承諾した用件を確かめて次の対応を決める

商談の冒頭で認識の違いがわかったら、予定していた説明をいったん止めます。相手が承諾した用件を確かめてから、その場の対応と社内で直すことを決めます。

  • 承諾した用件を確かめる 相手を責めずに承諾した用件を聞き、営業側の記録との違いを確かめます。
  • その場の対応を決める 説明を続ける場合は扱う範囲を、日を改める場合は次の連絡方法を、相手と決めます。相手が説明を望まない場合は、その意向を記録します。
  • 社内で直すことを決める 認識の違いが生じた経緯を残し、架電の記録と商談の引き継ぎを見直します。

認識の違いがどこで生じたかを確認する

連絡を受けた人と商談に出た人が違う場合も、記録を読む過程で意味が変わる場合もあります。誰のせいかを決める前に、用件が伝わった経路をたどります。

  • 関わった人を確認する 電話をかけた人、連絡を受けた人、商談に出た人の関係を確認します。
  • 情報が変わった所を探す 口頭の案内、架電の記録、商談の準備で、用件が変わっていないかを調べます。
  • 担当の違いだけで原因を決めない 架電担当者と商談担当者が違うというだけでは原因は分かりません。実際に伝えた内容を確かめます。

認識の違いが起きる場面

場面起きること確かめること
担当が交代した承諾の条件が商談担当に届きません。商談担当者が、架電時に相手が承諾した条件を記録で読んでいたか確認します。
相手側で未共有出席者が電話の用件を知りません。連絡を受けた人と共有内容を確認します。
記録が要約された要約後の記録では、相手が実際に承諾した範囲より広い説明を了承したように読めます。要約前の記録があるか確認します。
案内が変わった電話と商談で説明の目的が変わります。案内の変更時点と伝達先を確認します。
表は編集部作成の例です。実際に起きた場面に照らして使います。

承諾した用件を相手の言葉で確かめる

営業側の記録を先に読み上げると、その内容に引きずられて、相手が覚えている内容を確かめにくくなることがあります。まず、相手が当日何をする予定だったかを聞き、その言葉を残します。

  • 予定していた用件を聞く 商品説明を承諾したと決めつけず、資料の受け取りや情報交換も含めて、当日何をする予定だったかを確かめます。
  • 覚えている案内を聞く 連絡元と案内の内容を、覚えている範囲で確認します。思い出すよう迫りません。
  • 不明な点を未確認にする わからない内容は推測で埋めず、あとで確認する項目として残します。

相手の認識を確かめる項目

確かめること内容確認できなかった場合
予定していた用件何のために時間を取ったかを確認します。当初の用件が分からない場合は、今この場で扱ってよい用件があるかを相手に尋ねます。
連絡を受けた人本人が連絡を受けたか確認します。連絡を受けた人がわかるか確認します。
連絡元誰から連絡を受けたと覚えているか確認します。営業側の発信記録を調べます。
案内の内容何と案内され、何を承諾したか確認します。覚えている内容だけを残します。
表は編集部作成の例です。確認の順序は相手の説明に応じて変えます。

記録と相手の認識が違う箇所を特定する

相手の認識を聞いたら、架電時の案内と承諾の記録を照合します。記録があることだけを理由に、相手の記憶を訂正しようとしません。

  • 案内と承諾を分ける 営業側が説明した内容と、相手が承諾した内容を分けて記録を読みます。
  • 違う箇所を具体的にする 用件、説明の範囲、当日の目的のうち、どこが違うかを特定します。
  • 確認できた範囲を示す 記録で確認できた事実と、まだ確認できない内容を分けて残します。

営業側の記録と相手の認識の照合

照らし合わせるもの確かめること違いの例
架電の記録承諾の対象と条件が書かれているか確認します。記録は商品説明、相手の認識は資料の受領です。
案内した内容実際の案内と商談の予定を照合します。案内は情報交換、商談の予定は導入提案です。
相手の記憶聞く予定だった範囲と記録を照合します。相手は概要の説明だけを承諾したと認識し、記録には詳細説明まで承諾したと書かれています。
商談の準備持参資料と承諾された用件を照合します。承諾は機能の確認、持参資料は契約の検討用です。
表は編集部作成の例です。記録と記憶のどちらかを自動的に正しいと扱いません。

案内・記録・引き継ぎのどの段階で情報が変わったかを分ける

同じ認識の違いでも、案内の伝え方を直す場合と、記録や引き継ぎを直す場合があります。確認した事実から、情報が抜けたり意味が変わったりした段階を探します。

  • 原因と推測を分ける 根拠を確認できない原因は、可能性として残します。相手側の共有不足と断定しません。
  • 重なった原因も残す 案内が曖昧で、記録にも条件が抜けていた場合は、両方を見直します。
  • 直す箇所を決める 誰に注意するかではなく、案内・記録・引き継ぎのどこを変えるか決めます。

原因の区分と見分け方

原因見分け方社内で直すこと
伝え方案内自体から説明の目的や範囲を読み取れません。誤解された箇所の案内を具体的にします。
記録の要約元の記録にある承諾の条件が要約で抜けています。条件を省かず、解釈と分けて記録します。
社内の引き継ぎ記録にある条件が商談の準備に反映されていません。条件を読んだか準備時に確認します。
相手側の共有連絡を受けた人と出席者で用件の認識が違い、営業側の案内と記録には食い違いがありません。出席者にも用件が伝わったか確認する項目を設けます。
表は編集部作成の例です。原因を確認できない場合は未確認として扱います。

説明を続けるか日を改めるかを相手と決める

認識の違いがわかっても、そのまま説明を始めてよいとは限りません。相手の都合、相手が説明を聞くことに同意した用件、残り時間を確かめて対応を決めます。

  • 今の意向を確認する 当初の承諾とは別に、今この場で説明を聞く意向があるかを確認します。
  • 用件と時間で判断する 確認できた用件を残り時間で扱える場合に、説明を続けるか相談します。
  • 判断の理由を残す 続行か日程変更かだけでなく、相手と確認した条件も記録します。

その場の対応を決める条件

場面すること記録
用件が一致する時間と意向を確認して説明を続けます。説明を承諾した範囲と使える時間を残します。
範囲を絞れる相手が聞くことに同意した範囲だけに説明を絞ります。扱う用件と扱わない用件を残します。
時間が足りない日を改める意向と連絡方法を確認します。必要な時間と次の連絡条件を残します。
用件が未確認確認が済むまで説明を始めません。未確認事項と確認する人を残します。
説明を望まない説明を終え、次の連絡を望むか確認します。終了の経緯と連絡の可否を残します。
表は編集部作成の例です。日を改めることも、相手の意向を確認して決めます。

説明は、相手が聞くことに同意した範囲に絞る

説明を続けると決まっても、持参した資料をすべて使う必要はありません。認識の違いを確認したあとに承諾された用件だけを扱います。

  • 扱う範囲を決める 説明を始める前に、今回扱う用件と使える時間を確認します。
  • 資料を選び直す 承諾された用件に必要な箇所だけを使います。資料の並び順に沿って全体を説明しません。
  • 今回決めないことを確認する 今回の範囲にない導入の判断は、当日の結論として求めません。決めない内容を相手と確認し、記録します。

説明の範囲を守るための対応

場面すること注意
概要のみを承諾概要を確認できる箇所だけ説明します。詳細な提案まで承諾されたと解釈しません。
資料が範囲外不要な箇所は使わず、関連箇所だけ示します。持参したことを理由に全体を説明しません。
別の質問が出る追加の用件を扱う意向と時間を確認します。質問をきっかけに説明全体を広げません。
判断を求めたい今回決める対象だったか確認します。相手が説明を聞くことに同意したことを、導入を判断することへの同意とは扱いません。
表は編集部作成の例です。途中で用件を追加する場合も、意向と時間を確認します。

次の連絡は確認する内容と方法まで決める

日を改める場合は、日程だけを決めても同じ認識の違いが残ることがあります。何を確認してから誰が連絡するかを、相手の希望に沿って決めます。

  • 連絡する人を決める 社内の連絡担当と相手側の連絡先を確認し、重複した連絡を防ぎます。
  • 確認してから連絡する 架電時の案内や出席者への共有など、先に確認する内容を決めます。
  • 連絡を望まない意向も残す 次の連絡が不要なら、その意向を記録します。再度の商談を前提にしません。

次の連絡までに決めること

決めること内容記録
連絡する人社内で誰が連絡を担当するか決めます。担当者名を残します。
連絡先誰に連絡すればよいか確認します。相手側の窓口を残します。
連絡方法相手が希望する連絡方法を確認します。使用する方法と宛先を残します。
先に確認すること次に連絡する前に社内で確認する内容を決めます。確認内容と確認する人を残します。
連絡の時期確認後にいつ連絡してよいか相談します。連絡する時期と、確認が間に合わない場合に誰がいつ状況を知らせるかを残します。
連絡の可否次の連絡を希望するか確認します。連絡不要の場合も明記します。
表は編集部作成の例です。連絡方法や宛先が未確認のまま、次の連絡を始めません。

食い違った箇所から記録と引き継ぎを直す

今回の認識の違いにつながった情報を、架電の記録から商談の準備までたどります。項目を増やすだけで終わらせず、意味が変わった箇所を直します。

  • 元の記録を残す 当初の記録を消さず、あとから判明した認識の違いを追記します。
  • 言葉と解釈を分ける 相手の発言を確認できる場合は、その言葉を残します。記録者の解釈は分けます。
  • 準備への反映を確認する 承諾の条件が商談担当者に伝わり、使う資料や説明の範囲に反映されたか確認します。

今回の認識の違いから見直す項目

見直す項目今の状態の確かめ方直し方
承諾した用件商談可とだけ記録されていないか読みます。何をすることに相手が承諾したか(説明を聞く、資料を受け取るなど)を追記します。
承諾の条件範囲や時間の条件が省かれていないか調べます。承諾時の範囲や時間の条件を省かずに残します。
相手の言葉発言と記録者の解釈を区別できるか読みます。確認できた発言と解釈を別欄にします。
案内の変更変更前後の案内を区別できるか調べます。変更内容と相手への伝達状況を追記します。
商談への引き継ぎ問題の条件が準備時に読まれたか確認します。今回食い違った条件を、商談の準備時に読んでいたか確認します。
表は編集部作成の例です。今回確認できた原因に対応する項目から見直します。

架電を外注している場合は事実を確認し、経緯を営業管理表に残す

架電を外注している場合は、外注先に、商談で確認した相手の認識と架電の記録の違いを具体的に伝えます。案内の実態と記録の書き方を確認し、回答も含めて営業管理表に残します。

  • 事実から確認を依頼する 商談時の相手の説明と記録の該当箇所を示し、原因の推測とは分けて伝えます。
  • 記録の意味を確認する 承諾を表す記載が何を意味するか、どの発言を根拠に書いたか確認します。
  • 回答後の対応まで残す 外注先の回答、判明した原因、記録の修正内容、次の対応を追記します。

営業管理表に残す経緯

記録項目書くこと
発生した商談商談日、相手先、出席者、対象の架電記録を残します。
認識の違い相手が承諾したと認識する用件と、営業側の記録を分けて書きます。
照合の根拠参照した記録の場所と、確認できなかった内容を書きます。
外注先への確認伝えた事実、確認事項、回答内容、確認日を書きます。
当日の判断説明の続行・日程変更・終了と、相手と決めた条件を書きます。
原因と次の対応原因の区分、記録の修正、次の連絡、社内で直す担当と期限を書きます。
表は編集部作成の例です。外注先の回答を受けても、当初の記録は消さずに追記します。

認識の違いへの対応を確認メモに書く

今回の経緯を使って、自社で確認することと判断する条件を書き出します。未確認の項目は、未確認と書いて確認する人と時期を添えます。

  • 事実を先に書く 相手の認識と記録の違いを書いてから、原因の区分を記入します。
  • 相手と決めたことを書く 説明の範囲と次の連絡条件を、実際に相手と確認した内容で記入します。
  • 次回に確認する項目を選ぶ 同じ食い違いを防ぐために、引き継ぎ時に確認する項目を決めます。

認識の違いを防ぐ引き継ぎの確認メモ

確認する項目自社の言葉で記入する欄
相手への確認聞く予定だった用件:/連絡元:/案内された内容:
記録との照合参照した記録:/認識が違う箇所:/未確認事項と確認する人・時期:
原因の区分伝え方・記録の要約・社内の引き継ぎ・相手側の共有から記入:/根拠:
その場の判断続行・日程変更・終了:/理由:/説明する範囲・決めないこと:
次の連絡連絡の可否:/誰から誰へ:/方法・時期:/先に確認すること:
社内見直し・記録見直す項目:/担当・期限:/次回の引き継ぎで確認する項目:/記録先:
表は編集部作成の例です。原因を確認できていない場合は、区分欄に未確認と記入します。