 質問者の会社の業務の進め方と、社内承認が要るかを確かめます。 |
| 個社の成果 | 紹介したサービスで何ができるかを説明します。 | 質問者が期待する成果と、現在の業務の状況を確かめます。 |
確認していないことは推測で答えない
未確認のことを推測で答えると、あとから説明を訂正しなければならなくなることがあります。分かる範囲を伝えたうえで、確認する内容と回答の予定を決めます。
- 分かる範囲を伝える 確認できている事実と、まだ分からない点を分けて伝えます。曖昧な見込みで補いません。
- 確認に必要なことを聞く 調べるために必要な条件を示します。その場で公開できない情報は、個別の窓口で受け付けます。
- 期日と方法を決める 確認先と回答の期日・方法を記録します。回答日を決められない場合は、経過を伝える日を決めます。
回答に必要な情報が未確認のときの答え方
| 場面 | 答え方 | その後の対応 |
|---|---|---|
| 条件が未確認 | その条件で利用できるかは未確認です。 | 条件を記録し、確認先を決めます。 |
| 資料で確認できない | 手元の資料では確認できません | 進行役が確認担当に照会し、質問者に回答予定を伝えます。 |
| 情報が足りない | 判断には現在の運用の確認が必要です。 | 個別の窓口で必要な情報を受け取ります。 |
| 回答日が未定 | 回答日を含めて確認し、経過をご連絡します。 | 経過を伝える期日と方法を決めます。 |
質問が出なくても発言を強いない
質問が出ない理由は、その場では判断できません。発言を求め続けず、質問を考える時間や説明を補う方法を用意します。
- 発言以外の出し方も案内する 質問を考える時間を置き、発言以外の出し方も示します。名指しで質問を求めません。
- 用意した例で補足する 事前に用意した質問の例だと明示し、説明で迷いやすい点を補足します。
- 受け付け先を示して終える 終了後に質問できる窓口を口頭や画面で示し、質問がなくても予定に沿って終了します。
質問が出ないときの進行
| 状況 | すること | しないこと |
|---|---|---|
| まだ質問が出ていない | 考える時間を置くと伝えて待ちます。 | 質問を考える時間に話し続けません。 |
| 発言の希望が出ていない | 文章での質問方法を示します。 | 参加者を名指しして発言を求めません。 |
| 質問が届かない | 用意した質問の例で説明を補います。 | 用意した質問を、参加者から届いた質問として紹介しません。 |
| 終了時刻が近い | 終了後の受け付け先を示して終えます。 | 質問が出るまで延長しません。 |
質問への対応を事前に表へ書く
講師と進行役が口頭で申し合わせるだけでは、当日の対応に食い違いが生じることがあります。自社の言葉で対応表を埋め、講師と進行役で確認します。
- 自社の条件で書く 「必要に応じて」と済ませず、扱うテーマや個別に確かめる条件を具体的に書きます。
- 役割と確認先を書く 整理する役と回答する役に加え、未回答の質問を引き受ける担当も記入します。
- 想定質問で確かめる 想定する質問を表に当てはめ、公開の可否と回答の扱いを決められるか確かめます。
質問への対応表
| 項目 | 自社で決めて記入する内容 |
|---|---|
| テーマと範囲 | 扱うテーマ:/講師が答えられる範囲:/扱わないこと: |
| 質問の出し方 | 使える方法と時間:/匿名の可否と閲覧範囲:/終了後の窓口: |
| 役割と確認先 | 整理する役:/回答する役:/残った質問の確認担当: |
| 公開前の確認 | 伏せる情報:/他者への影響:/質問者の許可の確かめ方: |
| 回答の範囲 | その場で答える範囲:/個別に確かめる範囲: |
| 回答の期日と方法 | 回答期日:/回答方法:/未確定の場合の経過連絡日: |
