過去の記録と残っている約束を確かめて切り替える
営業管理表を切り替えるときは、過去の記録から次の対応を判断できることが大切です。移す範囲から使い始める条件まで、自社で決めた内容を書き出します。
- 移す対象を決める 記録の保管場所を洗い出し、対応が終わっていない約束を含めて、移す対象を決めます。
- 意味を保って移す 元の項目と新しい項目の対応を決め、実際の記録で履歴や約束を読み取れるか確かめます。
- 使い始める条件を決める 作業中に増えた記録を反映し、元の記録との照合と保管方法を確認して、使い始める条件を決めます。
記録を引き継がないと、次の対応を判断しにくくなる
新しい表に会社名だけを移すと、これまでのやり取りや残っている約束が見えなくなります。何を確認できなくなると困るかを、切り替え前に整理します。
- 残っている約束を探す 折り返しや資料送付の約束が古い表に残ると、新しい表を見ても対応が必要だと分かりません。
- 会社ごとに履歴をたどる 手紙・電話・フォームの記録が分かれていると、同じ会社への前回の連絡を見落とすおそれがあります。
- 最新の記録先を決める 古い表と新しい表の両方に書き続け、どちらが最新かを決めていないと、最新の情報がどちらにあるか判断できなくなります。
記録を引き継がないと困る場面
| 起きること | 困ること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 約束が見えなくなる | まだ回答や折り返しが必要なことを見落とします。 | 未対応の約束を移す対象に含めます。 |
| 会社の履歴が分かれる | 別の手段で連絡した内容を見落とします。 | 同じ会社の記録をたどれるようにします。 |
| 正しい表が分からない | 最新の連絡や対応状況を判断できません。 | 切り替え後に書く場所を決めます。 |
移す範囲と切り替え後に書く場所を先に決める
作業を始める前に、誰の、どの営業手段の記録を切り替えるか決めます。対象外の記録をどこで参照するかも、併せて書き残します。
- 担当の範囲を決める 現在の担当だけでなく、退職や担当変更で引き継いだ記録も対象に含めるか決めます。
- 営業手段の範囲を決める 手紙・電話・フォームのどこまでを移すか決めます。対象外の記録に約束が残っていないかも確認します。
- 新しい記録先を決める 切り替え後の連絡を書く場所を決めます。対象に含めない記録の参照先も明記します。
作業前に決める範囲
| 決めること | 選択肢 | 注意 |
|---|---|---|
| 担当の範囲 | 全担当の記録を移す/担当を指定して移します。 | 引き継いだ記録も確認します。 |
| 営業手段の範囲 | 全手段を含める/手段を指定します。 | 別の手段に残る約束も探します。 |
| 過去の記録の扱い | 新しい表へ移す/元の記録を参照します。 | 移さない履歴の参照先を残します。 |
| 新しい記録先 | 担当や営業手段ごとに順に切り替える/全体を同時に切り替えます。 | どの記録をどこへ書くかを明記します。 |
記録の保管場所と内容を確認できる人を書き出す
移す対象が決まったら、会社情報や履歴が実際にどこにあるかを一覧にします。表の外にあるメモや外注先からの報告も確認します。
- 記録の種類から探す 会社情報、連絡履歴、商談メモ、外注先からの報告に分けて、保管場所を探します。
- 開ける場所を記す 共有の表という書き方だけで済ませず、ファイル名や保存先など、元の記録を開ける情報を書きます。
- 確認できる人を記す 略語や更新状況を説明できる人を記します。内容を確認できる人がいない記録も一覧に残します。
記録の所在を書き出す表
| 記録の種類 | 保管場所 | 確認できる人 |
|---|---|---|
| 会社情報 | 会社一覧の保存先とファイル名を書きます。 | 会社情報を更新している人を書きます。 |
| 連絡履歴 | 担当別・手段別の表の保存先を書きます。 | 連絡内容を説明できる人を書きます。 |
| 商談メモ | 個別のメモや添付資料の保存先を書きます。 | 商談に参加した人を書きます。 |
| 外注先からの報告 | 報告書や受信したメールの場所を書きます。 | 依頼窓口になった人を書きます。 |
対応が終わっていない約束を移す対象に含める
過去の連絡でも、回答や資料送付が残っていれば今後の対応に必要です。約束の内容と元の記録を結び付け、移す対象に含めます。
- 未対応の約束を探す 回答、資料送付、折り返し、再連絡の約束を探します。完了した記録があるかも確かめます。
- 元の記録と結び付ける 約束だけを抜き出さず、会社、連絡日、用件、対応する人と、元の記録の場所を残します。
- 曖昧な内容を確認する 後で連絡するという内容だけの曖昧な約束は、移す前に確認します。確認できない場合は、不明な点を書いて未確認と記録します。
残っている約束の拾い方
| 場面 | すること | 記録 |
|---|---|---|
| 回答が残っている | 質問内容と回答済みかどうかを確認します。 | 質問の内容、回答期限、対応する人、元の記録の場所を書きます。 |
| 資料送付が残る | 送る資料と送付済みかどうかを確認します。 | 資料名、約束した時期、対応する人、元の記録の場所を書きます。 |
| 再連絡を約束した | 連絡する用件と約束した時期を確かめます。 | 用件、連絡時期、対応する人、元の記録の場所を書きます。 |
| 約束の内容が曖昧 | やり取りを知る人に内容を確認します。 | 不明な点、確認先、確認結果を書きます。 |
元の項目を新しい管理表のどこへ移すか決める
元の項目ごとに、新しい管理表の移し先を決めます。項目名だけで判断せず、中に書かれた情報の意味を確認します。
- 項目ごとに移し先を記す 元の表ごとに項目と移し先を書きます。同じ名前の項目でも、表によって使い方が違う場合があります。
- 名前より意味を確かめる 担当という項目が自社の担当か相手の窓口かを確認します。日付も、連絡日か入力日かを確かめます。
- 移し先がない情報を残す 移し先の項目がない情報は、備考に書くか、元の記録の参照先を書くかを決めます。置き場がないという理由で捨てません。
元の項目と新しい項目の対応
| 元の項目 | 新しい項目 | 注意 |
|---|---|---|
| 会社 | 会社名へ移します。 | 略称だけで会社を判断しません。 |
| 担当 | 自社担当または相手の窓口へ移します。 | 誰を指しているか確かめます。 |
| 日付 | 連絡日または入力日へ移します。 | 何が起きた日か確かめます。 |
| 結果・メモ | 連絡結果と対応内容へ分けて移します。 | 分ける際に約束や補足を落としません。 |
| 添付先 | 資料の参照先へ移します。 | 対応項目がなければ備考などに置き場を決めます。 |
意味が違う記録を同じ表現にまとめない
同じ言葉でも、記録した人や営業手段によって意味が違うことがあります。区分や略語を置き換える前に、何を表しているか確かめます。
- 区分や略語の意味を聞く 済・不在・見込みありなどの区分がどの状態を表すのか、元の記録を読み、記録した人に確認します。
- 違う状態を分けて残す 送付済みと回答済みを同じ完了という区分にまとめると、その区分だけでは残る対応が分かりません。状態の違いを残して移します。
- 意味を確かめられない記録は元の表現を残す 意味を確かめられない記録は未確認とし、元の表現も残します。都合のよい区分に当てはめません。
同じ表現にまとめる前の確認
| 元の記録 | 混ざりやすい意味 | 扱い |
|---|---|---|
| 済 | 連絡済み/資料送付済み/回答済み | 何が済んだかを確認して書き分けます。 |
| 不在 | 会社への電話がつながらない/相手の窓口が不在 | 確認できた状態を具体的に残します。 |
| 見込みあり | 資料を希望した/商談を希望した | 実際の反応を確かめて残します。 |
| 不可 | 今回の提案を断った/今後の連絡を断った | 断られた範囲を確認して残します。 |
| 意味を確認できない略語 | 記録した人に確認しても意味が分かりません。 | 意味未確認と記し、元の表現を残します。 |
実際の記録を移して次の対応を判断できるか確かめる
決めた移し方で実際の記録を移し、新しい管理表から履歴と約束を読んでみます。長いメモや添付資料がある記録も使って確認します。
- 長いメモや参照先を開く メモの末尾まで読めるか、改行で意味が変わらないか、添付資料の参照先を開けるか確かめます。
- 履歴の組み合わせを見る 会社、連絡日、担当者、用件が元の記録と同じ組み合わせで読めるか確認します。
- 次の対応を読み取る 何を、いつ、誰が対応するか判断できるか確かめます。判断できなければ、移し替えで情報が抜けたのか、元の記録にも情報がないのかを確かめて移し方を直します。
移し替え後も履歴と次の対応を確認できるか確かめる表
| 確かめること | 確かめ方 | 崩れていたとき |
|---|---|---|
| メモの全文 | 元の文章と末尾まで読み比べます。 | 全文を残せる置き場や移し方を見直します。 |
| 添付資料の参照 | 新しい表から参照先を開きます。 | 参照先の記載や保管場所を直します。 |
| 会社と履歴 | 会社・連絡日・担当者・用件を照合します。 | 対応関係を直し、同じ移し方の記録も確認します。 |
| 次の対応 | 約束の内容・時期・対応する人を読み取ります。 | 不足情報を確認し、元の記録の参照先を残します。 |
切り替え中に増えた記録と変更の行き先を決める
移し替えの作業中も、新しい連絡や約束の変更が発生します。追加や修正を書く場所と、新しい表への反映を確認する方法を決めます。
- 作業中に書く場所を決める 作業中の連絡を書く場所を指定します。担当者が別のメモを作らないよう、切り替え前に共有します。
- 追加や変更を区別する どこまで移したかを記し、その後の追加や修正を区別します。移した履歴の約束が変わった場合も含めます。
- 反映を確かめて印を残す 新しい表で追加や変更を確認してから、反映済みの印を付けます。反映先と確認した人も残します。
作業中に増えた記録と変更の扱い
| 場面 | すること | 記録 |
|---|---|---|
| 移し替えを始める | 移す元の記録と作業開始時点を特定します。 | 対象の保存先、作業開始日時、作業中の記録先を書きます。 |
| 新しい連絡を受ける | 指定した場所へ連絡内容を書きます。 | 会社、連絡日時、用件を書き、追加分であることを示す印を付けます。 |
| 約束の内容が変わる | 変更前の約束を特定して変更内容を書きます。 | 元の約束の参照先、変更内容、変更日時を書きます。 |
| 追加や変更を反映する | 新しい表で内容を確認して印を付けます。 | 反映先と確認した人を書き、確認後に反映済みの印を付けます。 |
会社と履歴を照合し、元の記録の保管を決めるまで消さない
新しい表の会社と履歴を元の記録と照合し、別の会社の情報が混ざっていないか確かめます。照合が終わるまで元の記録を消さず、終わった後の保管方法も決めます。
- 会社と履歴の対応を見る 会社名に加え、所在地など元の記録にある識別情報を確かめます。似た名前だけで同じ会社と決めつけません。
- 約束と担当を照合する 残っている約束の内容、時期、対応する人を照合します。作業中に追加や変更があった記録も確認します。
- 元の記録の保管を決める 照合結果と修正内容を残します。照合後も確認に使えるよう、元の記録の保管先と保管期限を決めます。期限が未定なら、決める人と時期を書きます。
会社と履歴を照合する表
| 照合する項目 | 確かめ方 | 結果の記録 |
|---|---|---|
| 会社の対応 | 会社名と識別情報を元の記録と比べます。 | 一致したか、要確認かと、確認に使った情報を書きます。 |
| 履歴の対応 | 連絡日・担当者・用件が同じ会社に属するか比べます。 | 一致したか、修正したかと、元の記録の場所を書きます。 |
| 残っている約束 | 内容・時期・対応する人を比べます。 | 一致したか、未確認の点があるかと、確認する人を書きます。 |
| 追加や変更 | 作業中の記録と反映先を比べます。 | 反映を確認したか、未反映の内容があるかを書きます。 |
| 元の記録の保管 | 照合後に元の記録を参照する方法を確認します。 | 保管先、管理する人、保管期限を書きます。 |
確認表に自社の決定を書いてから使い始める
ここまでに決めた内容を、切り替えの確認表に書き込みます。空欄があれば確認する人を決め、確認できなかった点は未確認と明記したうえで、使い始めてよいかを判断します。
- 自社の言葉で記入する 確認済みという記入だけで済ませず、対象、保管先、対応表の場所など、後から確認できる内容を書きます。
- 未確認の点を明記する 読み取れない履歴や約束、未反映の追加分が残っていないか確かめます。確認できなかった点は、確認先と結果を書いて未確認と明記します。
- 使い始めの判断を残す 誰が何を確認して開始を決めたかを記します。使い始める時点と、その後の記録先を関係者に共有します。
切り替えの完了を判断する確認表
| 確認項目 | 自社で決めた内容 | 確認項目 | 自社で決めた内容 |
|---|---|---|---|
| 切り替える範囲 | 対象の担当・営業手段・過去の記録を書く: | 記録の所在 | 保管場所の一覧と確認できる人を書く: |
| 項目の対応 | 対応表の場所・意味の確認結果・試した記録を書く: | 残っている約束 | 移した約束を確認できる記録の場所と、対応する人を書く: |
| 追加分の反映 | 追加・変更の記録先と反映の確認結果を書く: | 照合の結果 | 会社と履歴の照合結果・修正後の確認を書く: |
| 元の記録の保管 | 保管先・管理する人・保管期限を書く: | 使い始めの判断 | 判断した人・確認した内容・開始時点・以後の記録先を書く: |
