商談の手応えと受注の見込みを分けて考える

前向きな言葉を聞いても、購入が決まったとは限りません。相手の発言から確認できた事実を取り出し、残る条件と一緒に見込みを判断します。

  • 判断の根拠を決める 商品の感想と購入の意思を分け、何に合意したかを根拠として書きます。
  • 残る条件を明らかにする 購入に必要な条件と、その条件に対応する人と判断する人を記録します。不明な点は不明なまま示します。
  • 社内への説明を決める 現時点の見込みに、判断の根拠と残る条件を添えます。状況が変われば説明も更新します。

感触だけで見込みを判断すると社内の予定が狂うおそれがある

好意的な感想を発注予定として伝えると、社内で人員や売上の予定を誤って組むおそれがあります。感触を説明する言葉と、予定の根拠になる事実を分けます。

  • 感想を発注の予定にしない 好意的な評価だけでは、発注する意思や予定は確認できません。感想を発注の予定として社内に伝えません。
  • 希望時期を予定にしない 自社が受注したい時期を、相手の購入予定として報告しないようにします。
  • 説明できる根拠を使う 手応えがあるという報告で終わらせず、何を確認してそう判断したのかを書きます。

感触による判断が社内の予定に及ぼす影響

起きること社内に起きること防ぎ方
感想を発注の意思と受け取る発注がある前提で人員を確保します。相手が購入の意思や予定について述べた内容を添え、なければ未確認と書きます。
自社の希望時期を相手の予定として伝える自社の希望で売上の予定を組みます。相手の予定と自社の希望を分けて書きます。
根拠が書かれない報告された見込みが何に基づく判断か確認できません。判断の根拠と未確認の点を書きます。
表は編集部作成の例です。

相手の発言と自分の解釈を分けて書く

導入に前向きという受け止めは、相手の発言ではなく自分の解釈かもしれません。商談の記録を見直し、実際の発言と、そこから考えたことを別々に書きます。

  • 発言を記録から確認する 商談の記録から、相手が言った内容を確認します。正確に分からない言葉は、発言として断定しません。
  • 解釈を別に書く 購入したいのだろうと考えた場合は、自分の解釈だと分かる欄に書きます。
  • 解釈を確かめる 解釈が正しいか判断できるよう、購入の意思や条件について確認が必要な点を書きます。

発言と解釈を書き分ける

区分書くこと確かめ方
相手の発言社内で使えるか確認したいという発言商談の記録で言葉と前後の文脈を確認します。
自分の解釈購入を前向きに考えていると感じた解釈として記録し、購入の意思を確認します。
確認が必要な点使えると分かれば購入するのか、別の判断が残るのか利用可否の確認後に何を判断するのかを相手に尋ねます。
表は編集部作成の例です。発言の要約は、引用と区別して記録します。

商品の感想と購入の意思を区別する

商品を高く評価していても、購入する意思があるとは限りません。何を評価したのかと、購入について何を述べたのかを分けて確認します。

  • 評価した内容を残す 機能、使いやすさ、説明など、何への感想だったかを書きます。何への評価かを省いて好評とだけ書きません。
  • 購入の意思を確認する 購入したいという発言も、誰の意思なのか、条件が付いていないかを確認します。
  • 感想だけで判断しない 購入についての発言がなければ、購入の意思は未確認と書きます。感想が好意的だったことを購入の意思の代わりにしません。

感想と購入についての発言を分ける

相手の発言の種類意味すること扱い
商品の感想商品の機能や使いやすさへの評価です。購入するかどうかは含みません。評価として記録し、購入の意思とは分けます。
検討する意思検討の対象にするという意思です。購入を決めたことは含みません。購入を決めたとは扱いません。
購入する意思発言者本人が購入したいという意思です。組織の決定とは限りません。組織としての決定か、条件があるかを確かめます。
表は編集部作成の例です。どの発言も、それだけで受注が決まったことを示すものではありません。

相手が何に合意したのかを確かめる

お願いしますという返答も、直前に何を提案したかで意味が変わります。資料の確認、検討、購入のどこまで合意したのかを言葉で確かめます。

  • 返答の対象を確かめる 資料を送る提案への了承なら、資料の送付を了承したという記録にとどめます。資料を読むことや検討することまで合意したとは扱いません。
  • 検討と購入を分ける 検討することへの合意を、購入することへの合意に読み替えません。
  • 合意した範囲を書く 購入を決めたとの返答でも、対象の商品や条件、決定の権限、未決定の範囲を確認します。

合意が含む範囲を確認する

合意した内容含むこと含まないこと
資料の送付送付を受け取ります。資料を読んで検討すること。商品を購入すること。
導入の検討導入するかどうかを検討します。検討の結果として購入すること。
購入の決定確認した対象と条件で購入を決めます。未合意の商品や条件を承諾すること。
表は編集部作成の例です。合意の範囲は、その場の発言と条件から確認します。

前向きな返答に付いている条件を省かない

条件が合えば購入したいという発言から条件を省くと、判断の根拠が変わってしまいます。前向きな言葉と、その言葉に付いた条件を一緒に記録します。

  • 条件を発言と一緒に残す 予算内なら、承認が取れればなど、購入の前提となる言葉を省かずに書きます。
  • 条件が満たされたかを確かめる 自社が説明したり資料を渡したりしただけでは、条件が満たされたかは分かりません。相手が確認した結果を記録します。
  • 残る条件を判断に添える 条件が残っている間は、購入が決まったとは扱いません。前向きな意思と残る条件を併記します。

条件付きの返答を省略せずに残す

場面確かめること記録
予算内なら購入提示金額が予算に収まると確認されたか予算内なら購入したいとの発言。予算との照合は相手が未確認。
連携できれば購入必要な連携内容を満たすと確認されたか連携できれば購入したいとの発言。仕様は自社が回答済み。相手の確認結果は未確認。
承認されれば購入必要な承認が得られたか承認されれば購入したいとの発言。社内承認は相手側で未了。
表は編集部作成の例です。条件が満たされても、ほかに残る条件がないか確認します。

残る条件は対応する人と判断する人で分ける

仕様への回答は自社で用意できますが、予算や承認の判断は相手側に残ります。条件ごとに、誰が対応し、誰が満たしたかを判断するのかを分けて書きます。

  • 自社で回答する 仕様や見積もりなど、自社が回答する内容を具体的に書きます。回答後に相手の判断が残るかも確かめます。
  • 相手側の判断を分ける 予算の確保や社内承認は、相手側で判断する条件として記録します。自社が回答したことと、相手が判断を終えたことを区別します。
  • 第三者の判断を分ける 外部の関係先の確認が必要なら、判断する先と確認内容を書きます。結果を推測で補いません。

条件ごとに対応する人と判断する人を分ける

条件の区分例自社がすること
自社の回答必要な仕様への対応可否を回答します。回答を示し、条件を満たしたか相手に確認します。
相手側の判断予算の確保や社内承認を判断します。判断に必要な情報を示し、結果を確認します。
第三者の判断外部のシステム管理会社が接続可否を判断します。必要な情報を示し、相手を通じて結果を確認します。
表は編集部作成の例です。同じ条件でも、自社の回答後に相手側の判断が残る場合があります。

購入時期は、相手が決めていなければ未定、聞けていなければ未確認と記録する

相手が示した時期は、検討や社内会議の予定かもしれません。何をする予定なのかを確かめ、相手が購入時期を決めていなければ未定、聞けていなければ未確認と記録します。

  • 何の予定かを確かめる 時期だけを書き写さず、資料の確認、社内審議、購入のどれを予定しているのかを書きます。
  • 検討と購入の時期を分ける 検討を始める時期や会議の日程から、購入の時期を推測しません。購入の時期は別に確かめます。
  • 未定の理由を添える 相手が購入時期を決めていなければ未定と記録し、予算判断待ちなどの理由が確認できた場合は添えます。聞けていなければ未確認と書きます。

時期と、その時期に行うことを記録する

相手が示した時期確かめること記録
次の社内会議会議で検討するのか、購入を決めるのか社内会議で検討する予定です。購入時期は別に確認し、未確認なら未確認と書きます。
予算が決まった後予算確定後に検討するのか、購入するのか予算確定後に購入を判断する予定です。購入時期は相手が決めていないため未定です。
来期に購入したい希望なのか、組織として決めた予定なのか発言者は来期の購入を希望しています。組織としての予定は未確認です。
時期はまだ未定時期を決められない理由が分かるか購入時期は相手が決めていないため未定です。理由は未確認です。
表は編集部作成の例です。購入の予定が示されても、受注の確定とは扱いません。

確認できていないことを判断の根拠にしない

承認されるはず、予算はありそうといった見立ては、確認できた事実ではありません。誰から何を確認したのかを示し、未確認であることだけを理由に購入するともしないとも決めません。

  • 情報の確認元を残す 発言者、確認日、メールや商談記録などの確認元を書きます。伝聞は伝聞だと分かるようにします。
  • 未確認と明記する 確認していない承認や予算は未確認と書きます。空欄にして、問題がないように見せません。
  • 未確認を理由に結論を出さない 情報が未確認であることだけを理由に、相手が購入するとも購入しないとも決めません。判断できない範囲を示します。

確認の程度に応じて根拠を扱う

根拠の区分扱い注意
確認した発言発言者と確認元を添えて使います。個人の意向を組織の決定と読み替えません。
伝聞の情報誰を経由した情報かを明記します。確認元が示す範囲を超えて断定しません。
自分の推測解釈として分けて書きます。確認できた事実の代わりに使いません。
未確認の情報不明な点として残します。購入するともしないとも決める材料にしません。
表は編集部作成の例です。確認元があっても、内容が現在も変わっていないか確かめます。

根拠を更新し、見込みと残る条件を一緒に説明する

以前の購入意向が記録に残っていても、予算や方針が変われば判断を見直します。今の根拠で言えることと、残る条件や不明な点を一緒に社内へ伝えます。

  • 以前の根拠と比べる 何を根拠に判断していたかを確認し、変わった事実と確認日を追記します。
  • 現在の判断を書き直す 以前の判断は履歴として残し、現在の意思、条件、購入時期に基づいて最新の判断を書きます。
  • 見込みに条件を添える 購入の意思を確認できていても、必要な承認がまだ得られていないことや、購入時期が決まっていないことを説明から省きません。判断できない範囲も伝えます。

状況が変わった案件の社内説明

記録項目書くこと
以前の根拠予算内なら購入したいとの発言があった
変わったこと予算を見直すため、購入の判断を保留すると連絡があった
現在の判断購入判断は保留中。以前の購入意向だけでは見込みを判断できません。
残る条件相手側で予算を再検討する必要があります。
不明な点予算見直し後の購入意向と購入時期は未確認
社内への説明購入判断は保留中です。予算の再検討が残り、その後の購入意向と時期は未確認です。
表は編集部作成の例です。実際の記録には、変更の確認日と確認元を添えます。

確認した事実と残る条件から見込みを判断する

商談の記録を見ながら、確認できた内容を下の表に書きます。確認していない事項は未確認、相手がまだ決めていない事項は未定と書き、最後に現時点の判断を根拠と一緒に言葉にします。

  • 発言と合意から書く 相手が購入について述べた言葉と、合意した範囲を記録から書き出します。
  • 条件と不明点を残す 残る条件には、対応する人と判断する人を添えます。購入時期が未定なら未定と書きます。
  • 判断と根拠を一緒に書く 現時点の判断と、何を確認できたためにそう判断するのかを書きます。未確認の情報で結論を補いません。

受注の見込みを判断する表

記録項目書き込む欄
相手の意思購入についての発言:/発言者・確認日・確認元:
合意した内容何に合意したか:/合意に含まれないこと:
残る条件条件:/対応する人・判断する人:/満たされたか:
購入時期購入の予定・希望・未定:/その確認元:
不明な点確認できていないこと:/判断への影響:
判断と根拠現時点の判断:/確認した根拠:/残る条件:/更新日:
シートは編集部作成の例です。状況が変わったら該当欄と判断を更新します。