受け取る前に資料の扱いを決める

提案のために社内資料を見せてもらうときは、使う目的と必要な範囲を先に伝えます。受け取り方から提案後の扱いまで、顧客と確認してから受領します。

  • 使う範囲を決める 提案に使う目的と必要な資料を伝え、顧客が示す利用条件を確かめます。
  • 受け取り方を決める 受け取る手段と保存先を決め、社内で共有してよい相手を顧客と確かめます。
  • 提案後の扱いを決める 資料の使い方を記録する項目と、使用後の保管・返却・削除の方針を決め、営業管理表に残します。

受け取る前に使う目的と範囲を伝える

「提案の参考にしたい」だけでは、必要な資料の範囲が伝わりません。提案のどの部分を考えるために、何を見たいのかを具体的に伝えます。

  • 使う部分を伝える 現状の整理や改善案の検討など、提案のどの部分に資料を使うかを伝えます。
  • 必要な範囲を絞る 確認したい項目や対象期間を示し、必要なページや抜粋だけを顧客に依頼します。
  • 不要な資料を断る 関連資料もまとめて渡すと言われたら、目的に照らして受け取る範囲を絞ります。

受領前に伝える内容

伝えること内容受け取らないもの
使う目的業務の流れを整理し、改善案を考えます。検討対象と関係のない資料は受け取りません。
必要な資料対象業務の手順と作業項目が分かる資料を、改善案の検討に使うと伝えます。別の業務の資料は受け取りません。
必要な範囲確認したい項目と対象期間を伝えます。対象外の項目や期間の情報は受け取りません。
抜粋の依頼必要なページだけをお願いします。抜粋で足りる場合は資料全体を受け取りません。
表は編集部作成の例です。実際の相談内容に合わせて書き換えます。

顧客が示す利用条件を確かめる

資料を送ってもらえることと、自由に使えることは別です。共有できる相手や使用後の扱いを確認し、条件が示されていなければ自社から尋ねます。

  • 共有の条件を聞く 社外への共有可否と、社内で見てよい人の範囲を分けて確認します。
  • 使用後の扱いを聞く 使用後も自社で保管してよいか、顧客が返却や削除を希望するかを受領前に確かめます。
  • 不明な条件を尋ねる 条件の記載がなくても、自由に使えるとは判断せず、顧客から得た回答を営業管理表に記録します。

顧客に確かめる利用条件

確かめる条件顧客に聞くこと記録すること
利用目的今回の提案の検討に使ってよいですか。認められた目的と範囲を残します。
社外への共有社外への共有は認められますか。共有可否と、認められた相手を残します。
社内の閲覧この提案に関わる人のうち、誰が資料を見てよいですか。閲覧できる人の範囲を残します。
使用後の扱い提案後に原本と写しをそれぞれどう扱えばよいですか。扱いと実施する時点を残します。
条件の不足(不明な条件を具体的に)提案が終わった後も保管してよいですか。確認日と回答者、回答内容を残します。
表は編集部作成の例です。回答が得られていない条件は、未確認と記録します。

受け取り方と保存先を先に決める

受け取る手段だけでなく、保存する場所と閲覧できる人まで決めます。顧客が示す利用条件と社内の情報管理の手順に沿って、受領の準備をします。

  • 受領手段を決める 顧客と自社の双方で使える受け取り方を確認し、受領する窓口を伝えます。
  • 保存先を決める 顧客の利用条件と社内の情報管理の手順に従い、閲覧できる人を絞った保存先を用意します。保存先以外に写しを残さない扱いにします。
  • 受領したと伝える 資料名と受領した事実を顧客へ連絡します。届いた資料が依頼した範囲と違えば確かめます。

受領から保存までの決め事

場面決めること注意
受け取る前手段と受領する窓口を決めます。顧客の条件に合う手段かを確認します。
保存するとき受領前に決めた保存先と閲覧できる人の設定を確かめます。関係のない人が開けない設定を確認します。
写しが残るとき端末やメールに残る写しの扱いを決めます。社内の手順に沿って不要な写しを削除します。
受領したとき資料名を添えて顧客へ連絡します。想定外の資料は利用を進めず確認します。
表は編集部作成の例です。受け取り方は社内の情報管理の手順も確認して決めます。

共有してよい相手を顧客と確かめる

社内の人でも、資料を見てよいとは限りません。提案に関わる人のうち、資料を見る必要がある相手を挙げ、顧客と共有範囲を確認します。

  • 必要な人に絞る 役職や所属だけで広く共有せず、その人が提案で担う役割と、資料を見る理由を確かめます。
  • 共有先を伝える 氏名や部署・役割など、共有相手が分かる形で顧客に伝えます。
  • 追加前に確認する 別の人にも見せる必要が生じたら、共有する前に顧客へ再確認します。

共有相手ごとの確認

共有先の例顧客への確認共有の方法
提案を作る人提案作成のために閲覧してよいかを聞きます。顧客が認めた人に限り、保存先の閲覧を認めます。
見積もる人見積もりに必要な部分を見せてよいかを聞きます。必要な箇所に絞って共有します。
内容を確認する人提案の確認のために閲覧してよいかを聞きます。認められた範囲だけを共有します。
追加で関わる人役割と閲覧が必要な理由を伝えて確認します。顧客が認めた場合に限り、閲覧できる設定にします。
表は編集部作成の例です。部署全体への共有が認められたかどうかも確認します。

資料を提案にどう使ったかを記録する

資料を読んだ後は、どの箇所を何の検討に使ったかを残します。提案に載せる内容と、検討の参考にしただけの内容を分けて記録します。

  • 使った箇所を残す 参照した資料名と箇所、提案への使い方を記録します。提案に載せた内容と、参考にしただけの内容を分けます。
  • 数字の掲載を確認する 資料の数字を提案に載せるときは、掲載する箇所と見せる相手を顧客に確認します。
  • 他社向けに転用しない 今回の提案で受け取った資料を、他社向けの事例や提案に使いません。今回の提案に限る扱いを記録します。

資料の使い方と記録

使い方確かめること記録すること
検討に使う確認済みの利用目的に含まれるかを確かめます。参照箇所と、検討した内容を残します。
数字を載せる掲載内容と提案を見せる相手を確認します。元の箇所、掲載先、顧客の回答を残します。
図や文を載せる転載や要約をしてよいかを確認します。元の箇所と、提案での表し方を残します。
参考にしただけ確認済みの利用目的に含まれるかを確かめます。参照した箇所と、提案には載せていないことを残します。
他社向けの利用今回の利用条件を他社向けに広げないと社内で確かめます。今回の提案に限る扱いを記録します。
表は編集部作成の例です。利用の記録に、元資料の内容を必要以上に写さないようにします。

提案に不要な第三者の情報は受け取らない

業務資料には、顧客の取引先や従業員の情報が含まれることがあります。提案に必要な情報を確かめ、不要な部分を除いた資料を顧客に依頼します。

  • 不要な情報を除く 氏名や連絡先などが提案に要らなければ、除いた資料や要約での共有をお願いします。
  • 閲覧を進めず確認する 想定外の第三者の情報に気づいたら、その資料の閲覧や社内共有を止めて、扱いを顧客に確かめます。
  • 必要性を確かめる 検討に必要な場合も、使ってよい範囲を確認してから扱います。

第三者の情報が含まれる場合の扱い

含まれる情報の例扱い顧客への確認
取引先の情報名前が不要なら、伏せた資料をお願いします。取引先を特定しない形で検討できるかを聞きます。
従業員の情報個人別の情報が不要なら、集計をお願いします。氏名や連絡先を除いて共有できるかを聞きます。
添付や別シート対象外の部分は開かず、扱いを確認します。必要な部分だけの資料に差し替えられるかを聞きます。
想定外の情報気づいた箇所の閲覧や共有を止めます。差し替えと、受領済み資料の扱いを聞きます。
表は編集部作成の例です。第三者の情報を確認の連絡文にそのまま転記しないようにします。

提案後の保管・返却・削除を顧客と決める

受領前に、提案終了の判断基準と使用後の扱いを顧客と決めておきます。提案終了時には変更がないかを確かめ、保管を続ける場合も目的と見直す時点を決めて記録します。

  • 終了の時点を決める 提案の採否が決まったときや相談を終えるときなど、扱いを確認する時点を顧客と決めます。
  • 写しの扱いも決める 原本を返却する場合も、社内に写しや提案資料への転載内容が残っていないかを確かめ、その扱いも決めます。
  • 実施担当と確認担当を決める 返却・削除の実施担当者と確認担当者を事前に決めます。確認担当者が実施状況を確かめ、実施した内容と保管を続けるものを顧客へ連絡します。

返却・削除を進める流れ

  1. 提案を終了する
  2. 受領前に決めた扱いに変更がないか顧客と確かめる
  3. 実施担当者が返却または削除する
  4. 確認担当者が実施状況を確かめる
  5. 実施した内容を顧客へ連絡する
保管を続ける資料は、顧客と確認した目的・保存先・扱いを見直す時点を記録します。

条件に合わない資料は受け取りを見送る

提案に不要な資料や、自社で管理できない資料は、受け取らない判断もできます。確認したい内容を絞り、口頭で説明してもらうか、必要な情報だけをまとめた資料にできるかを相談します。

  • 必要性で判断する 資料がなくても提案を検討できるなら、受領を見送り、必要な点だけを尋ねます。
  • 管理できるかを見る 利用条件を守れない場合や、保存先・閲覧範囲を管理できない場合は、受領を見送ります。
  • 代わりの方法を選ぶ 口頭で説明してもらうか、必要な情報だけをまとめた資料にしてもらうかを相談し、その内容を記録してよいかも確かめます。

受け取りを見送る判断

場面判断代わりの方法
提案に要らない受領を見送ります。提案に必要な点だけを口頭で聞きます。
利用条件が合わない条件が合うまで受領しません。条件内で共有できる、必要な情報だけをまとめた資料を相談します。
管理する体制がない管理方法を用意できるまで受領しません。資料を受け取らず説明を聞く方法を相談します。
不要な情報が多い資料全体の受領を見送ります。不要な情報を除いた抜粋をお願いします。
表は編集部作成の例です。口頭や要約でも、顧客が示す利用条件を確認します。

受領と利用の記録を営業管理表に残す

受領した事実だけでは、誰が何に使い、今どこにあるかを確認できません。利用条件から返却・削除までを営業管理表に記録し、状況が変わるたびに更新します。

  • 資料ごとに記録する 受領日、資料名、受け取り方を残し、どの資料についての記録かが分かるようにします。
  • 利用の経緯を残す 利用条件と共有先、使った箇所と参考にしただけの箇所を記録します。顧客の回答も参照できるようにします。
  • 完了まで更新する 保管・返却・削除の状況と確認者、顧客への連絡を記録し、未対応の内容も残します。

営業管理表に残す項目

記録項目書くこと
受領の内容受領日、資料名、受け取り方、受領した人を記録します。
利用条件利用目的、条件、確認日、顧客の回答者と回答の参照先を残します。
保存先と共有先保存先と、顧客が認めた共有先、実際に共有した相手を記録します。
使用箇所使った箇所と提案での用途、参考にしただけの箇所、提案への掲載について顧客から得た回答を残します。
保管・返却・削除保管の条件や、返却・削除の対象、実施日、未対応の内容を記録します。
確認と連絡確認者と確認日、顧客へ連絡した内容と日付を記録します。
表は編集部作成の例です。営業管理表にも閲覧範囲を設け、資料そのものの添付は控えます。

受領前の決め事を自社のメモに書く

次に受け取る予定の資料を思い浮かべて、顧客と確認する内容を書きます。受領前の決め事と、利用後に記録する内容を分けて準備します。

  • 具体的に書く 資料名や共有する相手、保存先を書き、受け取るときに判断に迷わないようにします。
  • 未確認の点を残す 決まっていない欄には、顧客に聞くことと確認する人を書きます。
  • 利用後の記録を決める 使い方と返却・削除を、誰がどこに記録し、誰が確認するかを決めます。

顧客の資料を受け取る前に決めるメモ

確認する項目社内で決めた内容と顧客に確認した内容
使う目的と範囲提案のに使います。を受け取り、は受け取りません。
利用条件の確認顧客にを確認します。回答をに残します。
受領・保存・共有で受け取り、に保存します。への共有を顧客と確認します。
利用と第三者情報使った箇所をに記録します。第三者の情報は顧客にを確認し、の範囲で扱います。
保管・返却・削除の時点で扱いを顧客と確認します。が実施し、が確認して連絡します。
営業管理表の記録が受領と利用の記録を入力します。状況が変わったらが更新します。
表は編集部作成の例です。空欄や未確認の条件を確かめてから、受領するかを判断します。