事前準備の中身は商談の着地点で決まる

商談の準備は、説明する資料だけでは終わりません。商談で相手に何を決めてもらうかから考えると、前日までに確かめることが見えてきます。

  • 準備を分けて考える 相手を知る・話す内容を決める・持ち物と接続・当日の段取りに分け、準備する項目を決めます。
  • 商談の着地点を決める 相手に決めてもらいたいことから、聞くことと伝えることを選びます。
  • 役割と記録を決める 同席者の役割を決め、準備した内容を商談の記録に残します。

資料ができても商談の準備が済んだとは限らない

説明資料が完成していても、相手の状況や訪問先が未確認のまま残ることがあります。準備の抜けを、当日に起きることと結びつけて見直します。

  • 説明以外にも目を向ける 資料の見直しに加え、相手の情報や接続先も準備の項目に入れます。
  • 未確認の項目を見つける 調べたことと、まだ分からないことを分けて書き出します。
  • 抜けへの対応を決める 前日までに調べる項目と、当日に相手へ聞く項目を分けます。

準備の抜けと当日への影響

抜け当日に起きること防ぎ方
相手を知らない前に聞いた内容を重ねて尋ねます。公開情報と前回までの記録を読みます。
話す内容が未定説明が続き、聞きたいことが残ります。聞くことと伝えることを分けて書きます。
持ち物や接続が未確認資料を見せられず、説明が止まります。使う端末で資料と接続先を開きます。
段取りが未定終わり方が決まらず、話が長引きます。終える予定と、最後に確かめる内容を決めます。
表は編集部作成の例です。

準備を四つに分けると、抜けている区分が分かる

準備する項目を思いつく順に並べると、得意な作業に偏りがちです。四つの区分ごとに、何をして、どの場面で確かめるかを決めます。

  • 項目を区分に振り分ける 準備する項目を四つの区分に振り分け、書かれていない区分を見つけます。
  • 済んだと言える形を決める 調べるだけで終えず、読んだ内容や動作を確かめた結果を書きます。
  • 確認する場面を決める 調査中、資料作成中、前日の見直しで、それぞれ確かめる項目を決めます。

準備を分ける区分

区分すること確かめる場面
相手を知る公開情報と前回までの記録を読みます。調査後に、分からない点を整理します。
話す内容を決める聞くことと伝えることを選びます。資料を作る前に、商談の着地点と比べます。
持ち物と接続資料、端末、接続先、場所を確認します。前日に、資料の表示と接続の手順を実際に試します。
当日の段取り到着から退出までの流れを書きます。前日に、同席者と流れを読み返します。
表は編集部作成の例です。

公開情報だけでは、相手の今の状況は分からず記録が要る

会社の公開情報と、これまでのやり取りでは、読み取れる内容が違います。前回までの記録や出席者の役割も読み、分からない点を残します。

  • 公開情報の更新を見る 事業内容や最近の発表を読み、公開された時期と掲載元を記録します。
  • 前回からの続きを探す 前に話した内容や約束したことを読み、今回確かめる点を抜き出します。
  • 役職だけで決めつけない 出席者の役割は、やり取りで分かっている内容と推測を分けて書きます。

相手を知るために読む材料

材料読むこと記録に残すこと
会社の公開情報事業内容や最近の発表を読みます。掲載元、公開された時期、商談に関わる内容を書きます。
前回までの記録相談内容や約束したことを読みます。分かっていることと、まだ答えがないことを書きます。
出席者の役割案内ややり取りから、商談への関わりを読みます。確認済みの役割と、当日に聞く点を書きます。
表は編集部作成の例です。

説明資料だけでは聞くことまで決まるとは限らない

説明の流れを作っても、相手に聞くことが決まっているとは限りません。聞くこと、伝えること、聞かれそうなことを分けて準備します。

  • 聞く目的を決める 商談の着地点に向けて、まだ分からないことから聞く項目を選びます。
  • 伝える内容を絞る 相手の関心に関わる説明と、その説明を支える資料を決めます。
  • 答えられる範囲を書く 聞かれそうなことを挙げ、その場で答えられる内容と持ち帰る内容を分けます。

話す内容を分けた準備

区分決めること注意
聞くこと分からない点と、聞く目的を決めます。前回までの記録に答えがないか見直します。
伝えること説明する内容と、見せる資料を決めます。相手の話によって省く内容も決めます。
聞かれそうなこと答えの根拠と、持ち帰る内容を決めます。未確認の内容を推測で答えないよう記しておきます。
表は編集部作成の例です。

準備する内容は相手に決めてもらうことで決まる

商談で何を決めてもらいたいかを先に決めると、用意する資料や聞く項目を選べます。相手がその場で決められないときの対応も考えておきます。

  • 決めてもらうことを決める 次の打ち合わせ、資料の提出、社内での検討など、今回目指す着地点を決めます。
  • 決めるための材料を選ぶ 着地点から逆に考え、相手が考えるために要る説明や資料を選びます。
  • 断られた後も考える 進めない理由を聞ける範囲で確かめ、提案を見直すか、ここで終えるかを考えます。

商談の着地点から考える準備

決めてもらうことこちらが用意すること断られたときの対応
次の打ち合わせ次に話す目的と、参加してほしい人の役割を整理します。次に話す話題があるかを確かめ、再提案するか考えます。
資料の提出渡す資料の内容と、提出できる時期を整理します。資料が要るかを聞き、送らない選択も残します。
社内での検討社内で説明する内容と、検討に要る情報を整理します。進めにくい点を聞き、見直せる内容があるか考えます。
表は編集部作成の例です。

資料の保存だけでは当日に使えるとは限らない

資料が保存されていても、当日の端末で開けるとは限りません。前日に、資料、端末、接続先、相手先の場所を実際に確かめます。

  • 使う端末で開く 当日使う資料を開き、文字や図が読めるか、見せたい箇所を出せるか確かめます。
  • つながるか試す 電源や音声、画面の共有を試し、つながらないときの連絡先を控えます。
  • 訪問先まで確認する 案内にある所在地、建物、入口を確認し、移動に使う情報を手元に残します。

前日に確かめる項目

確かめること内容注意
資料当日使う端末で、見せる資料を開きます。相手に送った内容と手元の内容を突き合わせます。
端末電源、充電、音声、画面の映り方を試します。電源のアダプターや接続に使うケーブルも準備します。
接続先案内された接続先と、参加するための手順を確認します。接続できないときの連絡先と代わりの進め方を決めます。
相手先の場所所在地、建物、入口、移動手段を確認します。会社の所在地と実際の商談場所を突き合わせます。
表は編集部作成の例です。

到着から退出までを並べると、決めていない段取りが分かる

当日の段取りは、話す順番だけでは終わりません。到着から退出までを並べ、説明が長引いたときにも残す内容を前日までに決めます。

  • 商談全体を並べる 到着や受付も含めて流れを書き、訪問とオンラインで異なる箇所を置き換えます。
  • 省ける説明を決める 相手の話が長くなったときに省く説明と、最後に確認する内容を決めます。
  • 終える予定から考える 終える予定までに次の対応を相談できるよう、説明と確認にどれだけ割くかを決めます。

前日までに書いておく当日の流れ

  1. 到着と受付
  2. 目的の確認
  3. 聞く・伝える
  4. 次を決める
  5. 退出
オンラインでは、到着と受付を接続と参加に置き換えます。

同席者が決まっても役割が決まったとは限らない

参加する人の名前だけでは、誰が話し、何を記録するかは分かりません。前日までに進行、説明、記録、次の提案を担う人を決めます。

  • 話題ごとに話す人を決める 説明する内容ごとに話す人を決め、補足を入れる場面も共有します。
  • 記録する人を決める 相手の発言と商談後にすることを残す人を決め、記録する場所を共有します。
  • 次を提案する人を決める 最後に次の行動を提案する人を決め、その場で答えられる範囲も共有します。

同席者と分担する役割

役割決めること注意
進行する話題の切り替えと、終わりを案内する人を決めます。予定より長引いたときに省く説明も共有します。
説明する内容ごとに話す人と、補足する人を決めます。同じ説明を重ねないよう、担当する範囲を分けます。
記録する記録する人と、記録を残す場所を決めます。話しながら書きにくい場面の分担も決めます。
次を提案する商談後にすることを提案し、相手の意向を聞く人を決めます。相手に判断してもらう内容と、社内で確かめてから答える内容を分けます。
表は編集部作成の例です。

準備と当日を並べて残すと次に直す点が分かる

商談後の記録だけでは、何を想定して準備したかが見えなくなります。準備した内容を先に残し、準備の想定と当日のやり取りの違い、次に直す点を書き足します。

  • 準備の内容を先に残す 聞くこと、伝えること、決めてもらうことを商談の記録に書いておきます。
  • 予定との差を書き足す 当日は、聞けなかったことや説明を変えた理由を、準備した内容の横に残します。
  • 次に直す作業を書く 振り返りを感想で終えず、調べ直す内容や追加する資料を書きます。

準備から商談後まで残す記録

残すこと書き方注意
準備で決めたこと聞くこと、伝えること、商談の着地点を書きます。公開情報や前回の記録など、考えた根拠も残します。
当日との違い予定から変わった内容と、その理由を書きます。相手が話したことと、自分の推測を分けます。
次回に活かす点調べ直す内容や、準備に加える作業を書きます。誰が取り組むかと、いつまでに終えるかも書きます。
表は編集部作成の例です。

準備の内容を書き出すと未確認の項目が分かる

準備が済んだかどうかは、項目名を眺めるだけでは分かりません。確認表に具体的な内容を書き、まだ分からないことも残します。

  • 自社の言葉で書く 表の案内に沿って、今回の相手や商談に合わせた内容を書きます。
  • 推測で埋めない 分からない項目には、その内容と、いつ誰が確かめるかを書きます。
  • 商談の記録に残す 同席者と内容を見直し、当日の結果を書き足せる場所に残します。

商談の事前準備の確認表

確認する項目記入する内容確認する項目記入する内容
相手の情報を記す。事業内容、最近の発表、出席者の役割と、情報の掲載元を書きます。前回の記録を記します。前回までに話した内容、約束したこと、まだ答えがないことを書きます。
聞くことを記す。今回聞きたい内容と、それを聞く目的を書きます。伝えることを記します。説明する内容、見せる資料、聞かれそうなことへの答えを書きます。
決めてもらう点を記す。商談で相手に決めてもらいたいことと、進めない場合の対応を書きます。持ち物と接続を記します。使う資料と端末、接続先、商談場所、前日に確かめた結果を書きます。
当日の段取りを記す。到着から退出までの流れと、長引いたときに省く説明を書きます。同席者の役割を記します。進行、説明、記録、次の提案を担う人と、それぞれの担当範囲を書きます。
表は編集部作成の例です。