資料名に必要な情報は相手の探し方で決まる
送った資料は、後日探されたり、社内の別の人に渡されたりします。受け取った相手が何を手掛かりにするかを考え、送付用の名前を決めます。
- 相手の探し方を想定する 相手が資料を探す場面を想定し、名前に入れる情報を決めます。
- 資料を見分ける名前を決める 社内だけで使う表記を外し、似た資料との違いが分かる名前を決めます。
- 名前の付け方を記録する 更新時に変える表記、複数の資料を送るときの並び、再送に備えた記録先を決めます。
資料を探す手掛かりは受け取った後の場面で変わる
送付時の説明を覚えている人だけが、資料を探すとは限りません。後日探す場面や、別の人へ渡る場面を想定します。
- 後日使う言葉を考える 商談で伝えた商品名や資料の用途を、後から探すときにも使える言葉として名前に入れます。
- 別の人にも内容を伝える 送付時の会話を知らなくても、どの会社の何についての資料かを読み取れる名前にします。
- 並んだ状態を想定する 似た名前の資料と並べたとき、相手が開く前に違いを見分けられるかを見ます。
探す場面と名前の手掛かり
| 場面 | 相手が手掛かりにするもの | 名前に要ること |
|---|---|---|
| 後日探す | 商談で聞いた商品名や用途を思い出します。 | 相手に伝えた商品名や用途を入れます。 |
| 別の人に渡す | 提供した会社と資料の名前を頼りにします。 | 自社名と資料の内容を示します。 |
| 似た資料と並ぶ | 名前の中から違いを探します。 | 内容・宛先・版の違いを示します。 |
名前に入れる要素は何を見分ける必要があるかで変わる
名前に入れる要素の候補は、自社名・資料の内容・宛先・版です。すべてを機械的に入れず、何を区別する必要があるかで選びます。
- 会社と内容を軸にする 自社名と資料の内容を基本にすると、どこから届いた何の資料かを名前で伝えられます。
- 宛先は必要な場合に入れる 宛先ごとに提案内容が違う資料では、相手の会社名などを入れて区別します。
- 版を入れる条件を決める 同じ題名の改訂前後の資料が相手の手元に残る場合は、版を見分ける表記を入れます。
名前の要素を選ぶ基準
| 要素 | 入れる理由 | 入れないとき |
|---|---|---|
| 自社名 | どの会社から届いた資料かを示します。 | 商品名などで提供元を特定できる場合に限ります。 |
| 資料の内容 | 何についての資料かを伝えます。 | 省きません。概要や利用条件など、内容を示す言葉を入れます。 |
| 宛先 | 宛先ごとの提案を区別します。 | 宛先を絞らない共通資料では省きます。 |
| 版 | 同じ題名の改訂前後を区別します。 | 版の違いを示す必要がない資料では省きます。 |
社内で通じる略称は相手の手掛かりとは限らない
案件番号や担当者の頭文字は、社内で探すための表記です。送付用の名前では、相手に意味が伝わる言葉へ置き換えます。
- 案件番号を言葉に置き換える 社内の番号だけで示していた案件は、相手が知っている案件名や提案内容で表します。
- 担当者の頭文字を外す 担当者の略称や頭文字は外し、必要な区別を自社名や資料の内容で示します。
- 作業中を示す表記を外す 社内の作業段階を示す表記は外します。相手にも確認を求める資料なら、確認用など目的が伝わる表記にします。
社内表記の置き換え方
| 外す表記 | 相手に見えたときの受け取られ方 | 代わりの表記 |
|---|---|---|
| 案件番号 | 相手が番号を知らなければ、何の案件か分かりません。 | 相手と共有している案件名を使います。 |
| 担当者の頭文字 | 人の名前か資料の種類か分かりにくくなります。 | 区別が必要なら、自社名や資料の内容で示します。 |
| 作業中の表記 | 受け取ってよい資料か迷うことがあります。 | 表記を外し、必要なら確認用と示します。 |
似た資料の区別には違いを表す言葉が必要だ
同じ商品名を付けただけでは、概要と利用条件の資料を区別できません。共通する部分に加え、内容・宛先・版の違いを名前に示します。
- 資料の用途を書き分ける 同じ商品でも、サービス概要・利用条件の案内など、その資料で分かることを書き分けます。
- 宛先の違いを示す 宛先ごとに内容を変えた提案には宛先名を入れ、誰に向けた資料かを示します。
- 違いを同じ位置に置く 宛先や版の位置を決めておくと、似た名前を並べたときに違いを探しやすくなります。
似た資料を書き分ける方法
| 似る場面 | 見分ける要素 | 注意 |
|---|---|---|
| 同じ商品の別資料 | サービス概要・利用条件の案内で分けます。 | 商品名だけで名前を終えないようにします。 |
| 別の宛先 | 宛先の会社名を同じ位置に入れます。 | 共通資料に宛先別の違いがあるような名前を付けません。 |
| 版が違う | 版の表記を同じ位置に入れます。 | 修正、再修正といった表記だけでは区別しません。 |
改訂前の資料が相手に残るなら区別する表記が要る
相手の手元には、改訂前の名前のまま資料が残ることがあります。更新時は内容を示す言葉を保ち、どの表記を変えるかを決めます。
- 版の表し方を固定する 版名や改訂日など、改訂前後を区別できる表記を選びます。最新という表記だけで更新を表さないようにします。
- 改訂前の名前を記録する 相手が持つ資料を名前で確認できるよう、送付済みの名前と更新後の名前の対応を記録します。
- 新旧の名前を伝える 更新後の送付時には、どの名前の資料に代わるものかを伝えます。名前だけ変えた場合も、その旨を添えます。
更新時の名前の扱い
| 更新の場面 | 名前の扱い | 相手に伝えること |
|---|---|---|
| 内容を改訂する | 内容を示す言葉を保ち、版の表記を変えます。 | 改訂前と更新後の資料名を伝えます。 |
| 旧版が相手に残る | 送付済みの名前を記録に残します。 | 以後参照してほしい資料名を伝えます。 |
| 名前だけ変える | 変更前後の名前を記録します。 | 内容の改訂ではなく、改名した旨を伝えます。 |
読む順序は資料名だけで伝わるとは限らない
複数の資料は、受け取った相手が別の順序で並べることもあります。順序の印だけに頼らず、主となる資料と補足の役割を名前で示します。
- 主となる資料を示す まず読んでほしい資料には、提案書など主となる資料だと分かる言葉を入れ、送付時にも資料名を挙げて案内します。
- 補足の内容を示す 補足資料という言葉だけで終えず、導入手順など、何を補う資料かを名前に入れます。
- 順序の印を統一する 読む順を示す印を付ける場合は、同じ位置に置きます。単独で渡っても意味が分かる名前にします。
資料の役割と並びの示し方
| 資料の役割 | 名前での示し方 | 注意 |
|---|---|---|
| 主となる資料 | 提案書など、主となる資料だと分かる言葉を入れます。 | 最初に読む資料名を送付時にも伝えます。 |
| 続けて読む資料 | 読む順の印と、内容を示す言葉を付けます。 | 順序の印だけを資料名にしません。 |
| 補足資料 | 補足という言葉と、補う内容を併記します。 | 単独で受け取っても内容が分かる名前にします。 |
名前と表紙のずれは同じ資料か迷う理由になる
名前を見て開いた資料の表紙の題名が名前と違うと、探していた資料か判断しにくくなります。題名・宛先・版が、名前と表紙で同じ対象を指すようにします。
- 内容を示す言葉を一致させる 名前を短くする場合も、商品名や利用条件の案内など、内容を特定する言葉は表紙と共通にします。
- 宛先の表記を対応させる 名前に宛先を入れた場合は、表紙と同じ会社を指す表記かを見ます。紛らわしい略称は避けます。
- 版の示し方を一致させる 名前と表紙に版を示す場合は、同じ表記を使います。名前と表紙のどちらを見ても、同じ版の表記が読めるようにします。
名前と表紙の照合
| 一致させる要素 | 確かめ方 | ずれたとき |
|---|---|---|
| 内容を示す言葉 | 商品名と資料の用途を読み比べます。 | 表紙の題名に沿って名前を直します。 |
| 宛先 | 同じ会社や部署を指すか読み比べます。 | 送付する対象を確認し、宛先表記を直します。 |
| 版 | 名前と表紙の版表記を読み比べます。 | 送付対象の版を確認し、表記を一致させます。 |
相手の呼び方だけでは再送する資料が定まるとは限らない
再送の依頼では、正式な資料名ではなく前の提案書のように呼ばれることもあります。相手の言葉を送付記録と照らし、候補の名前を示して確認します。
- 相手の呼び方を手掛かりにする 相手が覚えている内容や受け取った時期を聞き、送った資料の候補を探します。
- 送付時の名前で確認する 候補の資料名を伝え、求めている資料かを確認します。社内用の呼び名だけで判断しません。
- 希望する版を確認する 前回と同じ資料か、更新後の資料かを確認します。再送した資料の名前も記録に残します。
再送依頼と名前の記録
| 場面 | 確かめること | 記録 |
|---|---|---|
| 呼び方が曖昧 | 内容や受け取った時期を聞きます。 | 相手の呼び方と候補の資料名を残します。 |
| 候補が見つかる | 送付時の名前を挙げて確認します。 | 宛先・送付日・送付時の名前を参照します。 |
| 版の希望が不明 | 前回と同じ版か、更新後の版かを聞きます。 | 希望された版と、実際に再送した資料の名前を残します。 |
付け方を書き残さなければ担当ごとの判断が分かれる
名前の付け方を口頭だけで共有すると、担当が変わったときに判断が分かれるおそれがあります。要素の順と表記、例外の扱いを同じ記録先に書きます。
- 要素の順を文章にする 自社名、資料の内容、宛先、版をどの順に置くかを書きます。宛先や版を省く条件も決めます。
- 使う表記を決める 会社名や商品名の表記と、要素の間の区切り記号を決めます。実際の送付用の名前を例として残します。
- 例外の理由を残す 相手から名前の指定があった場合は、指定された名前と理由を記録し、通常の決まりと区別します。
自社の命名ルールの記録
| 決めること | 書くこと | 理由 |
|---|---|---|
| 要素の順 | 自社名・内容・宛先・版を置く順を書きます。 | 名前の中で各情報を探す位置を一定にします。 |
| 表記の決まり | 名称、区切り方、版の表し方を書きます。 | 同じ資料に異なる呼び名が付くのを抑えます。 |
| 省略の条件 | 宛先や版を入れない条件を書きます。 | 担当ごとの判断の違いを減らします。 |
| 例外の扱い | 指定された名前と採用した理由を書きます。 | 例外の名前を通常の付け方と混同しないためです。 |
| 記録先 | 決まりと送付名の記録先を書きます。 | 担当が変わっても付け方と送付名を確認できます。 |
確認表を埋めると相手の手掛かりに欠けた要素が分かる
実際に送る資料を選び、名前の付け方を具体的に書きます。不要な項目にも省く理由を書き、判断を記録します。
- 候補の名前を書いてみる 自社名の表記と要素の順を決め、送付用の名前を書きます。各欄で、その名前に入れた要素と省いた要素を確かめます。
- 相手の場面で読み直す 後日探す、別の人に渡す、似た資料と並ぶ場面で、何を手掛かりに見分けられるかを書きます。
- 更新と再送にも備える 更新時に変える表記と、再送依頼で確認する情報を決めます。採用した名前を送付記録に残します。
送付用の資料名を決める確認表
| 確認項目 | 自社で書くこと | 確認項目 | 自社で書くこと |
|---|---|---|---|
| 資料の内容 | 何についての資料かを書く: | 宛先 | 入れる宛先、または省く理由を書く: |
| 版 | 使う版表記と更新時の変え方を書く: | 外した表記 | 外した社内表記を書く: |
| 似た資料との区別 | 違いを示す言葉を書く: | 表紙との一致 | 表紙の題名・宛先・版と一致しているかを書く: |
| 並び順 | 相手に読んでほしい順と、主となる資料を書く: | 記録先 | 命名ルールと送付名の記録先を書く: |
