説明を統一するには変えない部分を先に決める必要がある

部署ごとに関心が違っても、利用の前提や提供条件の説明は変えません。営業担当者は依頼元と確認しながら、部署ごとに変える説明と変えない説明を分けます。

  • 共通して伝える内容を決める 説明会の目的と各部署の関心を整理し、共通して伝える内容を決めます。
  • 説明の違いを整理する 変えない条件と部署別の補足を分け、各部署からの質問や要望をどう扱うかを決めます。
  • 説明後の確認を決める 説明会の後に部署間の食い違いを確認する方法と、配った資料の版や回答を記録する場所を決めます。

説明会の組み立ては依頼元が期待する結果で変わる

説明会を開くだけでは、参加者に何を持ち帰ってもらうかは決まりません。依頼元が説明会の後に把握したいことや判断したいことを聞きます。

  • 期待する結果を聞く 各部署に共通の理解を作りたいのか、要望を集めたいのか、導入判断の材料にしたいのかを確認します。
  • 優先する目的を決める 目的が重なる場合は、説明会で何を優先して明らかにするかを依頼元と決めます。
  • 目的を越えた進行をしない 理解を深めるための説明会で導入への賛否を求めるなど、依頼元の目的を越えた進行を避けます。

目的に合わせて説明を組み立てる

依頼元の目的確かめること説明会の組み立て
社内の理解をそろえるどの前提や条件を共通理解にしたいかを聞きます。共通説明を中心に置き、理解の違いを確認します。
各部署の要望を集める何について要望を集めたいかを聞きます。提供範囲を示してから、要望を部署別に記録します。
導入の判断材料を集めるどの判断に何の情報が不足しているかを聞きます。判断に必要な条件と、未確定の事項を示します。
表は編集部作成の例です。目的が重なる場合は、依頼元と優先する内容を決めます。

部署別の説明には関心と共通条件の区別が必要だ

同じ商品でも、利用する立場と管理する立場では知りたい内容が違います。参加する部署と関心を依頼元に聞き、補足する内容を決めます。

  • 部署名で決めつけない 部署の名称から関心を推測せず、その部署が商品にどう関わり、何を知りたいのかを依頼元に聞きます。
  • 関心を説明に反映する 聞いた関心に合わせて、例に使う業務や詳しく説明する箇所を選びます。
  • 分からない関心は未確認と残す 依頼元にも分からない部署の関心は未確認として残し、確認できてから補足を調整します。

部署の立場から補足内容を考える

部署の立場関心の例依頼元に聞くこと
利用する部署日々の作業がどう変わるかを知りたいどの業務を例にすると理解しやすいかを聞きます。
管理する部署運用の負担や管理上の条件を知りたいどの管理業務への影響を説明すべきかを聞きます。
導入を判断する部署提供範囲や導入の条件を知りたいどの条件を判断材料として説明すべきかを聞きます。
表は編集部作成の例です。同じ部署が、利用・管理・判断の役割を兼ねる場合もあります。

共通の条件と部署別の補足を分ければ食い違いが分かる

部署ごとに合わせるのは、説明の入口と詳しく扱う箇所です。利用の前提・条件・提供範囲は共通にし、補足によって意味が変わらないようにします。

  • 共通条件を固定する 利用の前提、条件、提供する範囲を共通資料にまとめます。
  • 例と強調点を変える 部署の業務を例に使い、関心のある箇所を詳しく説明します。制約は省きません。
  • 変更は全体に反映する 条件が正式に変わった場合は共通説明を更新し、説明済みの部署にも知らせます。

変えない説明と変える補足を分ける

説明の要素変えるか理由
商品の前提部署ごとに変えません。利用に必要な前提を省くと、使えるかどうかの判断が変わるためです。
提供条件部署ごとに変えません。利用上の条件と制約を、同じ内容として理解してもらうためです。
提供範囲部署ごとに変えません。対応できることと対象外のことを、全部署に同じ内容で伝えるためです。
例に使う業務部署の関心に合わせて変えます。自部署の業務に置き換えて理解できるようにするためです。
強調する点部署の関心に合わせて変えます。共通の条件を保ったまま、知りたい内容を詳しく説明するためです。
表は編集部作成の例です。部署ごとに適用される条件が違う場合は、その違いも共通説明に含めます。

条件を省いた回答は同じ内容の説明とは限らない

回答の結論だけを共有すると、条件つきの説明が無条件の約束として伝わるおそれがあります。質問の前提と回答の条件を一緒に残します。

  • 回答を記録して参照する 質問、回答、回答時の前提を記録し、別の部署で同じ質問が出たときに参照します。
  • 条件も一緒に伝える 前提が違えば回答も変わることがあります。回答が変わる根拠を示し、条件と結論を組にして伝えます。
  • 食い違いを訂正する 以前の回答に誤りがあれば、依頼元と該当部署へ訂正内容と理由を知らせます。

質問と条件を対応させて回答する

場面すること避けること
同じ質問が出る記録を参照し、前提が同じかを確認して答えます。記憶だけで答えて説明を変えること
条件つきで答える結論と、その結論が成り立つ条件を伝えます。結論だけを伝えて条件を省くこと
前提が異なる回答が変わる理由を前提の違いとともに示します。理由を示さずに部署によって結論を変えること
以前と食い違う正しい回答を確認し、伝達済みの相手にも訂正します。その場の回答だけを直して済ませること
表は編集部作成の例です。未確認の内容は推測で答えず、未回答として扱います。

部署からの要望を聞くことと対応の約束とは違う

説明会で出た希望と、自社が提供を約束した内容は分けて扱います。要望は依頼元に集めてもらい、部署間の調整と自社の対応可否の確認を進めます。

  • その場で引き受けない 要望を記録することと対応を約束することを区別し、未確認の変更を引き受けません。
  • 依頼元にまとめて渡す 要望した部署、背景、現行の提供条件との違いをまとめ、依頼元へ共有します。
  • 相反する要望を示す 両立しない要望を並べて示し、どちらを優先するかの判断を依頼元に求めます。自社でも対応可否を確認します。

要望と提供の約束を分けて扱う

要望の種類扱い依頼元に伝えること
補足説明の希望共通条件の範囲で補足し、内容を記録します。どの部署が何を詳しく知りたかったかを伝えます。
条件変更の希望その場で約束せず、自社で対応可否を確認します。現行条件との差と、確認が必要な事項を伝えます。
提供範囲外の希望現行の提供範囲外であることを明示します。希望の背景と、対応が未確定であることを伝えます。
部署間で相反する要望両立しない点を示し、依頼元に調整を求めます。各部署の希望と、どちらを優先するか判断が要る点を伝えます。
表は編集部作成の例です。依頼元の希望が決まっても、自社の対応可否は別途確認します。

未回答の質問は回答先と期限を決めれば残らない

その場で答えられなくても、質問を記録して回答まで管理できます。確認する担当、期限、回答先を決め、共通条件に関わる回答を全部署へ届けます。

  • 未回答を明示する その場で答えられない質問は、質問の内容と答えられない理由を残します。確認できていない内容を推測で補いません。
  • 回答までの担当を決める 確認する担当と期限を決めます。期限までに確定しなければ、状況と次の確認予定を伝えます。
  • 共通条件に関わる回答は全部署に届ける 依頼元と回答先を決め、共通の条件に関わる回答は全部署へ同じ内容で届けます。部署固有の内容は共有する範囲を依頼元と確認します。

未回答から回答共有までを管理する

場面すること記録
その場で答えられない未回答であることを伝え、質問を記録します。質問、質問元の部署、未回答の理由を書きます。
自社で確認する確認する担当と期限を決めます。確認事項、担当、期限を書きます。
回答が確定する依頼元と回答先を確認し、回答が当てはまる条件を添えて共有します。回答内容、条件、共有先、共有日を書きます。
確定が遅れる状況と次の確認予定を回答先へ伝えます。遅れている理由と次の確認予定を書きます。
全部署へ共有する共通条件に関わる回答が届いたかを確認します。共有済みの部署と未共有の部署を書きます。
表は編集部作成の例です。部署固有の情報を含む場合は、共有する範囲を依頼元と確認します。

共通の版を配って記録すれば古い説明を防げる

部署別に資料の本文を作ると、条件の修正が一部の資料だけに反映されるおそれがあります。本文は全部署に共通の版にし、部署別の補足は別紙に分けます。

  • 共通の本文を配る 利用の前提・条件・提供範囲を同じ本文に載せ、全部署に同じ版を配ります。
  • 補足は別紙に分ける 業務の例や詳しい説明を別紙にまとめ、どの版の本文に対応する補足かを明記します。
  • 更新を配布先へ知らせる 本文を更新したら、変更点と更新後の版を全部署へ知らせ、配布の記録も更新します。

本文・補足・更新した資料を区別する

資料扱い注意
共通の本文全部署に共通の版を配ります。部署ごとに条件や提供範囲を書き換えません。
部署別の補足本文から分けた別紙にします。本文の版を明記し、条件を追加・変更しません。
質問への回答共通回答として管理し、対応する版を示します。回答だけを読んでも条件が分かるようにします。
更新した本文変更点を添え、全部署へ同じ版を案内します。旧版の配布先にも更新を知らせます。
表は編集部作成の例です。版は資料を識別できる表記にし、配布日と配布先も残します。

説明会が終わっても部署間の理解が同じとは限らない

同じ資料を使っても、部署ごとに違う条件として理解されている場合があります。依頼元と理解の違いや要望の相反を確認し、次の判断に必要な対応を決めます。

  • 理解した条件を確認する 説明が分かりやすかったかだけでなく、各部署が商品をどの条件で使えると理解したかを確認します。
  • 違いの原因を分ける 食い違いの原因を、説明不足、誤った回答、部署の希望の三つに分けます。原因ごとに、訂正、補足、要望の調整のどれを行うかを決めます。
  • 次の判断に必要な点を聞く 依頼元が次に何を判断するかを聞き、不足する回答や調整事項を整理します。

食い違いの種類から対応を決める

確かめること聞き方の方針自社の対応
理解の違い各部署が理解した前提・条件・範囲を具体的に確認します。共通説明との差を特定し、補足または訂正します。
要望の相反両立しない希望と、その背景を分けて確認します。対応可能な範囲を示し、どちらを優先するかの判断を依頼元に求めます。
回答の未共有回答が届いていない部署がないかを確認します。未共有の部署へ同じ回答と条件を届けます。
依頼元の次の判断判断する事項と、不足している情報を確認します。追加回答や調整の担当と期限を決めます。
表は編集部作成の例です。理解の違いを訂正しても、各部署が同じ希望を持つとは限りません。

説明の記録には回答の条件と未決の事項が要る

開催した事実だけでは、次の説明で何を引き継ぐべきか分かりません。使った資料、回答の条件、未回答や要望を営業管理表から参照できるようにします。

  • 説明の根拠を残す 参加部署と説明した版を対応させ、どの資料を根拠に説明したかを残します。
  • 未決事項を埋もれさせない 未回答と要望を回答済みの内容から分け、担当、期限、現在の状況を記録します。
  • 詳細の保管先を示す 資料や詳しい回答を別に保存する場合も、営業管理表にリンクや保管先を残します。

説明の内容と残った対応を記録する

記録項目書くこと
目的・参加部署開催日、依頼元の目的、参加部署と各部署の関心を書きます。
説明・配布した版説明した本文の版、配った版、補足資料と保管先を書きます。
質問と回答質問元の部署、質問の前提、回答と条件、訂正の履歴を書きます。
未回答未回答の理由、確認担当、期限、回答先、共有状況を書きます。
部署からの要望要望元と背景、対応可否、相反する内容、依頼元への共有状況を書きます。
依頼元との確認理解の食い違い、確認した結論、次の対応と担当・期限を書きます。
表は編集部作成の例です。後から読む人が、確定した内容と未決の内容を区別できるようにします。

確認表に依頼元と確認した内容を残す必要がある

ここまでの内容を、自社が行う説明会に当てはめて書き出します。準備のときに書いた内容へ、説明会後の回答や依頼元との確認結果を追記します。

  • 共通説明を言葉にする 依頼元の目的と部署の関心を踏まえ、変えない条件と変える補足を書き分けます。
  • 未確認と未決を分けて書く まだ確認していない項目には未確認と、確認したが決まっていない項目には未決と書き、確認する相手と担当・期限を添えます。
  • 説明後に更新する 回答、要望、資料の版、依頼元との確認結果を追記し、営業管理表にも残します。

複数部署への説明会の確認表

確認項目自社で記入する内容
目的・部署依頼元の目的:/参加部署と関心:
説明の区分変えない部分:/部署ごとに変える部分:
質問と要望答えた質問と未回答:/部署からの要望:
資料の版配った資料の版:/部署別の補足:
依頼元との確認理解の違い・要望の相反:/確認結果と次の対応:
記録先営業管理表の記録先:/資料・回答の保管先:
表は編集部作成の例です。未回答や未確認の項目には、担当・期限・共有先も添えます。