確認できた経緯をもとに、連絡を再開するかと伝える内容を決める

過去の営業先への連絡は、手元の記録で確かめられることと確かめられないことを分けるところから始めます。連絡してよいか、何を伝えて何を聞くかを、確認できた範囲で決めます。

  • 記録と確認先を分ける 記録から分かることと分からないことを分け、前任者、商談に同席した社員、営業を依頼した先の誰に確かめるかを決めます。
  • 伝えることと聞くことを決める 相手が以前のやり取りを覚えている前提で話さず、今回の用件と相手に確認する範囲を決めます。
  • 約束と次の対応を記録する 過去の約束や断りを確認し、再開後に分かったことと未確認のことを区別して残します。

経緯の空白を推測で埋めずに確認する

履歴が見つからないことは、やり取りがなかった証拠にはなりません。提案や連絡を進める前に、過去の約束・保留・断りの有無を調べます。

  • 記録の空白を認める 最後の記録から現在までに何があったか分からなければ、商談が続いているとは決めつけません。
  • 前回との食い違いを防ぐ 以前の説明や条件が分からない段階では、今回の提案が前回と同じだとは説明せず、確認が必要な点を残します。
  • 再開できるかを先に調べる 保留や断りがある場合は、提案内容を考える前に、その範囲と再連絡の条件を確かめます。

経緯が不明なときの対応

取りがちな対応起きること防ぎ方
記憶だけで進める前回の説明や条件と食い違うことがあります。記憶と記録を照合し、不明な点を分けます。
同じ提案をする保留事項を残したまま、提案を重ねることがあります。保留の理由と再開の条件を調べます。
履歴なしで連絡する断られた相手に同じ連絡をすることがあります。断りや連絡停止の記録を先に探します。
表は編集部作成の例です。

記録が示す事実と示さない事実を分ける

送信や架電の記録があっても、内容を読んだか、提案に同意したかまでは分かりません。記録の出所と日時を確かめ、読み取れる範囲だけを書き出します。

  • 元の記録を確かめる 管理表の要約だけで判断せず、手紙DMの控えや架電記録、商談記録などの元の内容を確認します。
  • 実施と反応を分ける 送信済みや架電済みという記録を、相手が内容を理解した、関心を示したという意味に広げません。
  • 不明な点を残す 記録がないことと、記録に書かれていないことを区別します。食い違う記録は両方を残して確認します。

記録から読める範囲

記録の種類分かること分からないこと
営業管理表入力された対応日や進捗が分かります。最終更新の後の動きや、根拠の記載がなければ入力の根拠は分かりません。
手紙DMの控え控えに残る宛先と内容が分かります。控えだけでは、発送・到着・閲読は分かりません。
架電記録記載された架電日時や応対結果が分かります。要約から省かれた発言までは分かりません。
フォーム送信内容保存された送信内容が分かります。内容だけでは、送信の完了や閲読は分かりません。
商談記録記載された論点や合意事項が分かります。記録後の変更や、記載のない合意は分かりません。
表は編集部作成の例です。

不明な点ごとに確認できる人を探す

経緯のすべてを知る人が見つからなくても、接点ごとに確かめられる場合があります。不明な点と根拠になりそうな記録を対応させて、確認先を探します。

  • 質問の範囲を絞る 最後の接点、保留の理由、約束の内容など、再開の判断に必要な不明点を具体的にします。
  • 記憶の根拠も聞く 覚えている内容に加え、いつの接点か、裏づける記録があるかを聞き、確かさを区別します。
  • 確認できない点が残った場合の対応を決める 確認先が見つからなければ、不明な点を残します。再開の可否に関わる場合は社内で判断します。

不明点の確認先

確認先聞くこと注意
前任者最後の接点と、約束・保留・断りの有無を聞きます。思い出せる範囲と、記録で確かめた内容を分けます。
社内の同席者同席した商談での発言や、その後の対応を聞きます。直接見聞きした内容か、伝聞かを確かめます。
営業を依頼した先依頼した営業の実施内容と、結果の記録を確認します。依頼した範囲の外まで把握しているとは考えません。
営業責任者条件の承認や、連絡を控える判断があったかを聞きます。過去の判断の確認と、今回の再開判断を分けます。
表は編集部作成の例です。

相手が以前のやり取りを覚えている前提で話さない

過去に連絡した記録があっても、現在の窓口が同じとは限りません。最後の接点を確認したうえで、今回の用件だけでも理解できるように準備します。

  • 最後の接点を確かめる いつ、誰に、どの手段で連絡したかを調べます。最後に連絡した時期が分からない場合は、相手の近況を知っているように話しません。
  • 現在の窓口を確認する 以前の担当者名が残っていても、現在の担当範囲を確認します。担当者が変わっていたら、新しい担当者が以前のやり取りを知っているとは考えません。
  • 今回の用件から進める 相手が覚えていなければ、思い出してもらうことにこだわらず、今回の用件と確認したい点に絞ります。

相手の認識に合わせる対応

場面することしないこと
接点が古い以前連絡した時期を必要に応じて伝えたうえで、今回の用件を説明します。以前の状況が続いていると決めつけません。
窓口が変わった今回の用件を扱う窓口か確認します。前の担当者との話を知っていると考えません。
覚えていない今回の用件を理解するために必要な情報を伝えます。以前のやり取りを何度も説明して、思い出すよう求めません。
表は編集部作成の例です。

伝える事実と相手に聞くことを分ける

再開の連絡では、今回の用件と、確認できている経緯を区別して伝えます。自社で調べるべき履歴を相手に説明してもらわないよう、質問の範囲を決めます。

  • 伝える事実を絞る 前任者から担当を引き継いだこと、確認できた接点、今回の用件を整理します。分からない経緯を推測で補って説明しません。
  • 現在の状況を聞く 今回の用件を扱う窓口か、今その話を進められるかなど、現在の状況を相手に確認します。
  • 社内で調べる範囲を決める 過去の実施内容や社内の承認経緯は自社で調べます。相手への質問は再開判断に必要な点に絞ります。

伝える内容と確認する内容

区分内容注意
担当の変更前任者から担当を引き継いだことと、今回の連絡の役割を伝えます。社内の事情を長く説明しません。
分かっている範囲記録で確かめた接点と内容を必要な範囲で伝えます。不明な経緯を知っているように話しません。
今回の用件今回連絡した目的と、確認したい点を伝えます。以前の提案の続きだと決めつけません。
相手の状況現在の窓口や、用件を進められる状況かを聞きます。過去の履歴全体を説明してもらおうとしません。
自社での調査実施履歴や条件の承認経緯を社内・営業を依頼した先に確認します。自社で調べられることを相手に聞き直しません。
表は編集部作成の例です。

過去の約束は内容と対応状況を確かめる

約束の記録が見つかったら、何を引き受け、どこまで対応したかを確認します。記録がない約束を相手から聞いた場合も、記録の有無だけで否定しません。

  • 約束の範囲を確認する 約束した内容、条件、期限と、実際の対応状況を調べます。記録があるだけで完了扱いにはしません。
  • 相手から聞いた約束を発言として残す 相手から聞いた約束は、相手の発言として記録します。社内で確認できるまで、自社が確認済みの約束とは区別します。
  • 対応できる範囲を決める 過去の約束を守れない場合は理由を調べ、代わりにできることと回答時期を社内で決めます。

約束や保留がある場合の対応

場面すること記録
約束の記録がある内容・条件・期限と対応済みの範囲を確認します。根拠となる記録と、残っている対応を書きます。
記録にない約束相手から内容を聞き、関係者や記録を調べます。聞いた内容と、社内で確認できた内容を分けます。
守れない約束理由と代わりの対応を社内で確認して回答します。回答内容と、相手が了承したかを残します。
保留事項がある保留の理由と、再開に必要な条件を確かめます。条件が満たされたか、不明なままかを残します。
表は編集部作成の例です。

前回の話は照合してから回答する

連絡中に前回の話が出たら、手元の記録と一致するかを確かめます。その場で答えられない内容は、確認してから回答すると伝え、確認先と回答時期を決めます。

  • 一致する範囲を確かめる 似た記録があっても、接点の時期や話題が同じかを確かめます。別の商談の内容を混ぜません。
  • 不明な話に同意しない 記録がない内容は、必要な点を聞いて残します。知っていたように応じたり、誤りだと決めつけたりしません。
  • 確認後の回答を決める 社内の確認先を決め、回答時期と連絡手段を相手と確認します。調査が終わらない場合も経過を伝えます。

前回の話が出た場面の対応

場面することしないこと
記録と一致する同じ接点の話だと確かめ、確認できた範囲で答えます。記録にない条件まで同意済みとして扱いません。
記録にない話題や時期など、社内確認に必要な点を聞きます。記録がないという理由だけで否定しません。
記録と食い違う食い違う点を残し、元の記録を調べ、関係者に当時の状況を聞きます。どちらが正しいかをその場で決めつけません。
確認が必要になる回答時期と連絡手段を確認し、調べてから答えます。確認できる見込みのない期限を約束しません。
表は編集部作成の例です。

断りの範囲と相手の意向を確かめて再連絡の可否を決める

断りの記録がある場合は、提案への断りか、今後の連絡を望まない意向かを確認します。時間が経ったことだけを、連絡を再開する理由にしません。

  • 断りの対象を確かめる 何を断られたのか、今後の連絡について希望があったかを調べます。短い結果欄だけで判断しません。
  • 不明なら連絡を保留する 断りの範囲が分からなければ、元の記録を調べ、対応した人に当時の状況を聞きます。分からないことを連絡可能と扱いません。
  • 再連絡の時期と条件を区別する 再連絡の時期を決める際は、相手が示した時期や条件を根拠にします。連絡停止の希望があれば再開を控えます。

断りの記録から判断する対応

場面すること注意
提案を断られた相手が提案のどの部分を断ったのかと、今後の連絡への意向を調べます。別の提案なら連絡できるとは決めつけません。
理由が分からない元の応対記録や、対応した人に確認します。理由を聞くためだけに相手へ再連絡しません。
時期の指定がある指定された時期と、再連絡の条件を確認します。時期が来ても、提案への同意とは扱いません。
連絡停止の希望再開を控え、社内と必要な営業を依頼した先へ共有します。担当や連絡手段を変えて同じ営業を続けません。
表は編集部作成の例です。

確認できたことと未確認のことを残す

再開後は、分かった経緯を出所とともに記録します。相手から聞いた内容と、記録で裏づけられた内容を分け、次に確認することまで残します。

  • 出所を添えて記録する 誰からいつ聞いたか、どの記録で確認したかを添えます。記憶や伝聞を、裏づけのある事実と混ぜません。
  • 未確認の内容を残す 不明な点は空欄にせず、何が未確認かを書きます。確認先がない場合も、その状態を残します。
  • 次の対応まで書く 回答する人、時期、確認する内容を記録します。連絡を控える場合は、理由と範囲も明記します。

再開後に残す記録

記録項目書くこと
今回の接点連絡日時、手段、応対した人と、今回確認した用件を書きます。
確認できたこと確かめた経緯と、根拠となる記録、情報を聞いた相手の名前を書きます。
相手から聞いた話聞いた経緯と日時を書き、社内での確認状況を添えます。
未確認のこと不明な点、食い違う内容、確認先と調査の状況を書きます。
約束・保留・断り内容、条件、対応状況と、再連絡への意向を書きます。
次の対応確認・回答する人と時期、連絡手段、連絡を控える範囲を書きます。
表は編集部作成の例です。

確認表を書いて再開の可否を決める

営業先ごとに、分かることと未確認のことを書き分けます。約束や断りの扱いが決まらない場合は連絡を保留し、先に調べる内容を明記します。

  • 根拠と不明点を書く 参照した記録と確認先を書きます。調べても分からなかったことは、未確認と明記します。
  • 再開するか保留するかと理由を書く 伝える内容と聞く内容に加え、約束・保留・断りを踏まえて、再開するか保留するかと、その理由を書きます。
  • 連絡後に追記する 相手から聞いた経緯と新たに確認できたことを追記します。未確認の項目は消さず、確認状況を更新します。

再開前後の確認表

確認項目記入する内容記入欄
記録の確認記録から分かること、根拠、分からないことを分けて書きます。分かること:/根拠:/分からないこと:
確認先前任者・社内・営業を依頼した先など、確認できる人と聞く内容を書きます。確認先:/聞く内容:/確認状況:
再開の連絡伝えること、相手に聞くこと、自社で調べることを書きます。伝えること:/聞くこと:/自社で調べること:
約束と保留事項約束や保留の内容と根拠、対応状況、回答する人と時期を書きます。内容・根拠:/対応状況:/回答する人・時期:
前回の話と断り前回の話で不明な点の確認先、断りの範囲、再開の可否と理由を書きます。確認先:/断りの範囲:/再開・保留と理由:
再開後の記録分かったこと、相手から聞いた経緯、未確認事項、次の対応を書きます。分かったこと:/聞いた経緯:/未確認:/次の対応:
表は編集部作成の例です。