他社への提案を聞かれる前に答える範囲を決める
他社への提案を聞かれたら、公開している情報と個別の提案に含まれる情報を分けます。この資料では、答える範囲と伝え方の案を整理し、社内で確認できる形にします。
- 答える範囲を決める 公開情報と許可を得た事例を確認し、答えてよい内容と出さない情報を決めます。
- 伝え方を決める 個別の情報を出さない理由と、代わりに答えられる内容の示し方を決めます。
- 記録と確認先を決める 商談で答えた範囲の記録先と、判断に迷ったときの社内の確認先を決めます。
質問の背景を確かめてから答える内容を選ぶ
他社への提案を尋ねる背景には、比較や条件の確認などがあります。質問の狙いを確かめると、個別の情報を出さずに答えられる内容を選べます。
- 比較したい項目を聞く サービスの内容、進め方、条件のどこを比較したいのかを確かめます。
- 知りたい背景を聞く 質問した会社が、他社との共通点を知りたいのか、導入の流れを知りたいのかを確かめます。
- 他社の条件を基準にしない 条件の相談には目の前の商談の前提を確認し、他社の見積や交渉内容を持ち出しません。
質問の背景と答える方向
| 質問内容の例 | 背景として考えられること | 答える内容 |
|---|---|---|
| 今回の提案は別の会社への提案とどう違うか | 比較する材料を知りたい可能性があります。 | 公開しているサービス内容を説明します。 |
| 同業他社はどのような課題を抱えているか | 自社と似た課題があるか知りたい可能性があります。 | 根拠と説明可否を確認した業種の傾向を示します。 |
| 同業他社はどのように使っているか | 実際の利用内容を知りたい可能性があります。 | 紹介の許可を得た事例の範囲で説明します。 |
| 別の会社にどのような条件を提示しているか | 条件を相談できるか確かめたい可能性があります。 | 今回の希望と提案の前提を確認します。 |
公開情報と個別の提案の情報を分ける
資料の種類だけでは、答えられる範囲は決まりません。情報ごとに、公開されているか、紹介の許可を得ているかを確認して、回答の範囲を決めます。
- 公開しているページを確認する 自社サイトなどで公開中のページを確認し、掲載している説明の範囲で答えます。
- 提案書の情報を分ける 個別の提案書や見積には、提案先の社名、条件、課題が含まれます。そのまま説明には使いません。
- 許可の範囲を確認する 事例の紹介を許可されていても、未公開の条件や補足情報まで答えられるとは限りません。
公開状況と許可による区分
| 区分 | 例 | 答えられるか |
|---|---|---|
| 自社の公開情報 | 自社サイトにサービス内容を掲載しています。 | 公開中の内容に沿って答えられます。 |
| 公開済み事例 | 許可を得た事例を自社サイトで公開しています。 | 公開内容と許可の範囲内で答えられます。 |
| 個別の提案情報 | 提案書や見積に条件や課題を記載しています。 | 他社の商談では答えません。 |
| 非公開だが紹介許可のある事例 | 商談で紹介できる内容を提案先と決めています。 | 紹介先や用途を含む許可の範囲内で答えられます。 |
個別の提案に含まれる未公開の情報は答えない
個別の提案に含まれる情報のうち、公開情報と紹介を許可された内容を除いて、他社との商談では答えません。提案した事実そのものも、許可がなければ明かしません。
- 社名以外にも注意する 地域や規模、課題の組み合わせから、提案先の会社が分かることがあります。社名を伏せた場合も、特定されないかを確認します。
- 条件や課題を出さない 値引きの背景や、提案先の社内事情も個別の情報です。説明の補足として付け足しません。
- 提案の有無も答えない 商談中かどうかを答えるだけでも、提案先の検討状況が伝わります。提案の有無を推測して尋ねられても、許可がなければ肯定も否定もしません。
答えない情報と代わりに示す内容
| 情報 | 答えない理由 | 代わりに答えること |
|---|---|---|
| 提案先の社名 | その会社が検討していることが伝わる場合があります。 | 根拠と説明可否を確認した業種の傾向を説明します。 |
| 条件・金額 | 個別の交渉内容が伝わります。 | 今回の提案条件を決める前提を説明します。 |
| 提案先の課題 | 公開していない社内事情が伝わります。 | 提案前に確認する項目を説明します。 |
| 提案の有無 | 検討や相談の事実が伝わります。 | 自社が公開している対応範囲を説明します。 |
社名を出す許可を得た事例だけ社名を出す
社名を出せるかどうかは、その場面で社名を出して紹介する許可を得ているかで決めます。掲載や紹介の用途が変わるときは、その用途も許可に含まれるか確認します。
- 紹介する場面を確かめる サイト掲載、商談での説明、資料の配布など、使う場面が許可に含まれるか確かめます。
- 話せる内容を確かめる 社名を出す許可と、提案内容を話す許可は分けて確認します。
- 許可の記録を残す 承認された内容、確認日、確認した相手を記録します。範囲が不明な間は社名を出しません。
社名を出す前に確かめる内容
| 確かめること | 内容 | 記録 |
|---|---|---|
| 許可の範囲 | 紹介先、用途、利用できる期間を確かめます。 | 許可の文面と確認日を残します。 |
| 社名の扱い | 社名を出して紹介できるか確かめます。 | 承認された社名表記を残します。 |
| 紹介する内容 | 説明できる内容と出せない情報を確かめます。 | 承認された原稿や資料を保存します。 |
| 許可の変更 | 紹介の停止や内容の変更がないか確かめます。 | 変更内容と使用中の資料を記録します。 |
会社が特定されない範囲で傾向を答える
業種や規模による検討項目の違いを説明するときも、個別の会社が特定されないかを確認します。根拠と社外に説明してよい範囲を社内で確かめ、商談ごとに細部を足しません。
- 傾向の根拠を確かめる 個別の経験だけで業種全体を説明しません。根拠と、社外に説明してよい範囲を社内で確認した内容に限ります。
- 特定の手掛かりを省く 業種に地域や時期、珍しい課題を重ねると会社が特定される場合は、その説明を使いません。
- 標準の進め方を示す 傾向として話せない場合は、自社の標準的な確認事項や導入の流れを説明します。
個別の情報を出さない説明の型
| 答え方の型 | 例 | 注意 |
|---|---|---|
| 業種の傾向 | 業種ごとに、導入を検討する会社が確認する項目を説明します。 | 根拠がない内容を業種全体の特徴にしません。 |
| 規模の傾向 | 企業規模による、導入を判断する部署や役割の違いを説明します。 | 地域や時期を重ねて会社を特定させません。 |
| 確認事項 | 目的、利用範囲、運用体制の確認項目を示します。 | 実際の商談で得た回答は紹介しません。 |
| 導入の流れ | 自社が定める、相談から利用開始までの流れを示します。 | 他社向けに調整した日程や条件を混ぜません。 |
答えられない理由と代わりに話せる内容を示す
答えられないときは、個別の提案情報を外に出さない方針を理由として伝えます。今回の提案も同じように扱うことを説明し、答えられる内容を示します。
- 情報の扱いを理由にする 質問の仕方に関わらず、個別の商談で得た未公開の情報は、その会社の許可なく他社に伝えない方針を説明します。
- 今回も同じ扱いと伝える 今回の商談で知った課題や、自社からの提案内容も、目の前の会社の許可なく他社に出さないと伝えます。
- 答えられる内容を示す 公開情報、許可済み事例、確認済みの傾向から、質問の目的に合う内容を説明します。
答えられない理由を伝える方針
| 要素 | 伝えること | 避けること |
|---|---|---|
| 答えない理由 | 個別の提案情報を外に出さない方針を伝えます。 | 質問したことを責めるような説明をしません。 |
| 今回の扱い | 今回の提案も相手の許可なく他社へ出さないと伝えます。 | 他社の情報だけを特別扱いする説明をしません。 |
| 代わりの説明 | 答えられる情報の種類と範囲を示します。 | 社名を伏せただけの個別情報を話しません。 |
| 確認が必要な場合 | 社内で確認してから回答範囲を知らせると伝えます。 | 確認前に回答できると約束しません。 |
今回の提案を共有する範囲も目の前の会社に伝える
他社の情報を出さない方針は、今回の商談にも同じように適用します。提案内容を他社へ紹介する場合の許可と、社内で共有する範囲を分けて伝えます。
- 他社へ出す前に確認する 自社が作った提案でも、目の前の会社の課題や条件を含む内容は、その会社の許可なく他社に出しません。
- 社内の共有範囲を伝える 提案や対応に必要な部署と共有の目的を説明します。共有範囲を絞りたいという希望があれば、対応できるかを社内の責任者に確認します。
- 資料の扱いを確認する 提案資料を送る相手と、その相手が社内で共有する範囲を、送付前に商談相手と確認します。別の商談で資料を使うときも、許可を確かめます。
提案を説明・共有するときの基準
| 場面 | 伝えること | 自社ですること |
|---|---|---|
| 商談での説明 | 今回の提案を許可なく他社に紹介しないと伝えます。 | 口頭での説明にも同じ方針を適用します。 |
| 社内での共有 | 共有する部署と目的を伝えます。 | 提案や対応に必要な範囲で閲覧できるようにします。 |
| 資料の送付 | 資料を送る相手と、相手側で共有する範囲を確認します。 | 宛先と送付する資料の内容を確かめます。 |
| 別の商談での使用 | 紹介したい内容と用途を事前に伝えます。 | 許可を得た範囲だけを使い、記録を残します。 |
聞かれた内容と答えた範囲を記録する
商談後は、何を聞かれ、どこまで答えたかを残します。次に対応する人が同じ範囲で説明できるように、参照した資料や確認待ちの内容も記録します。
- 質問の意図も残す 質問内容に加え、比較や条件の相談など、確認できた目的を記録します。確認できた目的と自分の推測は分けて書きます。
- 回答の根拠を残す 答えた範囲と、参照した公開ページや許可済み資料を記録します。
- 保留と反応を残す 答えなかった情報の種類、相手の反応、追加で確認する内容を残します。
商談後に残す内容
| 記録項目 | 書くこと |
|---|---|
| 質問 | 聞かれた内容と、確認できた質問の目的を書きます。 |
| 答えた範囲 | 説明した内容と、参照したページや資料を書きます。 |
| 答えなかった内容 | 社名や提示条件など、回答を控えた情報の種類を書きます。 |
| 相手の反応 | 理解や同意を示した発言、追加の質問、説明を求められた点を書きます。 |
| 追加の確認 | 確認する内容、確認先、回答の状況を書きます。 |
答えてよい内容と確認先を一覧にする
答える範囲を個人の記憶に任せず、社内で参照できる一覧にします。情報の区分ごとに、使える資料と確認先を決めておきます。
- 参照する資料を決める 公開ページや許可済み資料の保管先を記載し、商談前に確認できるようにします。
- 迷ったときの対応を決める 他社に関する質問について一覧で回答可否を判断できない場合は、その場での回答を保留し、指定された社内窓口に確認します。
- 変更時に更新する 公開内容や許可の変更があったら一覧を更新し、更新前の資料は使用をやめます。
回答範囲を管理する社内一覧
| 区分 | 内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 公開情報 | 公開中のページと答えられる内容を載せます。 | 公開内容の管理担当へ確認します。 |
| 許可済み事例 | 許可の範囲と承認済み資料の保管先を載せます。 | 許可を取得した窓口へ確認します。 |
| 傾向 | 確認済みの説明内容と根拠を載せます。 | 営業資料の管理担当へ確認します。 |
| 答えない情報 | 他社の社名、条件、金額、課題、提案の有無のうち、公開されておらず紹介の許可もない情報を載せます。 | 営業責任者へ確認します。 |
| 判断に迷う情報 | 回答を保留し、質問内容を確認先へ渡します。 | 社内で指定した相談窓口へ確認します。 |
答える範囲と伝え方を書き出す
このメモに、商談で使う情報と伝え方の方針を書き込みます。回答可否が未確認の情報は回答を保留し、確認する内容と社内の確認先を残します。
- 資料を具体的に書く 公開ページ、許可済み資料、許可の記録を確認できる場所まで書きます。
- 伝える内容を決める 答えない理由、今回の提案も同じ扱いとする方針、代わりに示す内容を書きます。
- 社内で確認して使う 記入後は確認先に内容を見てもらい、商談前に参照する一覧へ反映します。
答える範囲を決めるメモ
| 項目 | 自社で決めて書く内容 |
|---|---|
| 公開している情報 | 答えられる内容と公開ページを書く: |
| 許可を得た事例 | 社名、紹介できる内容、用途、許可の記録先を書く: |
| 傾向で答えること | 根拠と説明可否を確認した傾向と、その根拠を書く: |
| 答えない情報 | 公開されておらず紹介の許可もない、社名・条件・金額・課題・提案の有無を書く: |
| 伝え方の方針 | 答えない理由、今回の提案の扱い、代わりに示す内容を書く: |
| 記録先・確認先 | 商談の記録先と、判断に迷ったときに確認する人や部署を書く: |
