通常の提供範囲にない依頼には確認して返答する
通常は提供していない作業や個別の仕様を求められたら、その場で可否を断定せずに確認します。相手の希望と自社の対応可否を分け、理由と条件を添えて返答します。
- その場の返答を決める 何を・いつまでに・なぜ必要としているかを聞き、社内で確認して回答すると伝えます。
- 確認と回答の進め方を決める 自社の提供範囲と照らし、確認先と回答できそうな時期、回答に添える条件や代案を決めます。
- 直近の依頼への返答を書く P11のメモに返答を書き、依頼と回答の記録先や、提供範囲の見直しを責任者に提案するかも決めます。
その場では可否を断定せず確認すると伝える
確認前の「できます」は、相手に対応の約束として受け取られることがあります。「できません」と即答する前にも、希望の中身を聞く余地があります。
- 確認前に約束しない 過去に似た対応をした経験があっても、今回の依頼に対応できるかは確かめてから答えます。
- 希望を聞く余地を残す 希望の理由が分かれば、通常の提供範囲でできる方法を提案できることがあります。
- 確認して答えると伝える 「ご希望を伺ったうえで、社内で対応可否を確認して回答します」と返します。
その場の返答と伝わり方
| その場の返答 | 起きること |
|---|---|
| できます | 対応する約束として伝わり、実施を前提に話が進むことがあります。 |
| できません | 希望の理由を聞く前に断ると、相手が別の方法を相談せずに話を終えることがあります。 |
| 確認して回答します | 可否が未確認だと伝えたうえで、希望の中身を聞けます。 |
何をいつまでになぜ必要としているかを聞く
「個別に対応してほしい」だけでは、社内で可否を判断できません。求める作業や仕上がり、希望する時期、その理由を具体的に聞きます。
- 作業と仕上がりを聞く 何をしてほしいのか、どのような状態になればよいのかを聞き、依頼の範囲を確かめます。
- 時期と理由を聞く いつまでに必要かに加え、その時期を希望する事情や、依頼で解決したい困りごとを聞きます。
- 代わりの方法も確かめる 変えられない条件と、変更できる条件を聞きます。別の方法でも困りごとを解決できるか確かめます。
希望を具体的にする質問
| 聞くこと | 質問の例 |
|---|---|
| 何をしてほしいか | どの作業をご希望ですか。作業が終わった時点で、どのような状態になっている必要がありますか。 |
| いつまでに必要か | いつまでに必要ですか。その時期を希望する事情も伺えますか。 |
| なぜ必要か | 今回の依頼で、どのような困りごとを解決したいですか。 |
| 代案でもよいか | 別の方法で同じ目的を満たせる場合は、検討できますか。 |
依頼を自社の提供範囲と照らして分ける
希望を聞いたら、自社で定めている提供範囲と照らします。分からない部分は「未確認」として残し、対応できるものに含めないようにします。
- 依頼を作業ごとに分ける 依頼全体をまとめて判断せず、求められた作業ごとに通常の提供範囲に含まれるかを確かめます。
- 条件と未確認を分ける 条件を満たせば対応できる状態と、まだ可否を確認していない状態を区別します。
- 次の確認事項を決める 対応条件、対応しない理由、未確認の点を書き出し、社内で何を確かめるかを決めます。
集計資料の作成を依頼された場合
| 区分 | 例(架空) | 次にすること |
|---|---|---|
| 通常の範囲内で対応できる | 通常の集計項目で一覧を作成できます。 | 今回の依頼が通常の条件に収まるかを確かめます。 |
| 範囲内だが条件がある | 元データの形式が指定どおりなら、集計項目を追加できます。 | 必要な形式と作業範囲を示します。 |
| 範囲外で対応しない | 元データの入力代行は、提供範囲に含めていません。 | 理由と、代わりにできることを示します。 |
| 範囲内か未確認 | 特殊な形式のデータを扱えるか分かりません。 | 実作業を担う部署に可否を確認します。 |
社内の確認先と回答できそうな時期を伝える
「確認します」だけで終えると、相手は何をいつまで待てばよいか分かりません。何を確認するか、確認する部署や役割、回答できそうな時期を案内します。
- 判断できる相手に確認する 作業の可否は実作業を担う部署へ、提供範囲の変更はその判断を担う責任者へ確認します。
- 回答の時期を伝える 確認先と相談し、いつ頃回答できそうかを伝えます。一部だけ先に答えられる場合は、その範囲も示します。
- 見込みが不明なら伝える 時期を見通せない場合は、その旨を伝えます。見込みが分かり次第連絡し、変更があれば知らせます。
依頼に応じた社内の確認先
| 依頼の種類 | 確認先(架空の例) |
|---|---|
| 作業の追加 | 実作業を担う部署へ、作業内容と引き受けられる範囲を確認します。 |
| 個別の仕様 | 仕様を判断する担当へ、対応できる形式や制約を確認します。 |
| 実施時期の変更 | 作業日程を管理する担当へ、希望時期に対応できるかを確認します。 |
| 提供範囲の変更 | サービス責任者へ、通常の提供範囲を変えるかを確認します。 |
| 別途見積もり | 見積もりを担当する部署へ、対象となる作業範囲を確認します。 |
確認結果は理由と条件を添えて回答する
確認結果は、対応できる範囲を先に示してから説明します。条件や対応しない理由を添えると、提示された内容で進めるかを判断してもらえます。
- 対応範囲を先に答える どこまで対応でき、何を含まないかを明記します。未確認の部分が残る場合は、分けて伝えます。
- 理由と条件を添える 対応に必要なデータや作業範囲を示します。対応しない場合は、今回の依頼に即した理由を伝えます。
- 見積もりの範囲を示す 別途見積もりになる作業を明記します。条件を読んだうえで進めるか、相手の意向を確認します。
確認結果を伝える回答の組み立て
| 回答の要素 | 書くこと |
|---|---|
| 対応できる範囲 | 指定形式のデータを使った集計には対応できます。 |
| 必要な条件 | 集計対象の項目を決め、指定形式のデータをご用意ください。 |
| 対応しない理由 | 入力内容を確認する体制を設けていないため、データの入力作業には対応しません。 |
| 別途見積もり | 通常の集計項目にない項目の追加は、別途見積もりになります。 |
| 意向の確認 | この範囲と条件で進めるか、ご意向をお聞かせください。 |
対応しない場合は代わりにできることがあるか確かめる
希望どおりの対応ができなくても、目的を満たす別の方法がないかを考えます。代案を示すときも、自社で対応できると確認した範囲を伝えます。
- 自社でできる方法を示す 作業範囲や仕上がりを変えれば対応できるかを確認し、元の希望との違いを添えて提案します。
- 他の方法を紹介する 相手がデータの入力や形式の変換を行い、自社が集計を引き受けるといった方法を示します。相手に増える作業や、確認が必要な点も伝えます。
- 代案がなければ伝える 提案できる方法が見つからなければ、その旨を伝えます。実行できるか不明な案を約束しないようにします。
希望との違いを添えた代案
| 場面 | 代案の示し方 |
|---|---|
| 形式を変えたい | ご希望の形式には対応しませんが、通常の形式で一覧をお渡しできます。 |
| 作業を任せたい | 入力代行には対応しませんが、入力済みのデータを使った集計は可能です。 |
| 時期が合わない | 希望時期には全体を用意できませんが、先に渡せる範囲があります。内容をご案内します。 |
| 他の方法を示す | 必要な形式への変更を御社内で行う方法もあります。変換作業は御社での対応になります。 |
| 代案が見つからない | 今回の条件では、当社からご提案できる代わりの方法もありません。 |
同じ依頼が続いたら提供範囲の見直しを提案する
同じ依頼が続く場合は、個別の返答だけで終えず、記録を集めます。求められた内容と対応に必要な作業を示し、社内で提供範囲の見直しを提案します。
- 依頼の共通点を調べる 同じ依頼が過去に何件あり、何を理由に求められているかを調べます。過去の回答や相手の反応も確認します。
- 責任者に検討を求める サービス責任者など、提供範囲を決める相手に記録を示します。必要な作業や対応条件も添えます。
- 決定を営業の説明に反映する 範囲を変える場合は、営業の説明と条件を更新します。変えない場合も、同じ依頼が出そうな商談では、対応しない作業と理由を受注前に伝えます。
繰り返される依頼を社内で検討する流れ
- 依頼を記録する
- 同じ依頼を数える
- 責任者が検討する
- 提供範囲を変えるなら営業の説明も更新する
依頼と回答を後から探せる形で記録する
依頼の内容だけでなく、確認した条件と実際の回答も残します。似た依頼を探せるようにすると、次の確認や提供範囲の見直しに使えます。
- 希望と回答を分けて書く 相手が希望した内容と、自社が回答した内容を分けて記録します。相手が希望した内容と、自社が対応できると回答した内容を区別するためです。
- 確認の経緯も残す 誰にいつ確認したか、どの条件で判断したかを残します。回答後の変更や相手の反応も追記します。
- 同じ依頼を探せるようにする 依頼の種類には共通の呼び名を使います。個別の事情は本文に書き、後から比較できる形にします。
依頼から回答後までの記録項目
| 記録項目 | 書くこと |
|---|---|
| 相手と依頼内容 | 相手の名前、依頼を受けた日、依頼の種類、求められた作業を書きます。 |
| 相手の希望 | 何を・いつまでに・なぜ必要とし、どの条件を変えられるかを書きます。 |
| 区分と確認先 | 対応の区分、確認した相手、確認日、判断の条件を書きます。 |
| 回答の時期の見込み | 伝えた回答の時期と、その後の変更を書きます。 |
| 実際の回答 | 回答日、伝えた範囲・理由・条件・代案を書きます。 |
| 反応と次の対応 | 回答への反応、残った確認事項、見直しを提案するかを書きます。 |
通常の範囲を超える依頼への対応は営業だけで決めない
過去に対応できた依頼でも、作業内容や社内の状況が違えば判断は変わります。実作業を担う部署と判断権限を持つ相手に確認し、回答後の変更も知らせます。
- 経験だけで約束しない 以前の回答を参考にするときも、今回の作業内容と条件が同じかを社内で確かめます。
- 確認者と確認日を残す 可否を確認した相手と確認日を記録します。回答に使った条件も残し、後から判断の経緯を確認できるようにします。
- 条件が変われば連絡する 回答後に希望や対応条件が変わったら、可否を再確認します。変更点と影響、次の対応を相手に伝えます。
回答を支える確認の分担
| 確かめること | 誰が |
|---|---|
| 希望の内容 | 営業窓口が、依頼内容と変えられない条件を相手に確かめます。 |
| 作業の可否 | 実作業を担う部署が、対応できる範囲と必要な条件を確かめます。 |
| 範囲外への対応 | 判断権限を持つ責任者が、今回の依頼を引き受けるかを決めます。 |
| 確認の記録 | 営業窓口が、確認者・確認日・判断の条件を記録します。 |
| 回答後の変更 | 変更を把握した部署が営業窓口に伝え、営業窓口が再確認して相手へ連絡します。 |
直近の依頼を当てはめて返答を書く
直近で受けた依頼を思い浮かべ、分かっている内容から書き込みます。未確認の部分を明示し、今伝える返答と確認後に答える内容を分けます。
- 希望と区分を書き出す 相手の希望を書き、自社の区分を選びます。判断できない部分は未確認と書き、確認先を決めます。
- 今伝える返答を書く 可否が未確認なら、確認先と回答できそうな時期を書きます。見込みが分からない場合も、その旨を文にします。
- 確認後の返答と記録を決める 社内で確認した後、理由・条件・代案を書き足します。記録先と、提供範囲の見直しを責任者に提案するかも決めます。
直近の依頼への返答メモ
| 記入項目 | 書き込み欄 |
|---|---|
| 相手と依頼 | 相手:/依頼された作業・仕様: |
| 相手の希望 | 何を:/いつまでに:/なぜ:/代案でもよいか: |
| 区分と確認先 | 区分:範囲内で対応できる・範囲内だが条件がある・範囲外で対応しない・未確認/社内の確認先: |
| 回答の時期の見込み | 回答できそうな時期、または見通せない旨:/今伝える返答: |
| 確認後の返答 | 対応範囲:/条件・別途見積もりの範囲:/理由:/代案:/返答の文面: |
| 記録と見直し | 記録先:/提供範囲の見直しを提案するか:/提案する相手: |
