文章で進める商談は、質問と確認表で管理する

メールなどの文章で進めたいと言われたら、文章で検討できる進め方を決めます。質問と回答、双方が合意した内容、まだ決まっていない内容を一覧にした確認表で商談の状況を管理します。

  • この資料で決まること 文章で進める希望を尊重し、相手の質問と自社の回答を対応させて記録する方法を決めます。
  • 未回答の扱いを決める 答えられない質問の残し方と、確認先・回答予定の伝え方を決めます。
  • 再開と担当変更に備える 商談を再開するときや担当が変わるときに、未回答の質問と次の対応が分かる記録方法を決めます。

質問と回答の対応を明らかにする

文章の往復では、どの質問に答えたのかが見えないと読み直す負担が増えます。質問と回答の対応、未回答、合意の状態を分けて示します。

  • 回答の対象を示す 何についての回答かを、質問の番号と内容で示します。前の文章を探さなくても分かる形にします。
  • 未回答を見える形にする 回答できた項目だけを並べず、答えられていない質問も残します。
  • 確認の状態を分ける 提案しただけの内容と、双方が合意した内容を区別します。送っただけで合意済みにはしません。

文章の往復で起きる行き違い

起きること相手に起きること防ぎ方
回答の対象が分からない相手が、どの質問に対する回答なのかを判断できません。質問の番号ごとに回答を記載します。
未回答が埋もれる回答待ちなのか、見落としなのか判断できません。未回答と明記し、確認先と回答予定を添えます。
合意の状態が混ざる提案を決定事項として読んでしまうおそれがあります。合意済みと未確定を別の欄に記載します。
表は編集部作成の例です。

文章で進める希望を尊重する

文章でのやり取りを希望されたら、その方法で検討を始めます。説明が難しい内容が出たときに、相手の都合に合わせて補い方を提案します。

  • 希望する方法で始める 打ち合わせへの参加を、回答や検討の条件にしません。文章で答えられる内容から進めます。
  • 不足が出たら提案する 文章だけでは説明しにくい点を特定してから、図や資料、打ち合わせで補う方法を提案します。
  • 相手の都合で調整する 補い方や検討の時期は相手の希望を確認します。打ち合わせを断られたら、文章で進める方法を考えます。

希望を尊重した進め方

場面することしないこと
文章を希望された文章で検討できる情報と質問を整理します。打ち合わせを繰り返し求めません。
説明が難しくなる説明しにくい点と、補う方法を示します。理由を示さず日程調整を始めません。
打ち合わせを断られた文章で続けるために必要な資料を検討します。打ち合わせへの参加を条件にしません。
検討を待ってほしい再開できる条件や連絡の希望を確認します。自社の都合で回答を急がせません。
表は編集部作成の例です。

質問に番号を付けて個別に答える

相手の質問に番号を付け、対応する回答をそれぞれの下に置きます。自社からの質問は回答と分け、相手の質問と区別できる番号を付けて管理します。

  • 一通の用件を決める 一通で扱う用件を決め、別件を混ぜません。同じ用件に関する質問は、項目ごとに分けます。
  • 相手の質問ごとに答える 質問の意味を変えずに番号を付け、その順に答えます。既に番号があれば引き継ぎます。
  • 自社の質問も番号で示す 回答を求める項目は、回答欄と分けて質問元が分かる番号を付けます。追加した質問で既存の番号を変えません。

質問と回答を対応させる方法

避けること代わりにすること理由
別件を混ぜる用件を分けて送ります。何について返答が必要か分かるようにします。
まとめて答える質問ごとに番号を付けて回答します。回答の対象と回答漏れを確認しやすくします。
要約で条件を落とす要約しても相手が示した条件と意図を変えず、意味が分からない箇所は相手に確認します。質問の意図と回答のずれを防ぎます。
回答に質問を混ぜる自社の質問を別の欄に記載します。相手が答える項目を明らかにします。
番号を振り直す同じ質問には同じ番号を使います。以前の回答や記録をたどれるようにします。
表は編集部作成の例です。

答えられない質問は未回答と明記する

答えがそろわなくても、回答できる項目は先に伝えます。答えられない項目には未回答と書き、確認先と回答予定を添えます。

  • 未回答と明記する 質問を削除せず、未回答として残します。一部だけ答えた場合は、答えていない範囲を示します。
  • 確認先と予定を添える 確認する部署や担当と、回答できる見込みの時期を記載します。予定が立たなければ、見通しを伝える時期を示します。
  • 推測で回答を埋めない 確認できた事実だけを回答します。予定が変わったら、変更理由と新しい予定を伝えます。

答えられない質問の残し方

場面書くこと注意
社内確認が必要未回答であること、確認先、回答予定を書きます。確認前の見込みを確定した回答として書きません。
一部だけ答えられる回答できた範囲と、未回答の範囲を分けます。質問全体を回答済みとして扱いません。
予定が立たない未回答の理由、確認先、見通しを伝える時期を書きます。確認先に見通しを確かめずに回答時期を約束しません。
予定が変わる変更理由と新しい予定を書きます。以前の予定と変更理由を履歴に残し、現在の予定を新しい時期に更新します。
表は編集部作成の例です。

合意済みと未確定を分けて更新する

双方が返答で同意を確かめた内容は合意済みとし、回答待ちや提案中の内容は未確定に残します。相手が読んだことだけでは合意済みにしません。文章を往復するたびに見直し、最新版を共有します。

  • 合意の根拠を残す 双方が同じ条件や進め方に同意したことを示す返答を保存し、保存先を確認表に記載します。自社から送っただけの内容は未確定のままにします。
  • 未確定の理由を書く 回答待ち、社内検討中など、まだ決まらない理由を添えます。次に誰が何を確認するかも残します。
  • 最新版を共有する 更新日と変更箇所を示して共有します。以前の内容を変更するときは、改めて双方で確認します。

合意の状態と更新方法

区分内容更新のしかた
合意済み双方が同意を確かめた条件や進め方を記載します。確認した日付と返答の保存先を添えます。
未確定回答待ちや検討中の内容を記載します。未確定の理由、確認する人、次の行動を更新します。
未確定(変更案)合意済みの内容に対する変更案は、未確定の欄に記載します。現在の合意内容と分け、再確認後に反映します。
表の管理情報更新日と変更箇所を、内容とは別の欄に記載します。往復のたびに見直し、共有した版を記録します。
表は編集部作成の例です。

文章で伝わりにくい内容は図や資料で補う

工程の関係や画面上の操作は、文章だけでは相手と自社が異なる意味に受け取ることがあります。伝わりにくい箇所に合わせて図や資料を使い、必要なら打ち合わせを提案します。

  • 分かりにくい点を特定する どの質問の、何が相手に伝わっていないかを確認します。説明を増やす前に、補う対象を絞ります。
  • 図や資料を質問に対応させる 質問の番号と、参照する図や資料の箇所を示します。資料を見た後に確認したい点も明らかにします。
  • 提案の理由を示す 画面共有や打ち合わせは、解消したい疑問を添えて提案します。実施した場合も確認内容を文章に残します。

内容に合わせた説明の補い方

内容の種類補い方注意
工程や役割の関係流れを図にし、各工程の担当を示します。未確定の工程や役割を明記します。
条件による違い条件ごとの違いを比較表で示します。比較の前提や対象外の条件も書きます。
画面上の操作画面の画像で補います。相手が希望すれば画面共有も使います。見せる範囲を確認し、無関係な情報を隠します。
前提の認識が違う確認したい論点を示し、打ち合わせを提案します。参加を前提にせず、文章での継続も選べるようにします。
表は編集部作成の例です。

返答が途切れたら未回答の項目を整理する

返答がないだけでは、検討の中止や内容への了承は判断できません。未回答の項目を整理し、返答できる状況か、いったん保留するかを確認します。

  • 回答待ちを答える側で分ける 回答待ちの項目を、自社が答えるものと相手に答えてもらうものに分けます。自社の未回答を放置したまま、相手に回答を求めません。
  • 相手の事情を確認する 検討を続けられる状況か、時期を改めたいかを確認します。返答を妨げる不明点があれば整理します。
  • 催促を重ねず保留する 返答がなければ同じ催促を重ねず、保留として記録します。再開の条件や連絡の希望が分かれば残します。

返答が途切れたときの対応

場面することしないこと
相手の回答待ちが残る未回答の番号と、答えてほしい内容を整理して送ります。過去の質問を整理せず送り直しません。
自社も未回答自社の回答や確認状況を先に伝えます。相手への催促だけを送りません。
検討を進められない事情と、保留や再開についての希望を確認します。説明や返答を無理に求めません。
尋ねても返答がない保留と記録し、最後に送った連絡の内容と日付を残します。催促を重ねたり、了承したと扱ったりしません。
表は編集部作成の例です。

文章の往復と確認表を営業管理表に残す

文章が個人の受信箱にあるだけでは、商談がどこまで進んだかを他の人が把握できません。営業管理表にやり取りの要点と保存先を記録し、確認表の最新版と次の行動を残します。

  • 往復の要点を記録する 送受信の日時、相手、用件、質問の番号を残します。何に答え、何が残ったかを短く記録します。
  • 最新版の保存先を書く 確認表の更新日と保存先を記載します。やり取りの原文も、必要な人が確認できる場所に保存します。
  • 次の行動を記録する 次に対応する人、送るもの、予定や再開条件を書きます。返答待ちと自社の作業待ちを区別します。

営業管理表に残す項目

記録項目書くこと
送受信の情報送受信の日時、相手、自社の対応者、用件を書きます。
質問と回答の要点質問の番号、回答の要点、未回答の項目を書きます。
原文の保存先やり取りの経緯を確認できる原文の保存先を書きます。
確認表の最新版最新版の更新日、保存先、相手に共有した版を書きます。
現在の状態相手の返答待ち、自社の確認中、保留などの状態を書きます。
次の行動対応する人、送るもの、予定、再開条件を書きます。
表は編集部作成の例です。

担当変更では未回答と次の行動を引き継ぐ

担当が変わっても、相手に同じ説明を繰り返してもらわずに続けられる状態を作ります。確認表と原文を引き継ぎ、未回答の対応者と予定を明らかにします。

  • 新しい担当者が確認表から経緯を読む 新しい担当者は、最新版で合意済みと未確定を把握し、判断に必要な箇所は原文で確認します。文章で進める希望も引き継ぎます。
  • 窓口の変更を伝える 新しい窓口と変更する時点を相手に知らせます。既に受けた質問への回答予定も確認して伝えます。
  • 未回答の対応者を決める 質問ごとに確認先、回答する人、予定を引き継ぎます。引き継いだだけで回答済みにはしません。

担当変更時の引き継ぎ

場面すること記録
変更前に整理する確認表を更新し、原文と資料の保存先を確認します。最新版の更新日と各保存先を残します。
後任の担当者へ渡す合意済み、未確定、文章で進める希望を共有します。引き継いだ内容と引き受けた人を残します。
相手に変更を伝える窓口、変更時点、未回答への対応予定を伝えます。連絡した日付と内容を残します。
未回答を引き受ける確認先と回答予定を確認し、対応する人を決めます。質問の番号ごとに対応者と予定を残します。
新しい担当者が回答する引き継いだ未回答の質問に、既存の質問番号を使って回答します。回答内容と確認表の変更箇所を残します。
表は編集部作成の例です。

送る前に回答漏れと未確定の事項を確認表で見直す

次の文章を送る前に、質問への回答漏れと未確定の事項を確認表で見直します。空欄で済ませず、未回答や未確定の内容と次の行動を記入します。

  • 相手の質問と自社の質問を分ける 相手から受けた質問と、自社から相手に送った質問を別の欄に書きます。それぞれの番号と回答を対応させます。
  • 合意の根拠を点検する 合意済みの内容には双方の返答の記録を添えます。返答がない内容は未確定に残します。
  • 次に送るものを決める 残った項目から、次に送る回答や資料を決めます。更新日を記入し、最新版を共有します。

文章で進める商談の確認表

確認する欄記入する内容自社の記入欄
相手の質問質問の番号と内容、それに対応する自社の回答を書きます。
自社の質問質問の番号と内容、それに対応する相手の回答を書きます。
未回答の質問まだ回答していない質問の番号、回答する側、未回答の範囲、確認先、回答予定を書きます。
合意済みの内容双方が同意を確かめた内容、確認日、根拠となる返答の保存先を書きます。
未確定の内容条件や進め方で決まっていない内容と理由、関連する質問番号、次に確認する人を書きます。
次に送るもの送る回答や資料、対応する質問番号、送る人、予定や再開条件を書きます。
確認表は編集部作成の例です。商談名・更新日・更新者・保存先を併記して使います。