専門用語を相手の仕事の言葉で説明する
商品の説明が伝わらないときは、言葉から見直します。相手が使う場面を示し、誰が何をするのかを書き直します。
- 説明する言葉を選ぶ 原稿から説明が必要な言葉を拾い、相手の仕事で使う言葉を確かめます。
- 場面と動作を書き出す 使う場面と実際の動作を書き、機能の説明と効果の約束を分けます。
- 利用条件と頼む作業を残す 正式名称には説明を添え、商品の利用条件と相手に頼む作業まで書きます。
専門用語は相手の仕事に結び付けて説明する
自社で毎日使う言葉でも、相手が知っているとは限りません。言葉が表す作業や状態まで説明すると、何に使う商品かを判断しやすくなります。
- 聞き返された言葉を見る 「何ができるのか」と聞き返されたら、説明に使った言葉の意味が伝わっているかを確かめます。
- 作業が浮かぶ文にする 機能名だけで説明を終えず、何を入力し、何を確認できるのかを書きます。
- 相手の場面で確かめる 言い換えは相手によって変わります。実際に担当する作業を聞いて、説明する内容を選びます。
機能名を仕事の場面で説明する
| 専門用語だけの説明 | 仕事の場面で説明した文 |
|---|---|
| 進捗を可視化します | 申請の確認状況を調べるとき、未確認の申請を一覧で確認できます。 |
| 通知機能があります | 申請を受け付けたとき、設定した確認者にメールで知らせます。 |
| 履歴を管理します | 申請内容を確認するとき、変更した日時と内容を画面で確認できます。 |
説明が必要な言葉を原稿から拾う
略語だけでなく、社内で意味が決まっている日常語も点検します。意味を説明せずに使っている言葉に印を付けます。
- 略語と呼び方を拾う 略語、業務の用語、自社独自の呼び方を拾います。略語を正式名称に戻すだけで意味が伝わるかも確認します。
- 日常語の意味を確かめる 「完了」「登録」なども確認します。「完了」はどの作業の終了か、「登録」はどの情報がどこに保存されるのかを書き出します。
- 説明のない語に印を付ける 原稿だけを読んで作業を想像できない言葉に印を付け、説明を添える候補にします。
説明が必要な言葉を見つける
| 拾う言葉の種類 | 例 | 確かめること |
|---|---|---|
| 略語 | CSV出力 | ファイルの形式だけでなく、何の情報を取り出せるかが伝わるか。 |
| 業務の用語 | 承認経路 | 誰がどの順番で申請を確認するかを説明しているか。 |
| 自社の呼び方 | 確認待ち一覧 | 何の確認を待っている一覧かを説明しているか。 |
| 日常語 | 完了 | 入力、確認、承認のどこまで終わった状態なのか。 |
相手が知っている言葉を担当業務から確かめる
同じ役職でも、担当する仕事や使い慣れた言葉は違います。会話や問い合わせの表現を参考に、説明が必要な範囲を確かめます。
- 担当する作業を聞く 申請を出すのか、内容を確認するのか、設定するのかを聞きます。役職だけで知識を決めません。
- 実際の言葉を参考にする 相手が使った表現を記録します。同じ言葉でも、指す作業や範囲が自社と同じかを確認します。
- 必要な説明を選ぶ 使い慣れた用語は残せます。初めて聞く言葉なら、作業の説明を先に置きます。
同じ機能でも説明の詳しさを変える
| 相手 | 説明の例 |
|---|---|
| 設定を扱う人 | 「承認経路」は、申請を承認する人とその順番を指します。設定画面で、承認する人と順番を指定できます。 |
| 初めて知る人 | 申請内容を誰がどの順番で承認するかを設定できます。この設定を「承認経路」と呼びます。 |
用語の前に使う場面を示す
用語の定義から始めると、自分の仕事との関係が見えないことがあります。誰がどの作業で使うのかを示してから、機能を説明します。
- 作業の場面を選ぶ 「申請の確認状況を調べるとき」のように、相手が経験する場面から説明を始めます。
- そこで起きることを書く その場面で何を探し、何を判断しているかを書きます。困りごとがあるかは相手に確かめます。
- 商品が担う部分を書く 作業のうち、商品がどこまで行うかを示します。利用者が確認する作業も説明文に残します。
使う場面から商品の動作まで説明する
- 確認係が、申請の確認状況を調べる
- 未確認の申請を探し、内容を確認する必要がある
- 商品が未確認の申請を一覧に表示し、確認係が内容を読む
抽象的な機能名を誰が何をするかが分かる文に直す
「連携」「可視化」だけでは、操作や表示の内容が分かりません。入力する人、商品の処理、確認する人の動作に分けて書きます。
- 入力する内容を書く 何を入力し、どの操作をするのかを書きます。事前の登録や設定が必要なら、その作業も示します。
- 処理と確認を書く 商品が処理する内容と、人が確認する内容を分けます。「〜できる」の中身を、具体的な動作の動詞で表します。
- 仕様で確かめる 実際の画面や仕様で確認できる動作だけを書きます。不明な部分は推測で補いません。
機能名を操作と処理に分ける
| 抽象的な言葉 | 動作に直した文 |
|---|---|
| 連携 | 登録係が一覧ファイルを取り込むと、商品はそのファイルの申請データを申請一覧に追加します。 |
| 可視化 | 確認係が画面を開くと、申請ごとの確認状況を一覧で確認できます。 |
| 柔軟な設定 | 設定画面で、申請を確認する人と確認の順番を変更できます。 |
機能の説明と効果の約束を分ける
商品が行う処理と、使った結果として起きる変化は別です。機能があることだけを根拠に、業務全体が改善すると約束しません。
- 商品の処理を説明する 表示する、記録する、通知するなど、仕様として確かめられる処理を説明します。
- 結果を断定しない 通知が届いても、相手が確認するとは限りません。商品が通知することと、人が確認することを分けて書きます。
- 結果が変わる条件を書く 効果に触れる場合は、更新方法や確認の頻度など、結果に関わる運用条件も添えます。
商品の処理と利用後の結果を区別する
| 商品が行う処理 | 利用状況で変わる結果 |
|---|---|
| 通知を送る | 確認漏れを防げるかは、通知先の設定や受信後の確認によって変わります。 |
| 状況を表示する | 確認係が未確認の申請を見分けられるかは、各申請の確認状況が画面に反映されているかによって変わります。 |
| 履歴を記録する | 変更の経緯を調べられるかは、商品が何を記録する仕様か、必要な記録が残っているかによって変わります。 |
必要な正式名称には説明を添える
注文や設定に使う正式名称は、言い換えて消すと探しにくくなります。最初に出る場所で意味を説明し、その後も同じ名称を使います。
- 操作に必要な名称を残す 画面や注文項目と照合する名称は残します。読みやすさだけで別の呼び方に置き換えません。
- 初出で意味を説明する 正式名称の近くに、何を確認する画面か、何を設定する項目かを書きます。
- 途中で呼び方を変えない 同じ機能を別の名前で呼ばないよう、見出し、本文、図の表記を確認します。
正式名称と作業の説明を並べる
| 正式名称 | 添える説明 |
|---|---|
| 申請状況一覧 | 申請ごとの確認状況を見る画面です。 |
| 承認経路 | 申請を確認する人と、その順番を設定する項目です。 |
| 通知先設定 | 申請を受け付けたときに、メールで知らせる相手を登録する項目です。 |
たとえ話は実際との違いも説明する
たとえ話では、相手が知っている作業に商品の機能をたとえます。似ている部分と違う部分を続けて説明し、実際にない機能を想像させないようにします。
- 知っている作業を選ぶ 相手が経験している作業をたとえに使います。知らない作業を持ち出すと、説明が増えてしまいます。
- 共通する部分を絞って示す 「申請を並べて見る点は受付簿に似ています」のように、どの部分が似ているかを示します。
- 実際の動作へ戻す たとえた後に、商品の処理と人が行う作業を説明します。相手が想像した動作も確かめます。
たとえと実際の機能の境目を示す
| たとえ | 共通する点 | 実際には違う点 |
|---|---|---|
| 受付簿 | 受け付けた申請を並べて確認できます。 | 紙への記入ではなく、入力された申請が画面に表示されます。 |
| 回覧 | 決めた順番で内容を確認します。 | 書類を手渡さず、画面で確認します。次の人への通知には設定が必要です。 |
| 確認を頼む声かけ | 確認してほしいことを相手に知らせます。 | メールを送る機能です。相手が読んだか、確認したかまでは分かりません。 |
利用条件と相手に頼む行動は省かない
言葉を短くしても、使うための準備や対象範囲は残します。「簡単」「自動」で操作を隠さず、相手に確認してほしいことまで具体的に書きます。
- 準備と対象範囲を残す 必要な登録、使えるデータ、操作できる人を確認します。利用を判断するための条件は省きません。
- 人の作業を隠さない 「自動」と書くなら、処理が始まる条件を添えます。事前の設定や処理後の確認も書きます。
- 頼む行動を具体化する 「ご対応ください」で終えず、何を確認し、どの情報を知らせてほしいのかを書きます。
短くしても必要な情報は残す
| 準備や作業の説明が足りない文 | 説明を補った文 |
|---|---|
| 簡単に使えます | 利用前に確認者を登録します。登録後、その確認者を申請の確認先に指定できます。 |
| 自動で通知します | 通知先を登録すると、商品は申請の受付時にメールを送ります。メールを受け取った確認者が、申請内容を確認します。 |
| ご対応ください | 設定画面で通知先のメールアドレスを確認し、修正が必要な場合は正しいアドレスを返信してください。 |
自社の言葉を相手の作業が想像できる文に直す
原稿で気になった言葉を選び、下の欄に書き込みます。書き直した文は、その仕事をする相手に読んでもらって確かめます。
- 元の言葉をそのまま写す 説明が必要だと思った言葉を写します。相手がその言葉を知っているか、仕事の場面と併せて確認します。
- 場面と動作で書き直す 何をする場面で、誰がどう操作するかを書きます。効果の断定を避け、正式名称と利用条件を残します。
- 相手の理解を確かめる 読んで想像した作業を聞きます。たとえと実際の機能の違いが伝わったか、頼まれた行動が分かるかも確かめます。
自社の言葉を書き直す
| 記入項目 | 自社の内容 | 記入項目 | 自社の内容 |
|---|---|---|---|
| 拾った言葉 | 相手の仕事と場面 | ||
| 動作に直した文 | 商品の処理と利用後の変化 | ||
| 残す正式名称と説明 | 利用条件 | ||
| 相手に頼む行動 | 確かめる相手 |
