略称を記録するには指す対象を本人に確かめる必要がある

商談中に聞いた略称は、意味が分かったつもりでも後から読み解けないことがあります。発言した本人に対象を確かめ、別の担当者にも伝わる形で残します。

  • 確かめる対象を決める 略称が指す部署・作業・書類・商品・人と、その範囲を本人に確かめます。
  • 対応表の残し方を決める 相手の呼び方と自社の呼び方を並べ、部署や時期で意味が違う場合はその条件と、誰に確かめたかを残します。
  • 記録の使い方を決める 文書で使う名称、社内への渡し方、意味が変わったときの直し方を決めます。

聞き覚えのある略称も同じ意味とは限らない

自社で使う言葉に似ていても、相手の会社では別の対象を指す場合があります。聞き覚えだけで意味を決めると、違う対象の話として進むおそれがあります。

  • 聞き流さずに印を付ける 意味が不明な略称には未確認の印を付け、確認が必要な箇所を残します。
  • 似た言葉と区別する 自社の用語と似ていても、同じ部署や作業を指すとは決め付けません。
  • 略称だけで残さない 記憶を頼りに意味を補わず、確かめた対象を略称と一緒に記録します。

略称を聞いたときの場面と対応

場面起こり得ることすること
初めて聞く対象が不明なまま話が進みます。未確認の印を付け、確認する時点を決めます。
似た言葉がある自社の用語の意味に置き換えてしまいます。相手が指している対象を確かめます。
後から読む略称だけでは対象を特定できません。確認済みの対象を併記します。
表は編集部作成の例です。

略さない呼び方が分かっても対象の範囲まで分かるとは限らない

略さない呼び方が分かっても、対象の範囲まで分かるとは限りません。発言した本人に、何を指し、どこまでを含むか確かめます。

  • 対象の種類を見極める 部署・作業・書類・商品・人のどれを指すのかを整理します。
  • 対象の範囲を確かめる 部署全体か一部の係かなど、呼び方だけでは分からない範囲を確かめます。
  • 発言者の認識を残す 誰が何を指して使ったかを記録し、会社全体で同じ意味だとは扱いません。

対象の種類ごとに残す情報

対象の種類確かめること記録
部署組織上の名称と担当範囲を確かめます。名称と、部署全体か一部かを残します。
作業作業の内容と、どの工程からどの工程までを指すかを確かめます。何をどこまで行う作業かを残します。
書類書類名と用途、使っている版を確かめます。書類名と用途、版を残します。
商品商品名と型式を確かめ、仕様が異なる商品も同じ略称に含むかを確かめます。対象の商品を区別できる名称を残します。
人個人の呼び名か役割の呼び名かを確かめます。氏名または役割と所属を残します。
表は編集部作成の例です。

呼び方の対応表には相手の呼び方が指す対象の欄が要る

相手の略称を自社の呼び方に置き換えるだけでは、意味の違いが隠れます。相手の呼び方と自社の呼び方の間に、指す対象の欄を置き、確認できた範囲で対応させます。

  • 相手の呼び方を残す 聞いた略称をそのまま残し、後から商談記録の表記と照合できるようにします。
  • 対象を具体的に書く 部署名や作業範囲など、呼び方が指す対象を特定できる情報を書きます。
  • 無理に対応させない 自社に同じ対象を指す呼び方がなければ、該当なしと記し、対象の説明をそのまま使います。

相手の呼び方と自社の呼び方の対応

相手の呼び方指す対象自社での呼び方
アオ係営業企画部で相談を受け付ける係を指します。相談受付窓口と呼びます。
ミドリ票試作品の確認結果を記入する書類を指します。試作確認書と呼びます。
シロ作業出荷前に付属品の有無を確認する作業を指します。該当なし。対象の説明を使います。
表は編集部作成の例です。呼び方・対象・対応関係はすべて架空です。

同じ略称でも部署や時期で指す対象が違う場合がある

同じ会社の同じ略称でも、部署や使う時期によって別の対象を指す場合があります。略称だけでまとめず、意味が分かれる条件ごとに記録を分けます。

  • 部署ごとに分ける 同じ呼び方が出ても、別の部署では同じ対象を指すか改めて確かめます。
  • 時期ごとに分ける 旧組織と新組織など、使われた時期で対象が違う場合は期間を添えます。
  • 発言者ごとに分ける 人によって意味が違う場合は、発言者を添えた別の行として残します。

同じ略称の意味を分ける条件

場面見分け方記録
部署が違う発言者の所属と指す対象を確かめます。部署名を添え、対象ごとに行を分けます。
時期が違う変更前後の対象と切り替わった時期を確かめます。使用期間を添え、旧来の意味も残します。
人が違うそれぞれの発言者が指す対象を確かめます。発言者を添え、意味ごとに行を分けます。
表は編集部作成の例です。

確認の時点は判断と文書作成への影響で決まる

その場で決める内容に関わる略称は、意味が不明なまま扱えません。会話の区切りや商談後を選びつつ、必要な判断より前に確認します。

  • 判断の前に確かめる 対象の違いで提案や約束が変わる場合は、会話の区切りで確認します。
  • 商談後に整理する その場の判断に影響しない略称は、商談後に未確認の略称を一覧にして確かめます。
  • 持ち越す条件を決める 次回まで判断や文書作成に使わないものだけを持ち越し、未確認と記します。

確認する場面の選び方

場面確かめ方の方針注意
会話の区切り直後の判断に関わる対象を確かめます。対象が不明なまま合意しません。
商談後のまとめ未確認の略称を一覧にして確かめます。返答があるまでは未確認として扱います。
次回の冒頭持ち越した略称の対象を先に確かめます。次回より前に使う必要が出たら確認を早めます。
表は編集部作成の例です。

会話の略称が文書でも通じるとは限らない

提案書や申込書は、商談に参加していない人にも読まれます。確認済みの正式な名称を使い、略称や自社の呼び方を使う必要がある場合は本人に確かめます。

  • 正式な名称を使う 確認した部署名・書類名・商品名を使い、読み手が対象を特定できるようにします。
  • 不明な名称を補わない 正式な名称が不明なら推測で展開せず、文書で使う名称を本人に確かめます。
  • 自社の呼び方を添える 自社の商品名などを併記する必要があれば、相手の略称が指す対象と自社の商品名との対応を明記します。

文書に記載する名称の判断

文書使う名称確かめること
提案書対象部署や作業の確認済みの名称を使います。提案を読む人が同じ対象を特定できるか確かめます。
申込書確認した商品名や作業名、仕様を記します。申込の対象と範囲に食い違いがないか確かめます。
添付資料本文と対応する確認済みの名称を使います。添付する資料の名称と版が、相手の略称が指す書類の名称と版に一致するか確かめます。
表は編集部作成の例です。

対応表を渡すには参照先と更新の担当が要る

対応表を渡しても、保管場所や更新する人が分からなければ、古い意味のまま使われるおそれがあります。商談記録と一緒に参照先を伝え、修正を集める担当を決めます。

  • 使う人に渡す 後任や提案書を作る人など、相手の略称を読む必要がある人に共有します。
  • 参照先を明示する 商談記録から対応表を開けるようにし、写しを渡す場合は元の保管先も示します。
  • 更新担当を決める 新しい意味や誤りを見つけたときの連絡先と、対応表を直す担当を決めます。

共有する相手と渡す情報

渡す相手渡すもの注意
後任の営業対応表と、関連する商談記録を渡します。未確認の略称と確認予定も伝えます。
提案書の作成担当対応表と、文書で使う名称を渡します。会話の略称をそのまま転記しないよう伝えます。
商談の同席者対応表の参照先を渡します。別の意味を聞いた場合の連絡先も伝えます。
更新担当確認の根拠と共有先の一覧を渡します。変更後に知らせる相手を把握できるようにします。
表は編集部作成の例です。

意味が変わっても過去の意味を残して直す必要がある

組織や書類が変わると、同じ略称が別の対象を指す場合があります。新しい意味だけに上書きせず、過去の商談時点の意味も読み取れる形で直します。

  • 変更の兆しを拾う 組織変更、書類の改定、相手の交代があったら、略称の対象も確かめ直します。
  • 旧来の意味を残す 以前の行には使われていた期間を添え、新しい対象は別の行に記録します。
  • 変更を共有先へ伝える 変わった対象と使い始める時期を知らせ、作成中の文書への影響も確認します。

変化に応じた対応表の更新

変化確かめること対応表の直し方
組織変更新しい部署名と担当範囲、変更時期を確かめます。旧部署の行に期間を添え、新部署の行を追加します。
書類の改定書類名や用途、版の変更を確かめます。旧版の行に使用期間を添え、新版の対象と使い始める時期を別の行に追加します。
相手の交代後任も同じ対象を指して使うか確かめます。確認した相手と日を更新し、意味が違えば行を分けます。
表は編集部作成の例です。変更時期が不明な場合は、その旨を記します。

初出に対象を添えなければ略称の取り違えが残る

対応表があっても、商談記録に略称だけが書かれていると、読む人は対象を対応表で探す必要があります。その記録で初めて出る箇所に対象を添え、詳しい確認情報は対応表を参照します。

  • 初出に対象を添える 各商談記録で初めて略称を書く箇所に、確認済みの対象を短く添えます。
  • 対応する行を示す 対応表の参照先に加え、部署や使用時期など、該当する行が分かる条件も記します。
  • 未確認を明示する 未確認の略称には推測した意味を付けず、確認する相手と予定を添えます。

略称が出る箇所への注釈

記録の場面書き方注意
記録内の初出略称の直後に、確認した対象を括弧で添えます。注釈はその商談時点の意味にします。
対応表を参照保管先と、該当する行を選べる条件を記します。同じ略称の別の行と混同させません。
未確認の略称未確認と明記し、確認する相手と予定を添えます。推測した正式名称を記入しません。
表は編集部作成の例です。

対応表には対象と確かめた相手・日と参照先の記録が要る

相手の会社ごとに対応表を作り、略称と確認した対象を記入します。同じ略称に別の意味がある場合は行を分け、使われる部署や時期も残します。

  • 確認できた範囲を書く 不明な欄は未確認と記します。対象欄には、その意味を使う部署や時期も添えます。
  • 確認の根拠を残す 確かめた相手と日を記し、確認内容が残る商談記録の参照先を共有先と参照先の欄に添えます。
  • 共有と更新を決める 文書で使う名称、共有先、更新の担当を記入し、変更時に知らせる相手を明らかにします。

相手の略称を記録する対応表

相手の呼び方指す対象(部署・時期)自社の呼び方確かめた相手と日別の意味の行文書で使う名称共有先と参照先更新の担当
シートは編集部作成の例です。別の意味がある場合は行を分け、別の意味の行の欄に、その行を見分ける部署や時期を書きます。