公開情報の変化を、営業先を選ぶ条件に使う

新設・移転・インボイス登録の変化から、営業先を選ぶ条件を考えます。公開情報で分かることと分からないことを分け、確認の手順を決めます。

  • 使う情報を決める 新設・移転・インボイス登録などの情報について、どこで何を確認するかを決めます。
  • 提案の理由を決める 公表された事実と自社の提案の関係を整理し、公表されていない事情は書かないと決めます。
  • 営業先の条件を決める 期間・地域と、除外する会社を条件シートに記入し、連絡前の確認手順を決めます。

公表された変化を提案の理由にする

新設・移転・登録の変化は、公表された事実として確認できます。その事実と自社の提供内容に関係があれば、提案する理由を具体的に説明できます。

  • 変化の内容を確認する 名称だけで判断せず、法人番号や所在地を照合して、調べたい法人の変化かどうかを確かめます。
  • 提案との関係を書く 確認した変化に対して、自社が何を提供できるかを書きます。需要があるとは決めつけません。
  • 事情を推測しない 新設だから人手不足、移転だから事業拡大など、公開情報にない事情は提案の前提にしません。

変化から提案の理由を考える

  1. 公表元で対象法人と変化を確認する
  2. 変化と自社の提供内容の関係を考える
  3. 確認した事実の範囲で提案の理由を書く
変化の公表だけでは、相手の課題や購入意向は分かりません。

知りたい内容に合わせて公表元を選ぶ

国税庁の公表情報では、法人の基本情報やインボイス登録に関する内容を確認できます。事業や採用の状況は、対象企業が公開している内容を別に確認します。

  • 法人の変化を調べる 新設・名称変更・所在地変更・閉鎖は、法人番号公表サイトで公表内容を確認します。
  • 登録の状況を調べる インボイスの登録・取消は、適格請求書発行事業者公表サイトで公表内容を確認します。
  • 事業の説明を補う 対象企業の自社サイトや採用情報を読みます。掲載されていない事情までは推測しません。

情報と出どころを対応させる

情報公表元分かること
法人の変化国税庁 法人番号公表サイト新設・名称変更・所在地変更・閉鎖の公表内容を確認できます。
登録・取消国税庁 インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトインボイス登録・取消の公表内容を確認できます。
事業・採用対象企業の公式サイト・採用情報公開されている事業説明や募集内容を確認できます。
異なる出どころの情報を、すべて国税庁の公表情報として扱わないでください。

新設の公表と事業の実態を分けて確認する

新設の公表から、法人の新設という事実や名称・所在地を確認します。事業内容や規模、担当者や連絡先の有無は、それだけでは分かりません。

  • 対象法人を確かめる 公表された法人番号・名称・所在地を照合し、調べたい法人かどうかを確かめます。
  • 事業内容を補足する 対象企業の公開情報で、事業内容と提案の関係を確認します。新設だけを理由に需要を決めつけません。
  • 連絡先を確認する 公開された窓口と連絡受付の案内を確認します。見つからない情報は未確認として残します。

新設法人の確認範囲を整理する

確認項目新設の公表で分かること別に確認すること
新設法人の新設が公表されていることを確認できます。実際の営業開始や事業の状況は別に確認します。
名称・所在地公表された名称と所在地を確認できます。連絡先として案内されている窓口を確認します。
事業・規模新設の公表だけでは分かりません。対象企業の公式サイトなどの公開内容を確認します。
担当・連絡先担当者や連絡先の有無は分かりません。公開窓口の有無と利用案内を確認します。
公表情報の日付を使うときは、何の日付かを確認して記録します。

所在地の変更は公表された事実だけを書く

所在地変更の公表から、所在地が変わった事実と変更後の所在地を確認できます。移転の理由や規模の変化は、その情報だけでは分かりません。

  • 所在地変更を確認する 対象法人を照合し、変更後の所在地を確認します。連絡先は変更後の所在地で見直します。
  • 移転の事情を足さない 拡大・縮小・人員増などは、所在地の変更から断定しません。別の公開情報があれば出典を残します。
  • 提案の理由を限定する 提案の理由には、確認した所在地の変更と自社の提供内容の関係を書きます。別の公開情報で確認した事業内容も、出典があれば使えます。

所在地変更の事実と推測を分ける

確認項目分かること・分からないこと条件や記録への入れ方
変更の事実所在地の変更が公表されていると分かります。所在地変更を抽出条件にします。
新所在地公表された変更後の所在地が分かります。対象地域に含まれるか確認します。
理由・規模移転の理由や規模の変化は分かりません。拡大や縮小を推測して書きません。
提案の理由所在地変更だけでは需要は分かりません。変更の事実と提供できる内容の関係を書きます。
所在地の変更が公表されていても、実際の事業拠点の状況までは分かりません。

登録・取消の公表から経営状態を推測しない

インボイスの公表情報では、登録の有無や取消の公表を確認できます。取消の公表だけでは理由や経営状態は分からないため、営業先の抽出と取引の判断を分けます。

  • 公表内容を確認する 対象事業者を照合し、登録・取消の公表内容を確認します。確認日と出典も残します。
  • 取消の理由を足さない 取消を廃業や経営難と結び付けません。相手の事情を推測した説明も書きません。
  • 取引は自社基準で決める 営業先の条件に使う場合も、取引の可否は自社の基準に沿って必要事項を確認して判断します。

登録・取消の確認範囲を整理する

確認項目分かること・分からないこと営業での扱い
登録の有無公表情報で登録の有無を確認できます。確認日とともに条件の判定結果を残します。
取消の公表取消が公表されていることを確認できます。公表された事実として記録します。
理由・経営取消の公表だけでは、理由や経営状態は分かりません。廃業や経営難と推測して書きません。
取引の可否取引をするかどうかは、公表内容だけでは判断できません。自社の基準で必要事項を確認します。
登録・取消を抽出条件にしても、相手の課題や需要を確認したことにはなりません。

法人の閉鎖の公表を確認し、手紙を送らない先を決める

閉鎖が公表された法人へ手紙や案内を送らないよう、法人番号公表サイトの閉鎖の公表を除外の確認に使います。同名の別法人を除外しないよう、法人番号で対象を照合します。

  • 閉鎖の対象を照合する 名称だけで除外せず、法人番号と所在地を確認します。別法人の情報を取り違えないようにします。
  • 清算の状況を断定しない 閉鎖の公表だけで、清算の進行状況や完了を推測しません。確認できた内容だけを記録します。
  • 除外一覧へ反映する 除外理由・出典・確認日を残し、送付前に一覧と照合します。既存の営業先リストにも反映します。

閉鎖情報を除外に反映する

確認項目確認する内容対応
閉鎖の公表対象法人について公表された内容を確認します。確認した法人を送付対象から除外します。
同名の法人法人番号と所在地を照合します。同名だけを理由に別法人を除外しません。
清算の情報出典に記載された内容を確認します。閉鎖から清算の状況を推測しません。
除外一覧除外理由・出典・確認日を記録します。送付前に営業先リストと照合します。
閉鎖の公表を、相手の経営状態について説明する材料にはしません。

変化の条件は期間と地域を組み合わせて決める

「新設」「移転」だけを条件にすると、対象が広すぎることがあります。期間と地域を組み合わせ、提案との関係を説明できる条件に絞ります。

  • 期間の基準を決める 基準にする日付と、対象とする期間を決めます。公表情報の日付が何の日付かを確認して使います。
  • 地域と必要な項目を加える 対応できる地域を指定し、必要なら業種や規模を加えます。未確認の項目は推測で埋めません。
  • 提案との関係を書く その変化に対して何を提供できるかを一文にします。相手が困っているという前提は置きません。

条件に使う項目を選ぶ

条件組み合わせる項目提案とのつながりの書き方
新設基準日・期間・地域・業種新設の事実と、提供できる内容の関係を書きます。
所在地変更基準日・期間・変更後の地域変更後の地域と、自社が対応できる内容の関係を書きます。
登録・取消公表内容・確認日・地域・業種登録の有無が自社の提案にどう関係するかを書きます。
除外閉鎖・連絡辞退・対象外地域除外に当たる場合は、提案対象に含めません。
条件例は項目名を示しています。具体的な値は自社の提供内容に合わせて決めます。

公開情報の事実と自社の見立てを別欄に記録する

確認した事実と提案のための見立てを同じ欄に書くと、推測を事実として扱いやすくなります。欄を分け、出典と確認日を残します。

  • 事実欄には出典を残す 公表元で確認した内容を記録します。名称・法人番号・所在地の転記も確認します。
  • 見立ては相手に言わない 提案との関係や自社の見立ては、見立て欄に書きます。見立てを相手の事情として伝えません。
  • 確認日と未確認を残す いつ確認したかを記録し、不明な項目は未確認とします。連絡前に再確認する項目も決めます。

事実と見立ての記録欄を分ける

記録欄書くこと扱い方
公開情報の事実公表元で確認した内容(例:所在地変更の公表を確認)。公表内容の範囲で記録します。
自社の見立てこの変化に対して自社が提供できると考える内容。相手の需要を確認したとは扱いません。
出典公表元の名称と参照先。後から確認できるように残します。
確認日確認した日付。情報の新しさを見直す際に使います。
未確認事項分かっていない項目(例:連絡窓口は未確認)。推測で補わず、連絡前に確認します。
自社の見立て欄に記録しても、裏付けのない経営状態の推測は提案に使いません。

連絡前に情報の内容と受付方針を確かめる

公開情報には実際の状況との時間差があり、転記による誤りも起こり得ます。調べた法人と連絡先の法人が同じかどうかと、連絡窓口の案内を確認してから連絡します。

  • 公表元を再確認する 保存した情報だけで判断せず、連絡前に公表元を確認します。名称・所在地・登録状況の取り違えを防ぎます。
  • 連絡辞退を反映する 営業目的の連絡を断っている先や、過去に辞退のあった先は除外一覧に入れます。窓口の利用案内も確認します。
  • 法人かどうか確認する インボイスの公表情報には個人事業主も含まれます。法人向けの営業先リストに個人事業主が混ざらないよう、対象を確認します。

連絡前の注意と対応を決める

注意起きること対応
情報の時間差公表内容と実際の状況が異なる場合があります。確認日を残し、連絡前に情報を見直します。
転記ミス別法人の名称や所在地を記録するおそれがあります。法人番号と公表内容を照合します。
営業連絡の辞退受付方針や過去の辞退を見落とす場合があります。案内と履歴を確認し、除外一覧へ反映します。
個人事業主法人向けのリストに混在するおそれがあります。法人か確認し、個人事業主は対象から外します。
公開されている連絡先でも、営業目的の連絡を受け付けているとは限りません。

条件シートを埋めてから営業先を抽出する

使う変化と対象範囲を記入し、誰が確認しても同じ条件で判断できるようにします。分からない項目は未確認とし、除外条件と確認日も残します。

  • 変化と対象範囲を書く 使う変化・期間・地域を記入します。期間には基準にする日付も添え、業種や規模の指定の要否を決めます。
  • 除外する先を書く 閉鎖の公表、営業連絡の辞退、対象外の地域などを記入します。抽出後にも除外一覧と照合します。
  • 提案の理由を確かめる 提案とのつながりを一文で書きます。公開情報にない事情を含んでいないか確認します。

変化を使った営業先の条件シート

項目記入欄項目記入欄
使う変化期間(基準日から)
地域業種
規模除外
提案とのつながり(一文)確認日
出典と対象法人の確認結果は、営業先ごとの記録に残します。