受注後に渡す内容と役割を決める

顧客と約束した内容と残っている確認事項を整理し、対応する担当者へ渡します。納品やサービス提供を始めるために、引き継ぐ内容と役割を決めます。

  • 渡す項目を決める 顧客との約束・確認中のこと・顧客の事情を分け、渡す項目を決めます。
  • 確認する役割を決める 残っている確認事項について、誰が顧客に確認し、誰に結果を伝えるかを決めます。
  • 引き継ぎ後の動きを決める 顧客への案内、営業の関わり方、営業管理表に残す記録を決めます。

引き継ぐ内容を約束・確認中・事情に分ける

引き継ぐ情報には、対応の前提になる約束と、まだ判断できないことが含まれます。顧客の事情も分けて示すと、それぞれをどう扱うか判断しやすくなります。

  • 約束したことを示す 顧客と合意した納品物や提供内容、対応範囲を、根拠となる記録とともに渡します。
  • 確認中のことを示す 回答を待っていることや未確認のことは、確認先と確認する担当を添えます。
  • 事情と経緯を添える 依頼の背景や重視する点を伝えます。顧客の希望のうち、自社が対応を約束した内容と、まだ約束していない内容を分けて伝えます。

引き継ぐ情報の分け方

区分内容の例渡し方
約束したこと納品物、提供内容、対応範囲合意の根拠を添えて渡します。
確認中のこと回答待ちの事項、未確認の事項確認先と確認する担当を示します。
顧客の事情と経緯依頼の背景、重視する点、社内事情約束との違いが分かるように渡します。
表は編集部作成の例です。項目の分類を示しています。

注文内容は確定と未確定を分けて渡す

受注していても、納品やサービス提供に関する条件がすべて決まっているとは限りません。条件ごとに、確定した内容と確認が必要な内容を分けて伝えます。

  • 条件ごとに状態を示す 注文全体をまとめて確定とせず、提供内容や対応範囲などの条件ごとに状態を示します。
  • 調整中と未確認を分ける 話し合っている条件と、まだ確認していない条件を分けます。未確定の条件を前提に進めないよう伝えます。
  • 確定の根拠を添える 合意した内容を確認できる書面や商談記録の所在を示します。同じ資料に複数の版がある場合は、どの版で合意したかも示します。

条件ごとに確認する状態と根拠

条件の例状態根拠
納品物・提供内容確定した内容と調整中の内容を分けます。注文書などの該当箇所を示します。
対応範囲対応する内容、対応しない内容、未確認の内容を分けます。提案資料と合意の記録を示します。
納品・開始の時点合意済みか、希望の段階かを示します。顧客とのやり取りの記録を示します。
顧客側の準備決まった分担と未確認の分担を分けます。準備内容を確認した記録を示します。
表は編集部作成の例です。注文条件を整理するための確認項目です。

商談で伝えた説明と相手の理解を残す

説明した内容だけでは、顧客がどこまで理解したかは分かりません。相手の発言や質問も残し、納品やサービス提供の前に確認する点を示します。

  • 説明した範囲を残す できることだけでなく、対象外の対応や顧客に依頼した準備も、説明に使った資料とともに残します。
  • 理解の根拠を残す 顧客が提供内容や対応範囲をどう捉えているかを、根拠となる発言や質問とともに残します。反応がなかったことだけで、理解済みと判断しません。
  • 再確認する点を示す 説明と理解が食い違う可能性のある点を示し、対応担当から改めて確認する内容を決めます。

説明と理解を照らし合わせる項目

項目営業が伝えたこと相手の理解対応担当が確認すること
提供内容説明した内容と資料を示します。期待する内容が分かる発言を残します。提供内容と期待が一致しているか
対応範囲対象と対象外を示します。依頼できると考えている範囲を残します。対象外への期待がないか
顧客側の準備依頼した準備を示します。準備を了承した発言を残します。準備する内容と分担を理解しているか
進め方説明した手順を示します。手順への質問や要望を残します。説明と異なる進め方を想定していないか
表は編集部作成の例です。理解を確認できていない箇所は未確認と示します。

顧客側の役割と連絡の窓口を伝える

商談の窓口と、納品やサービス提供の実務を進める相手が同じとは限りません。相談する相手、判断する相手、連絡を届ける相手を分けて伝えます。

  • 相手ごとの役割を示す 顧客側の担当者・決裁者・実務を担う人を示します。誰がどの内容を判断するかも確認します。
  • 連絡の希望を添える 希望する連絡手段と時間帯、最初に連絡する窓口を伝えます。希望が不明な点は確認事項に残します。
  • 関係する部署も伝える 利用する部署や準備に関わる部署を示します。誰に情報を共有するかは、顧客側の窓口に確認します。

顧客側の役割と連絡先を確認する項目

相手役割連絡の希望
顧客側の担当者日常の相談や社内調整を担うか確認します。希望する手段と時間帯を確認します。
決裁者どの内容を判断するか確認します。直接連絡するか、窓口を通すか確認します。
実務の担当納品の受け入れや利用準備の分担を確認します。実務連絡を直接行ってよいか確認します。
関係する部署利用や準備への関わりを確認します。共有する相手と連絡経路を確認します。
表は編集部作成の例です。同じ人が複数の役割を担う場合もあります。

引き継ぎの場で質問を受けて確認役を決める

資料を渡しただけでは、対応を始めるために必要な情報が足りているか分かりません。経緯を口頭で説明し、対応担当から質問を受ける場を設けます。

  • 経緯を口頭で補う 受注に至った背景と顧客が重視する点を説明します。記録だけでは伝わりにくい事情を補います。
  • 対応に必要な質問を受ける 準備や実施に困る点を質問してもらいます。説明の不足と、顧客への確認が必要な点を分けます。
  • 確認する担当を決める その場で分からないことは推測で埋めず、社内で確認できるか、顧客への確認が必要かを分けます。確認する担当と、回答を共有する相手も決めます。

引き継ぎの場で進めること

場面すること決めること
経緯の説明約束と確認中のことを分けて説明します。対応の前提にする合意内容と、参照する記録を確かめます。
質問の受付準備や実施に必要な情報の不足を確かめます。顧客に確認する内容を決めます。
不明点の整理顧客への確認が必要な点と、社内で分かる範囲を分けます。確認する担当と回答の共有先を決めます。
終了時の確認残った確認事項を読み合わせます。着手できる作業と回答を待つ作業を決めます。
表は編集部作成の例です。引き継ぎの場で扱う項目を示しています。

顧客への担当案内と次の連絡を決める

受注後の連絡先が分からないと、顧客は誰に相談すればよいか迷います。納品やサービス提供を担当する自社の担当者と、次の連絡について案内する内容を決めます。

  • 対応する担当を案内する 納品やサービス提供を誰が担当し、どの連絡先で相談を受けるかを伝えます。案内を送る人も決めます。
  • 次の連絡を決める 誰から、いつ、何について連絡するかを決めます。日時が未定なら、その調整を誰が行うか決めます。
  • 営業の関わりも伝える 引き継ぎ後も営業が関わるかを案内します。相談内容によって窓口が異なる場合は、その違いを示します。

顧客への案内に含める項目

案内の要素内容
対応する担当氏名、役割、担当する業務を伝えます。
連絡の窓口納品やサービス提供に関する相談先と連絡手段を伝えます。
次の連絡連絡する人、日時、連絡する内容を伝えます。
日時が未定の場合連絡日時を調整する人と調整の方法を伝えます。
営業の関わり営業が引き続き関わる内容と相談先を伝えます。
表は編集部作成の例です。案内の項目を示しており、送付文面ではありません。

引き継ぎ後の営業の関わり方を決める

引き継ぎ後も、商談中の説明について確認が必要になることがあります。対応担当だけで進める範囲と、営業が加わる場面を決めます。

  • 任せる範囲を決める 合意した内容に沿う日常の連絡や進行について、対応担当だけで進められる範囲を決めます。
  • 同席する場面を決める 商談の経緯や説明の確認が必要な場面では、営業が同席するかを決めます。顧客に説明する内容も確認します。
  • 営業への連絡を共有する 顧客から営業に連絡が来た場合の共有先を決めます。回答する人を確認し、別々に回答しないようにします。

場面ごとに決める営業と対応担当の役割

場面営業の関わり対応担当の関わり
日常の進行共有を受ける内容を決めます。合意した範囲で顧客と連絡を取ります。
商談経緯の確認当時の説明を確認し、必要に応じて同席します。対応上の疑問を整理して相談します。
追加の要望商談時の約束との差を確認します。要望を記録し、回答前に相談します。
営業への連絡連絡内容を共有し、回答する人を確認します。進行状況を踏まえて回答内容を確認します。
表は編集部作成の例です。役割の範囲は自社の体制に合わせて決めます。

食い違いの原因を引き継ぎ時に点検する

記録があっても、希望を約束と読み違えたり、確認先が分からなかったりすると対応に迷います。情報の抜けと、誤って判断しやすい箇所を点検します。

  • 約束の抜けと混同を探す 口頭で約束した内容が、引き継ぎ資料から抜けていないか確認します。顧客の希望や確認中の内容が混ざっていないかも点検します。
  • 理解の思い込みを探す 説明済みという理由だけで、理解済みとしていないか確認します。判断の根拠となる発言や回答を確かめます。
  • 確認先の空欄を探す 不明点ごとに、自社で確認する担当を決めます。顧客側の確認先が不明なら、その担当が顧客の窓口に問い合わせます。

引き継ぎ時に点検する食い違い

起きること防ぎ方
約束と確認中の混同合意の根拠を確認し、確定した内容と確認中の内容を分けます。
口頭の約束の抜け商談記録を見直し、口頭で伝えた内容も確認します。
相手の理解の思い込み理解の根拠を確かめ、不明な点は顧客に確認します。
確認先の不明顧客側の確認先と自社で確認する担当を決めます。
表は編集部作成の例です。自社の引き継ぎ内容を点検するための項目です。

営業管理表に引き継ぎの記録を残す

受注の記録だけでは、誰に何を渡し、何が残っているかを後から確認できません。営業管理表に引き継ぎの事実と、まだ確認が残っている内容を残します。

  • 渡した内容を残す 引き継ぎ日、対応担当、渡した内容を記録します。詳しい資料を別に保管する場合は、その所在を示します。
  • 未確定の条件を追記する 未確定の条件と確認する担当を記録します。回答を得たら、結果と根拠を追記し、対応担当に共有します。
  • 顧客への案内を残す 担当の案内を誰に伝えたかと、次の連絡の内容を残します。案内が未実施なら、行う担当を示します。

営業管理表に残す項目

記録項目書くこと
引き継ぎ日引き継ぎを行った日を記録します。
対応担当納品やサービス提供を担当する人を記録します。
渡した内容共有した項目と参照する資料の所在を記録します。
未確定の条件残っている確認事項と現在の状態を記録します。
確認の担当と結果確認する人、確認先、得られた回答と根拠を記録します。
顧客への案内案内の実施状況、相手、内容、次に連絡する人と日時を記録します。
表は編集部作成の例です。既存の営業管理表に必要な項目を追加して使えます。

受注後の引き継ぎで決めることを書き出す

自社の受注案件を一つ選び、引き継ぐ項目と役割を書き出します。まだ決められない欄には、確認することと確認する担当を残します。

  • 渡す項目を選ぶ 約束・確認中のこと・顧客の事情を分け、自社の納品やサービス提供に必要な項目を決めます。
  • 確認と案内の役割を決める 引き継ぎの場の参加者と方法、顧客への案内を行う人、引き継ぎ後に営業が担う内容を決めます。残った確認を誰が行うかも書きます。
  • 記録する場所を決める 営業管理表と詳しい資料の保管先を決めます。対応担当と読み合わせ、不足する項目を追加します。

受注後の引き継ぎを決めるメモ

決める項目自社の記入欄決める項目自社の記入欄
約束したこと確認中のこと
顧客の事情確定・未確定の条件
説明と理解顧客側の体制と窓口
引き継ぎの場顧客への案内
営業の関わり記録先
表は編集部作成の例です。選んだ案件について、各欄に決めた内容や担当を記入します。