商談で聞いた改善要望を社内で検討できる形にする
この機能が欲しいという言葉だけでは、変更が必要な理由を判断できません。利用場面と困っていることを聞き、社内で検討してほしいことを書いて渡します。
- 発言の整理方法を決める 質問・不具合の申告・改善要望を区別し、相手の発言と自分の解釈を書き分けます。
- 追加で聞く内容を決める 変更を求める理由と利用場面を聞き、要望が実現しない場合に起きることを確かめます。
- 社内への渡し方を決める 整理票に記入する内容と、社内に求める判断を決めます。相手への回答をどう扱うかは社内で決める手順にします。
発言だけを転送すると、検討に必要な背景が伝わらないことがある
仕様を変えてほしいという言葉をそのまま転送しても、何に困っているのかが伝わらないことがあります。背景を添え、発言の種類を示し、発言と自分の解釈を分けて渡します。
- 背景を添える 変更の希望だけでなく、どの業務で何が困るのかを書きます。
- 発言の種類を示す 使い方への質問なのか、動作の問題なのか、変更の希望なのかを確認します。
- 推測だと分かるようにする 商談への影響など、自分で補った意味を相手の発言として書かないようにします。
転送時に抜けやすい情報
| 営業担当者の伝え方 | 社内の担当者が困ること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 背景が抜ける | 何のために変えるのかを判断できません。 | 利用場面と困る理由を添えます。 |
| 種類が混ざる | 説明・調査・改善検討のどれが必要か判断に迷います。 | 発言の種類を確認して書きます。 |
| 解釈が混ざる | 営業担当者の推測を、相手の意向として扱ってしまいます。 | 発言と解釈を別の欄に書きます。 |
質問・不具合の申告・改善要望を区別する
似た言い方でも、使い方を知りたい場合と変更を求めている場合があります。発言の意図を確かめてから、社内で決めた窓口へ渡します。
- 質問かを確かめる 今の機能や操作でできることを尋ねているなら、まず使い方の確認として扱います。
- 不具合の申告を分ける 説明と実際の動作が違うという申告は、発生状況を添えます。不具合とは断定しません。
- 変更の希望を確かめる 今の仕様を理解したうえで変更を求めているかを聞き、改善要望として記録します。
発言と社内の渡し先
| 発言の種類 | 例 | 渡す先 |
|---|---|---|
| 質問 | 保存した一覧をどこから開くのかを尋ねる発言 | 使い方を案内する窓口へ渡します。 |
| 不具合の申告 | 保存できると説明を受けたのにエラーになるという申告 | 動作を調査する窓口へ渡します。 |
| 改善要望 | 保存した一覧を部署内で共有できるようにしてほしいという要望 | 商品の改善を検討する窓口へ渡します。 |
| 未確認 | この一覧は共有できないのかという発言(質問か要望か不明) | 意図を聞いてから渡す先を決めます。 |
相手の発言と自分の解釈を分けて残す
共有できると助かるという発言を、共有できなければ導入しないと書き換えると、意味が変わります。実際の発言、自分の解釈、未確認の点を分けて残します。
- 実際の発言を残す 相手が述べた内容を記録します。正確な言葉を残せていない場合は、要約と明記します。
- 自分が補った意味を分ける 重要そうだと感じた理由や商談への影響の見立ては、自分の解釈として書きます。
- 未確認の点を残す 聞けていないことは未確認と記し、次に確かめる内容を書きます。
発言と解釈の書き分け
| 区分 | 書くこと | 記録と確認のしかた |
|---|---|---|
| 相手の発言 | 引用:部署内で一覧を共有できると助かります(相手の言葉のまま) | 引用か要約かを明記します。 |
| 自分の解釈 | 部署内で作業を引き継ぐ際に困っている可能性があります。 | どの作業で共有したいかを聞きます。 |
| 未確認の点 | 共有できないことが導入判断に影響するかは未確認です。 | 導入判断との関係を相手に聞きます。 |
変更を求める理由と利用場面を聞く
欲しい機能の名前だけでは、社内の担当者はその変更が適切かを判断できません。どの業務で誰が使い、今はどう進め、なぜ困っているのかを聞きます。
- 使う場面を聞く 作業の流れのどこで使いたいかを聞き、利用する人の役割を記録します。
- 今の進め方を聞く 現在の操作や受け渡し方を聞き、希望する状態との違いを書きます。
- 困る理由を聞く 便利だからという理由で終えず、今の方法で何が起きるために変更したいのかを確かめます。
利用場面を聞く質問
| 聞くこと | 確かめ方 | 記録 |
|---|---|---|
| どの業務か | 使いたい作業を尋ねます。 | 案件を引き継ぐときに使います。 |
| 誰が使うか | 操作する人と内容を見る人を尋ねます。 | 一覧に入力する担当者と、案件を引き継いで受け取る担当者が使います。 |
| 今の方法 | 現在の渡し方を尋ねます。 | 一覧を別の記録に転記して渡しています。 |
| 困る理由 | 今の方法で困ることを尋ねます。 | 転記した後に一覧を直しても、引き継いだ相手に伝わりません。 |
要望が実現しない場合に何が起きるかを確かめる
必要だという言葉だけでは、業務への影響は分かりません。止まる作業、現在の回避方法、影響を受ける範囲を具体的に聞きます。
- 止まる作業を聞く 作業を続けられないのか、手間をかければ続けられるのかを分けて記録します。
- 回避方法を聞く 現在の方法で進められる場合も、残る負担や困りごとを聞きます。
- 影響する範囲を聞く 誰のどの作業に影響するかを確かめます。購入や継続の判断への影響も推測せずに聞きます。
要望が実現しない場合の確認
| 確かめること | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 止まる作業 | 引き継ぎそのものができないかを聞きます。 | 不便であることと、作業が止まることを分けます。 |
| 回避方法 | 別の記録を作れば進められるかを聞きます。 | 回避できるだけで問題が解消したと判断しません。 |
| 影響の範囲 | 引き継ぐ人や確認する人への影響を聞きます。 | 部署全体の問題だと推測して広げません。 |
| 判断への影響 | 購入や継続を判断する条件なのかを聞きます。 | 未確認のまま失注や解約の理由にしません。 |
実現する方法を営業担当者が独断で決めない
共有ボタンを付けてほしいという発言は、実現方法の希望を含む発言です。その方法で何をしたいのかを聞き、方法の判断は社内の検討に委ねます。
- 希望した方法を残す 相手が挙げた方法は、そのまま記録します。社内で決定した方法とは区別します。
- 方法の先の目的を聞く その方法でできるようにしたい作業を聞き、目的を別に書きます。
- 方法の判断を委ねる 既存機能や別の方法で目的を満たせるかも含め、営業担当者は社内の担当者に判断を求めます。
方法を決めずに渡す書き方
| 避けること | 代わりにすること | 理由 |
|---|---|---|
| 仕様を決める | 相手が希望した方法(共有ボタン)と、達成したい目的(一覧の変更を引き継ぎ先へ伝える)を分けて書きます。 | 社内の担当者が、目的を満たす別の方法も検討できるためです。 |
| 可否を即答する | 実現できるかは未確認と記録します。 | 商品の制約や他の利用場面を確認する必要があるためです。 |
| 別案を確約する | 既存機能や別の方法で目的を満たせるか、確認を依頼します。 | 別の方法でも相手の業務で使えるとは限らないためです。 |
社内で検討してほしいことを明らかにする
要望がありましたという報告だけでは、何を判断すればよいか分かりません。渡す先に応じて、求める判断とその判断に必要な情報を添えます。
- 求める判断を書く 現在の機能で対応できるか、改善の検討対象にするかなど、判断してほしいことを書きます。
- 判断に要る情報を添える 発言、利用場面、困る理由、業務への影響を添え、不明点も明記します。
- 回答期限の有無を書く 相手が回答を求める日と理由を記録します。希望日までに回答できるか、対外的に回答してよいかの判断は営業責任者に求めます。
渡す先ごとの依頼内容
| 渡す先 | 検討してほしいこと | 添える情報 |
|---|---|---|
| 案内の窓口 | 今の機能や使い方で目的を満たせるかを確認してもらいます。 | 現在の操作と、実現したい作業を添えます。 |
| 調査の窓口 | 説明と動作の違いについて、調査に必要な情報を確認してもらいます。 | 期待した動作、実際の動作、発生状況を添えます。 |
| 改善の窓口 | 改善の検討対象にするか、追加で何を確認すべきかを判断してもらいます。 | 利用場面、理由、影響、関連する記録を添えます。 |
| 営業責任者 | 相手への回答の要否と、希望日までに回答できるかを判断してもらいます。 | 回答の希望日と理由、これまでのやり取りを添えます。 |
他の商談の記録を確かめ、相手には受け取ったことを伝える
似た発言が見つかっても、同じ業務上の要望とは限りません。目的と利用場面を比べて社内へ添えます。相手には要望を受け取ったことを伝え、社内で決まる前に検討や実現を約束しません。
- 関連する記録を探す 機能名だけでなく、目的や困っている作業でも探し、元の商談記録を確認します。
- 同じ要望の基準を決める 同じ要望とする条件や、同じ相手からの再申告の数え方を社内で決めます。
- 受け取ったことを伝える 要望を受け取ったことを伝えます。社内で決まる前に、検討することや実現することを約束しません。
記録の確認と受領時の対応
| 場面 | すること | しないこと |
|---|---|---|
| 記録を探すとき | 目的・利用場面・業務への影響を読み比べます。 | 同じ機能名だけで同じ要望と判断しません。 |
| 再申告のとき | 以前の記録と関連付け、状況の変化を残します。 | 同じ相手からの再申告を、別の要望として数えません。 |
| 社内へ渡すとき | 似ている点と異なる点、元の記録の場所を添えます。 | 関連する記録だけで対応の優先順位を決めません。 |
| 相手に伝えるとき | 要望を受け取ったことを伝えます。 | 社内で決まる前に、検討の開始や採用、実現方法を約束しません。 |
検討結果を相手にどう伝えるかは社内で決める
社内の検討結果を、そのまま相手に送れるとは限りません。相手に回答を約束している場合はその期日を守り、約束していない場合は伝えるかどうか、伝える内容の範囲、伝える人を社内で決めます。
- 伝えるかを決める 相手に回答を約束している場合は、約束した内容と期日に沿って伝えます。約束していない場合は、結果とこれまでのやり取りを踏まえて連絡の要否を決めます。
- 伝える範囲を決める 社内の案や見通しを、決定事項として伝えないようにします。回答に使う表現も確認します。
- 伝える人を決める 伝える人と時期を決めます。伝えない場合も、理由と今後の問い合わせへの対応を残します。
検討結果と回答の扱い
| 検討結果 | 相手への扱い | 記録 |
|---|---|---|
| 情報が足りない | 追加で聞く内容と、確認する人を決めます。 | 不足している情報と確認先を残します。 |
| 既存機能で対応 | 相手の利用場面で使えるかを確認し、案内内容を決めます。 | 案内する操作と、できる範囲を残します。 |
| 改善を見送る | 伝えるかどうかと、伝えられる理由を決めます。 | 回答の要否、理由、伝える人を残します。 |
| 判断を保留する | 現状を伝える必要があるかを決めます。 | 保留の理由と、再確認する条件を残します。 |
| 変更方針が決まる | 対外説明できる範囲を確認してから回答します。 | 承認された回答内容、伝える人、時期を残します。 |
改善要望を整理票に書いて社内へ渡す
聞き取った内容を整理票に書き、社内で求める判断を明記します。未確認の欄を残したまま渡す場合は、何を追加で聞く必要があるかも書きます。
- 発言と種類を記入する 相手と商談日を記し、発言を引用か要約か分かる形で残します。種類が不明なら未確認とします。
- 背景と影響を記入する 利用場面、変更を求める理由、実現しない場合に起きることを書きます。
- 検討と回答の扱いを書く 判断してほしいことと関連する商談記録を添え、相手への回答について決まっている範囲を書きます。
改善要望の整理票
| 項目 | 記入欄 |
|---|---|
| 相手の発言・種類 | 相手・商談日:/発言:(引用・要約)/種類:質問・不具合の申告・改善要望・未確認 |
| 利用場面と理由 | 業務:/使う人:/今の進め方:/変更を求める理由:/相手が希望した方法:/達成したい目的: |
| 実現しない場合 | 止まる作業:/回避方法と残る負担:/影響の範囲:/購入・継続判断への影響: |
| 解釈と未確認点 | 自分の解釈:/未確認の点:/追加で聞く内容: |
| 社内への検討依頼 | 渡す先:/判断してほしいこと:/関連する商談記録と共通点・相違点: |
| 相手への回答 | 回答の希望日・理由:/既に伝えた内容:/社内で決めた回答の要否・範囲・伝える人・時期: |
